フジケン(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『フジケン』とは、小沢としおによる日本の不良ギャグ漫画である。1998年から2002年まで『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で連載。単行本は全22巻。不良漫画、学園漫画、ギャグ漫画など多面性のある漫画だ。主人公の富士山健作(通称フジケン)と主要キャラクターたちの高校三年間の熱い友情が、下ネタやギャグを盛り込みながら面白おかしく描かれている。気軽に読めて笑える漫画だが、そこに描かれている友情は本物だ。

『フジケン』の概要

『フジケン』とは、小沢としおによる不良ギャグ漫画である。主人公は、一見するとヤンキーぽくない平凡な見た目のフジケンこと富士山健作。彼の通う波浜高校と、その周辺のヤンキー校の生徒たちとの交流や喧嘩が主に描かれている。フジケンたちは、基本喧嘩をするか下ネタを言っているかというくらいお気楽な高校生。下ネタ・パロディ・芸能ネタなどが頻繁に出てくる。1巻の1ページ目から人を殴る音で始まり、見開きでヒットの瞬間を迫力満点に描く『フジケン』。喧嘩シーンも見所のひとつで、拳のぶつかり合いや血しぶきが飛ぶ様は、手に汗握るスリルがある。喧嘩シーンだけでなく、くだらない下ネタなどもよく出てくるので、スリルと笑いがある飽きのこない展開になっている。また漫画『フジケン』の魅力のひとつでもあるのが、熱い友情だ。友だちの為にする喧嘩、喧嘩を通じて仲間になっていく様、友だちの気持ちを重んじて喧嘩に手を出さないなど、リアルな高校生の友情が描かれている。1998年から2002年まで「週刊少年チャンピオン」に連載されていた。単行本は全22巻。

『フジケン』のあらすじ・ストーリー

波浜高校に入学した桜田紋二(さくらだもんじ)は、1年最強の座を狙い、強そうなやつと次から次へと喧嘩をしていく。しかし、倒した不良たちからたびたび「7組のフジケンとはもうやったのか?」と言われる。「フジケン」が、気になった紋二と、紋二に負け行動を共にする秋山優二(あきやまゆうじ)は彼のいる7組へと向かう。富士山健作(ふじやまけんさく:通称フジケン)は、クラスメイトとエロ本で盛り上がっていた。紋二は、喧嘩をする気がないフジケンを放課後に呼び出した。現れたのはフジケンではなく、彼の幼馴染の加納豊樹(かのうとよき)だった。豊樹は紋二に「フジケンはこない」と伝えにきたのだ。フジケンは、女手一つで育ててくれた母親が自分のために頭を下げる姿をもう見たくないので、高校ではもう喧嘩をしないと決めていたのだ。それだけ伝えて立ち去ろうとする豊樹に紋二は、「ツレがぶん殴られても黙ってる男かね、富士山ってのは」と言い、喧嘩になる。翌日、フジケンが学校に行くと殴られてひどい顔をした豊樹の姿があった。頭にきたフジケンは、紋二と秋山を探し、一発で秋山を殴り飛ばした。ツレを大事に想うフジケンと、最強の座を狙う紋二のタイマンが始まった。
互角の殴り合いをするが、最後はフジケンの一発で紋二が倒れた。翌日、フジケンと豊樹、紋二と秋山が廊下で遭遇する。フジケンと紋二は和モノのアダルトビデオで意気投合し、四人で仲良くなった。ここから波浜の4人と、その周辺のヤンキー校との青春物語が始まるのである。

中学時代、黒崎のヤンキーに勝ったフジケン

フジケンが、南二中に通っていた頃。彼は、ヤンキー校で有名な黒崎の高校生4人にからまれた。高校生のヤンキー4人を、中学生のフジケン一人で倒してしまった。やられっぱなしでかっこつかないので、黒崎のアタマたち8人がフジケンを呼び出したのである。しかし黒崎のヤンキーにビビって中学生だった豊樹たちは何もできなかった。喧嘩の最中に、黒崎の一人がフジケンの頭を自転車のチェーンで殴った。その頃フジケンは毎日阪神の帽子を被っていた為、助かったのである。それを機にキレたフジケンは、目に入った奴をかたっぱしからぶん殴って黒崎のヤンキーたちは殺されかけたほどだった。フジケンは、普段から強いが、キレてからのほうが怖いほど強くなるのである。そしてその中学の時の喧嘩は、フジケンの伝説的な話になった。

ブンタとケンさん

フジケンは、バイト先のガソリンスタンドで波浜のトップと言われていた三島と出会った。トップと言われていたが、今は「仏の三島」と言われるほど穏やかで、喧嘩をしなくなっていた。三島には、喧嘩をできない理由があるのだ。今度喧嘩をしたら退学となり、決まっている就職もパアになってしまう。そうなると自分を育ててくれた姉に迷惑がかかると思い、喧嘩を辞めているのである。そこへ転校してきた金持ちの息子の印葉が、金に物を言わせて三島からトップの座を奪おうとしていた。印葉に騙された紋二も、三島のことを良く知らず、殴り返してこない彼のことを一方的に殴ってしまった。喧嘩をしない三島に嫌気がさしたかつての仲間たちも印葉の方へ付いてしまった。紋二は、フジケンと秋山から三島の話を聞き、自分が印葉に騙されていたことに気付いた。紋二は、騙されていいように使われたことが頭にきて、印葉たちに喧嘩を売りに行ったが、ボコボコにされてしまった。その紋二を発見したフジケンは、友だちの為に印葉たちのたまり場へ殴り込みに行くことにした。三島はフジケンに、一人では無理だから一緒に行くと言ってくれた。しかしそれでは今までの我慢が無駄になってしまう。そこでフジケンが思いついた策が、変装だった。フジケンが、セーラー服で、三島が仮面を被った男だった。おかしな変装をしたくない三島が、「オレは…菅原文太と高倉健を敬愛する男なんだぞ」と抵抗する。しかしフジケンに説得されて変装をして、印葉の元へ行くことになった。二人は、どんどん彼の仲間を倒していった。印葉の仲間たちも、彼がうわべだけの人間で、人に指示だけだしてる弱い男だということに気付いたのだ。追い込まれた印葉はこりずにフジケンにも金を差し出す。そんな彼をフジケンは思いっきり殴った。周りも三島だと気づいていたが、「オレらを殴ったのは仮面被ったどっかのバカだ」と誰も学校には言わないでくれたのである。

桜田紋二という男

陽南のトップの藤堂の手下が、波浜にフジケンを呼び出しにきた。藤堂は、波浜で一番強いと言われているフジケンと喧嘩をしてみたいと思っていた。フジケンへの伝言を頼んだ相手が、紋二であった。彼は、フジケンには伝えず自分が呼び出し場所へと向かった。その頃フジケンたちは、姿が見当たらない紋二は、パチンコにでも行ったのだと思っていた。波浜で一番強い奴とやりたい藤堂だが、紋二は自分がフジケンより弱いと思ったことはないと断言する。それか二人のタイマンが始まった。勝つ手段を選ばない藤堂は、カラースプレーを紋二の目に向けて噴射し、警棒まで使った。紋二は、頭から血を流しボロボロになってしまう。しかしそこで倒れたままにはならないのが「男・桜田」である。去ろうとする藤堂に後ろから掴みかかり投げ飛ばした。このタイマンは、紋二が勝ったのだ。紋二の熱い戦いも知らず、フジケンたちは豊樹の家でゲームを楽しんでいた。

母と子の食卓

放課後、いつものように遊びに行こうとする紋二たち。しかしフジケンは、「今日はやめておくわ…」と来なかった。彼の母親が、風邪を引いて寝込んでいたのだ。フジケンは、母親に料理でも作ってあげようと考えていたのだ。フジケンが、何を作ったらいいのか悩んでいるところへ紋二がやってきた。彼は、フジケンの様子がいつもと違う気がして来てみたのだ。事情を聞いた紋二も、フジケンの母親の為に料理を作ることにした。フジケンは、「チキンカレー」、紋二は、「サバの味噌煮」を作ることにしたが、二人とも作ったことがない料理に四苦八苦。そこへマコトがやってきた。事情を知った彼女もフジケンの母親の為に、「鍋」を作って自分の株を上げようと考えた。なんとか完成した料理をみんなで食べることになった。フジケンの母親は、フジケンと紋二の料理を見た目は悪いが「うまい」と食べてくれた。問題はマコトの料理である。マコトは料理が苦手で今まで一度も成功したことがないのだ。彼女の鍋を一口食べたフジケンの母親は、トイレへと向かった…。フジケンの母親は、フジケンたちの看護のかいがあって風邪は治ったが、代わりに二日間下痢に悩まされたのである。

ヤンキー野球軍

ある日、波浜対黒崎で草野球の勝負をしていた。その三日前にフジケンがバッティングセンターで水野と遭遇した。水野が、中2までリトルリーグに入っていてピッチャーで4番だったと聞いたフジケンが、試合をしようと言い出したのだ。しかもフジケンが、負けた方が入れられた点数×1万円という賭けをしようと提案したのである。波浜のピッチャーはフジケン、キャッチャーは紋二。自分が言い出しっぺなのにフジケンがしょぼいピッチャーな為に波浜は劣勢に。不穏な空気を察したフジケンは、「俺…右肩に…バクダン抱えてんだ」と嘘をついてみるが、バレバレすぎてさらにみんなの反感をかってしまった。しかしフジケン以外のがんばりもあり、一進一退の戦いが続いていた。最終回14対11で黒崎が3点リードしている中、フジケンがアウトになり、次でラストのバッターは誰だ?となった。なんと最後は、いじめられっ子でフジケンに憧れ、一時期彼になりすましていた岸田だった。負けたら14万、波浜のみんなが負けを悟った時、フジケンが「ピンチヒッター!!」と呼んだのが、影山だった。フジケンが、彼のエロビデオのことを言いふらすのをやめるという交換条件で来てくれたのだ。影山は、地元の店でエロビデオを買うのは恥ずかしいので、少し遠くの店に行きインディーズの巨乳モノのビデオのパッケージを見ていたのをフジケンに目撃されていたのだ。水野は最後の球を全力投球したが、影山にヒットを打たれてしまった。15万と盛り上がるフジケン、影山は波浜じゃないだろと騒ぐ水野、影山のエロビデオを拾って彼から膝蹴りをくらう紋二、門口は秋山にスライディングした時わざと蹴っただろうと、最後までにぎやかな野球大会であった。そして当然2回目の野球大会はなかった。

『フジケン』の登場人物・キャラクター

波浜高校

富士山 健作(ふじやま けんさく)

フジケン

『フジケン』の主人公。ケンカが強く波浜高校のトップ。見た目は背が低く強そうな感じではない。あまりモテず、ナンパをしても成功する事は殆どない。若い女に走った父に捨てられたので、母子家庭である。巨乳好き。芸能人では、広末涼子やモーニング娘。の飯田圭織のファンである。また周りに影響されやすい性格で、相田みつを(を模したのりおという登場人物)の真似をして、メッセージで商売してみたり、『電波少年』で朋友(パンヤオ)を見てヒッチハイクで旅をしたりした。プラモはガンプラしか作らない派。

桜田 紋二(さくらだ もんじ)

桜田 紋二(左)とフジケン(右)

フジケンと同じ波浜高校に通っている友達。フジケンと二人で、波浜のツートップ的な存在。坊主にヒゲで、見た目が老けているのが特徴。その見た目のせいでパチンコで仲良くなった女性に30代とだと思われたり、教育実習生に先生と勘違いされた。特技はパチンコ。フジケン同様にモテない童貞キャラ。

加納 豊樹(かのう とよき)

フジケン(左)と加納豊樹(右)

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