七つの魔剣が支配する(ななつま)のネタバレ解説・考察まとめ

『七つの魔剣が支配する』とは、宇野朴人による電撃文庫のファンタジーライトノベルおよび、2023年7月から放送された魔法と剣が交差する世界を舞台にした異世界ファンタジーアニメである。独特の美学と複雑なキャラクターが特徴で、主人公たちの成長と冒険を描く。魔剣を巡る戦いと友情の物語は、多くのファンを魅了している。アニメは小説の魅力を色鮮やかな映像で表現し、緊張感あるストーリーラインが視聴者を引き込む。

カティの母で、彼女の天然の巻き毛と顔立ちがカティに似ている。カティが魔法に飲み込まれそうになっている状況に深い憂慮を抱いており、そのようなカティを受け入れたオリバーには本意ではないものの、杖を向けざるを得なかった。

ダリオ=ロッシ

トゥリオ=ロッシの兄。

ミシャクア=マクファーレン

エルフの母親であり、シェラの育ての親。彼女は厳しくも子供たちには優しい心を持ち、子供たちが喜ぶ「人食いエルフ」の行事を主催し、自らもその役を演じている。演技中には魔法を駆使して、子供たちにとって忘れられない体験を提供するのだ。オリバーを含む子供たちとの時間を大切にし、彼らと遊ぶために他の予定を調整するほど、子供たちとの関わりを大切にしている。

ダニエル=ポロック

亜人種を対象とした人権運動をしているフェザーストン魔術学舎の3年生。

ジェイコブ=ラトランド

異端狩りの第六隊を率いる壮年の男性で、「静海」という異名を持つ。彼は、海棲魔獣が引き起こした200フィートを超える大津波から都市を守り抜いたことで知られており、その勇敢な行動が「静海」という名前の由来になった。彼の部隊は異界の神霊15体との戦いに挑み、2体を倒すことに成功したが最終的には部隊は壊滅し、ジェイコブ自身も深い傷を負う。彼は友人クロエに最後の介錯を依頼し、火葬呪文でこの世を去った。彼の勇敢な姿は、静かな海の上に立つ魔法使いとして、住民たちに記憶されている。

エヴィト

聖光教団における導師であり、大司祭としての高い地位を保持している。彼は「五角形(ペンタゴン)」の一員として、長年にわたり異端狩りのブラックリストに名を連ねてきた。彼の武器は五角棒の長杖で、天を統べる法則に基づいた神秘的な力を操る。彼の力は、六十年戦争で名を馳せた英雄たちとも匹敵し、時にはそれを超えることもあるのだ。エヴィトは、永遠に乾かない海綿を使い、オリバーたちを含む普通の人々を壊滅の危機に追いやったこともある。彼の存在はその強大な力と長い歴史によって、多くの人々に知られ、恐れられている。

『七つの魔剣が支配する』の用語

世界関連

魂魄融合(ソウルマージ)

魂魄融合(ソウルマージ)は、他者の魂を自己の魂に融合させ、その性質や経験を取り込む技術。この技術は祖種の血に由来しており、シャノンのように祖種の血を濃く受け継いでいる者にのみ可能。魂を直接観測する手段がほとんどなく、魂魄学が未発達であるため、この技術の証明は困難である。エンリコのような博識な者であっても、概念を理解するのが精一杯。歴史上、他者の魂を自らのものとすることは、わずかな亜人種にのみ可能だったとされる難しい業である。特に人間や魔法使いは、個が強く、魂は異物の流入を容易に受け入れるようにはできていない。そのため、魂同士を融合させる際のストレスは非常に大きく、魔法使いには本質的に向いていない。魔法使いが魂魄融合を行う場合、心身を極限状態に置いて魂の抵抗作用を弱めるか、取り込んだ魂を屈服させる必要がある。肉体が取り込んだ魂の才能に追いついていない場合、身体は動くたびに崩壊し、クロエのような規格外の魂を持つ者は全身が爆発するリスクがある。また長時間または高頻度で魂魄融合を行うと、魂の変質を引き起こし人格に不可逆の影響を及ぼすだけでなく、肉体にも変異をもたらす。詠唱は「ふたつの魂よ(ドウエデトローニ)、融けてゆけ(ミーシェ)、混ざりゆけ(ミーシェ)」という言葉で行われる。この技術は、その使用者にとって大きなリスクを伴うが、同時にその能力は計り知れないほどの可能性を秘めている。魂魄融合は、魔法使いの世界において、極めて特殊かつ強力な技術として位置づけられているのだ。

東方(エイジア)

連合(ユニオン)から遠く離れた地域であり、正式な国交がほとんど存在しないため、その情報は断片的にしか知られていない。交易船や冒険家たちが持ち帰る情報を通じて象国(インダス)・中つ国(チェナ)・日の国(ヤマツ)などの国々の存在が認識されているが、これらは一般的に東方という名でまとめて呼ぶ。この地域は、未知の文化や魔法が交錯する神秘的な場所として、多くの人々の想像を掻き立てている。東方は、その遠隔性と情報の限られた性質により、連合内でも特異な存在となっている。

異端(グノーシス)

使徒の布教によって異界の教理に心を奪われ、異界の神々に仕える者たちを指す。通常、布教の対象は知性を持つ人間や亜人種である。魔法社会では魔道の探究が最優先され福祉は二の次にされがちで、その結果、貧困層が放置されることがしばしば。このような状況から異端の集団に加わる者も少なくない。異端の集団は、見捨てられた人々を取り込むことで勢力を拡大していく。異端者たちの究極の目標は、信仰する異界の神をこの世界に招き入れること。神が侵入すると、既存の秩序と法律は根底から覆され、異界の神によって新たな世界が創造される。過去には、異端者たちの祈りによって神が降臨し、世界が破壊されかけた事例が数多く存在する。
世界の破滅を防ぐためには、異端者を徹底的に排除することが不可欠。この重大な任務は魔法使いに託されており、魔法使いの歴史は異端との戦いの歴史と言っても過言ではない。特に、異端狩り(グノーシスハンター)と呼ばれる武闘派の魔法使いは、この戦いにおいて中心的な役割を果たしている。異端者は異質な詠唱を用いて、信仰する異界の秘蹟を行使する能力を持つ。

亜人種

魔法生物学において30万年前に人類と同一の種であったとされる生物群を指す。エルフ、ドワーフ、ケンタウロスは人権が認められている三大亜人種。これらに加えて、トロール・コボルド・セイレーン・ゴブリン・ハーピー・小人族など、多様な亜人種が存在する。これらの亜人種は、それぞれ独自の文化や社会構造を持ち、人類と共にこの世界を形成している重要な存在であると言える。

魔法関連

魔法使い

魔法使いは、魔法を操る能力を持つ人間のことを指す。一般的には「魔法族」とも称されるが、これに対して魔法の力を持たない人々は「普通人」や「非魔法族」と呼ばれる。魔法使いの家系から生まれた子どもは、能力の程度に差はあれど、魔法使いであることが多い。しかし、普通人の両親からも魔法使いが生まれることがある。魔法使いは通常の人間よりも身体が頑丈で、頭部や心臓が無事な限りは死に至ることは稀である。また彼らは長寿であるが、200年を超えて生きると神が定めたとされる「ヒステリックセオリー」と呼ばれる法則により、命刈る者(リーパー)に命を狙われるリスクが高まる。このため、200歳の誕生日を迎えることなく亡くなる魔法使いが多い。200歳を超えて生き延びた魔法使いであっても、50年ごとに命刈る者に狙われる運命にある。魔法使いの存在比率は、人間全体に対して一定の割合で保たれており、全ての普通人を魔法使いに変えることはできない。このバランスは世界の秩序を維持するために重要である。神代の終わり以降、魔法使いは異端と戦い、世界を守る使命を担っている。魔法使いにとって、自らの血を後世に伝えることは重要な責務である。同時に、優れた血を家系に取り入れることも重視されている。名家に属する魔法使いは、家系が培ってきた血を守るため、自身の血を安易に他者に与えることはない。近親婚を行うことで血の散逸を防ぐこともある。そのため、名家の魔法使いと子を成すことは容易ではないが、無名の家柄でありながら特異な能力を持つ魔法使いは、一般の魔法使いから注目されやすい。普通人の共同体で生活する魔法使いは「町付き」や「村付き」と呼ばれる。魔法革命以前は、普通人と共に生活することが魔法使いの伝統的な在り方であったとされる。

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