七つの魔剣が支配する(ななつま)のネタバレ解説・考察まとめ

『七つの魔剣が支配する』とは、宇野朴人による電撃文庫のファンタジーライトノベルおよび、2023年7月から放送された魔法と剣が交差する世界を舞台にした異世界ファンタジーアニメである。独特の美学と複雑なキャラクターが特徴で、主人公たちの成長と冒険を描く。魔剣を巡る戦いと友情の物語は、多くのファンを魅了している。アニメは小説の魅力を色鮮やかな映像で表現し、緊張感あるストーリーラインが視聴者を引き込む。

両極往来者(リバーシ)

両極往来者(リバーシ)は、外界の影響を受けて性別が反転する、魔法界においても非常に珍しい特異体質。自己調律を身につけるまでの間、意図せずに性別が変わることがある。男性体と女性体では得意とする魔法の属性が異なり、女性体では子宮に蓄えられた魔力を利用することが可能。この体質は魔法使いにとって特別な才能とされ、歴史に名を残す多くの偉大な魔法使いが両極往来者だった。発現率は低いものの、遺伝する特性があり、その血統は外部に漏れ出さないよう厳しく守られている。この特異体質は、魔法使いの能力の多様性を示す例として、魔法学において重要な研究対象となっているのだ。

魔法学校関連

キンバリー魔法学校

大英魔法国イエルグランドに位置する七年制の名門魔法学校。この学校は、魔法学校の中でも頂点に立つ存在であり、その教育システムは世界全体の縮図とも言えるほど。15歳での入学が基本だが、普通人家庭出身者などは途中入学することもある。キンバリーは世界中から優秀な人材を集めており、教員には特別推薦枠が設けられている。卒業生の八割が卒業に至るが、残りは様々な理由で卒業できない。校風は自由主義と成果主義を重んじ、実力を最優先するため、「異端狩りの育成校」とも呼ばれる。教師陣には前線から戻った異端狩りが多く、保守派が多い傾向にある。校舎は城塞のような外観を持ち、内部は迷宮のように複雑。学生寮は男女別で、校舎から少し離れた場所にある。寮は5階建てで、1年生から5年生までの1000人以上が住む。6・7年生は別の場所に寮がある。迷宮は校舎内に存在し、絵画や噴水を通じて地上と繋がっていく。迷宮には危険が多く、3年生以上の立ち入りが推奨されているが、実現には至っていない。制服は灰色のシャツに黒いローブ、そして白杖と杖剣が共通。男子は紺色のズボン、女子はスカートを着用。校則は比較的緩く、制服の改造も許されている。授業は固定の座席がなく、必要に応じて移動する形式。科目は多岐にわたり、「魔道工学」「魔法生物学」「魔法剣」「箒術」「呪文学」「天文学」「錬金術」などがある。食事は校舎内で提供され、大食堂が三つあるが、1年生から3年生は「友誼の間」を主に利用する。料理のバリエーションは豊富で、テイクアウトも可能。このように、キンバリー魔法学校は厳しいながらも充実した学び舎であると言える。

生徒会(スクールフォース)

キンバリー魔法学校には、生徒会として知られる学校公認の組織が存在する。この組織は校舎の四階にある会議室を本部として活動しており、生徒の監督をその主な任務としているのだ。学校からの直接的な支援や報酬は提供されていないが、生徒会に所属する生徒たちは研究成果を共有することで、相互の発展を図っている。この共有の習慣は他の集団にも見られるが、生徒会の規模が大きいため、その恩恵もまた大きい。生徒会の人員は決して少なくはないが、校内で発生するトラブルの多さに対応しきれていないのが現状。この問題に対処するため、迷宮への立ち入りを三年生以上に限定し、監視を強化することで生徒間の衝突を減らすことを検討している。生徒会のトップである学生総括は、3年に一度行われる総括選挙によって選出される。学生総括には多くの支持者がおり、しばしば生徒会の前身となる集団を率いていた経験を持つ。学生総括の任期は3年間で任期中に卒業する場合は、後任を自由に指名し、残りの任期を引き継ぐことが可能。この選挙には、4年生から6年生までの生徒であれば誰でも立候補することができる。このように、生徒会はキンバリー魔法学校の秩序を保つために重要な役割を果たしている。

剣花団

オリバー・ナナオ・シェラ・カティ・ガイ・ピートの6人から成る集団の名称。この名前は、ナナオの故郷で武人たちが友情を象徴するために剣を交差させて作る花の形、すなわち「剣花」に由来。ナナオの提案により、全員の同意を得て剣花団と命名された。彼らの本拠地は、カティの誘拐事件を受けてミリガンから譲渡された迷宮第一層の工房であり、秘密基地として機能している。オリバーの体調不良を改善するために鬼ごっこを行った後、メンバー間の絆は一層深まり、ハグが日常的な挨拶となった。このように、剣花団は互いの信頼と友情に基づいて結束している集団であると言える。

同志

オリバーを中心とする集団であり、クロエを裏切り殺害したエスメラルダたちに対する復讐が目的。この集団には特定の名称は付けられておらず、単に「同志」と呼ばれている。彼らは強い絆と共通の目的によって結ばれており、その目的達成のために協力し合あう。この集団の存在は、個々のメンバーの強い意志と行動力を象徴していると言える。

空を飛ぶ能力を持つ魔法生物で、ブルーム科ビソン属に分類。道具としての箒の起源は、古代にその死骸を掃除用具として使用したことにあるが、魔法使いが乗るようになったのは数千年前のこと。この生物は、地層から発見される化石が示すように、十万年以上の長い歴史を持っている。箒は、大気中の魔素や精霊を主食とし、飛行中にこれらを摂取している。この食性は、食事というよりは呼吸に近い。魔法使いから供給される魔力は箒にとってのご馳走であり、魔法使いを乗せて飛ぶことでより高速に移動できるため、箒と魔法使いは共生関係を築いている。箒は生き物であるため、乗り手との相性が重要。特に、魔力の質が箒にとっては重要であり、ナナオのようにクリーンで癖のない魔力を持つ者は箒に好まれる。魔法使いが自分に合った箒を見つける行為は「箒合わせの儀」と呼ぶ。箒を操って空を飛ぶ技術は「箒術」と称され、この技術を用いた競技は「箒競技」と総称される。箒競技は、魔法使いたちが箒術の技巧を競い合うスポーツであり、高度な技術と深い絆が求められる競技。この競技は、魔法使いの社会において人気のある娯楽の一つとなっている。

『七つの魔剣が支配する』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

エスメラルダ「好きにやって好きに死ね」

第1話「入学式(セレモニー)」における講堂でのセリフ。
講堂に集まった新入生たちを前に、校長のエスメラルダが校風である「好きにやって好きに死ね」と言う。この作品の世界観をよく表しているセリフである。

ナナオ「ここに…ござった」

単なる模擬戦を超えた試合をしたオリバー(左)とナナオ(右)。

第2話「魔法剣(ソードアーツ)」における魔法剣の教室でのセリフ。
魔法剣の模擬戦に真っ先に手を挙げたナナオ。オリバーと戦うことになったのだが、拮抗した試合にナナオは「ここに…ござった」と涙を流して呟く。求めていた殺し合えるまでの運命の相手と出会えた、印象的なセリフ。

オリバー「あなたはどこで何をしていましたか」

第6話「顕現(アライズ)」における迷宮でのセリフ。
迷宮で2人きりになったダリウスとオリバー。私の助手になってくれというダリウスに、オリバーは日付を言いその日に「あなたはどこで何をしていましたか」と低い声で問い、不敵な表情を崩さないままのダリウス。これから復讐が始まるという始まりの決めゼリフ。

ナナオ「どのような家紋の掟でもよしんば神仏でも!」

第11話「責務(デューティ)」における迷宮第2層でのセリフ。
1年生で誰が強いか決める最強決定戦で、一旦はオリバーに負けたジョセフ=オルブライトが貫き蜂(スティングビー)をけしかけてきた。オリバーたちは耐え抜き、ナナオとオルブライトの一騎打ち状態になる。それでも蜂を気にするオルブライトにナナオは「この戦いは2人のもの、誰にも邪魔はされない『どのような家紋の掟でもよしんば神仏でも!』」と相手に向かって言い放つ。オルブライトは押されてナナオと2人の戦いとなる。ナナオの気迫が伝わってくる名ゼリフ。

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