里見☆八犬伝(REBOOT)のネタバレ解説・考察まとめ

『里見☆八犬伝』とは『月刊少年ガンガン』にて連載された、よしむらなつきによる和風ファンタジー漫画作品。エニックスお家騒動により打ち切りという形で連載が終了したが、後に電子雑誌『近代漫画』にて『里見☆八犬伝REBOOT』がセルフリメイクとして連載された。室町時代の南総を舞台に、男として育てられた少女・犬塚信乃が父親から託された破邪の剣・村雨を持って妖怪退治の旅に出る。体に文字の痣を持つという犬士を仲間にし、妖鬼王・玉梓を倒して国を救おうとする物語である。

その他

妖化の実(ようかのみ)

桃のような形に顔の付いた不思議な果物。
妖怪にとっては高級果物で、網乾の実家である農場でのみ量産、出荷が行われている。魔力を含んでいる為、妖怪にとっては健康に良いとされているが、人間が食べると妖怪化してしまう。
実についている顔の変化で食べ頃を計ることができる。また、食べる際に種ごと飲み込んでしまうとヘソから芽を出し、宿主の体の魔力を養分にして育ってしまう。
REBOOTには登場しない。

火遁一号(かとんいちごう)

道節の背中に取り付けられた巨大な大砲。
絶大な威力を誇る道節の必殺技だが、1日1発しか撃つことができない。
REBOOTには登場しない。

『里見☆八犬伝(REBOOT)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

犬塚信乃「私は女だ!!」

男に間違われた信乃が毎回のように叫ぶセリフ。
身も心も女性である本作の主人公・信乃だが、男児が欲しかったという両親よって男として育てられた為に武芸が達者な剣士と登場する。さらに、伏姫の神通力も加わっており、人間だけでなく妖怪からも男性と認識されていた。信乃の性別を正確に認識できているのは本人と邪気を払う力が強い毛野だけである。
変装の為に女性の着物を着れば女装と間違われ、落ち込んで涙を流せば「男らしくない」と仲間に励まされる為、作中ではツッコミの意味を込めて「私は女だ」と毎回叫んでいる。

犬川荘助「信乃 万が一のときは俺を殺してくれ」

『里見☆八犬伝』の最終話で、荘助が信乃にだけ聞こえる声で頼み込んだ時のセリフ。
八犬士の中でも並外れた生命力と身体能力を持つ荘助の正体は、実は宿敵である玉梓が生み出した存在であった。伏姫の神通力で人間の子供として転生することに成功するも、信乃のピンチに妖怪という本来の姿を取り戻してしまう。
自分の正体を知った荘助は、仲間の中で最も信頼している信乃に「俺はいつか敵になるかもしれない」という不安を打ち明ける。それを聞いた信乃は「その時は私が荘助を止めてみせる」と笑顔で荘助を励ました。八犬士として再び旅を続けることを決意する荘助だったが不安は拭いされず、「信乃 万が一のときは俺を殺してくれ」と小声で頼み込むのだった。

信乃が自分の魂を分け与えて道節の命を救うシーン

『里見☆八犬伝REBOOT』で両親と妹を妖怪に殺され、復讐の為だけに生きてきた道節。村雨を信乃から奪い取って単身で玉梓の居城へと乗り込むなど、犬士としての仲間意識は全くなかった。
単独行動の末に妹である浜路と同じ姿をした妖怪・睦月に刺殺され、その遺体は玉梓の妖術によって犬士を襲う操り人形となってしまう。現八と大角が応援に駆け付けたことで道節の体は解放されるが、既に死人である道節の体は手の施しようがない状態であった。しかし、大角の協力により自分の命を分け与えることで他人を生き返らせることができる「半魂の術」で信乃の命を道節に分けることに成功。
死後の世界にまで追いかけてきて救いの手を伸ばす信乃の姿を見た道節は、胸を打たれて「この借りは必ず返す」と信乃に感謝の言葉をかける。そして、犬士の1人として協力することを約束するのだった。

伏姫と玉梓の神格が入れ替わっていることが明かされるシーン

玉梓の居城にて、荘助の中に玉梓の良心が宿っていることが伏姫の口から告げられ明らかとなる。何故玉梓の良心が荘助の中にあるのかという疑問に対して、伏姫は過去の出来事を犬士達に語り始めた。
今から幾数年も前、人間と妖怪の調和を保つ為に2人は人の神と妖の神として戦う日を迎える。幾度となく繰り返してきたこの戦いに刺激を求めていた玉梓は、密かに用意していた大剣を伏姫に突き立てて互いの神格を入れ替えてしまう。しかし、その事実を知る者は本人達以外誰もおらず、伏姫はこれまで慈しみ守ってきた人間達から忌み嫌われる妖怪の神となり果ててしまった。
悪の象徴としてきた玉梓の中身が伏姫であることを知った犬士達は衝撃を受けて戦意喪失となってしまうのだった。

信乃と荘助のキスシーン

激しさを増す伏姫との最終決戦で、仲間は傷つき次々に倒れていった。どれだけ傷つけても体を再生し逃げようとする伏姫に対して、信乃は村雨を持つ自分がトドメを刺すと決意する。
信乃は伏姫と決着をつけに行く直前、荘助と向き合って別れを告げる。旅の最初から仲間としてずっと支えてきてくれた荘助に特別な感情を抱き始めていた信乃は、自分から口付けをすることで感謝と自分の想いを荘助に伝えた。
荘助も信乃からの口付けの意味を感じ取り、応えるように口付けを返す。それと同時に、荘助の中にあった玉梓の良心を信乃は受け継ぎ、伏姫との最終決戦に挑むのであった。

『里見☆八犬伝(REBOOT)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『里見☆八犬伝』のドラマCD版が発売

『里見☆八犬伝』が連載されていた『月刊少年ガンガン』では人気作品のドラマCD化が多くされており、本作もドラマCDとして2000年7月28日にエニックスから発売された。
CDのタイトルは『コミックCDコレクション 里見☆八犬伝 Vol.1「八犬士の旅立ち!」』。信乃と荘助が旅立ち八犬士が終結していくというストーリーとなっており、原作にはほとんど登場しなかった親兵衛の活躍もある。
「Vol.1」と表記されているが、続編は存在しない。

『里見☆八犬伝』の小説版が発売

『里見☆八犬伝』は2000年3月31日にエニックスから小説も発刊された。
小説のタイトルは『小説 里見☆八犬伝・流れ星の呪い』。打倒玉梓の旅を続ける犬士達が日々の疲れを癒す為に訪れた温泉で見知らぬ女神と出会い騒動に巻き込まれているというオリジナルストーリーが描かれている。
メインストーリーの他、曳手と単節、浜路にスポットを当てた短編ストーリーも収録されている。

『里見☆八犬伝REBOOT』のIFストーリー同人誌が発売

未完となっていた『里見☆八犬伝』の伏線を回収しつつ『里見☆八犬伝REBOOT』で完結を迎えた本作。その後、原作者であるよしむらなつきは犬士達のIFストーリーを描いた同人誌を2冊自費出版した。
1冊目は玉梓との最終決戦前に信乃と毛野が相思相愛となり互いの仲を深め合うというストーリー。多少の性描写があるものの、全年齢対象の同人誌である。
2冊目は玉梓が倒された後の現八と船虫の様子を描いたストーリー。性描写が多めで成人向け同人誌として発売された。

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