パラノマサイト FILE23 本所七不思議(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』とは、スクウェア・エニックスより2023年3月に発売された、怪談・本所七不思議が題材のホラーミステリーADV。舞台は昭和後期の東京都墨田区。興家 彰吾は本所七不思議の呪いを受け、蘇りの秘術を巡る争いに巻き込まれる。本所七不思議の伝承に紐づいた呪詛珠を持つ9人の男女が、蘇りの秘術を求めて、互いに呪い合う駆け引きが始まる。個性的なキャラクター達が息もつけない心理戦を展開し、衝撃の真相が解き明かされていく。本格謎解きが楽しめるストーリーが魅力。

一晩のうちに3件の変死体が発見された事件。
錦糸堀公園で興家 彰吾が、路地裏で一般女性が、駒形高校で城之内 耕兵が見つかり、どれも不自然な死に方だった。津詰はすべて呪いによる殺しだと判断した。犯人はそれぞれ異なり、興家は福永 葉子が、一般女性は並垣 佑太郎が、城之内は約子に取り憑いた美知代が呪詛によって殺害した。

その他

こっくりさん

こっくりさんを行っている様子

19世紀末から流行った占いの1種。
机の上に、規定の文字を記載した紙をおき、さらにその上に置いた硬貨に人差し指を添える。全員で「こっくりさん、こっくりさん、おいでください」と呼びかけると、硬貨が1人でに動き、質問に答えてくれるというもの。日本では狐の霊を呼び出す交霊術と信じられており、狐狗狸(こっくり)と字が当てられる。

葛飾 北斎(かつしか ほくさい)

『富嶽三十六景』の1つである『神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)』

言わずと知れた浮世絵師の巨匠。
1760年生まれ1849年役。
浮世絵の黄金期とされる江戸後期に活躍したひとりで、本所で生まれ生涯のほとんどを現在の墨田区周辺で過ごした。代表作は『富嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)』や『北斎漫画』など。

ヒハク石鹸(ひはくせっけん)

南割下水通りにあるヒハク石鹸の本社

洗剤の国内シェア第4位、化粧品では第7位の化学薬品ブランド。
戦後の1946年に山森ナツヱが創業した。小さな石鹸工場から高度経済成長に乗り、地域に座して確実に事業を拡大してきた。興家 彰吾、弓岡 拓巳が勤めている。

心霊対策室(しんれいたいさくしつ)

呪影を抑えるため霊力を使うミヲ

本庁でも限られた者だけが知る秘匿部署。
正式名称は警視庁警備局警備部警備特課心霊対策室(けいしちょうけいびきょくけいびぶけいびとっかしんれいたいさくしつ)。通称・シンタイ。
霊災・霊障といった心霊事案について、調査及び解決を執行する専門チームで、活動は常に極秘裏に行われている。かつて津詰が所属していた。ミヲは室長から外部協力を要請され、派遣させられている。

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ゲーム配信OKとすることで動画サイトで人気獲得

ゲームの公式サイトに、配信に関するガイドラインが掲載されている

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、発売してすぐにエンディングまでゲーム配信可にしたことで、動画サイトで配信され人気を獲得した。
今までアドベンチャーゲームは、多くの人にストーリーを楽しんでもらうためネタバレをNGとし、ゲーム配信不可とされているものが多かった。しかし本作は限られた予算の中でのプロモーションを成功させるため、動画サイトを利用する配信者らにプレイ動画を投稿して広めてもらおうと考えた。そのためエンディングまで含めたストーリーの配信をOKとし、人気の配信者に配信され、本作の販売数が増加した。ストーリージャンルをホラーにしたのも、リアクションが取りやすいホラーであれば多くの配信者にプレイしてもらえるだろうという理由もあった。
なお本作公式サイトには、生配信及び動画・画像投稿に関するガイドラインが詳しく掲載されている。

ユーザーのモチベーションを下げないゲーム設計

本作は文章主体のアドベンチャーゲームであることから、ユーザーのモチベーションを下げない設計を心掛けて制作された。
シナリオライターである石山 貴也(いしやま たかなり)は、自身が本を読むのが苦手なことから、文章の文字量が多いと集中力が削られていくと実感していた。そのため、長い文章はできるだけ少なく、プレイヤーが読みやすいような文章になるよう意識して制作した。
また会話シーンの見せ方にもこだわり、シーンに応じてキャラクターの表情をアップにするなど、カメラロールも的確に使用して心理描写を表現。ユーザーが文章以外にも楽しむことができ、またゲームプレイに飽きないような仕掛けを取り入れた。
石山は「このゲームは小説を読むのは苦手だという人にも遊んでもらいたい」と語っている。

本所七不思議の地である墨田区がプロモーションに協力

すみだく観光サイトに掲載されている、本所七不思議探索地図令和版の一部

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、本所七不思議を観光資源にしている墨田区にプロモーションで協力してもらった。
「本所七不思議を題材にするのはどうか」と提案したのは、本作のプロデューサー・奥州 一馬(おうしゅう かずま)。奥州は怪談・本所七不思議に興味を持ち、ゲームの題材にすることで墨田区の協力が得られると考えた。彼はタイアップや宣伝を一手に引き受け、墨田区のプロモーション協力を成功させた。
また本作は墨田区観光課、郷土資料館、観光協会、商工会などの全面協力のもと、360度カメラで撮影することでリアルな街並みを再現している。
墨田区はすみだく観光サイトにて、ゲーム発売日である3月9日から「本所七不思議探索地図 令和版」を配布開始。本所七不思議の謎に迫りながら墨田区の風情を味わえる内容となっており、ゲーム内に登場する地への聖地巡礼が出来る歩き方マップなどが掲載され、ファンから好評を得た。

プレイを始めた瞬間にゲームの世界に引き込まれる演出

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