オルフェ・ラム・タオ（ガンダムSEED FREEDOM）の徹底解説・考察まとめ

オルフェ・ラム・タオの概要

オルフェ・ラム・タオとは、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のキャラクター。遺伝子工学の権威であるアウラ・マハ・ハイバルによって人工的に作り出された、世界を統治するための人類の上位種「アコード」の1人であり、その中でも実質的な総司令官として活躍する。
作中世界では、普通の人間であるナチュラルと、出生前に遺伝子レベルでの強化処置を受けたコーディネイターとの人種的対立が深刻化し、幾度かの大きな戦争までもが巻き起こっている。この対立と戦争の構図を抜本から変えるために考え出されたのが、全人類を遺伝子情報によって管理するデスティニープランだった。アウラはデスティニープランを管理するための存在として、コーディネイターを超える種であるアコードを生み出すが、彼女の目的は次第に「アコードたちによるデスティニープランを用いての世界征服」へと変わっていった。

アコードたちの実質的な司令官として振る舞うオルフェは、表向きは新興国家ファウンデーションの若き宰相として活躍する一方、裏では1度は破棄されたデスティニープランを復活させるための準備を進めていく。そのために彼が必要だと考えたのが、アウラとは別の方法でデスティニープランを運用しようとしたスペースコロニー国家プラントの最高評議会議長ギルバート・デュランダルを倒した「最高のコーディネイター」キラ・ヤマトを排除することだった。
テロ組織撲滅への協力という名目でキラと彼が所属する世界平和監視機構コンパスの面々をファウンデーションに誘い込んで策謀にかけると同時に、キラの恋人で本来は自身の番となるべく生み出されたラクス・クラインを手に入れようと暗躍する。

オルフェ・ラム・タオのプロフィール・人物像

CV：下野紘

聡明にして高潔、公正明大で礼儀正しい、およそ欠点らしい欠点の無い人物。しかしこれは表向きの態度に過ぎず、内心ではナチュラルとコーディネイターを見下している。唯一の例外は自分たちアコードを生み出したアウラで、彼女に対しては非常に従順である。
そのアウラが「オルフェの番となる存在」として生み出したラクスに対しては並みならぬ執着を見せ、彼女の心を奪ったキラに対しては嫉妬交じりの憎悪を抱く。あくまで手に入れたいのはラクスの心であるらしく、作中で彼女をむりやり組み伏せた際も、理路整然とその非を責められた末に怒り狂いながらも何もせず引き上げている。

アコードには「他人の心の動きを読む」という特殊な能力が生来備わっているが、オルフェ自身がこれを使用した形跡はほとんどない。あらゆる身体能力や才能などが超人的な域にあり、自ら人型機動兵器MS（モビルスーツ）を駆って出撃した際は、前大戦のトップエースであるキラを相手に互角以上の戦いを見せていた。

オルフェ・ラム・タオの来歴・活躍

アコードの誕生

作中世界である「C.E.」（コズミック・イラ）は、普通の人間であるナチュラルと、出生前に遺伝子レベルでの強化処置を受けたコーディネイターとの人種的対立が深刻化し、幾度かの大きな戦争までもが巻き起こっていた。この対立と戦争の構図を抜本から変えるために考え出されたのが、全人類を遺伝子情報によって管理するデスティニープランだった。
遺伝子工学の権威であるアウラ・マハ・ハイバルは、デスティニープランを管理するための存在としてコーディネイターを超える種であるアコードを生み出す。その内の1体がオルフェ・ラム・タオだった。

人類の恒久平和のために生み出されたアコードたちだったが、彼らの高い能力を見たアウラは次第に増長し、自身の目的を「アコードたちによるデスティニープランを用いての世界征服」へと変えていく。そのための準備として、アウラはオルフェたちと共にファウンデーションという新興国家を作り、自身はここの女王として君臨。オルフェはアコードとしての高い能力を発揮して、宰相として国を繁栄させていった。
やがてアウラとは別の形でデスティニープランを運用しようとしたスペースコロニー国家プラントの最高評議会議長ギルバート・デュランダルが、「最高のコーディネイター」キラ・ヤマトによって倒されると、アウラは「今こそ好機」と水面下で進めていた「アコードによる世界征服」を実行に移していく。

ラクス・クラインの奪取

デュランダルを倒したキラは、世界平和監視機構コンパスという組織に所属し、世界に平和をもたらすべく戦い続けていた。「ファウンデーションに潜伏する国際テロリストの拿捕もしくは抹殺」という形でコンパスを自国内に招き入れたオルフェは、“他人の心を操る”というアコード特有の能力で「キラの暴走によって隣国との間に戦端が開かれた」風を装いつつ、コンパスを壊滅させる。さらに自分たちは離脱した上で隣国から核ミサイルを撃たせ、「コンパスと隣国の策略によって我らは国を失った」という体裁を作る。
この時、オルフェはコンパスの代表でキラの恋人でもあるラクス・クラインを誘拐同然に連れ去っている。本人も知らないことだったが、ラクスもまたアコードであり、本来ならオルフェの番となるべき存在だった。オルフェは「ラクスが自分のものになるのは当然のこと」だと考えており、コンパスを壊滅させる際に彼女を拉致することは当初からの計画だった。

野望の終焉

その後オルフェたちは密かに月へと向かい、この地に用意していた大量破壊兵器レクイエムによって地上を攻撃。「核ミサイルによって自国を吹き飛ばされた報復である」との名目で自分たちの力を誇示しつつ、デスティニープランの復活を宣言する。
順調に見えたオルフェたちの計画だったが、自身がアコードであることを伝えられてなおラクスに仲間になることを拒まれたことが最初のつまずきとなる。さらに別行動を取っていた仲間が駆け付けたことで命拾いしたコンパスの残存戦力が月へと迫り、「お前たちの策謀の証拠を持っている」と堂々と明言するキラを迎撃しなければならなくなる。

高い能力を持つアコードたちだったが、2つの大戦を戦い抜いたコンパスの猛者たちの策略に引っ掛かり、ラクスを奪還されてしまう。世間的に名と顔の知られたラクスが「ファウンデーションへの核ミサイル攻撃は彼らの自作自演によるものだ」と訴えたことでオルフェたちは自らの暴挙の正当性を失い、政治的にも戦局的にも追い詰められる。
なお諦めず、MSで出撃して状況を覆そうとするオルフェだったが、最後はキラとラクスの乗る機体の前に敗れる。死の間際、仲間のイングリット・トラドールから口づけされるが、オルフェが彼女が自身に向けて抱く秘めた想いを理解していたのかは不明。アウラも戦場の別の場所で果て、アコードたちの野望は完全に費えることとなった。

オルフェ・ラム・タオの関連人物・キャラクター

アウラ・マハ・ハイバル

ファウンデーションの女王。少女のような姿をしているが、実年齢は50歳。遺伝子工学の専門家という裏の顔を持ち、自身の技術で超人種「アコード」を作り出した。
オルフェたちアコードからは「母上」と慕われている。常に泰然としているように見えるが、自分たち以外の者を見下しているだけで、予想外のことが起きると途端に感情的になる。

ラクス・クライン

世界平和監視機構コンパスの代表。オルフェと同じアコードだが、本人はその事実を知らず、「自分は普通のコーディネイターだ」と考えていた。
オルフェとの間に子を成すことを想定して設計されている。このためオルフェは「ラクスは自分のものである」という認識を持っていたが、アウラの手を離れて様々な経験を積んだラクスはキラを愛するようになっていたため、彼の求婚をはっきりした口調で断った。

キラ・ヤマト

世界平和監視機構コンパスに所属するMSパイロット。かつて2度にわたり世界を絶滅戦争の危機から救った青年で、「最高のコーディネイター」ことスーパーコーディネイター。
オルフェからすると「自分のものであるラクスを奪った男」であり、嫉妬と憎悪を向けている。

イングリット・トラドール

アコードの一員。普段はファウンデーションでオルフェの補佐をしている。
千民思想に凝り固まったアコードの中にありながら、例外的に他人の思想や価値観にも気を払う優しい性格。オルフェに想いを寄せていたが、ラクスのことしか見ていない彼に気持ちを打ち明けられずに悩み続けていた。

イングリット・トラドール（ガンダムSEED FREEDOM）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

イングリット・トラドールとは、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のキャラクター。アウラ・マハ・ハイバルによって人工的に作り出された、世界を統治するための人類の上位種「アコード」の1人。
普段は新興国家ファウンデーションの国務秘書官を務め、アコードの実質的なリーダーであるオルフェ・ラム・タオを補佐している。オルフェを愛しているが、彼がラクス・クラインに執心しているため想いを明かせずにいた。そのラクスから「愛に理由などいらない」ことを学び、敗死するオルフェと共に果てる道を選んだ。