あさドラ!(浦沢直樹)のネタバレ解説・考察まとめ

『あさドラ!』とは日本の漫画家・浦沢直樹が描くヒューマンSF漫画。2018年10月から小学館の漫画雑誌『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載が始まった。戦後の名古屋・東京を舞台に、主人公の少女浅田アサが飛行士としてたくましく成長していく姿が描かれている。また、突如現れた巨大怪獣の謎を追うというストーリーも絡んでくる。タイトルはNHKの連続テレビ小説、いわゆる「朝ドラ」に由来している。タイトルの別表記は『連続漫画小説あさドラ!』である。

ハヅキ

アサの妹。おかっぱ頭をゴムで縛っている。
信六と同じくきぬよの世話になっている。

孝七(こうしち)

伊勢湾台風が愛知を襲った1959年9月26日に生まれた。
1994年では幼稚園に通っている。
丸刈りの元気な少年。

『あさドラ!』の用語

1959年編

連続テレビ小説

連続テレビ小説は、日本のNHK(日本放送協会)で放送されているテレビドラマ。主に明治以降を舞台にしており、それぞれの時代の中での主人公(女性が多い)の成長と人生を描くことが多い。
毎週月曜〜土曜日の午前8時から8時15分(再放送は午前11時45分から12時)で放送され、「朝ドラ」の愛称で親しまれている。
『あさドラ!』はこの「朝ドラ」をモチーフとしている。

伊勢湾台風

1959年に東海地方を襲った巨大台風。
特に伊勢湾岸沿いの三重県と愛知県の被害が大きく、5000人以上の犠牲者が出た戦後最大の台風災害である。
『あさドラ!』は伊勢湾台風のシーンから始まる。

パイパーカブJ3

アサの愛機。機体番号はJA3009。
アメリカの軽飛行機メーカーであるパイパー・エアクラフトが1938年に発表したプロペラ軽飛行機。
木金混合構造に羽布張りという軽量構造のため、値段も安く多くの現場で使われていた。1947年までに2万機以上が生産され、軽飛行機の代名詞となっている。
座席は2席あり、作品内ではアサが前、後ろに春日が搭乗している。

巨大怪獣

子どもたちを襲う巨大怪獣の尾

1959年の伊勢湾台風の翌日に、名古屋港に出現した巨大生物。
その後5年は大きな目撃情報はなかったが、1964年の東京オリンピック開会式の前日に相模湾に現れる。
淀川教授と仲井戸はチモール島(現在の東ティモール)で巨大怪獣の痕跡を発見していた。

1964年編

浅田アサ商会

アサと春日が設立した、広告旗をつけた軽飛行機で曲技飛行をする会社。略称は「ASA」。
「浅田アサ商会」という社名は、伊勢湾台風で行方不明になったアサの家族に気がついてもらいたいという理由でつけられている。
スポンサーがなかなかつかず倒産の危機だったが、実相寺から依頼された巨大怪獣の調査という仕事をすることで存続できることになった。

東京オリンピック

第18回夏季オリンピックである東京オリンピックは、アジア初のオリンピックとして1964年10月10日〜10月24日の間に行われた。

戦後の焼け野原からの復興をスローガンに、日本国中が一丸となって開催を楽しみにしていた大会であった。
東京〜新大阪間を走る東海道新幹線も1964年10月1日に開通している。
特に人気のマラソン競技ではエチオピアのアベベが金メダル、日本の円谷幸吉が銅メダルを獲得した。
日本の獲得メダル数はメダル16個、銀メダル5個、銅メダル8個の合計29個である。これは世界4位の成績だった。
同時に行われた第2回パラリンピックでも、金メダル1個、銀メダル5個、銅メダル4個を獲得している。

作中では東京オリンピックを無事開催するために、対巨大怪獣作戦に自衛隊は出動せず、アサたちが立ち向かうことになっている。

ドリームエース企画株式会社

ヨネちゃんをスカウトした芸能事務所。
多くの女性歌手をデビューさせてきたが、どの歌手も大ヒットには至らなかった。
ヨネちゃんが成功しなかったら、事務所を畳まないといけないところまで追い詰められている。

crab10257
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@crab10257

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