怪奇ゾーン グラビティフォールズ(ディズニー・チャンネル)のネタバレ解説・考察まとめ

『怪奇ゾーン グラビティフォールズ』とはディズニー・テレビジョン・アニメーションによって制作され、2012年アメリカで放送が開始されたSFミステリー&コメディーアニメシリーズである。双子の姉弟、ディッパーとメイベルが超常現象が多発する田舎町「グラビティフォールズ」で次々と謎に巻き込まれていくストーリー。物語はやがて異次元から襲来する宿敵、ビル・サイファーとの対決に発展していく。カートューンのコメディー要素と、本格的なミステリー要素が融合した新鮮な設定と、変わり者のキャラクター達の成長が見どころ。

ちょうどその時、ブランディンに化けたビルがメイベルを「この夏を終わらせない方法がある」とそそのかし、たまたまメイベルが持っていた「次元の裂け目」を手に入れた。「次元の裂け目」は異次元へのゲートから生まれた、この次元とビルのいる異次元を繋げるアイテムだった。この「次元の裂け目」を解放したビルは、ついにグラビティフォールズと異次元を繋げてしまう。町の全てが奇妙に変化し、ビルの支配下に置かれるミョウマゲドンの始まりである。異次元からの干渉でモンスターが町を彷徨い、給水塔やポストもモンスター化して人々に襲いかかった。ビルは異次元から奇妙な仲間達を呼び寄せたり、触れると奇妙になってしまうシャボン玉を飛ばじたりと好き放題に振る舞うようになる。
ビルにとっての危険因子・スタンフォードは捕らえられ、ミョウマゲドンをグラビティフォールズから世界に広げる方法を聞き出すために拷問されはじめた。メイベルも禍々しい球体「メイベルボール」に捕らえられてしまった。ディッパーは頼りの「謎の本」をビルに焼き払われてしまう。しかしディッパーは、ビルの手下のモンスターから逃げるうちに、生き延びていたウェンディとスースと合流できた。ディッパーは「メイベルボール」を一目見て中にメイベルがいることを確信し、ウェンディ、スースと共にメイベルを助けるために侵入することにした。
「メイベルボール」の中にはメイベルの理想郷「メイベルランド」が広がっていた。メイベルは自身が生み出した、ファンシーで理想的な空想の世界で幸せを感じていた。苦しい現実世界に戻るよりも、空想の世界に逃げ込んでいた方がいいと主張するメイベルを、ディッパーは「現実の苦しみも一緒に乗り越えよう」と説得する。この言葉に心を動かされたメイベルは「メイベルランド」から出ることを決意する。その瞬間、メイベルの空想の産物達がメイベル達に襲いかかった。全てはメイベルを閉じ込めておくためのビルの罠だったのだ。「メイベルランド」で巨大化していたよったんにまたがった双子達は、そのまま「メイベルボール」を叩き割り脱出に成功した。

ビル・サイファーとの対決

双子達はミョウマゲドン前に結界を張ったために、無傷で残っていた「ミステリー・ハウス」向かう。そしてそこに隠れていたスタンやマクガケット達と合流した。スタンは隠れていた方が安全だと主張したが、双子達の説得で他の町人達はビルと戦うことを決意。ビルの弱点を知るスタンフォードを助け出すため、マクガケットを中心にして「ミステリー・ハウス」を巨大ロボに改造した。
巨大ロボで攻撃しビルの注意を引きつつ、双子達とスタンを中心にした町人達がビルのアジトに乗り込んだ。助け出したスタンフォードが知るビルの弱点は魔法陣だった。太古の昔の預言で示されていた魔法陣で、この魔法陣が象徴する人物が円になって手を繋ぐと、ビルを倒すことができると言われていた。双子達を始め、町人達が次々円になりながら手を繋ぐ中、相変わらず不仲のままだったスタンとスタンフォードは喧嘩を始めてしまう。そのせいであと一歩というところでビルに邪魔されて、預言の対象だった町人達は捕らえられてしまった。これに反省したスタンは自らが囮になる作戦を実行する。スタンフォードになりすまし、頭の中の「ミョウマゲドンを世界に広げる方法」を囮にビルを意識の中に誘い込み、「記憶銃」でビルをスタンの記憶ごと消し去る作戦だった。作戦は成功し、ビルが消えたことで町はミョウマゲドンの前のように戻ったが、スタンは全ての記憶を失った。

平和が戻ったグラビティフォールズ

「記憶銃」で「スタンリー・パインズ」に関する全ての記憶を消し去られたスタンは、双子達のことはもちろん自分が誰かも忘れてしまう。スタンフォードやディッパーは悲しむばかりで、「記憶はまだスタン大叔父さんの頭の中にある」と主張するメイベルに同調しなかった。しかしスタンは、メイベルが見せる夏の思い出が詰まったスクラップブックをきっかけに、奇跡的に記憶を取り戻したのだった。グラビティフォールズは「そんなこと気にするな条例」を作り、ミョウマゲドンのことを忘れ、町の外の誰にも口外しないことを決める。ディッパーはスタンフォードの弟子にはならず大切な時間をメイベルと過ごすと決めた。スタンフォードはスタンを2人の長年の夢、冒険の旅に誘う。快諾したスタンは「ミステリー・ハウス」をスースに譲り、スースは経営者となった。マクガケットは発明品の特許を取得し大金持ちになり、ビルに入れ込み破産したウェストウッド家が手放した豪邸に移り住んだ。ディッパーとメイベルは夏休みの最後の思い出に13歳の盛大な誕生日パーティーを開き、名残惜しさを感じつつもカリフォルニアの家に帰っていたのだった。

『怪奇ゾーン グラビティフォールズ』の登場人物・キャラクター

主人公とその家族

ディッパー・パインズ

ディッパー・パインズ

CV:ジェイソン・リッター
日本語吹き替え版:泰勇気

本作の主人公の1人。
12歳の聡明な男の子。「ディッパー」は額に北斗七星=ビッグディッパーのような痣があることから付けられたニックネームで、本名はメイソン。エピソード1でスタンにプレゼントされた、松の木=パインズがデザインされたキャップがトレードマーク。論理的で神経質な一方、短気なところもある。頭がいいことを自負している。
両親の提案で、大叔父さん・スタンが住む田舎町グラビティフォールズで夏休みを過ごす事になる。スタンが経営する観光施設「ミステリー・ハウス」を手伝っており、そこでアルバイトしているウェンディに片想いしている。
表紙に6本指の手と数字の3が書かれた「謎の本」を森で拾ってから、本に書かれた超常現象の調査報告の解析に夢中になる。「謎の本」の超常現象は実際にグラビティフォールズで観測できるものばかりで、ディッパーは森に住む小人のノームや、物体の大きさを変える水晶なども発見した。他にも人間コピー機など超常現象の研究者・スタンフォードの危険な発明品やコンビニの幽霊とも遭遇したが、持ち前の論理的な思考と機転でピンチを乗り越えた。
ミョウマゲドンが発生してからは、「謎の本」の助けがない状況でもウェンディや友人スースの助けを借りながら世界とメイベルを助けるために、自身の勇気と判断力で戦った。ビル・サイファーに勝利し、ミョウマゲドンを終わらせてからは、夏休みの終了と共にグラビティフォールズを離れた。

メイベル・パインズ

メイベル・パインズ

CV:クリステン・シャール
日本語吹き替え版:原島梢

本作のもう1人の主人公。
ロングヘアにヘアバンドをして、いつも変わった柄のセーターを着ている女の子。歯の矯正器具がチャームポイント。ディッパーとは双子の姉弟である。明るく楽観的な性格でコミュニケーション能力が高い。恋多き12歳で、人魚のマーマンドやパペット劇が趣味のゲイブに恋していた。子ども超能力者のギデオンに好意を待たれているが、恋愛対象として見ていない。
グラビティフォールズにあるいかがわしい観光施設「ミステリー・ハウス」で夏休みを過ごしている。町で友達になったグレンダとキャンディーとはお泊まり会を頻繁にする親密な仲にある一方、町の人気者でお金持ちのパシフィカとはことあるごとに対立している。
超常現象にはディッパーほど関心はないが、意に反して巻き込まれていく。ボーイフレンドのノーマンの正体がノーム軍団だったり、クローン人間のアイドルユニット・セヴラルタイムズを匿うことになったり様々なピンチに見舞われた。しかし、ディッパーと「謎の本」の手助けや持ち前の思い切りの良さ、コミュニケーション能力で乗り越えた。
メイベルはミョウマゲドンの始まりとともに、ビルに「メイベルボール」に閉じ込められた。「メイベルボール」の中にはメイベルの理想の世界「メイベルランド」があり、メイベルは未来に不安がある現実世界より「メイベルランド」で幸せに暮らそうとする。助けに来たディッパーに現実世界の不安を一緒に乗りこえようと励まされて、メイベルは自ら「メイベルボール」を破壊して脱出した。町の仲間達と結託しビルを倒したメイベルは、ディッパーと一緒にカリフォルニアの家に帰って行った。

スタンリー・パインズ

スタンリー・パインズ

CV:アレックス・ハーシュ
日本語吹き替え版:中村浩太郎

本作の主要人物の1人。
「ミステリー・ハウス」を経営するディッパーとメイベルの大叔父。通称スタン。双子には「スタン大叔父さん」と呼ばれている。双子の兄、スタンフォード・パインズが次元の狭間に取り残されてからは、グラビティフォールズでスタンフォードの名前と立場を借りて暮らしている。「ミステリー・ハウス」に立つ時にはマジシャンのような帽子とスーツ姿になるが、家では下着姿でうろついていることも多い。偏屈な性格のペテン師気質でお金が大好き。「ミステリー・ハウス」では作り物の展示品で観光客からお金を集めている。はっきり言葉では示さないが双子を心から愛しており、双子がゾンビ集団に襲われた時には素手で立ち向かった。
「ミステリー・ハウス」の自動販売機から入る地下実験施設で、「謎の本」をヒントにたった1人で異次元へのゲートを開く研究をしていた。その目的は、次元の狭間に取り残されたスタンフォードを助け出すことだった。研究の結果スタンフォードを助け出したが、感謝されるどころか「危険な行為だった」と責められ、スタンとスタンフォードの関係はますます悪くなるのだった。
スタンはミョウマゲドンが始まってからは、スタンフォードが張った結界で守られていた「ミステリー・ハウス」の中に隠れて逃げ延びていた。ディッパーとメイベルに感化され「ミステリー・ハウス」に一緒に隠れていた仲間達が、ビルに捕まったスタンフォードを救出する決意をした時もスタンだけは乗り気ではなかった。しかしその後ディッパーとメイベルが力を合わせてビルに立ち向かう姿を見て、つまらない意地を張っていたことを後悔しスタンフォードと和解。ビルを自身の意識の中に捉えて、全ての記憶ごとビルを消去する作戦のためにその身を差し出す。見事ビルを倒し町に平和が訪れたあと、メイベルの夏休みの思い出のスクラップブックをきっかけに記憶を取り戻す。その後スタンフォードに誘われ、子ども時代からの「2人の船に乗って世界中を冒険する」夢を叶えるため冒険に出かける事になる。これに伴って「ミステリー・ハウス」の経営権は従業員のスースに譲った。

スタンフォード・パインズ

スタンフォード・パインズ

CV:J・K・シモンズ
日本語吹き替え版:宇垣秀成

スタンの双子の兄。通称フォード。容姿は兄弟でそっくりだが、スタンフォードは6本指の手を持つ。幼少期からずば抜けた頭脳を持っており、特に超常現象に興味を持っていた。高校での研究発表が有名大学に注目され、進学できるかという局面でスタンに研究結果の装置を壊され、進学の話はなくなってしまう。これをきっかけに仲が良かった兄弟の関係は壊れた。
その後研究者になってマクガケットや異次元の存在、ビル・サイファーの助けを借りつつグラビティフォールズの研究をしていたが、手伝いに呼んだスタンと喧嘩になり揉み合ううちに次元の狭間に投げ出されてしまう。5年後にスタンの手で助け出されるも、スタンとの関係は修復できなかった。ディッパーには幼少期の自分を重ね可愛がっており、自分の弟子にならないか提案している。
スタンフォードはビルに騙された過去がある。味方のフリをしたビルにそそのかされ異次元へのゲートを作らせられたのだった。ビルの恐ろしさに気がついたスタンフォードはゲート作りを放棄し、異次元に繋がる物体「次元の裂け目」をビルから守ったり、「ミステリー・ハウス」に結界を張ったり努力する。だが、ビルが異次元から襲来して町を支配するミョウマゲドンの防止には至らなかった。
ミョウマゲドンが始まってからは、ミョウマゲドンがグラビティフォールズの外に出る方法を聞き出すため、ビルからの拷問を受けながら捕らえられている。戦いのなかでスタンと和解するも、ビルを倒すための唯一の手段として、スタンの意識の中に入り込んだビルごとスタンの全ての記憶を消去した。こうしてビルを倒したあと、スタンは奇跡的に記憶を取り戻しはじめる。スタンフォードは完全に記憶を取り戻したスタンを誘い、幼少期の夢だった兄弟2人での世界冒険の旅を始める決意をする。

ミステリーハウス関係者

スース

スース

CV:アレックス・ハーシュ
日本語吹き替え版:伊丸岡篤

「ミステリー・ハウス」の従業員のぽっちゃりした青年。いつも「?」マークのスタッフTシャツを着ている。スタンの命令で、店内の修理から客への対応までなんでもさせられている。穏やかで心優しいが、子供っぽくちょっと間抜け。双子がピンチの時はいつも助けてくれる、いざという時に頼りになる存在。ディッパーと特に仲が良い。
おばあちゃんと2人暮らしで、父親は仕事で忙しいらしく18年も会っていないという。シリーズ中にメロディというガールフレンドができ、スタンから継いで「ミステリー・ハウス」の経営者になってからは一緒に働いている描写がある。

ウェンディ・コーデュロイ

amuamu2984
amuamu2984
@amuamu2984

目次 - Contents