人形の国(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『人形の国』とは2017年4月~2021年10月まで『月刊少年シリウス』に連載された弐瓶勉の描くSFダークファンタジーである。人工天体アポシムズという超構造体の殻で覆われた極寒の地表で、主人公であるエスローは特殊な弾丸「AMB」を手にしたことにより、リドベア帝国に狙われ謎の自動人形であるタイターニアと旅をすることになる。エスローはやがてアポシムズの因果に関わることになり、地表人の重要な存在として皇帝スオウニチコと対峙する。難解な考察により読者を選ぶが、雰囲気と世界観からファンも多い。

タイターニア

地底中央制御層から派遣されてきたとされる、折り畳み式の自動人形。普段は小型の自動機械としてエスローの肩に乗っており、1日1回わずかな時間のみ、人型へと姿を変化出来る。その正体はアポシムズのプログラム上の統制者であり、地底の神。リベドア帝国が持っていた対超構造体物質の銃弾AMBと特殊なコードをエスローに託し、彼と共にスオウニチコ打倒を目的としている。有能なアドバイザーであり、触れる事でその人間の思考が分かったり、機械などを自在に制御出来る能力を備えている。堅実で、エスローの危機には身を挺して彼を守るが、真の目的は彼を代表として地表を制定し、地表人の地底内における居住権を確立する所にあるとされる。調理された食事に目がない。

ケーシャ

地底信仰国イルフ・ニクの姫であり、電気を操る能力を持ち、伸縮自在の棒を武器に戦う正規人形。イルフ・ニク王であるカジワンは兄であり、住民からは慕われている。割と怒りやすく、事故で裸を見てしまったエスローは殺されかける。出会った当初は反抗的な面もあったが、苦楽を共にするエスローに惹かれ、婚姻を申し出る。処刑隊によりムグホシと共に爆死するが、地底に再生し、スオウニチゴ討伐後再開を果たす。

ワサブ

リベドア帝国の脱走兵だが、過去に故郷を滅ぼされ、帝国に洗脳されていた。洗脳が解けてから反勢力のエスロー達に憧れ、仲間となる。特殊能力は高速飛行で、戦闘能力はないため事あるごとに捕獲されてしまう。処刑隊との戦いの最中能力が開花する兆しを見せるが、結局作中では描かれる事はなかった。ヌーキー戦ではエスローのAMB発射の時間稼ぎのため、自らのエナを盾に熱線に散るも、地底空間にて再開を果たす。

ムグホシ

タイターニアと同じく折り畳み式の自動機械。対正規人形兵器の1種で、腹部に刺さった人形の指によって町で暴れていた所、エスロー達にその指を抜かれ、ケーシャに懐きペットとされ、彼女の肩に乗って移動する。変身後は虎のような自動機械として戦い、これといった急所はなく、短時間しか活動できないが、エスローとケーシャの2人がかりでも手に負えない程の戦闘力を持つ。

白菱の梁住人

ゼゾ

白菱の梁という廃墟の城を束ねる正規人形。一族を300年守ってきた親代わり的な存在で、少年のような風貌をしている。城が襲撃を受けた際には、鎧化して両手から出す衝撃波のようなもので戦ったが、対正規人形弾に討たれ、イーユによる拷問の果てに脳に深刻なダメージを受けたまま放置された。その後戻ったエスローにより介錯され、物語終盤には地底に再生している様子が描かれる。

ビコ

白菱の梁で生活する少女、エスローを先生と慕っている。リベドアに襲撃を受けイーユに拷問された後、洗脳により帝国の正規人形となり敵として再会する。剣のような武器で斬撃を繰り出し、建物や戦艦までも真っ二つにする威力を持つ。捕虜収容施設にてイーユと共に現れた彼女は、エスローを敵と認識し切りかかり、交戦の末彼のエナ弾により意識を失うが、再生後逃亡する。その後、イルフ・ニクとの交戦時にはゴイ中将の部下として現れ、物語終盤にはジェイトの船を破壊する様が描かれる。

エオ

白菱の梁で暮らす青年。ビコやシオと共にエスローを先生と慕っている。タイターニア遭遇時には彼女を庇ったり、持ち帰ったコードを使い転生すると言い出すような熱血漢。リベドアの襲撃を受けた際にレンズ砲に撃たれ死亡する。

シオ

ビコやエオと共に白菱の梁で暮らす色黒の青年。無口だが無謀にも正規人形になると言い出したエオを咎めたり、タイターニアが奪ってきたAMBを帝国に返してくるというエスローの提案も軽率だと窘めたりする、冷静な判断力がある。リベドアに襲撃された際、エスローが目覚めた時に鉄骨の下敷きになって事故死していた。

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