人形の国(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『人形の国』とは2017年4月~2021年10月まで『月刊少年シリウス』に連載された弐瓶勉の描くSFダークファンタジーである。人工天体アポシムズという超構造体の殻で覆われた極寒の地表で、主人公であるエスローは特殊な弾丸「AMB」を手にしたことにより、リドベア帝国に狙われ謎の自動人形であるタイターニアと旅をすることになる。エスローはやがてアポシムズの因果に関わることになり、地表人の重要な存在として皇帝スオウニチコと対峙する。難解な考察により読者を選ぶが、雰囲気と世界観からファンも多い。

ジェイト「私はそれを止めただけだ」

ワサブがドコブ率いるリベドア帝国に囮にされ、エスロー一味との交戦に入った際、処刑隊に先を越されたと傍観するジェイトだったが、使用禁止とされている衛人を操るドコブの能力を封じ、エスローの危機を救う形で参戦する。さらに自我が戻った衛人の攻撃をトオスが防ぎ、リナイに生存者救出を命じ、アジェイトには衛人を戻す算段を手伝わせる。事態を収拾し、我に返ったジェイトはリナイの問い詰めに「ドコブの邪魔をしたことか?衛人も折自(折り畳み自動機械であるトモダチ)も使用が禁じられている 私はそれを止めただけだ」と返すが、内心どうしてあんなことを、と自問自答する様子が描かれる。リベドア帝国准将としての統率力と忠義心がある反面、自己の正義感と葛藤するジェイトは、この後もエスロー達の監視を続け、ヌーキー戦後AMBを持つ彼を乗船させる事で任務を遂行する。

『人形の国』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

クドウデンジとナユタのモチーフは『ARABA』駆動電次と那由多

リベドア帝国大将クドウデンジと処刑隊ナユタの名称・鎧化デザインは、作者『弐瓶勉』の漫画『ARABA』の、主人公である駆動電次と那由多がモチーフである。

打ち切りの噂

最終盤では、ジェイト達が反逆者として大量の転生者と交戦するシーンが割愛され、あれだけ皇帝に執着していたカジワンが、再生者の自爆によりあっけなく死んでいき、最後の描写に至ってもセリフもなく完結する。又伏線回収にも至っていないなど、かなり駆け足気味で物語が展開する終わり方が説明不足、打ち切りであったと揶揄される一方、弐瓶勉ファンからすると、このような終わり方はよくあるそうで、らしい終わり方と評されるのも事実。「徹底的な説明の簡略化」が弐瓶勉作品の特徴の1つとされており、難解な表現をされることもしばしばあるとか。真相は不明。

作者弐瓶勉に関して

福島県郡山市出身。1995年アフタヌーン四季賞で『BLAME!』が谷口ジロー特別賞、前作『シドニアの騎士』にて2015年第39回講談社漫画賞受賞、2016年に第47回星雲省コミック部門を受賞、又同年コミコン・インターナショナルよりインクポッド賞を授与された。
弐瓶勉の作品、『BLAME!』、『BIOMEGA』、『シドニアの騎士』に出てくる「東亜重工」という会社は、デジタルアニメーションスタジオ『ポリゴン・ピクチュアズ』の主要株主である『株式会社ポリゴン・ピクチュアズ・ホールディングス』が、作者と共同で2017年に『東亜重工有限責任事業組合』を設立している。

『人形の国』広告動画

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