ONE OUTS(ワンナウツ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ONE OUTS』とは、甲斐谷忍による漫画作品。集英社『ビジネスジャンプ』に1998年~2006年まで連載されていた。完結してもなお、根強い人気を誇っている作品である。弱小球団であるリカオンズの救世主として渡久地東亜がチームに入り、リーグ優勝に導くために様々な策や戦略を練って対戦相手やオーナーに立ち向かっていくストーリーとなっている。「野球」という王道のスポーツゲームの中で、緻密で狡猾な「騙しあい」や「メンタルゲーム」の側面が描かれていることが、作品の魅力の1つである。

『ONE OUTS』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

渡久地東亜「銀の食器を壊したヤツは金の食器を買って返すのさ。 悪臭を撒き散らす工場の社長は、その工場の煙突のすぐ横に屋敷を構えるのさ。 それが責任をとるってことだ」

マリナーズの監督である忌野が、自分のチームのピッチャーに大きな迷惑をかけ、成績を落とす原因を作ったのにも関わらず、頭を下げるだけで責任を取ったとしようとしているのに対し、責任とは何かについて渡久地が「銀の食器を壊したヤツは金の食器を買って返すのさ。 悪臭を撒き散らす工場の社長は、その工場の煙突のすぐ横に屋敷を構えるのさ。 それが責任をとるってことだ」と忌野に告げた。

本当に責任を取るというのがどういうことなのか、まじまじと伝えてくれる言葉である。

渡久地東亜「勝ち残るとは屍を越える事だ…決して美しい事じゃない むしろ残酷な事なんだ それでも頂点に立ちたいと言うのなら 鬼になれ」

サヨナラ弾を児島に与えてしまいショックを受けているマリナーズのピッチャーに同情の声をかける出口に渡久地は「勝ち残るとは屍を越える事だ…決して美しい事じゃない むしろ残酷な事なんだ それでも頂点に立ちたいと言うのなら 鬼になれ」と言い放った。

「勝負事の世界において、使えるものは何だって使う」という渡久地の勝負への姿勢がうかがえる言葉となっている。

渡久地東亜「一旦通ってしまった不正 それはもはやイカサマでも反則でもない 正義だ」

ブルーマーズのチーム総出でのイカサマに対し怒るリカオンズメンバーを戒めるために渡久地が「一旦通ってしまった不正 それはもはやイカサマでも反則でもない 正義だ」と言い放った。

本当の意味で不正やイカサマと相対する場合、同じ土俵に立ったうえで上回る必要があるというのを伝えてくれるセリフである。

渡久地東亜「人間が一番隙を作るとき…それは勝利を確信した時だ」

ジョンソンが隠し玉によってアウトになった時に、直前まで勝ちを確信していたバガブーズ監督の城丘に対し放った一言が「人間が一番隙を作るとき…それは勝利を確信した時だ」である。

勝負事の世界に油断や安心は禁物であるという事を伝えてくれるセリフである。

児島弘道「球団が存続するっていうのはな 選手が居続けるってことじゃない ファンの心にリカオンズへの愛情があり続けるってことなんだ」

リカオンズメンバーにワンナウツ契約の事がばれ、チームメンバーが渡久地を追放しようとしていた時に「球団が存続するっていうのはな 選手が居続けるってことじゃない ファンの心にリカオンズへの愛情があり続けるってことなんだ」と児島が言い放った。

児島の発言は誰のために戦っているのか、何のために目標を達成しようとしているのか、その疑問にぶつかった人に見てほしい名シーンでもある。

『ONE OUTS』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

マンガとアニメで異なるワンナウツの成績

マンガでは2巻の第11話、アニメでは第3話で登場するシーン。

リカオンズのオーナーである彩川と渡久地が契約交渉を行った際に、過去の実績を伝えるための資料が用意されており、それに彩川が目を通している。

しかし、マンガ版では実績の部分に「ワンナウト 999勝1敗」と書いているが、アニメ版では「ワンナウト 499勝1敗」と書かれている。

作者・甲斐谷忍は『ONE PIECE』の尾田栄一郎の師匠

『ONE PIECE』の作者である尾田栄一郎は甲斐谷の連載デビュー作である『翠山ポリスギャング』の制作に、アシスタントとして約1ヵ月の間携わったことがある。

尾田はまだ駆け出しであったにも関わらず『月刊少年ジャンプ』への連載を拒否するなど、破天荒な部分を数多く見せたという。そんな尾田を見た甲斐谷は「将来大物になる」と感じたそうだ。

2009年に甲斐谷と尾田による「特別師弟対談」が行われた際に、甲斐谷は尾田が初対面の時から「ルフィそのままの人物だった」という印象を話している。

『ONE OUTS』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):Pay money To my Pain 「Bury」

本作のオープニングテーマを担当したのは、「PTP」の愛称で親しまれた日本のロックバンドPay money To my Pain。ヴォーカルKのしっとりとした歌声や切なさを感じさせるメロディーが美しい曲である。

ED(エンディング):TRIBAL CHAIR 「Moment」

本作のエンディングテーマを担当したのは、日本のロックバンドTRIBAL CHAIR。ゆったりとしたリズムから溢れ出る哀愁が伝わってくる曲である。

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