テツ(最終兵器彼女)とは【徹底解説・考察まとめ】

テツとは漫画『最終兵器彼女』に登場する人物である。主人公シュウジの先輩であるふゆみの夫であり、自衛隊の一員として敵国と戦っていた。後に最終兵器のちせが率いる小隊に配属され、彼女と行動を共にする。当初は指揮系統の観点からちせと距離を取っていたが、彼女の人間的な一面に触れ親密になっていく。ちせと不倫関係になりそうになるも、彼女がシュウジの事を未だ好きな事を見抜き、突き離した上で叱咤した。最期は敵兵に撃たれて致命傷を負い、朦朧とした意識の中でちせをふゆみと誤認。彼女と肌を重ね合わせながら絶命した。

英語

敵兵に英語で叫ぶテツ

テツは英語も話す事が出来る。彼の隠れ家にしていたアパートで、負傷した敵と相対した際に使用した。画像のシーンで彼は「武器を取るな!撃つな!君は怪我をしている!」と叫んでいる。

テツ(最終兵器彼女)の来歴・活躍

北海道で生まれ育つ

テツは北海道の田舎町に生まれる。中学生になった彼は陸上競技に打ち込んでいく。同級生だったふゆみは彼に憧れ、同じ陸上部に入部している。陸上成績がかなり優秀であり、後にシュウジの世代まで伝説として語られていた。

ふゆみから想いを寄せられており、時期は不明であるが2人は付き合い始める事になる。学校を卒業して社会人となったテツは自衛隊に入隊し、国防のための訓練に勤しむ一方で、冬季競技のバイアスロンのオリンピック強化選手として競技にのめり込んでいく。同時に陸上選手としても活動を続け、中学生から社会人まで参加出来る合同大会に参加した。そこで中学時代のシュウジと出会う。シュウジは本作『最終兵器彼女』の主人公である。目付きが鋭く、不器用で口が悪い。だが、内面はとても優しい少年であり、テツと似た性格をしている。大会はリレー方式で、シュウジがバトンを渡した選手がテツであった。シュウジは緊張して思う様に走れず、テツは彼の分も速く走り、多くの選手を抜き去った。だが、オーバーペースで終盤にバテてしまい、結果は散々であった。それでもテツは落ち込むシュウジを励まし、彼に勇気を与えた。この出来事がきっかけで、シュウジは彼に心の底から敬意を抱くようになった。

テツは自衛隊入隊後、ふゆみとの関係が上手く行かなかった時期がある。この時ふゆみはシュウジの通う中学校に教育実習生として赴任していた。彼女はテツへの寂しさを、彼に良く似たシュウジにぶつけ始める。ふゆみは彼を誘惑し、強引に肉体関係を持ってしまう。その後ふゆみの教育実習期間が終わった事で2人の関係は終わった。テツはふゆみの不貞行為を知らないまま、彼女との関係を改善して結婚する。結婚後は千歳の街に引っ越し、自衛隊生活を送っていく。

自衛隊として活動するテツは戦争が始まった事で、戦場に駆り出される。自衛官として優秀だった彼は2尉に昇進し、部下を率いて戦う事になる。彼が留守の間、敵襲により千歳の街は壊滅した。これによりテツとふゆみは生まれ育った町に居を戻す事になった。

ちせの部下になる

ちせ(画像左の人物)を気遣うテツ(画像右の人物)

自衛隊として活動するテツはちせの率いる小隊に編成される。上官であるちせは本作『最終兵器彼女』のメインヒロインである。平穏な女子高生として生活していたが、ある日国防の要として最終兵器に改造されてしまう。おっとりとした性格で、シュウジの彼氏でもある。突然女子高生の下に配属されたテツは戸惑いつつも、彼女のサポートをしていく。当初は女子高生のちせにテンションが高まり、気さくに話しかけて距離を縮めようとする部下達を一喝し彼女と距離を取るように仕向けた。これは指揮系統を考慮し上官と部下の区別を付けさせようとする彼なりの配慮である。また、兵器である彼女に対して恐れを抱いておりそういった心情が当初は彼に冷淡な態度を取らせた。その後ちせは暴走して街を一つ吹き飛ばし、テツは衝撃を受ける。そして何も守れず、破壊する事しか出来ない自分の身体にちせは絶望した。彼女は自分を殺すよう部下達に懇願する。戸惑う隊員達であったが、真っ先にテツは銃を突きつけて彼女に「明確な死」を突き付けた。これにより、ちせは「本当は生きていたい」という自分の意思に気付く。泣き崩れる彼女に、テツは「兵器である事を嘆くよりも、兵器である事で生きられる希望がある」事を説き、彼女に希望を与えた。

部下を失っていく

やさぐれたテツ

戦争は苛烈さを増し、テツの部下達は次々と戦死していく。彼は戦場で死んでいく部下達を看取っていった。部下の1人であるナカムラは致命傷を負って苦しみ、死ぬ間際に「どうせ死ぬならちせに殺されたかった」とボやく。そんな彼にテツは「これ以上ちせに背負わせるなよ」と疲れた様に言い、自らの短銃で彼に安らかな死を送るのであった。そしてナカムラの死体を抱きかかえたテツは「死にたくねえ」と涙を流す。最終的にテツは部隊で唯一の生存者となってしまった。彼は新しい部隊に再編されたものの、やさぐれてストレスから喫煙量を増やしていく。そして悲観的になり、新しく補充されてきた新兵のアツシに対し「お前もどーせ死んじまうんだろ?」と投げやりな言葉を投げかけていた。アツシはシュウジの元同級生である。高校を中退し、自衛隊に入隊していた。多くの部下を看取ってきた彼は、死んでいく人間の事を知ろうとしなくなっていた。それだけ彼は他人を思い遣り、その分彼らの死を背負ってきてしまったのである。そして「敵なら殺しゃすむだろ?」と殺伐とした言動が増えていった。

ちせと再会する

ちせ(画像左の人物)を慰めるテツ(画像右の人物)

戦場と化した街で活動するテツは、雪の降る教会の前でちせと再会する。彼女は度重なる暴走と、シュウジのふゆみとの不倫により、彼と別れていた。傷心の彼女は自衛隊基地を抜け出し、単独で行動していたのである。精神的に不安定な彼女はテツにもたれ、声を上げて泣く。そして泣き疲れた彼女はテツの腕の中で眠ってしまい、彼は仕方なく彼女を隠れ家へ連れ込んだ。この隠れ家は無人となったアパートの一室を、テツが勝手に借りている部屋である。戦場から近い場所にあり、部下達の死を見てきた彼は、ふゆみとかつて暮らしていたアパートに良く似ているこの隠れ家を死に場所にしようと決めていた。自衛隊は、小隊を率いる地位にあるテツが戦時中に隠れ家に通い、ちせとデートをしても誰にも咎められない程、指揮系統が崩壊していたのである。

テツは目が覚めたらちせと成り行きでデートをする事になった。街は戦闘で無人と化しており、2人きりだけのデートとなる。彼女はテツの優しさや言動に、シュウジの面影を見て彼に惹かれていった。そんな彼女をテツは突き放し、帰る様に促す。だが、戦況を兵器の能力で把握していた彼女は、絶望的な現状を淡々と語り始める。敵は大規模攻勢の準備を着々と進めており、現在は束の間の平和でしかなかったのだ。普段のちせとは余りにもかけ離れた様子と、話の内容にテツは戸惑いを隠しきれずにいた。実は彼女の人格は兵器に侵食されつつあり、時折別人の様に振る舞っていたのである。現状を話した上で彼女は、テツに未だ帰りたくない旨を伝えた。2人は残り僅かな平和な時間を共に過ごす事になる。

2人は隠れ家で一時の平和な時間を楽しんだ。彼等の距離は次第に縮まり、やがて肉体を重ね合わせていく。だが、テツはちせが未だシュウジの事を想っている事を悟り、行為を中断して彼女を突き放す。そしてちせを叱咤して、彼女を基地へと帰すのであった。これにより彼女は少しだけ精神的に成長する。

ちせに看取られて戦死する

ちせ(画像奥の人物)に看取られたテツ(画像手前の人物)

ちせの予言通り、敵の大規模攻勢が開始される。テツは戦場を駆け回り、死闘を繰り広げていた。彼は多くの敵兵を殺したものの、被弾して重傷を負ってしまう。絶望的な現状にテツは自ら死を選ぶ事を選択した。そして死に場所を求めて隠れ家へと赴く。だが、そこには既に、負傷した敵兵の一団が居り、テツは銃撃されてしまった。

致命傷を負い、朦朧とした意識の中でテツは駆け付けたちせをふゆみと誤認する。死ぬ前に愛するふゆみのぬくもりを感じたいと考えたテツは、ちせの身体を求めていく。彼は以前、彼女に「死ぬ前にふゆみを抱きたい」と呟いていた。この事を聞いていたちせはテツの最期の願いを叶える為にふゆみに成り切り、彼に身体を預けるのであった。吐血し、もがき苦しみながらテツはちせと肌を重ね合わせ、彼女の胸の中で息絶えた。

テツは死亡したものの、彼の存在はちせの精神を支え、成長させた。後にちせはふゆみの元へ彼の遺書と持ち物を届け、彼の戦死を伝えるのであった。

テツ(最終兵器彼女)の関連人物・キャラクター

ちせ

本作『最終兵器彼女』のメインヒロイン。自衛隊の手により、最終兵器に改造された少女である。元々はおっとりとした性格の普通の高校生であった。テツはちせの通う高校のOBであり、彼女と同じく陸上部に所属していた。その為、テツは彼女の先輩に当たる人物である。

最終兵器に改造されたちせは一尉の階級を与えられ、小隊を率いる事となった。その小隊に年上の部下としてテツは配属される。元々平凡な女子高生だったちせの代わりに、小隊のまとめ役としてテツは彼女をサポートした。当初は指揮系統の観点から、ちせと距離を取っていたものの、彼女の苦悩に触れて優しく接する様になる。そんなテツに、ちせは彼氏であるシュウジの面影を見るのであった。その後もシュウジと別れ、孤独と不安に押し潰されそうになる彼女を、テツは優しく支える。次第に2人の距離は縮まっていき、肉体関係を結ぶ寸前にまで発展した。だが、ちせが元彼のシュウジの事が未だ好きである事を見抜いたテツは、彼女を突き放し叱咤する。これにより精神的に不安定だったちせは成長し、立ち直った。

テツが致命傷を負った際、ちせは彼の最期を看取った。彼女はテツの妻であるふゆみに成り切り、もがき苦しむ彼を優しく包み込んだ。テツはちせの胸の中で吐血しながら亡くなる。

ちせにとってテツは、一人前に成長したシュウジの様な存在であった。テツはシュウジの代わりに、兵器となったちせを1人の女の子として扱う。そしてシュウジの代わりに、不安定なちせを支えた。だが、テツには既にふゆみという最愛の人がおり、ちせのパートナーにはなれなかった。ちせはテツを看取った後、最期まで自分の名前を呼んでくれなかった事に涙を流す。

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シュウジ

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