テツ(最終兵器彼女)の徹底解説・考察まとめ

テツとは漫画『最終兵器彼女』に登場する人物である。主人公シュウジの先輩であるふゆみの夫であり、自衛隊の一員として敵国と戦っていた。後に最終兵器のちせが率いる小隊に配属され、彼女と行動を共にする。当初は指揮系統の観点からちせと距離を取っていたが、彼女の人間的な一面に触れ親密になっていく。ちせと不倫関係になりそうになるも、彼女がシュウジの事を未だ好きな事を見抜き、突き離した上で叱咤した。最期は敵兵に撃たれて致命傷を負い、朦朧とした意識の中でちせをふゆみと誤認。彼女と肌を重ね合わせながら絶命した。

ちせ(画像左の人物)を抱くテツ(画像右の人物)

兵器として成長する彼女は次第に自分の力を抑えきれなくなっていく。そんな中、彼女は戦場で暴走し、街を丸ごと1つ灰塵に帰してしまった。自分の強大な力に絶望した彼女は、駆け付けた自衛隊員達に自分を殺して欲しい旨を懇願する。そんなちせにテツは銃を突き付け、彼女に「自分は本当は生きていたい」と思っている事を自覚させる。そしてちせはテツの胸で泣き崩れた。そんなちせに彼は「ちせは兵器である為、死ぬ事は無い」と、彼女が兵器である事の利点を説く。その上でテツは「正直、死にたくねぇ。好きな女に、会って抱きてぇ」と、ちせに自らの本音を打ち明ける。この「好きな女」とはふゆみの事である。この言葉を聞いたちせは、後にふゆみの代わりに彼を抱いて最期を看取った。

ちせの胸の中で絶命するシーン

ちせ(画像奥の人物)に抱かれて死ぬテツ(画像手前の人物)

敵の大規模攻勢の最中、テツは致命傷を負ってしまう。朦朧とする意識の中、駆け付けたちせをふゆみと誤認する。ちせはふゆみを演じて彼に身体を預けるのであった。血を吐きながら、彼女と肌を重ね合わせていくテツは遂に彼女の胸の中で絶命する。

天使の様な白いワンピースのちせに抱かれて死ぬ血塗れのテツの姿は衝撃的であると同時に、悲壮感を漂わせる。

テツ(最終兵器彼女)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

テツの所属した自衛隊の歴史

陸上自衛隊員

テツが所属した自衛隊は現実の自衛隊がモデルとなっている。自衛隊の歴史は戦後にまで遡る。敗戦した日本軍はGHQにより解体され、アメリカ軍が日本の治安を維持していた。だが、1950年に朝鮮戦争が勃発した事でアメリカは其方に軍事力を集中させる。これにより、日本の治安及び国防を担う組織として「警察予備隊」が組織された。1952年には海上警備隊及び海上保安庁航路啓開隊と共に保安庁の下に統合される。「保安隊」及び「警備隊」に改組された。その後も国防を重心的に担う様になり、1954年に保安庁が防衛庁となる。これに伴い保安隊及び警備隊は「陸上自衛隊」「海上自衛隊」「航空自衛隊」に再編された。2007年には防衛庁は防衛省に昇格し、自衛隊は本格的に国防を担っていく事になった。

因みに自衛隊は憲法上「災害レスキューのプロフェッショナル」として扱われている。これは憲法第9条の「軍隊の放棄」によるものであった。だが他国からはARMY、即ち軍隊として扱われている。

テツの所属した自衛隊の階級

自衛隊の階級一覧

テツは自衛隊では2尉の立場であった。実際の自衛隊の自衛隊も同じく16の階級が存在し、大きく3つに大別される。上から幹部、准尉、曹士となっており、それぞれ階級章のモチーフも異なっている。また階級自体は同じものの、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊で呼称が異なっていた。例えばテツは陸上自衛隊の2尉官であるので「2等陸尉」と正式には呼称される。

幹部は将官、佐官、尉官(准尉を除く)の3種類に分割され、主に部隊の指揮等の自衛隊の運営を担っている。その中でも将官は別格の扱いをされており、破格の給料や権限を有している。因みに自衛隊の頂点の階級は「幕僚長」と呼称される。定年は55歳から62歳であり、階級が上に行くに従って定年が伸びていくシステムである。

准尉は尉官の下に当たる階級で、幹部の補佐的な仕事を行っている。会社でいう所の中間管理職に当たる。定年は55歳となっている。

曹士は現場職に当たる階級である。実際に戦場や災害現場で活動する事が多い。曹士は更に「曹」「士」に分類され、曹は士の隊員を指導し教育する立場にある。曹の定年は53歳から55歳である。士は任期制であり、自衛官候補生の期間も含めて2年間の勤務をする事になる(技術職は2年9か月)。この期間を過ぎると本人の希望や選考を踏まえて、除隊や継続登用等が成される。

自衛隊の特徴としては中卒等の学歴でも、功績次第で出世するという点である。その代わり期間内に成果を出せなければ定年が短くなったり、士に至っては短期間で職を失う事になる。入るのは簡単であるが、居続ける事が難しい。

テツが打ち込んだバイアスロン

バイアスロン選手

テツが打ち込んだ、バイアスロンはスポーツ競技の一種である。スキーを履いて規定されたコースを周回し、ライフル銃で的を狙撃するという冬季競技である。スキーの滑走タイムや着順、射撃の正確性から総合的なスコアを算出し、それを競っていくスポーツとなっている。「スキー」と「ライフル射撃」の2種目のスポーツを合わせた競技で「バイ」はラテン語の2を意味していた。オリンピック種目になっており、世界中にプレイヤーが多い種目でもある。元々は「冬場にスキーで獲物を追い詰める」という雪国の狩猟が原型であり、スウェーデンやノルウェー等の雪国で誕生した。日本の場合、銃を扱う性質上、自衛隊員や警察官が選手になる事が多い。また、派生型としてスキーの代わりに陸上競技を行ってライフル射撃を行う「ランニングバイアスロン」というのも存在する。

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