ハイガクラ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ハイガクラ』とは、高山しのぶにより2008~2015年まで『コミックZERO-SUM増刊WARD』で連載、本紙が休刊した後は『ゼロサムオンライン』にて連載されている中華風ファンタジー漫画。竜王が人々のためにつくった国「五神山」。国を支えていた神々が逃げ出したことで崩壊の危機に瀕していたたその国は、「人柱」を作ることでその危機を回避した。一葉は、人柱にされた育ての親を救うために逃げ出した神々を連れ戻そうとするが、次第にこの国の真実を知っていくことになる。

自身が何者であるか分からない一葉と滇紅。
本来なら帝江しか守護しないはずの白豪に護り育てられたその理由すら知らない一葉、記憶も自我も一度失い自身が何者なのか誰も知らない滇紅。
互いに何も知らずに分からないことを今までずっと見て見ぬふりをしていた二人だったが、一連の騒動でこのままではいられないと痛感する。
普段の不遜な態度とは打って変わってどこか不安げな様子の滇紅に一葉は「ここを出たら、俺とお前を捜しに行こう」と告げ、自分たちを知る必要があると覚悟を決めるのだった。

一葉の前でだけは西王母ではなくただの珠龍として涙を流す白珠龍

白珠龍は「自分のために、自分のせいで山烏は罪を犯したのだ」と告げる。
過去への未練を見せてしまったことを後悔する白珠龍を、お前のせいではないと慰める一葉。
16歳で時を止めた白珠龍と、19歳に成長した一葉。
心は同じように成長するのに、見た目はどんどん離されてしまうと、普段は抑え込んでいる白珠龍としての感情を抑えきれずに「ごめん。今だけ、今だけは、他ではちゃんと西王母するから…!!」と涙する白珠龍とそれを受け止めて複雑な感情を抱く一葉であった。

一葉「自分の人生も背負いきれていない俺らと違って、人の人生も背負ってなおまだ真っ直ぐに立てる奴らが仙って奴になれるんだろうよ…」

「白珠龍のために」そう罪の言い訳をする山烏に対して一葉は「今さらあいつのためぶんなよ」と一喝する。
白珠龍は自分の居場所を自分なりに必死に作ろうとしている人間で、とっくに自分の役目を受け入れている。ただ一時、昔を思い出し気を休める一時を求めただけだったのだ。
「白珠龍は何かを人のせいにしない偉いやつであり、山烏が憎んでいた仙も、自分の身を削るお人好しや息子の裏切りを知っても見捨てないそんな奴らだ」と一葉は山烏に言葉をかけ続ける。
一葉の「自分の人生も背負いきれていない俺らと違って、人の人生も背負ってなおまだ真っ直ぐに立てる奴らが仙って奴になれるんだろうよ…」という言葉からは、彼の精神的な成長を垣間見ることができる。

余談だがこの後「自分のことを憎んでいたはずの一葉がかばってくれるなんて」と一葉が精神的に成長したことに感動して涙する藍采和の姿があった。

『ハイガクラ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

別作品のキャラクターが登場

渾沌や蚩尤から逃げ出した白珠龍を武夷が助けた際に、現代日本の一般人として、筆者の別作品である『未完成サイコロトニクス』のキャラクターがひっそりと登場している。

筆者はゲームやゲーム実況好き

https://twitter.com/yamasinotakabu/media

筆者の高山しのぶはゲームやゲーム実況を好んでおり、自身のXにて感想イラストや応援イラストなどを頻繁に公開している。
漫画家としてだけでなく、イラストレーターとしても人気が高いため、筆者のそういったイラストを楽しみにしているファンも多い。
毎年開催されている「マイクラ肝試し」という、ゲーム実況者が参加する肝試しのイベントにて、スポンサーカードのデザインを務めたこともある。

見ないと損な後書

漫画単行本の最後に、後書として筆者がひっそりと書いている数ページ。
過去の他作品のキャラクターが登場したり、現行キャラクターのちょっとした裏話などを読むことができる。
例えば7巻の後書には『あまつき』の主人公である「鴇時(ときどき)」が登場する。自分たちの出番が減っていると危惧する滇紅たちに「丙閑は『露草(つゆくさ)』(『あまつき』で非常に人気だったキャラクター)に似たタイプだからしかたない」とキメ顔をする様が描かれている。

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