美しい彼(小説・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『美しい彼』とは、2014年に凪良ゆうによって執筆されたBL小説である。2021年にはドラマ化され、主要キャストの平良一成を萩原利久が、清居奏を八木勇征が演じた。軽度の吃音を持つ平良一成は、高校のクラス替えで生まれ持ってのキングのようなカリスマ性を放つ清居奏と出会う。2人はすれ違いながら惹かれ合った。ギャラクシー賞マイベストTV賞第16、17回グランプリ、BLアワード2022で1位を獲得。同じ想いを抱えながら分かり合えないという繊細な心理描写が魅力的な純愛作品である。

設楽克己(したら かつみ/演:落合モトキ)

安奈の熱烈なファン。清居の現場に追っかけに来ていた平良と会い、死んでもいいと思うほど落ち込んでいた時に安奈の笑顔を見て、魂をさらわれたのだと安奈のことを語った。魂をさらわれたという表現が理解出来た平良と意気投合する。

平良の親族

菜穂(なほ/演:綾乃彩)

平良の従姉妹。政治家の旦那がいて、智也という名の息子を持つ。政治家の奥さんに相応しいような品があり、責任感が強い女性だ。平良の両親から一人暮らしの息子の様子を見に行ってほしいと頼まれ、ケーキを手土産にやってきた。

『美しい彼』の用語

吃音

言葉が滑らかに話せない発話障害。頭文字の繰り返しや引き伸ばし、言葉を発するまでに時間がかかるという症状が出る。症状には波があり、うまく話せることもあるという。精神的なストレスが要因になることも多く、大人になると症状が治るケースもある。「どもり」とも呼ばれる。

アヒル隊長

用水路を流れるアヒル隊長。

高校3年生になった平良が学校に行く途中の用水路で見つけたアヒルのおもちゃ。本来なら温かいお風呂や子供用のプールに浮かんでいるものだが、相応しくない用水路に浮かぶアヒル隊長を自分に重ねた平良はカメラのシャッターを切った。平良は好きで吃音症になったわけではなく、好きでスクールカースト最底辺にいるわけではない。平良はこのアヒル隊長を見てから、辛いことがあった時、用水路でも淡々と流れていたアヒル隊長のようであろうと考えるようになる。平良の精神の支えとなったアヒル隊長は、平良の家にも置かれている。のちに、平良が用水路で見つけたアヒル隊長を清居も見つけていて、清居も望まない場所にいるアヒル隊長と自分を重ねていたことが分かる。

スクールカースト

学校社会における生徒間の優劣、序列が階層化しているという仮説で出来上がったピラミッド。
例を挙げると、ピラミッドの頂点には、発言力やコミュニケーション能力が高い生徒がおり、最下層には大人しく友達が多くない生徒が属する。

シルクロードカフェ

シルクロードカフェの舞台に登場した清居。

お店全体を舞台として演劇が行われるカフェ。内装はカフェそのもので、舞台があるわけではなく、客席で芝居が行われる。いじり席もあり、その席に座ると演者からアドリブで話しかけられる。

キングと一兵卒

清居を乗せて自転車をこぐ平良。

平良が感じている自分と清居の関係性を表す言葉。平良は自分と清居の関係性を、キングとそのキングに仕える一兵卒のようだと考えている。平良は清居と会った時から、清居のことをキングだと思っていた。引力めいたものを感じる美しい容姿も然ることながら、高校3年生の春は清居の言動でクラスの意見が決まるような、そんな雰囲気があった。清居がボーイズコンテストで優勝を逃し、クラスで嫌な噂がたったときも、清居は動じず夢に向かって努力し続けた。そして清居は、ボーイズコンテストの時に目をつけてくれた事務所に所属し、ファッション雑誌に登場する。どんな清居も平良にとっては特別で、それを汚そうとするものがあれば自分はそれを排除しなければならないという使命感を持っていた。キングと同じ場所に立とうなどお烏滸がましいと平良は思ってしまう。平良は、自分はキングに仕える一兵卒であるが、最後の1人になっても清居を守ると心に決めている。

エビコロ

平良が作ったエビコロ。

平良の母がよく作ってくれていた料理で、平良は清居にエビコロを振る舞う。作中ではサクッという良い音をたてて、清居がエビコロを頬張っているシーンが印象的だ。平良が作るご飯で清居の1番のお気に入りメニューである。

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