SIDOOH―士道―(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『SIDOOH―士道―』とは、髙橋ツトムの歴史漫画で、2005年6月から2010年11月まで『週刊ヤングジャンプ』に連載された。幕末の動乱期に入る直前の江戸時代を舞台に、両親を亡くした雪村兄弟が剣術を身につけながら侍として生き抜く物語であり、幼少期と青年期の2つの部分に大きく分けられ、特に幼少期の悲惨さは他の歴史漫画には無いと評されている。時代の混沌と修羅の世界を背景にした兄弟の成長と彼らが直面する試練を描いており、読者に深い感銘を与える。

白心郷は、物語内で重要な役割を果たす架空の組織だ。まず、カルト宗教的な要素を持つ組織でありその信念や儀式が物語の中で重要なテーマとなる。
信者たちは瑠儀に絶対的な忠誠を誓い、様々な儀式を通じて彼に仕える。しかしその儀式の中には生命を奪うものも含まれており、信者は瑠儀の命令に絶対服従するという暗い一面を持っている。
さらに白心郷は宗教的な活動とは別に、闇の商売にも関与している。人の肝臓を粉末にして取引するなど、非道な行為に手を染めている。
また、瑠儀の野望を達成するための武装集団としても活動している。私兵を擁し、彼らは瑠儀の命令に忠実に従い、物語内で重要な対立勢力として登場する。瑠儀の野望を実現するためには、白心郷の武力も重要な要素だ。つまり、暗く複雑な要素を持つ集団として描かれている。

白連隊 (びゃくれんたい)

白連隊は、水戸藩の尊皇攘夷の一派で、幕府に対抗し戦った武士たちの集団。朝倉清蔵を筆頭に、主人公の雪村兄弟、伊能、百舌、鮫島などがその一員。京都で新選組と敵対し、黒船に潜入したり松平容保公を暗殺しようとしたりと、激動の時代に多くの活動をした。

浪士組

武士たちの組織で、主に将軍の上洛警護を務めた。翔太郎が浪士組に参加し、江戸への帰還に反対。組織を脱退して会津藩の保護下に入る。その後、彼は新選組との対立や病気に苦しむなど、運命に翻弄される。

壬生浪士組

新選組の前身となった武士たちの集団で、主な目的は尊皇攘夷。壬生浪士組に所属する試衛館の門人である土方歳三や沖田総司などが登場し、土方は剣の腕前が優れており、熱血漢で大胆な性格を持っている。一方、沖田は病弱で穏やかな性格を持ち、主人公の源太郎と親しい友情を築く。

『SIDOOH―士道―』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

雪村翔太郎「あなたの体は斬れても、志までは斬れません」

翔太郎が高杉晋作と出会い未来や夢を語り合い意気投合、さらに感銘を受け酒を酌み交わす仲となる。
男としても互いに尊敬しあう間柄だったのだが、所属している藩から敵になる。
互いの剣技の腕のほぼ互角、1対1の決闘となった。なかなか決着はつかず最後には、高杉の命が結核により長くないことを知る。
だが手をぬかずに翔太郎は高杉の剣を弾く。
決着がついた時、翔太郎に「命を取れ」と懇願する。そこに男の覚悟、さらには高杉の「士道」を見た翔太郎が最後の一振りの際「あなたの体は斬れても、志までは斬れません」と、高杉に対して心から尊敬を込め言ったセリフ。
翔太郎は高杉を斬ることで、さらに自分の「士道」をつらぬく覚悟を決めた。

雪村翔太郎「道が何本あろうと 士 の道は一本です」

翔太郎が戦いに行く際に覚悟を問われ、いろんな暗躍もある中で惑わされることなくまっすぐな目で「道が何本あろうと 士 の道は一本です」と言った。
今までの戦いの中でも、これからの戦いも翔太郎自身の中の「士道」についてブレない決意ともとれるセリフ。

雪村翔太郎「俺たちは…死んでもこの国を守る」

国に忠義を誓い、義理堅い雪村兄弟が敵に先回りされ絶体絶命の中、味方の藩からは諦めの声や剣を離すものもいた。だが諦めてない雪村兄弟に次第に仲間たちも思い直す。決意新たに再確認の気持ちを込め「俺たちは…死んでもこの国を守る」と言いさらに仲間たちを鼓舞し、戦いに向かったセリフ。

雪村源太郎「兄さん、俺は兄さんと一緒に生きる。それが俺の士道だ」

翔太郎が命をかけて戦いに向かう際に源太郎が「兄さん、俺は兄さんと一緒に生きる。それが俺の士道だ」と言う。
不器用な源太郎の覚悟とともに翔太郎への応援ともとれる。

雪村源太郎「俺は、俺の兄さんを信じてる。兄さんは、俺の兄さんだから」

翔太郎が1人で行動していた際、裏で暗躍しているのは翔太郎だとデマの情報が流れる。藩は、不安になり統率も取れなくなっていた。
めずらしく静かに聞いていた源太郎は「俺は、俺の兄さんを信じてる。兄さんは、俺の兄さんだから」と言い、自分に言い聞かせるとともに、仲間たちを安心させるために言ったセリフ。
これにより藩の雰囲気は戻りさらに絆も強くなった。

朝倉清蔵「俺は、俺の剣で金を稼ぐ。それが俺の士道だ」

なぜ人を切るか聞かれ「俺は、俺の剣で金を稼ぐ。それが俺の士道だ」と言う。冷酷のなかに覚悟もあり、清蔵の生き様が見えるセリフ。

朝倉清蔵「お前たちが、俺たちを殺す前に、俺たちがお前たちを殺す」

自身の剣の腕と仲間たちの腕を信じてる清蔵が敵に対峙し囲まれた際に「お前たちが、俺たちを殺す前に、俺たちがお前たちを殺す」と言い仲間を鼓舞し、戦うセリフ。
白連隊の信頼と徐々に冷酷な清蔵が、人になっていく様子が伺える。

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