終末のワルキューレの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『終末のワルキューレ』とは、『月刊コミックゼノン』で2018年1月から連載されているバトル漫画である。原作は梅村真也、構成フクイタクミ、作画をアジチカが担当している。人類を滅亡させようとする神と人類の最終闘争(ラグナロク)を舞台とし、神と人類からそれぞれ選ばれた13人による1対1(タイマン)の戦いが描かれている。死力を尽くして戦う登場人物たちからは数々の名言・名シーンが生まれており、今回はそれらを紹介していく。

自らを始まりの王、王の中の王と名乗る始皇帝(しこうてい)に「貴様にとって王とはなんだ?」とハデスは尋ねる。始皇帝は即座に「惑わず 曲げず 頼らず、常に民の先頭(まえ)に立ち続ける それが王である」と答える。その答えを聞いたハデスは弟のポセイドンによく似ていると言う。「ポセイドンは誰よりも王の称号にふさわしい神であった。その名にかけて兄である余が…人の王如きに屈するわけにはいかぬのだ」とさらなる強力な技を仕掛ける。
3回戦で小次郎に敗れたポセイドンが発した「神は群れぬ、神は謀らぬ、神は頼らぬ、それこそが神」という言葉と同じことを言う始皇帝に、人の王としての資質は認めながらも神としての誇りを語った名ゼリフであった。

「不甲斐ない兄を 許せ…」

敗北し、消滅していくハデス

神話の時代、ギリシャ神界で起こった巨人族との戦争「ギガントマキア」において、背後を衝く形で進行を始めた冥界のティターン族をたった1人で食い止めたのがゼウスやポセイドンの兄であるハデスであった。ハデスは兄弟を心から愛し「お前たちの兄として、誰にも負けぬ」とポセイドンに誓っていた。
しかし始皇帝との死闘に破れ、その誓いを守れなかったハデスは「弟たちよ…余は誓いを…果たせなかった、不甲斐ない兄を 許せ…」と呟きながら消滅していった。
始皇帝との戦いに満足しながら、それでも長兄としての責任を果たせなかったことを恥じる哀しい名ゼリフであった。

始皇帝の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「己の痛みなどいくらでも耐えられる」

アルヴィト(下)の傷をを気遣う始皇帝(上)

幼い頃、敵国の趙に人質となっていた始皇帝は趙人たちの恨みや憎しみを一身に受け続けた結果、他人の痛みや向けられた憎悪によって体中に傷が浮かび上がるという特異体質になってしまっていた。
普段は目隠しをすることでそれを和らげていたが、ハデスとの戦いでハデスの気の流れを見るために目を開放した。
ハデスの最大攻撃を受けた始皇帝は自らの神器となっているワルキューレのアルヴィトを気遣う。「あんたの方こそ大丈夫なの」と訪ねるアルヴィトに、始皇帝は「他人の痛みに比べれば、己の痛みなどいくらでも耐えられる」と左手を失いながらも笑みをたたえて答える。
常に民の先頭に立ち、民の痛みを我が痛みとした「王の中の王」始皇帝らしいセリフであった。

「王の誇りとは人類(たみ)を守ることのみ」

王としての誇りをかけてハデスに挑む始皇帝

始皇帝が手にした神器はワルキューレのアルヴィトによる、防御に優れた鎧「神羅鎧袖(しんらがいしゅう)」であった。ハデスの攻撃を耐え続けてきたが、最期の局面で最大の防御である攻撃のために「始皇匂践剣(しこうこうせんけん)」へと姿を変える。
この戦いで初めて剣を構えた始皇帝に観客の人類は最大の声援を送る。その中には始皇帝の母代わりであった春燕(しゅんえん)もいた。その声援を聞きながら「王の誇りとは人類(たみ)を守ることのみ」とつぶやく。
誇り高き王として、ハデスも認める始皇帝の姿が印象的な名ゼリフであった。

ベルゼブブの名言・名セリフ/名シーン・名場面

ベルゼブブの絶望

リリスを殺害し、我に返るベルゼブブ

ベルゼブブは幼い頃から「サタンに呪われし者」と呼ばれ、誰からも愛されることがなく育った。しかし初めてできた友人の天使サマエル、ルシファー、アザゼルと過ごすうちに初めて笑顔を見せるようになっていく。しかし幸せの絶頂かと思われた時、ベルゼブブが眠っている間に3天使はサタンに殺害されてしまう。ルシファーらの仇を取るため、ベルゼブブはルシファーの幼馴染の女神リリスとともにサタンの正体を突き止めようとする。いつしか心を通わせるようになったリリスとベルゼブブだったが、その瞬間ベルゼブブはリリスを殺害してしまう。ベルゼブブは愛が極限まで高まった瞬間に愛するものを壊してしまう性格の持ち主だったのだ。友人たちの仇として探し求めたサタンが自らの中に存在し、愛するものを自らの手で殺害してしまうというベルゼブブの絶望がよく分かる名場面であった。

ベルゼブブとハデスの出会い

ハデスとの戦いに敗れ、最期を待つベルゼブブ

最愛の神リリスを自らの中に棲むサタンによって殺害してしまったベルゼブブは、自分を殺してくれる神を求めて冥界にまで降り立った。そして数々の神と戦いながらも死ぬことができずに、ついに冥界の王ハデスの前に現れる。圧倒的な力の差にベルゼブブは「これでやっと死ねる」と笑みを浮かべる。ハデスはなぜそんなに死にたいのか尋ねると、ベルゼブブは自らの手で心臓を貫こうとしても、リリスが残した胸の入れ墨の呪いにより死ねないのだと答える。するとハデスはそれは呪いではなくリリスによる「生きてほしい」という祈りなのだとベルゼブブに言う。「死ぬことよりもどう生きていくかを考えるべきではなかったのか?」とハデスは問いかけ「よく考えてみて、それでもまだ殺されたいと願うのならもう一度来い」と言い残し、ベルゼブブを置いて立ち去る。
絶望の底でもがき苦しむベルゼブブと、あくまで彼を救おうとするギリシャ神話の長兄ハデスの懐の広さと優しさがよく分かるシーンである。
この後ベルゼブブはハデスのことを慕うようになり、ハデスが始皇帝に敗れたことで人類を鏖にしたいと願うようになるのであった。

ニコラ・テスラの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「現在はキミたちのものかもしれないが、未来は我々のものだ」

人類と科学の未来を信じるニコラ・テスラ

ベルゼブブの本気の一撃を受けたテスラだったが、ダメージを全く感じさせない笑顔でベルゼブブの攻撃を増幅している杖の仕組みに興味を持つ。そんな緊張感のないテスラにベルゼブブは「これ以上付き合うつもりはない」ととどめを刺そうとする。
しかしテスラは笑顔でそれを否定し「現在はキミたちのものかもしれないが、未来は我らのものだ」「人類とは常に現在の一歩先、二歩先を視る生き物なのだよ」とベルゼブブに語りかける。
「そろそろ満ちたようだ」とテスラは前もって張り巡らせておいたスーパーテスラ粒子により、その中では反重力を実現する「神々の監獄」を作り上げる。
常に科学の進歩を信じてきたテスラらしい、明るい未来を信じた名ゼリフであった。

「科学にとって情報の秘匿は害悪でしかない」

自らの技テスラワープについて説明するニコラ・テスラ

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