海底47m(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『海底47m』(原題: 『47 Meters Down』)は、2017年に公開されたイギリス・アメリカ合作のパニックホラー映画。興行収入は6230万米ドル。監督はスリラー映画を主戦場とする英国人脚本家のヨハネス・ロバーツ。旅行先のメキシコ湾で、檻の中からサメを見る「ケージダイビング」に挑戦したケイト(演:クレア・ホルト)とリサ(演:マンディ・ムーア)姉妹が恐ろしい事態に追い込まれる。一般的にサメ映画はサメに焦点を当てたものが多いが、本作は深海世界の恐怖に焦点を当てたことが特徴である。

『海底47m』の概要

『海底47m』(原題: 『47 Meters Down』)は、2017年に公開されたイギリス・アメリカ合作のパニックホラー映画。制作時点ではDVDとVODのみでリリースされる予定だったが、配給会社が直前に劇場公開へ踏み切ることを決定した。低予算のインディーズ作品であるにも関わらず、興行収入は6230万米ドルのヒット作となり、後に『海底47m 古代マヤの死の迷宮』が作られるなどシリーズ化された。監督はスリラー映画を主戦場とする英国人脚本家のヨハネス・ロバーツ。
旅行先のメキシコ湾で、檻の中からサメを見る「シャークケージダイビング」に挑戦したケイト(演:クレア・ホルト)とリサ(演:マンディ・ムーア)姉妹が恐ろしい事態に追い込まれていく。

『海底47m』のあらすじ・ストーリー

ケージダイビングへと向かうリサとケイト

姉のリサと妹のケイトはメキシコ旅行に出かけた。予定ではリサの恋人であるステュも同行するはずだったが、出発前にリサとステュの関係は破綻してしまった。恋人に振られ、泣いているところをケイトに見られたリサは、妹のケイトに「退屈な人間」であることが振られた理由であることを告白する。ケイトはリサを元気づけるため、夜の街へ繰り出した。そこで姉妹は、地元の青年であるルイスとベンジャミンと出会う。彼らは「気分転換にはもってこいだ」と、サメのケージダイビングに姉妹を誘った。ケージダイビング業者は彼らの友人で、特別に1人100ドルという格安価格で体験できるという。ケージの中に入り、5m海中に潜るだけだと言われるものの、8m級のサメが至近距離まで来ることにリサは二の足を踏んだ。しかし、ケイトに「退屈な女ではないことを、ステュに見せつけてやれ」とそそのかされ、渋々了承する。

翌日、待ち合わせ場所に到着した姉妹は、ルイスとベンジャミンからケージダイビング船の船長であるテイラーと助手のハビエルを紹介される。6人は古い釣り船のような乗り物で、ダイビングに使うケージは鎖が細く、頼りない作りの船でサメのポイントまで向かった。船は停泊し、まき餌でサメをおびきよせた。先にルイスとベンジャミンの2人が酸素ボンベを背負ってケージに入り、海中に潜って安全であることを証明し、その後リサとケイトが入ることになった。ダイビング経験があるという2人に、テイラーが簡単な説明をすると、姉妹はルイスから水中カメラを借りて、ケージに入った。海中ではたくさんの魚が群れており、美しい景色にリサとケイトは見とれた。姉妹が水中で記念撮影した直後、誤ってケイトはカメラを落としてしまう。海底に落ちていきそうになるカメラに手を伸ばすと、急に現れたサメが下からカメラを飲みこんだ。

海底47mに落下してしまった姉妹

サメに驚きながらも触れないかと姉妹が盛り上がっていると、急にウインチが滑り、ケージが急降下してしまう。クレーンが壊れ、リサとケイトはケージごと海底に落ちてしまった。気絶から目覚めたリサはパニックになった。ケイトが必死に呼びかけパニックは収まったが、深度計は47mを指していた。この深さは無線の圏外で、テイラーと会話ができない。ケイトが無線が届く範囲まで泳いで連絡を取るため、天板の出入口から出ようと試みるが、クレーンが寄りかかっており、出入口は開かなかった。ケイトはBCD(浮力調節装置)と酸素マスクを一時的に外すことで何とか柵の隙間から抜けだし、ようやくクレーンを外すことに成功した。40mの高さまで浮上すると、無線での連絡に成功し、ケイトはテイラーに助けを求めることができた。再び海底に戻ったケイトは、リサにテイラーから「助手のハビエルが降りて、予備のウインチをつけて引き揚げる」と言われたことを伝えた。

助けを待つ間、リサはケイトにこれまでの感情を告白した。リサはあらゆる分野で自分よりもケイトが上回っているというコンプレックスを抱いており、唯一、恋愛だけがケイトよりも勝っていると思っていたと明かした。それを聞いたケイトは、「彼が今のリサを見たらどう思う?」と質問すると、絶望的な状況下にも関わらず、思わず姉妹には笑みがこぼれた。その時、何か物音がして、2人は海底から見上げると、船のエンジン音が聞こえたような気がした。置き去りにされたのではないか不安になり、ケイトはもう1度テイラーと無線で連絡がとれるか確認しに行くという。リサは別の船だと言ってケイトを引き留めるが、ケイトはリサを振り切って浮上していった。先程連絡に成功した40m付近まで浮上しても、今回は連絡がつかない。その過程でサメを見かけたケイトは、急いでケージへ戻った。何とかケージに入るが、サメが凄まじい勢いで追いかけてきた。サメはしばらく柵を齧った後、去っていった。

このまま海底に留まっていると酸素が少なくなることに加え、凶暴なサメも泳ぎ回っているため危険だと感じ、姉妹は潜水病にならないように浮上していこうと考える。

灯りを見つけた姉妹

その矢先、遠くで灯りが見えた。姉妹はハビエルが助けに来てくれたと思い、灯りに向かってハビエルを呼ぶが、灯りは全く近づいてこなかった。僅かな可能性に賭け、酸素ボンベの残量が多いリサが灯りの元へ行くことを決意した。リサがゲージから出て移動を開始すると、背後からサメが追いかけてきた。岩の隙間に入って何とかやりすごしたリサは、さらに進んで灯りを見つけたが、ハビエルはいなかった。しかも方向が分からなくなってしまい、無線も通じないのでリサはパニックに陥った。必死に落ち着きを取り戻したところにハビエルと遭遇したが、彼はすぐにリサをかばってサメにやられてしまった。ハビエルが使っていた懐中電灯を持ったリサは、ウインチのケーブルと水中銃を見つけ、それを手にして何とかケージに戻ることに成功する。

リサがケーブルを繋ぎテイラーに連絡をすると、連絡がついた。現状説明を受けたテイラーが即座に対応し、ようやくケージが上昇を開始した。ところが28mになったところでケーブルが切れ、2人の入ったケージは再び海底に落ちてしまう。しかも墜落の際、ケージの隙間にリサが足を挟まれ、ケガをして動けなくなってしまった。リサの代わりに今度はケイトが浮上し、そのことをテイラーに伝えると、彼はボンベを落とすと言ってくれた。その際、ボンベを2本使うと窒素酔いをして幻覚が出ることが多いため気をつけるようにとケイトに伝えた。

しばらくすると、ケージから少し離れた場所に、ボンベが落ちてきた。ケイトが取りに行くと、サメが再び襲ってきた。リサが恐怖の表情で見つめる中、ケイトは海底で身をひそめながら、サメが去っていくのをじっと待つ。

決死の急浮上

サメが去ったと思ったケイトが動くと、目の前にサメが現れケイトは襲われてリサの視界からも消えてしまった。リサはそれを見て嘆き悲しむが、同時に、海底から脱出する決意を新たにする。落ちたボンベはケージのすぐ傍で、発煙筒も落ちている。挟まれて動けないリサは、ケージから手を伸ばし水中銃を手にするが、その際に左手を負傷してしまう。水中銃の矢でボンベを手繰り寄せる作戦をリサは開始した。これに成功し、リサは新しいボンベを取り換えた。すると、ケイトの声が聞こえた。彼女はサメから命からがら逃げることができたが、負傷してしまったとリサに伝える。それを聞いたリサは、痛みに耐えながら柵からケガをした足を抜き、ケイトが応えた方向へ向かった。倒れているケイトを発見したリサは、彼女が脇腹を噛まれて重傷であることを確認し、抱えながら浮上する。

テイラーに無線で「これから上がって行く」と告げたリサは、サメを発煙筒で追い払いながらケイトを抱え、水深20mのところまで浮上し、そこで5分間留まる決意をする。1本目の発煙筒が切れ、2本目の火を付けた時、すぐ間近にサメがいるのに気付き、リサは仰天する。テイラーが無線で「BCDを脱いで上がれ!」と指示を送り、リサはケイトと共に急浮上する。海面に顔を出した2人は、テイラーの船がすぐ近くにあるのに気付いた。テイラーらに「泳げ!」と言われるまま、必死で船へと向かった。船まで到達したが、リサがサメに引きずられ、ケイトも沈んでしまう。2人ともサメに襲われながら、必死で船に上がろうと試みるが、リサは海中に引きずり込まれてしまう。そこでリサは決死の思いでサメに眼つぶしをして逃げることに成功し、姉妹は傷を負いながらも、生きて船に引き揚げられた。テイラー達は急いで救急キットを使い、リサとケイトの傷口に処置を施す。リサは左手の傷を見て、生還した嬉しさで笑ってしまった。傷は処置をしたはずだが、何故かそのままだった。

これはリサが見た幻覚だった。ボンベを交換したことによる窒素酔いで、リサは幻覚を見ていたのだ。高笑いをするリサは、沿岸警備隊に救助されていた。保護されたリサは、ようやく周囲の状況を把握し始める。ケイトはサメに襲われて死亡していたのだった。

『海底47m』の登場人物・キャラクター

姉妹

ケイト(演:クレア・ホルト)

日本語吹き替え:山口協佳
リサの妹。明るく社交的な性格で、彼女の憧れの存在。メキシコ旅行中、ケイトが失恋したと聞き、気分転換にサメのケージダイブをしようと勧める。ダイビング経験者で、ケージが落下後はリサのためにケージを出て助けを呼ぶなど、勇敢な一面も見せる。

リサ(演:マンディ・ムーア)

日本語吹き替え:浅野真澄
ケイトの姉。メキシコ旅行前まで恋人であった男性に「退屈な人間」と言われるほど真面目な性格。交際が終了したショックで夜に泣いているところをケイトに見られ、気分転換にサメのケージダイビングに誘われる。ケージ落下後にケイトが負傷した際には、ダイビングに不慣れながらもケージを出て助けを呼ぼうとするなど、徐々に勇敢な性格になっていく。

ケージダイビング業者

テイラー(演:マシュー・モディーン)

ケージダイビングの説明を行うテイラー(左)

日本語吹き替え:北島善紀
ケージダイビング業を営む船長。所有する船や機材は古く錆びついており、違法営業をしているかのような怪しげな雰囲気がある。ケージ落下後は船上から無線で姉妹に指示を送り、サポートする。

ハビエル(演:クリス・J・ジョンソン)

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