ドント・ブリーズ2(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ドント・ブリーズ2』とは、2021年に公開されたアメリカのサイコスリラー映画。主人公は、スティーヴン・ラングが演じ、前作で脚本を担当したロド・サヤゲスが監督を務めた。物語は、主人公ノーマン・ノードストロームが火事の家から逃げ出した少女フェニックスを助け出すとこからはじまる。平和に暮らす2人だったが、ある日フェニックスの実の両親が彼女の心臓を狙って襲ってきた。ノーマンは自身の過去と向き合いながら、フェニックスを救うために戦う事になる。

『ドント・ブリーズ2』の概要

『ドント・ブリーズ2』とは、2021年8月13日にソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントより劇場公開されたアメリカのサイコスリラー映画である。2016年に口コミ、SNSで話題となりロングヒットを遂げた『ドント・ブリーズ』の続編である。世界興行収入は、約4億円で、前作超えとはならなかった。監督は『ドント・ブリーズ』で脚本を務めたロド・サヤゲスで、脚本は前作で監督を務めたフェデ・アルバレスとロド・サヤゲスが共同で行った。主人公の盲目の老人は前作同様スティーブン・ラングが務めた。彼は2009年に公開されたジェームズ・キャメロン監督の『アバター』でマイルズ・クオリッチ大佐を演じた事でも有名である。また、主人公役のスティーブン・ラングは新型コロナウイルスの影響で自主隔離となり、撮影は延期となった。
前作では暴力的シーンが少なく、R12指定だったが、今作品では戦闘を主に描いており、グロテスクなシーンが多くなっているため、R15指定となっている。前作は、秘密をかかえた老人とそこに侵入した強盗が戦うという物語であった。本作も主人公は同じ盲目の老人だが、今作との繋がりはないので、前作を見ていなくても楽しめる作品となっている。

DVD、ブルーレイは2021年11月24日に発売となった。

物語は、盲目の主人公ノーマン・ノードストロームがある少女を火事の家から助け出したところから物語は始まる。彼はその少女をフェニックスと名付け、自分が実の父親だと嘘をつき育て続けた。しかし、フェニックスの本当の両親が現れ、父親によってフェニックスは誘拐されてしまう。ノーマンは自身の過去と向き合いながら、フェニックスを救うために戦う事になる。

SNSでは、「テンポがよく見ていて飽きない」「ドキドキハラハラが止まらない」などの評価をうけている一方で、「前作は超えられない」「前作よりも緊張感がなかった」などの酷評もある。

『ドント・ブリーズ2』のあらすじ・ストーリー

少女と盲目の老人の暮らし

燃え盛る家の中から1人の少女が外へ飛び出し、道端で倒れた。そして盲目の老人ノーマン・ノードストロームが助け出す。
謎の火災から8年が経過し、助け出された少女はフェニックスと呼ばれ、ノーマンと共に静かな生活を送っていた。フェニックスは毎日ノーマンから与えられる課題に取り組みながら、家の中でのみ過ごす日々を送っている。学校には行けず、友達との交流も制限された生活に、彼女は不満を募らせていた。
フェニックスが日々の生活に不満を抱いていることに気付いたノーマンは、彼女が昔から知っている自分の友人のヘルナンデスと共に、一緒に街に出て買い物をすることを許可した。フェニックスは喜びながら街へと出かけた。街で見かけた孤児院の子供たちと一緒に遊びたかったが、声をかける事は出来なかった。
街中でフェニックスは怪しげな男に声をかけられる。警戒心から、フェニックスはその男から距離を置くことにした。フェニックスは無事に家に戻ったが、不穏な気配が彼女に忍び寄っていた。
その夜、ノーマンは愛犬のシャドーがいないことに気づき、心配して外へと出た。しかし、彼が辿り着いた場所でシャドーが倒れているのを発見する。ノーマンはシャドーの体をゆっくりと触り、死んでいる事を確認した。悲しみに震えるノーマンは、愛犬の体に触れながら涙した。
同時刻に、怪しげな男たちがフェニックスを狙って家に侵入し始めていた。彼らの意図は不明であり、ノーマンはフェニックスの安全を守るために必死に立ち向かうことを決意する。

少女の本当の親はノーマンではなかった

フェニックスは家に侵入した男たちに発見され、彼らによって誘拐されそうになる。しかし、フェニックスの危機にノーマンが駆けつけ、彼らとの壮絶な戦いが始まるのだった。
ノーマンは元軍人であり、屈強な体を持っていた。そして持ち前の格闘術や独自の戦術を駆使しながら、暗闇を味方に男たちと対峙する。敵の攻撃を巧みに避け、反撃のチャンスを狙っていた。彼の身体能力と冷静な判断力が光り、男たちを次々に撃退していくが、男たちも諦めてはいなかった。
ノーマンはフェニックスを救うために必死に逃げようとするが、男たちのボスであるレイランによって追い詰められてしまう。そして、彼こそがフェニックスの実の父であり、ノーマンは誘拐犯であるという衝撃的な真実をフェニックスに告げたのだ。
フェニックスはレイランの告白に混乱し、その場から逃げ出そうするが、誘拐犯の1人に捕まってしまう。一方、レイランたちは凶暴な犬をノーマンの自宅に放ち、追い込もうとする。しかし、フェニックスを捕まえる事に成功すると、ノーマンの自宅に火を放ち、その場を去った。炎に包まれた家から逃げ出したノーマンは、怒りと悲しみの叫び声をあげたのだった。すると炎の中で助け出した凶暴な犬がノーマンの隣に来たのだった。

目を覚ましたフェニックスは、自分の本当の名前が「タラ」であることを知らされた。そして、火事で死んだと思われていた母親ジョセフィンと再会し、ハグで喜びを分かち合った。しかし、ジョセフィンは火事の後遺症により、あと僅かしか生きられないと話すと、フェニックスを睡眠薬で眠らせてしまった。実は、レイラン達の目的は、後遺症によって心臓移植しか助かる術のないジョセフィンのために、フェニックスの心臓を移植することであった。
レイラン達は薬物の売人であり、ジョセフィンはその商売道具である薬物を作れるたった1人の人物であった。そのため、ジョセフィンが死ぬと商売ができなくなってしまうため、実の娘の心臓を移植しようと考えたのだった。

最後の戦い

ノーマンは、レイランの手下が放った犬を手なずけ、犬にフェニックスの匂いを嗅がせて、彼らのアジトへ案内してもらおうと考えた。その考えは的中し、犬はレイラン達のアジトへと向かって行った。
一方、レイランはフェニックスの心臓摘出手術を開始しようとしていた。雇われた医師が電動ノコギリをフェニックスに向けた瞬間、建物全体が停電した。レイランの指示のもと、手下がブレーカーを確認しに地下に向かうと、既にアジトに侵入したノーマンによって、暗闇の中で殺害された。ノーマンは水溜りの上で死んだふりをし、次の敵を待っていた。男たちが入水した瞬間、それが波となってノーマンの手に伝わり、それを合図に3人の男たちを銃で瞬殺した。
レイランはノーマンの侵入に気づき、妻とフェニックスを連れて必死に逃げていた。残った手下にノーマンを殺害するように指示したが、全員やられてしまった。唯一生き残った手下のラウルは、自分の犬がノーマンの自宅に放置されたことをきっかけに、レイランの計画に強い不信感を抱き、彼の行動を許せなくなっていた。そのため、ラウルはノーマンにレイランの居場所を伝えた。
居場所をつきとめたノーマンは、ついにレイランとの一騎打ちとなる。レイランは仕掛けられた殺虫剤を浴びて視界がぼやけた。ノーマンはその隙にレイランに飛びかかり、彼の両目を潰した。フェニックスはノーマンの元に駆け寄ろうとしたが、ノーマンは彼女を止めた。そして、過去に人を殺したこと、女性を襲ったことを全て告白し、自分がどれだけ汚れた人間であるかを明かした。ノーマンがその場から立ち去ろうとした時、まだ生きていたレイランがノーマンの背中めがけて襲ってきた。しかし、フェニックスはナイフでレイランを刺し、彼は死んだ。
ノーマンは重傷を負っており、フェニックスは彼を救いたいと、必死で彼の出血を止めようとした。しかしノーマンは「もう君のおかげで十分救われた」と言って息を引き取った。
その後、フェニックスは望んでいた孤児院の学校の前に行く。彼女は名前を尋ねられ、自分の名前を「フェニックス」と答えた。

『ドント・ブリーズ2』の登場人物・キャラクター

主要人物

ノーマン・ノードストローム /盲目の老人(演:スティーヴン・ラング)

日本語吹替版:沢木郁也
物語の主人公で、盲目の老人。元軍人であり、戦争の時に手榴弾をうけて失明した。過去に殺人や強姦の犯罪歴がある。
戦闘能力がとても高く、耳も良い。道端で倒れていたフェニックスを養女として育てているが、フェニックスは本当の父親だと思っている。誘拐されたフェニックスを取り戻そうと、レイランのアジトに1人で乗り込み、激しい戦いを見せる。

フェニックス(演: マデリン・グレイス)

日本語吹替版:井上ほの花
ノーマンと一緒に暮らす少女で、ノーマンを本当の父親と思っている。外出をほとんど許されておらず、愛犬のシャドーと共に訓練をしている。母親を死んだと思い、火事があった家に何度も花を持っていっている。本当はノーマンの娘ではなく、レイランとフィオラ夫妻の娘であり、名前は「タラ」であることが明かされた。

レイラン(演:ブレンダン・セクストン3世)

日本語吹替版: 小山力也
麻薬組織のボス的存在で、大金を生み出す薬物を作る妻を大切に思っている。病気によって先が長くないフィオラを生かすためにフェニックスを誘拐し、娘の心臓を妻に移植をしようと企むが、ノーマンの襲来によって殺害される。

ジョセフィン(演:フィオナ・オシャーグネッシー)

日本語吹替版:井上喜久子
フェニックスの本当の母親で、麻薬を作っている。病気のため車椅子で生活をしており、やつれている。心臓移植が必要となり娘のフェニックスの心臓を奪おうとするが、ノーマンの襲来時に、娘のフェニックスに車椅子ごと地下へと突き落とされ、死亡する。

ノーマンの知人

husakubu
husakubu
@husakubu

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