「子供を殺してください」という親たち(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『「子供を殺してください」という親たち』とは、押川剛のノンフィクションを原作に鈴木マサカズが漫画化した作品。現代社会の家族が抱える闇を追及しており、様々なメディアにも取り上げられた話題作である。病に蝕まれたそれぞれの登場人物達は、一歩間違えれば犯罪者になる可能性を孕んでいる。主人公の押川剛がそうなる一歩手前であらゆる伝手や手段を取り、救出を試みる話である。原作の『「子供を殺してください」という親たち』は2015年07月1日に発売。

黒澤美佐子の母。つねにやつれた表情をしている。精神疾患を患っている可能性がある娘を一度も病院へ連れて行かず、10年以上1人暮らしをさせて、一週間に一度娘のマンションを訪れる事で対処していた。実際はマンションの玄関までしか行っておらず、部屋の中の惨状や娘の状態は一切認知していなかった。それにもかかわらず、押川や保健所の人達、警察などの他人の介入は嫌がり、世間体ばかりを気にする。

被害者

川野えりか(かわの えりか)

宝田由伸と一時期交際していた女性。年齢は21歳。由伸によるストーカーの被害者。可憐な風貌は男性からの人気が高く、いつも男性に囲まれている。あまり良い評判は立っておらず、「尻の軽い女」だと裏で言われていた。一時期付き合っていた由伸に「別れるくらいなら一緒に死のう」などと言うメッセージを送るなどしており、相手の心の負担になるような言葉を交わしていた。
それが原因で由伸はストーカー化し、切り付けられようとされても後ろめたい部分があった事を自覚していた彼女は示談を成立させた。

田中(たなか)

『母と娘の壊れた生活』に登場する和田家の隣近所に住む夫婦。保護対象者の姉・晴美の被害妄想による被害者。晴美の嫌がらせによって警察が出動する事もあったほど。引っ越したいと願うが、家のローンが残っているため、ままならない状態である。

『「子供を殺してください」という親たち』の用語

トキワ精神保健所事務所

重度の統合失調症やうつ病・引きこもりやアルコール中毒者、ドラッグに溺れる人物、家庭内暴力、悪化した適応障害といった問題を抱える人達を、親からの依頼で説得して医療につなげる民間企業である。
所長である押川剛と、実吉あかねをはじめとする職員の少数精鋭で業務を回している。保護対象者を救う為には家族関係・対象者の子供時代・病歴など細かに調査を行う。調査の後、保健所に掛け合う、対象者の主治医に直談判をする、新しい医者を紹介する等の処置を行い、対象者を正しい医療へと繋げていく。

引きこもり

学校や職場に行くことが出来ず、六か月以上に渡り、家や部屋から出られない状態の事を言う。
子供の場合だと学校で暴力(いじめ)に合う、いじめの現場を目撃しショックを受ける、クラスメイトと馴染めない、先生が合わない等が主な理由として挙げられている。
大人の場合は職場の労働環境が過酷で身体を壊したことを期に出られなくなったり、恋愛関係がうまくいかず落ち込みそのまま鬱状態入ったりと、人によって理由が千差万別である。
引きこもる当人は鬱や統合失調症・パニック障害なども併発していることが多い。

精神疾患の種類

アルコール依存症

アルコール依存症を患う保護対象者

アルコール依存症とは数ある依存症のうちの代表的な一つ。
お酒の飲み方(お酒の飲む量やタイミング・状況)を自分ではコントロール出来なくなってしまっている状態を指す。脳に異常が起きているために自分自身で止めることは非常に困難な中毒症状。
「楽しむ為に酒を嗜む」ではなく「生きるために酒を飲む」となってしまっているのがアルコール依存症の特徴的な点である。アルコール依存症を患っているとみなされる割合は日本の人口の約1%、計57万人と見積もられている。一定時間飲酒が途絶えると、手の震えやイライラ感・不安症・不眠・感情の爆発などの離脱症状が起こる為、それを抑えるためにまた飲酒をするという悪循環を招く。本人に依存症である自覚が薄い事も多い病気である。
治療においては、まず依存していると自覚をする事から始め、強い意志をもって治療にかかる事、また家族や周囲のサポートがとても大切である。

統合失調症

押川の同僚が統合失調症を起こす

統合失調症になる原因は未だにはっきりとは解明されていない。ストレスや睡眠不足・生活の乱れから発症する可能性があると言われている。
症状は妄想・幻覚(幻聴)・思考障害(考え方に一貫性がなくなったり、会話に脈絡が無くなるなど、本人自身に何を話しているのかわからなくなることも)などがある。認知知能が衰え、感情の起伏が無くなったりする症状も含まれる。
統合失調症は一日も早い治療を開始することで、更なる悪化を防ぎ、症状も軽く済み回復する見込みが生まれる。

アスペルガー障害

アスペルガー症候群は発達障害の一つである。遠まわしな表現や比喩を使った表現を読みとることが困難であり、他者とのコミュニケーションが円滑に出来ないことが多い。
所謂「空気を読む」というのが苦手である。近年の研究ではこの症候群を持つ人は100人に1人いるとされている。男性の方が多い傾向にあり、女性の約4倍あるとされている。
知的発達や言語発達の遅れが無い為、発見が遅れやすいというのも特徴の一つ。

パニック障害

パニック障害とは、特に身体に病気は無いのに、突然動機やめまい・吐き気や胸の苦しみが襲う発作症状を指す。主な症状は動悸・発汗・震え・息苦しさ・胸痛・吐き気・めまい・酩酊感・不安にかられる・のどが渇く等がある。
長引くと登校や通勤が出来なくなり、うつ病になりやすくなる為、自覚症状がある場合は専門医に相談し、的確な治療を受けることが大切である。

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