「子供を殺してください」という親たち(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『「子供を殺してください」という親たち』とは、押川剛のノンフィクションを原作に鈴木マサカズが漫画化した作品。現代社会の家族が抱える闇を追及しており、様々なメディアにも取り上げられた話題作である。病に蝕まれたそれぞれの登場人物達は、一歩間違えれば犯罪者になる可能性を孕んでいる。主人公の押川剛がそうなる一歩手前であらゆる伝手や手段を取り、救出を試みる話である。原作の『「子供を殺してください」という親たち』は2015年07月1日に発売。

『親を許さない子供たち』に登場する保護対象者・田辺卓也の二番目に当たった主治医。
卓也の入院を受け入れたが、半年の入院が必要という最初の診断を翻して、一か月で退院を指示した。「卓也の問題は家族にある」と言い、医者としての役割を放棄する。

福祉局関係者

保健師(ほけんし)

保健所の福祉を担当する保健師の女性。黒澤の母の相談では、娘の調査や移送は家族で行うようにと突き放す。押川の説得で煩わしく感じながら訪問調査に応じる。美佐子がインターホンに応答しなかった結果、すぐに引き返そうとするなど、保健師本来の対処自体を嫌がっているそぶりを見せる。

保護対象者

荒井伸介(あらいしんすけ)

『精神障害か犯罪者か』に登場する保護対象者。
押川が調査に訪れた時、素っ裸で野球のバットを振り回していた青年。
大学受験を期に成績が落ち、家族が期待する大学へ入学出来なかった挫折から精神を病んでいった。教科書を逆さまに読んでいたり、急に歌手になると言い金髪に染めたりと突発的な行動を取る。医者からは「統合失調症」と診断された。

木村則夫(きむら のりお)

アルコール依存症を患う保護対象者。幼少時は昆虫をいたぶり殺す加虐性のある子供だった。社会人になってからは酒が原因のトラブルが絶えず、職を転々とする。家族の反対を押し切り飲酒運転を繰り返し、30代に入る頃に車を大破させる程の物損事故を起こす。
最初の3か月間の入院を終えた一週間後には再び酒を飲み、その後はより一層深酒をするようになる。飲酒を諫める両親に激昂した則夫は、包丁を取り出し父親を切りつけ、身体を張って止めようとした母親をも切ろうとした則夫に父親が体当たりした結果、椅子に頭をぶつけ意識を失う事になる。則夫は押川の説得により改めて入院することになったが、両親に関して厳しい現実を突きつける押川の言葉を受け入れられず椅子で殴りかかった。それにより病院からはより厳重な管理対応をされる事になった。

和田晴美(わだはるみ)

女性警察官に保護される姉・晴美(中央)

『母と娘の壊れた生活』に登場する保護対象者。
依頼人である妹・和田朋子の姉。20代ごろから精神を病み、全く家から出ない「ひきこもり」の状態になり、ときおり床を蹴るなどの騒音を立てるようになる。それにより母・姉の晴美・妹の三人家族の仲を引き裂く原因を作る。
妹が主人公押川のもとへと依頼した結果、しかるべき医療へと繋げられた。

和田の母

『母と娘の壊れた生活』に登場する保護対象者。
保護対象者である姉・和田晴美と依頼人である妹・和田朋子の母親。
姉・晴美の介護を全て担った結果、自身も心身脆弱状態になり、部屋が惨憺たる状態になっても気にならない程になっていた。押川と朋子、警察や保健所の介入により、保護された一か月後には通常の生活が送れるまでに回復する。

田辺卓也(たなべたくや)

『親を許さない子供たち』に登場する保護対象者。
うつ病を発症し、強迫観念にかられ家に監視カメラを二つ付けるなど常に何かを警戒している。怒りにかられて母親をエアガンで打つほど、感情が抑止不可な状態であった。
押川にかけられた言葉や、適切な治療を行う医者の協力、そして本人の努力もあって徐々に回復していき、退院する事が出来る。

沢入真(さわいりまこと)

『依頼にならなかったケース』に登場する青年。
裕福な家庭で育った長男。幼少の頃は落ち着きが無く、他の子に噛みつくなど頻繁にトラブルを起こし、小学校の頃にはいじめに遭う。家では弟を執拗にいじめる。ADHDまたは発達障害があった可能性があるにも関わらず、適切な診断をされなかった結果、大人になると過干渉気味だった母親に暴力を振るうことになる。
救われるチャンスを母親が棒に振り、結果的に自分の父親を殺害した。

宝田由伸(たからだ よしのぶ)

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