超時空騎団サザンクロス(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『超時空騎団サザンクロス』とは、タツノコプロが製作し1984年4月15日から9月30日にかけて放映されたSFロボットアニメである。時は人類が宇宙に進出した遥か未来。テラフォーミングが進む惑星グロリエを舞台に、突如現れた謎の異星人「ゾル」と開拓惑星軍「サザンクロス軍」の戦い、そしてサザンクロス軍に所属する3人の女性軍人達の物語が描かれる。「女性が主人公のロボットアニメ」の先駆け的作品であり、独特な設定のゾル人や様々な謎、主人公側と異星人側の恋愛模様などが交錯していく。

戦略機甲隊が所有する主力変形メカ。ホバー式の可変戦闘車輌で、高い機動力を誇る。
戦闘状況に応じて人型に変形する格闘用の「バトルスナイパー」、戦闘機に変形する高速移動用の「スナイピングクラッパー」、脚が付いた射撃用の「ウォーカーキャノン」と3つのスタイルに変形することができる。

ローガン(Logan)

マリーが搭乗するローガン。

宇宙機甲隊が所有する主力変形メカの1つ。全長は6メートル強とやや小型。
戦闘状況に応じて、戦闘爆撃機形態と「ガウォーク」という人型の形態に変化する。ガウォーク形態の全長は6.3メートル。

オーロラン(Auroran)

第13話「トリプルミラー」にて新たに登場した宇宙機甲隊が所有する主力メカ。名前の由来は「オーロラ」から取られている。
戦闘状況に応じて、人型ロボット・ファイター・重戦闘ヘリコプターの3形態に変形する。機体の特徴として、背に回転翼が付いている。ファイター形態は主に宇宙空間・高空空間での戦闘、重戦闘ヘリコプターは低空・対地攻撃での戦闘、人型ロボットは敵の追撃掃討にそれぞれ適している。

ゾル人関連

ゾル人

エリダヌス星系に属する異星人。容姿やDNAは地球人と瓜二つ。人類よりも遥かに進んだテクノロジーを有している。ロルフ・エマーソンは、人類とゾル人に何か関連があるのではないかと考えている。巨大な戦艦を所有しており、艦内にはゾル人が暮らす街がある。
ゾル人の特徴は、3人1組で行動するという点にある。ゾル人は3人1組として産まれそれぞれ「情報・判断・行動」を司る。また顔は瓜二つだが、髪の色など個々で異なっている。遥か昔、惑星グロリエに暮らしていた先住民族で、「生命の花(いのちのはな)」のエネルギーを利用して文明を発達させた。寿命は地球人類より長く、約140年。
3人1組で行動する理由は、過去に起こった内紛で惑星全土が荒廃するという経験から同じ過ちを繰り返さないよう感情を抑制する手段として「情報・判断・行動」の役割を成す3個体を作り上げたため。惑星グロリエを出て別の惑星に移住していたが、「生命の花」のエネルギーが尽きつつあったことからグロリエに帰還する。しかし帰還時期が地球人類の入植時期と重なってしまったことから、サザンクロス軍との戦いに突入することになる。ゾル人の間では「生命の花」のエネルギーが底を尽きようとしている影響から、若い世代に個人としての感情が芽生えつつあることが問題になっている。
本編では結局描かれずじまいで終わったが、その正体は「遥か昔時空の歪みで惑星グロリエに飛ばされた地球人類の一部」であることを後にスタッフがアニメ雑誌で明かしている。

バイオロイド

基地を襲撃するバイオロイド達。赤いバイオロイドには、サイフリートが搭乗している。

ゾル人が所有する人型機動兵器。人工的に作り出された生体組織でできており、人間の反射神経を利用して動いている。全長は約5メートル。
本来戦闘に適していないゾル人に取って戦うための手段として作られた。パイロットは皆誘拐された人間で、改造技術を施されており体内には司令装置を埋め込まれている。ゾル人達は司令装置を利用してパイロット達を操っていた。パイロット達は胸部と頭部の間にあるコクピットに乗り込み、機体とリンクして操縦するので性質はどちらかというとパワードスーツに近い。サイフリート専用のバイオロイドは、真紅色をしているのが特徴。

レーヴェ・フィセル

ボウイに弾き方を教えるムジカ。

ムジカが得意とするゾルの楽器。7色に輝く弦を持ち、形状はレーザーハープによく似ている。後にボウイは、この時ムジカから教わったゾルの曲をピアノで再現している。

『超時空騎団サザンクロス』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ジャンヌ「宇宙基地がやられているのに、じっとしちゃいられないわ!」

第2話「メイク・アップ」より。
二等兵に降格された元上司のシャルルに代わり、第15分隊のリーダーになったジャンヌ。リーダーになった彼女の任務は、都市警備と防衛だった。リベルテの都市をゾル人が襲撃し、バイオロイドの軍隊をマリーが所属する宇宙機甲隊が迎え撃つ。待機命令を受けたジャンヌ達は戦闘を見守るが、宇宙機甲隊はバイオロイドの攻撃に押され追い詰められる。宇宙基地がバイオロイドの攻撃されるのを見たジャンヌは、黙って見ていられず本来の任務を放棄して宇宙機甲隊の助太刀に向かうことを決意する。部下のアンジェイから命令違反だと止められるが、「宇宙基地がやられているのに、じっとしちゃいられないわ!」とジャンヌは時には臨機応変に対応することも大切だと説いて部下たちに出撃を命じる。出撃したジャンヌを見たシャルルやボウイ、アンジェイも後を続く。結果的に、ジャンヌの行動が宇宙機甲隊の危機や宇宙基地を救うことになった。ジャンヌの勇敢さと無鉄砲さがよく表れたシーンで、彼女が「物語を動かしていく」キャラクターであることがよく分かる。これから始まる壮大な物語を予感させる、作品序盤の中でも印象的な場面である。

スパルタスにウサギの耳を付けて登場するジャンヌ

第2話「メイク・アップ」のラストシーン。重罪である命令違反を犯すも、結果的にゾルのバイオロイドの軍隊を退けたジャンヌ。この行動が認められたジャンヌは、終盤ついに念願の少尉に昇進する。その夜ジャンヌの昇進式が行われるが、式本番になってもジャンヌ本人はなかなか現れない。遅れてやって来たジャンヌは自身スパルタスの頭部に可愛らしいウサギの耳をつけて登場し、場を賑やかに盛り上げる。これから始まるゾル人との長く激しい戦いを予感させつつも、持ち前の明るさと茶目っ気で盛り上げるジャンヌの姿が印象的だ。

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