サイコろまんちか(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『サイコろまんちか』とは、小出もと貴(こいで もとき)による心理学と高校生の日常を掛け合わせた日本のギャグ漫画。『月刊少年ライバル』で2014年から連載された。
主人公の伊東は幼馴染の阿部に片思いをする女子高校生。心理学に魅せられ、「心理学研究部」を立ち上げようと決意する。部活として認められるには、部員を5人集めなければならない。そこで伊東は心理学を用いて、落ちこぼれから不良まで、様々な生徒と出会い勧誘していく。高校生たちのドタバタ日常と、明日から使える心理学が詰まった物語。
スノップ効果とは、流行すると自分の個性をアピールするために大衆と差別化を図りたくなる心理のこと。
例えば、祭りの出店の定番といえばチョコバナナや焼きそばだが、そこであえてパフェを出して利益を図ろうとするような行動を取ること。
ヴェブレン効果
ヴェブレン効果とは、「高価なもの=良いもの」と思う心理。
例えば、千円程度のTシャツをあえて「プレミアムTシャツ」と名づけて一万円で売ることで、「このTシャツはいい素材を使っているに違いない」と思わせて購買意欲につなげることができる。
ジンクピリチオン効果
ジンクピリチオン効果とは、人はよく分からない用語を用いられると前後の文脈でその良し悪しを判断するため、煙に巻かれてしまう傾向があること。
例えば、以下は一酸化炭素の説明である。
・水酸の一種で常温では液体である。
・無味無臭であるため溶媒や冷却剤などに広く用いられている。
・時に重度の火傷を引き起こすことがある。
・多量に摂取すると健康に重篤な障害が現れ、最悪死に至ることもある。
・水道水にも多く含まれるが日本の水道水質基準には現在、この物質の規制はなく成分として表記されることはない。
以上を読んだ上で、アンケートをとった。この一酸化炭素の含量を規制すべきか、規制しなくても良いかアンケートをとったところ、「規制すべき」という答えが多かった。
しかし、説明を読むと危険な物質に思われるが、一酸化炭素とは水のことである。水のことをあえて一酸化炭素と表記し、馴染みのない名前のまま説明されると良し悪しの判断がつきにくくなる。これがジンクピリチオン効果である。
現状維持バイアス(げんじょういじバイアス)
現状維持バイアスとは、人は変化した先に悪いことが待ち受けているかもしれないと思うと「今の確実な道を選ぼう」と思う心理のこと。
学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん)
学習性無力感とは、努力をしたところで現状の辛い環境から脱出できないと分かると、人は「無力である」ことを学習するということ。
とある実験がある。2匹の犬を別々の個室に閉じ込め電流を流す。一方の個室には避難場所が用意されており、もう一方の部屋には避難場所を用意しなかった。避難場所を用意された犬の方は、試行錯誤の末「避難場所に逃げる」という電流を回避する術を学習した。
しかし、避難場所が用意されていない方の犬は、試行錯誤したところで逃げ場はない。そのうちに犬は「自分は何をしてもこの状況から逃れられない」と悟り、ただ電流に耐え続けた。避難場所を用意した後でも、自分が逃げられるとは思わずにずっと電流が流れる部屋に居続けた。
このように、過酷な状況下に耐え続けた後、逃げられると分かっても「自分は無力だ」と学習しているため逃げなくなることを学習性無力感という。
アンダードッグ効果
アンダードッグ効果とは、人はあまりに惨めな人や辛く苦しい状況にある人を見ると、応援したくなるという心理のこと。
平たく言うと、同情を買う作戦とも言える。
セルフ・ハンディ・キャッピング
セルフ・ハンディ・キャッピングとは、自分の能力が試される場において、あえて自分の能力を低く公言する心理のこと。
例えばテスト前に「俺全然勉強してないわ〜」と公言しておくことで、良い点数が取れれば「勉強してないって言ってたのにすごい」と思われ、悪い点数を取ってしまったとしても「全然勉強してないって言ってたもんね」と周りからの評価で損はしない。
初めから自分でハードルを下げておくことで、周囲からの評価で損する確率が低くなるという効果がある。
パブロフの犬(パブロフのいぬ)
パブロフの犬とは、条件付けの一種。
犬に鈴を鳴らしてから餌をやると、そのうち鈴を鳴らすだけで餌を思い出し、涎を垂らすようになるというもの。
似たようなもので、オペラントの条件付けというものもある。こちらは、レバーを引くと餌が出てくる仕組みがある部屋に入れられたネズミは、その仕組みに気づくと自分でレバーを引くようになるというもの。
サンクコスト効果
サンクコスト効果とは、勿体無いと思う心理。
例えばクレーンゲームで取れそうな景品を見つけたから「1回だけやろう」とクレーンゲームをしてみる。1回では取れず「もう1度だけ」と2回目に挑戦する。
それでも取れずに回数を重ねていると、そのうち「これだけ回数をかけたのだから」と支払った対価をもったいなく感じて後に引けなくなること。
これは恋愛にも応用され、長年付き合った相手とは今までの投資や時間をもったいなく感じ、別れようと思ってもずるずると先延ばしにしてしまう傾向がある。
基本的帰属の錯誤(きほんてききぞくのさくご)
基本的帰属の錯誤とは、その行動が生じた原因はその行動をした人の中にあると思ってしまう心理のこと。
例えば、人はお店の従業員から親切にされると「この人は普段から親切なのだろう」と思ってしまうこと。従業員は仕事だから客に親切に接しているだけであって、その人自身が親切とは限らない。
保有効果(ほゆうこうか)
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目次 - Contents
- 『サイコろまんちか』の概要
- 『サイコろまんちか』のあらすじ・ストーリー
- 「心理学研究部」を立ち上げる伊東
- 5人目の部員である千条の登場
- 伊東と阿部の恋の行方
- 『サイコろまんちか』の登場人物・キャラクター
- 心理学研究部
- 伊東(いとう)
- 阿部(あべ)
- 江崎(えざき)
- 宇堂 恭一(うどう きょういち)
- 千条 ナルコ(せんじょう ナルコ)
- 友人
- 己斐(こい)
- 三島(みしま)
- 多胡(たご)
- その他生徒
- 加野(かの)
- 八神(やがみ)
- 日々野(ひびの)
- 不破(ふわ)
- 部谷 結衣(へや ゆい)
- 幾島(いくしま)
- 久宝(くほう)
- 介山 幸子(かいやま さちこ)
- 於田(おだ)
- 女滝(めだき)
- 奈月(なつき)
- 教員
- 曽我(そが)
- 世良 桜子(せら さくらこ)
- その他
- 購買屋のおっさん
- 『サイコろまんちか』の用語
- 作中に登場した心理学
- 主観的輪郭(しゅかんてきりんかく)
- ハロー効果(ハローこうか)
- マジカルナンバー7
- プライミング効果
- ラベリングの自己成就予言(ラベリングのじこじょうじゅよげん)
- アッシュの同調実験(アッシュのどうちょうじっけん)
- サイコドラマ
- 空白補完効果(くうはくほかんこうか)
- メラビアンの法則(メラビアンのほうそく)
- 機能的固着(きのうてきこちゃく)
- 確証バイアス(かくしょうバイアス)
- 正の転移(せいのてんい)
- 自己不一致(じこふいっち)
- ツァイガルニク効果
- 感覚遮断の実験(かんかくしゃだんのじっけん)
- 傍観者効果(ぼうかんしゃこうか)
- アンカリング効果
- フット・イン・ザ・ドア
- ドア・イン・ザ・フェイス
- バーナム効果
- カラーバス効果
- トップダウン効果
- スタンフォード監獄実験(スタンフォードかんごくじっけん)
- 動機付け(どうきづけ)
- スモールステップの原理(スモールステップのげんり)
- 認知的不協和(にんちてきふきょうわ)
- ハイダーのバランス理論(ハイダーのバランスりろん)
- 栄光浴(えいこうよく)
- モデリング
- リンゲルマン効果
- 自己開示の返報性(じこかいじのへんぽうせい)
- 心理的リアクタンス(しんりてきリアクタンス)
- 顔面フィードバッグ仮説(がんめんフィードバッグかせつ)
- バンドワゴン効果
- スノッブ効果
- ヴェブレン効果
- ジンクピリチオン効果
- 現状維持バイアス(げんじょういじバイアス)
- 学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん)
- アンダードッグ効果
- セルフ・ハンディ・キャッピング
- パブロフの犬(パブロフのいぬ)
- サンクコスト効果
- 基本的帰属の錯誤(きほんてききぞくのさくご)
- 保有効果(ほゆうこうか)
- 単純接触効果(たんじゅんせっしょくこうか)
- リフレーミング効果
- ブロークン・ウィンドウ理論
- 学校関係
- 心理学研究部(しんりがくけんきゅうぶ)
- オカルト研究部(オカルトけんきゅうぶ)
- 演劇部(えんげきぶ)
- その他
- ゴールデンバインド
- 奇蟲カードゲーム(きちゅうカードゲーム)
- 『サイコろまんちか』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 江崎 「私は己斐ちゃんとお弁当食べるよ」
- 伊東「ライオンに生まれなかったからって絶望してんじゃねーぞ、ハイエナに生まれたならハイエナとして戦え!」
- 宇堂「惨めで悔しかったんだよ、それで素直にパスを出せなかった。ごめんな」
- 伊東「たった一人『この人!』と思える人間にだけそっと『可愛いね』って言ってもらえりゃ、今世は愚か来世まで生き抜けるパワーなくして語れないんじゃ!」
- 伊東「もしかしたら今なら何か状況が変わってるかもしれないと今一度足掻きさえすれば…そん時は行き詰まった状況を脱却できた筈なんだ!」
- 阿部「…オレは…心理学研究部を解散するのは嫌だな」
- 『サイコろまんちか』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- LASTというタイトルをつけなかった最終話
- 長期休載と突然の打ち切り
- 作者の他作品『アイリウム』が『世にも奇妙な物語』でドラマ化