サイコろまんちか(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『サイコろまんちか』とは、小出もと貴(こいで もとき)による心理学と高校生の日常を掛け合わせた日本のギャグ漫画。『月刊少年ライバル』で2014年から連載された。
主人公の伊東は幼馴染の阿部に片思いをする女子高校生。心理学に魅せられ、「心理学研究部」を立ち上げようと決意する。部活として認められるには、部員を5人集めなければならない。そこで伊東は心理学を用いて、落ちこぼれから不良まで、様々な生徒と出会い勧誘していく。高校生たちのドタバタ日常と、明日から使える心理学が詰まった物語。

長期休載と突然の打ち切り

19話を更新後、一度『サイコろまんちか』は長期休載した。これに対し、『マンガボックス』の公式Twitterでは「楽しみにしていただいているところ申し訳ございません。現在『サイコロまんちか』は、作者様の体調不良により休載しております。再開時期は現在のところ未定です。ご理解の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。」と発表している。その後、再開したものの30話で完結したため、読者からは「体調が悪いままなのか」「いつか続編を描いてほしい」という応援の声が上がっている。

作者の他作品『アイリウム』が『世にも奇妙な物語』でドラマ化

作者の別作品『アイリウム』は『モーニング』にて2014年9号から2014年50号まで掲載された。7つの短編からなるヒューマンSF作品。
2018年に『世にも奇妙な物語’18春の特別編』でドラマ化され、主演は三浦 春馬(みうら はるま)が演じた。短編の中でドラマ化された話は、映画監督を目指しながらも10年間鳴かず飛ばずでバイトばかりしている小林 峰雄(こばやし みねお)の話の中である。
ちなみに、この話に宇堂という名前の薬漬けのジャンキーが登場している。見た目や性格などが違うため、完全に同姓同名というだけである。

小林はある日、同窓会に参加することになる。しかし同級生たちは出世しており、参加すれば馬鹿にされると分かっていた小林はそんな愚痴を友人の宇堂にこぼしていた。宇堂は「いい薬がある」と言って小林にアイリウムという薬を渡す。アイリウムを1錠飲めば1日丸々ワープできるというもの。そして意識はないまま体が動き、日常生活はいつものようにこなせるという特徴もある。
つまり同窓会の前日に飲んでおけば、同窓会での嫌な思いをせずに参加だけは出来るというものだった。半信半疑で小林はアイリウムを試すが、本当に1日ワープし気づけば同窓会の帰り道に立っていた。これに確信を得た小林は、一週間後に控えている自分が応募した映画の落選を知ろうとアイリウムを飲む。すると一週間後になり、待っていた結果は落選。さらには同棲していた恋人とも別れており、部屋から恋人の荷物が消えていた。
小林は半ばやけになりアイリウムを常用するようになる。飲んでも代わり映えしない暗い日々に落胆し、一度に大量に服用したことで15年後の未来に飛んでしまう。焦る小林だったが、自分について調査したところ現在は映画関係のライターになっていた。そして結婚もし、子供もいる。安定した仕事と家庭があるものの、悔しさも嬉しさもワープしたために何も感じない小林。本当にこれでよかったのかと自問自答していると、目の前が真っ暗になった。
そして次に目に飛び込んできたのは宇堂だ。「どうだ、この薬は?」と宇堂は小林に問う。小林はまだ同窓会に行く前の時間だった。全てアイリウムが見せた悪夢だと分かった小林は、「これから同窓会に行くのか」と暗い気持ちになる。しかし、喜びも悔しさもない人生の方が嫌だと、小林はアイリウムを再び求めることなく「喜びも辛さも全て覚えておきたい」と心に誓っていた。

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