サイコろまんちか(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『サイコろまんちか』とは、小出もと貴(こいで もとき)による心理学と高校生の日常を掛け合わせた日本のギャグ漫画。『月刊少年ライバル』で2014年から連載された。
主人公の伊東は幼馴染の阿部に片思いをする女子高校生。心理学に魅せられ、「心理学研究部」を立ち上げようと決意する。部活として認められるには、部員を5人集めなければならない。そこで伊東は心理学を用いて、落ちこぼれから不良まで、様々な生徒と出会い勧誘していく。高校生たちのドタバタ日常と、明日から使える心理学が詰まった物語。

アッシュの同調実験(アッシュのどうちょうじっけん)

Aと同じ長さはCであるが、他人から「絶対にDだ」と言われると自分もDを選んでしまう

アッシュの同調実験とは、自分が正しい方を選んでいても多くの他人から否定されると、他人と同じ意見に合わせるようになるというもの。
例えば「カラスは黒色だ」と自分が思っていても、多くの他人から「カラスは白だよ」と言われると自分の意見に対して不安になり、そのうち自分も「カラスは白い」と言い始める。他人の考えに合わせてしまうことから、同調と呼ばれている。

サイコドラマ

サイコドラマとは、与えられた役を即興で演じていくもの。演じていく中で、自ずと自分の本心や相手の心が見えてくるという心理療法の一つ。

本編では、教頭から不良・宇堂の更生を頼まれた伊東が実際に宇堂に対して行った。
公園で阿部が宇堂の弟、伊東が宇堂の妹を演じ「宇堂家の一日」を実演した。その結果、宇堂の本心を知ることが出来、また宇堂本人も自分と向き合うきっかけとなった。

空白補完効果(くうはくほかんこうか)

右図のように意味不明な図形を見ても、脳内で勝手に補完し左の図のような画像を予想する心理学の一つ

空白補完効果とは、人間は部分的に遮断されたものを見ると、その遮断された箇所を補って完成図を予想すること。

メラビアンの法則(メラビアンのほうそく)

言葉は友好的だが、表情や態度が恐ろしいのでこれを言われても「本当は怒っている」と人は感じる

メラビアンの法則とは、人は相手の言葉と態度に矛盾がある場合、態度の方に重きを置く傾向があるというもの。
例えば無表情で「大好き」と言われても、人は表情や態度の方に重きを置くので言葉をそのまま受け取れなくなる。逆に顔を赤らめながら「別にあんたのことなんか好きじゃないし」と言われても、表情と態度の方を優先するので好意的に受け取る傾向がある。

機能的固着(きのうてきこちゃく)

画鋲が入っていた箱を「箱」としか見られないため、「蝋燭立てに使う」というアイデアが思いつきにくくなる

機能的固着とは、本来的なものの見方が別の用途へのアイデアを遮ってしまうこと。

確証バイアス(かくしょうバイアス)

清潔感のあるオタクもいるのに「オタクはキモイ」と思っている人は無意識のうちにオタクの気持ち悪い要素を探してしまう

確証バイアスとは、自分の見立てた仮説に都合のいい証拠ばかり集めてしまう心理のこと。
例えば「恋人が浮気しているのではないか」と仮説を立てた場合、「携帯にロックがかかっている」、「少し連絡が取れないだけ」という些細な出来事さえ浮気をしている証拠だと思い込んでしまうようになる。

正の転移(せいのてんい)

正の転移とは、以前の経験が次の問題解決の糸口や成功につながることをいう。
例えばマーケティングを大学で学んでいた人が、営業職に就いた時にその知識を活かして良い成績を収めることが出来る。これも正の転移である。

自己不一致(じこふいっち)

理想と現実の重なる面が少ないと、人は苦しみを感じる

自己不一致とは、理想と現実が重なっている部分が小さいと苦しむことになる現状。
人間とはかならず「こうなりたい」という理想があり、そして達成出来ていない現実の自分がいる。その理想と現実が多く重なっていれば人は充実感を感じるが、そうでない場合にはストレスを感じる。

本編では、クラスで人気のグループに属しているフツメンの加野がこの現象を起こしていた。
「クラスで人気者になりたい」「グループ内で一目置かれたい」という理想を持っているが、そうならない現実にもどかしさを感じていた。
この自己不一致を解消するには、理想を現実にするか、理想を現実レベルまで下げるかの2通りしかない。

ツァイガルニク効果

ツァイガルニク効果とは、人は完結したものより未完結のものの方が印象に残るというもの。
例えばテレビや漫画が「まさに今から!」というところで終わると、気になってしまう現象のこと。

5lhiro
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