サイコろまんちか(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『サイコろまんちか』とは、小出もと貴(こいで もとき)による心理学と高校生の日常を掛け合わせた日本のギャグ漫画。『月刊少年ライバル』で2014年から連載された。
主人公の伊東は幼馴染の阿部に片思いをする女子高校生。心理学に魅せられ、「心理学研究部」を立ち上げようと決意する。部活として認められるには、部員を5人集めなければならない。そこで伊東は心理学を用いて、落ちこぼれから不良まで、様々な生徒と出会い勧誘していく。高校生たちのドタバタ日常と、明日から使える心理学が詰まった物語。

感覚遮断の実験(かんかくしゃだんのじっけん)

現在は禁止されている危険な実験

感覚遮断の実験とは、視覚や触覚を奪った寝たきりの状態の人間は2日経たずとも精神がおかしくなってしまったという実験。1990年代にはその危険さから禁止になっている。
人は良くも悪くも刺激を受けない状態が続くと、精神そのものが崩壊してしまう。

傍観者効果(ぼうかんしゃこうか)

名指しで助けを求めることで、助かる確率は高くなる

傍観者効果とは、社会的群衆に紛れると人は責任能力が薄くなるといった効果のこと。
例えば駅で倒れても「誰かが助けるだろう」とみんなが思い、誰も助けずに1時間以上経過した例もある。自分の意識があり、誰かに絡まれて助けて欲しい場合は、「そこの人助けてください!」と指を差して他の誰かを指定することで、この傍観者効果は薄れると言われている。

アンカリング効果

アンカリング効果とは、人は最初に与えられた数字や条件を基準にして物事を考えてしまうという心理のこと。
例えばデパートで1万円の服が売られていたら、「この服には1万の価値があるんだ」と人は感じてしまう。そこから更に値下げがあり服が5千円になっていたら「お得だ!」と思ってしまう。他にも「30分でお届けします」というピザも35分で配達されたら「遅い」と感じるものがある。

フット・イン・ザ・ドア

フット・イン・ザ・ドアとは、人は一度小さな要求を受け入れるとその後の要求にも応じやすくなってしまう心理。
例えば道行く人に「今何時か教えてもらっていいですか?」という小さな要求からお願いを始める。徐々にお願い事を大きくし、最後に「お金を貸してもらえませんか?」と聞くと成功する確率が上がる。

ドア・イン・ザ・フェイス

ドア・イン・ザ・フェイスとは、最初に大きな要求をして断られた後、本命のお願いをすると相手は最初断った罪悪感から本命のお願いは応じやすくなるというもの。
例えば「急なんですけど明日休ませてくれませんか?」と大きな要求をする。相手が断ってきたら「では、給料を10%上げてくれませんか?」と本命のお願いをすると、相手は「一度断ったのだから…」という罪悪感から検討してくれる可能性が高くなる。

バーナム効果

占い師の常套手段

バーナム効果とは、誰にでも当てはまることをそれっぽく言うことで相手が「当てはまっている!」と感じる効果のこと。
例えば占い師に「あなたは熱くみんなを引っ張るタイプ。その反面、冷静で落ち着いた選択が出来る人です」と誰にでもはてはまるようなことを言われても、どこか一部が当たっていれば「当たっている」と感じやすくなる。

カラーバス効果

カラーバス効果とは、意識した色だけが強く印象に残る効果。
例えば、「今日のラッキーカラーは赤色」と言われた後に「赤・緑・白」が入っている模様を見ても「ラッキーカラーの赤だ!」と赤色にばかり注目してしまう。先に「ラッキーカラーは赤」と言われたことによって、赤色の印象だけが強く残る。

トップダウン効果

トップダウン効果とは、知識や記憶などの事前情報が認識に影響すること。
例えば道路に白い影が見えたから「猫だ!」と思って近づいたら、スーパーの白い袋だった。これも「道路にある白い影は猫に違いない」という記憶や経験が認識に影響しているからである。

トップダウン効果の有名な話として、「ラトクリフの波止場の実験(ラトクリフのはとばのじっけん)」がある。
これは何の変哲もない古い倉庫に、幽霊の噂話を流すという実験だ。実験者は「昔、この倉庫は宿屋だった。そして宿屋の主人である司祭は何人もの人間を殺した。そして今も亡霊となって彷徨っている」という嘘の話を流した。結果、その地域に「司祭の幽霊を見た」という情報が続出し始めた。

本編では、心理学研究部の溜まり場である屋上に「幽霊がいる」とオカルト研究部が噂を流していた。
伊東は上記のトップダウン効果やラトクリフの話で反論し、最後はありもしないオカルト研究部の噂を流して復讐を遂げた。

スタンフォード監獄実験(スタンフォードかんごくじっけん)

スタンフォード監獄実験とは、民間人20人ほどを集めて囚人役と看守役に分けて2週間刑務所で過ごしてもらうという実験。
実験当初は和やかな空気だったものの、次第に看守役が本物の看守のように囚人を取り締まり、虐待さえし始めた。最後には暴力を振るったために、2週間も経たずに実験は中止となった。
権力のある者とない者が狭い空間に閉じ込められると、人は変わってしまうという結果が得られた実験でもある。

動機付け(どうきづけ)

動機付けとは、人が何かを行う際に現れる意志。これは2つあり、「内発的動機付け(ないはつてきどうきづけ)」と「外発的動機付け(がいはつてきどうきづけ)」がある。
「内発的動機付け」は単に自分が好きだから行っていること。例えば、いい大学に入りたいから勉強しようと思うことや、肉体美を極めたいからダイエットをしようと思うことである。
一方で「外発的動機付け」とは、お金がもらえるからや罰があるから行うこと。例えば「あの大学に入れば親が100万円くれるから」や「テストでいい点を取らなければ叩かれる」などである。
圧倒的に持続力があるのは、内発的動機付けだと言われている。

また外発的動機付けの有名な実験として、パズルを解かせる実験がある。
Aのグループにはパズルを解くたびに報酬を渡し、Bのグループにはパズルを解いても報酬を渡さなかった。休憩時間を挟んで、もう一度パズルに取り掛かったのはBのグループだった。
これは「元々パズルが楽しくてしていたところに、お金という報酬が加わった」ことによりパズルへの意欲が低下したものと思われる。これをアンダーマイニング効果という。

スモールステップの原理(スモールステップのげんり)

5lhiro
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