サイコろまんちか(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『サイコろまんちか』とは、小出もと貴(こいで もとき)による心理学と高校生の日常を掛け合わせた日本のギャグ漫画。『月刊少年ライバル』で2014年から連載された。
主人公の伊東は幼馴染の阿部に片思いをする女子高校生。心理学に魅せられ、「心理学研究部」を立ち上げようと決意する。部活として認められるには、部員を5人集めなければならない。そこで伊東は心理学を用いて、落ちこぼれから不良まで、様々な生徒と出会い勧誘していく。高校生たちのドタバタ日常と、明日から使える心理学が詰まった物語。
ゴリラのような体つきの男性教師。
成績の悪い江崎や、素行が悪い宇堂に対して厳しい目で見ており、心理学研究部に対しても「屋上でだべっているだけのふざけた部活」と思っていた。
部員数が足りないことや、部活の活動自体を認めていないことから「心理学研究部が文化祭で催しするスペースはない」と門前払いをしていた。しかし、教師からの信頼も厚い千条が心理学研究部に加入したことで、多少部活として認めるようにはなった。
世良 桜子(せら さくらこ)
現代社会担当の美人でクールな女性教師。無口。彼氏がいる。
心理学研究部に顧問が必要となり、伊東は「心拍数が上がると電流が流れる」ビリビリハンドを世良につけた。その電流に耐えられなくなったら降参し、心理学研究部の顧問になってもらう約束を取り付ける。
伊東は世良に「教師になってから、男子高校生との禁断の恋を考えたことがある」「今から10秒間エロいことを考えないでください」といった、「人は禁止されたことを考えてしまう」という心理的リアクタンスを駆使して心拍数を上げさせ、ビリビリハンドから電流を流した。禁止されると人間は考えてしまう生き物なので、まんまと伊東の策にハマった世良は降参し心理学研究部の顧問になっている。
その他
購買屋のおっさん
学校の購買でオリジナルのパンを作り、売っている中年男性。阿部と仲がいい。自分は痛風ではないのに、なぜか痛風に効くメニューばかり考案している。
文化祭にて、心理学研究部と一緒に食事処の手伝いを行うことになった。その際、阿部に「心理学で売り上げを伸ばす方法はないかな?」と相談してきた。
その理由として、業界トップクラスの商社に誘われ転職することになったが「いいスーツもいい腕時計も持っていない」ことから転職を恐れ、諦めようとしていた。阿部はおっさんの夢を後押ししたいと、心理学を使いながら文化祭で売り上げを出す。
阿部はおっさんに売り上げを渡すが、おっさんは受け取れないと断る。阿部は「俺はおっさんの人生を変えるきっかけになればいいと思ってやっただけだから」とおっさんの背中を押した。おっさんは「安もんのスーツで勝負してやるよ」と阿部の気持ちだけ受け取り、商社へと転職していった。
『サイコろまんちか』の用語
作中に登場した心理学
主観的輪郭(しゅかんてきりんかく)
主観的輪郭とは、実線がないのにその図が浮かび上がって見える知覚心理学の一種。
古典的な例として、1955年にイタリアの心理学者ガエタノ・カニッツァが発表した上記の図の「カニッツァの三角形(カニッツァのさんかくけい)」が有名である。
ハロー効果(ハローこうか)
ハロー効果とは、人は見た目や社会的な地位のイメージで相手がどういう人間かまで決めつけてしまう傾向のこと。
例えば可愛らしい女子高生と、強面の男性を見たときにどちらが前科持ちに見えるかと聞かれれば多くの人が見た目のイメージから強面の男性を選んでしまう心理のこと。
一方で、「見た目と中身が一致していなかった場合は失望する」という側面もある。そのため、「とてもかっこいい男子高校生が、テストで赤点を取っていた」と知ると「あんなにかっこいいのに」とがっかりしてしまう。このことを「ロス効果(ロスこうか)」とも言う。
マジカルナンバー7
マジカルナンバー7とは、人の短期記憶で覚えられる量はせいぜい7±2であるというもの。アメリカの心理学者、ジョージ・ミラが提唱した。
本編ではこれを使い江崎の補習を助けたことから、江崎が心理学研究部に入るきっかけとなった。
プライミング効果
プラインミング効果とは、連想や関連性が記憶や想起を刺激し、強化すること。
例えば着替える前に、りんごやイチゴなどの赤いものを見ていると、赤い服を選びがちになるということ。
ラベリングの自己成就予言(ラベリングのじこじょうじゅよげん)
ラベリングの自己成就予言とは、人は他人から言われた通りになってしまう傾向があること。
例えば「お前はだらしない奴だ」と周囲から言われ続けると、言われ続けた本人が実際にだらしなくなってしまうことがある。
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目次 - Contents
- 『サイコろまんちか』の概要
- 『サイコろまんちか』のあらすじ・ストーリー
- 「心理学研究部」を立ち上げる伊東
- 5人目の部員である千条の登場
- 伊東と阿部の恋の行方
- 『サイコろまんちか』の登場人物・キャラクター
- 心理学研究部
- 伊東(いとう)
- 阿部(あべ)
- 江崎(えざき)
- 宇堂 恭一(うどう きょういち)
- 千条 ナルコ(せんじょう ナルコ)
- 友人
- 己斐(こい)
- 三島(みしま)
- 多胡(たご)
- その他生徒
- 加野(かの)
- 八神(やがみ)
- 日々野(ひびの)
- 不破(ふわ)
- 部谷 結衣(へや ゆい)
- 幾島(いくしま)
- 久宝(くほう)
- 介山 幸子(かいやま さちこ)
- 於田(おだ)
- 女滝(めだき)
- 奈月(なつき)
- 教員
- 曽我(そが)
- 世良 桜子(せら さくらこ)
- その他
- 購買屋のおっさん
- 『サイコろまんちか』の用語
- 作中に登場した心理学
- 主観的輪郭(しゅかんてきりんかく)
- ハロー効果(ハローこうか)
- マジカルナンバー7
- プライミング効果
- ラベリングの自己成就予言(ラベリングのじこじょうじゅよげん)
- アッシュの同調実験(アッシュのどうちょうじっけん)
- サイコドラマ
- 空白補完効果(くうはくほかんこうか)
- メラビアンの法則(メラビアンのほうそく)
- 機能的固着(きのうてきこちゃく)
- 確証バイアス(かくしょうバイアス)
- 正の転移(せいのてんい)
- 自己不一致(じこふいっち)
- ツァイガルニク効果
- 感覚遮断の実験(かんかくしゃだんのじっけん)
- 傍観者効果(ぼうかんしゃこうか)
- アンカリング効果
- フット・イン・ザ・ドア
- ドア・イン・ザ・フェイス
- バーナム効果
- カラーバス効果
- トップダウン効果
- スタンフォード監獄実験(スタンフォードかんごくじっけん)
- 動機付け(どうきづけ)
- スモールステップの原理(スモールステップのげんり)
- 認知的不協和(にんちてきふきょうわ)
- ハイダーのバランス理論(ハイダーのバランスりろん)
- 栄光浴(えいこうよく)
- モデリング
- リンゲルマン効果
- 自己開示の返報性(じこかいじのへんぽうせい)
- 心理的リアクタンス(しんりてきリアクタンス)
- 顔面フィードバッグ仮説(がんめんフィードバッグかせつ)
- バンドワゴン効果
- スノッブ効果
- ヴェブレン効果
- ジンクピリチオン効果
- 現状維持バイアス(げんじょういじバイアス)
- 学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん)
- アンダードッグ効果
- セルフ・ハンディ・キャッピング
- パブロフの犬(パブロフのいぬ)
- サンクコスト効果
- 基本的帰属の錯誤(きほんてききぞくのさくご)
- 保有効果(ほゆうこうか)
- 単純接触効果(たんじゅんせっしょくこうか)
- リフレーミング効果
- ブロークン・ウィンドウ理論
- 学校関係
- 心理学研究部(しんりがくけんきゅうぶ)
- オカルト研究部(オカルトけんきゅうぶ)
- 演劇部(えんげきぶ)
- その他
- ゴールデンバインド
- 奇蟲カードゲーム(きちゅうカードゲーム)
- 『サイコろまんちか』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 江崎 「私は己斐ちゃんとお弁当食べるよ」
- 伊東「ライオンに生まれなかったからって絶望してんじゃねーぞ、ハイエナに生まれたならハイエナとして戦え!」
- 宇堂「惨めで悔しかったんだよ、それで素直にパスを出せなかった。ごめんな」
- 伊東「たった一人『この人!』と思える人間にだけそっと『可愛いね』って言ってもらえりゃ、今世は愚か来世まで生き抜けるパワーなくして語れないんじゃ!」
- 伊東「もしかしたら今なら何か状況が変わってるかもしれないと今一度足掻きさえすれば…そん時は行き詰まった状況を脱却できた筈なんだ!」
- 阿部「…オレは…心理学研究部を解散するのは嫌だな」
- 『サイコろまんちか』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- LASTというタイトルをつけなかった最終話
- 長期休載と突然の打ち切り
- 作者の他作品『アイリウム』が『世にも奇妙な物語』でドラマ化