サイコろまんちか(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『サイコろまんちか』とは、小出もと貴(こいで もとき)による心理学と高校生の日常を掛け合わせた日本のギャグ漫画。『月刊少年ライバル』で2014年から連載された。
主人公の伊東は幼馴染の阿部に片思いをする女子高校生。心理学に魅せられ、「心理学研究部」を立ち上げようと決意する。部活として認められるには、部員を5人集めなければならない。そこで伊東は心理学を用いて、落ちこぼれから不良まで、様々な生徒と出会い勧誘していく。高校生たちのドタバタ日常と、明日から使える心理学が詰まった物語。
スモールステップの原理とは、小さな目標を立てることで成功への道筋を作ること。
例えばいきなり「体重をマイナス20キロにする!」という大きな目標を立るのはではなく、「1日5分運動するところから始めよう」と小さな目標を立てて実行すること。この方が目標の成功率も高いとされている。
認知的不協和(にんちてきふきょうわ)
認知的不協和とは、人は矛盾する2つの認知があるとき不快感を覚えるというもの。
例えば、「タバコが好き」という認知と「タバコは健康に悪い」という認知があると、不快感を覚える。この例ならタバコを止めることが一番ではあるが、それができない場合、人は整合性を保とうとする。その結果「タバコと肺がんは関係ない」というような胡散臭い記事を信じるようになる。
ハイダーのバランス理論(ハイダーのバランスりろん)
ハイダーのバランス理論とは、アメリカの心理学者のフリッツ・ハイダーによって提唱された心理学。
不均衡による緊張状態がもたらす心理的葛藤のこと。簡単に言えば、人は友達が自分の嫌いな人と仲がいいと嫌な気持ちになるというもの。
例えばAがBを「今度ボウリングに行こうよ!」と誘う。しかしAはBが苦手なCととても仲がいい。そのボウリングにもCが来ることを予期したBは「自分はいいや」と断る。逆にCもBが苦手であるため、Aからボウリングに誘われても「どうせBも来るんだろうな」と想像しAの誘いを断る。BにとってもCにとっても、Aと仲良くするのは苦しくなってくる。
そのため、この関係性は遅かれ早かれ終わりが来ることが多い。
栄光浴(えいこうよく)
栄光浴とは、人は社会的評価を受けている人間と近しい関係にある時、それを自慢する傾向があるという心理。
例えば、「私あの俳優と知り合いなんだ〜」という、実際には自分がすごいわけではないのに、あたかも「俳優と繋がっている自分はすごい」と自慢をしてくるなど。
モデリング
モデリングとは、人は自分が体験していないことでも、人の体験を観察することで学習ができる。
例えばテレビで「筋肉ムキムキになったら女性にモテモテだ!」という広告を目にする。自分もそうなれるのではないかと、筋トレをし始めるのが例として挙げられる。しかしあくまでも「広告の男性はムキムキになってモテた」だけであって、「自分もムキムキになればモテモテになる」わけではないところが、モデリングの落とし穴でもある。
リンゲルマン効果
リンゲルマン効果とは、人は集団で1つのことをする際、人数の増加に従い手を抜いてしまうこと。
例えば、綱引きをする際、個人が発揮する力を計測しながら人数を増やすと、一人一人が出す力は弱くなっていくというもの。
これは多人数に紛れることによって、個人の重要性が薄れると思い個々の力が弱くなると考えられている。
自己開示の返報性(じこかいじのへんぽうせい)
自己開示の返報性とは、人はきちんと胸の内を曝け出してくれる人にこそ同じように自分の胸の内を晒し信頼や親しみを感じるというもの。
人から信頼を得たい時には、まず自分の気持ちや感情を相手に曝け出す。そうすると相手もこちらを信用し、同じように気持ちを教えてくれることが多くなる。
心理的リアクタンス(しんりてきリアクタンス)
心理的リアクタンスとは、人は禁止されていることほど逆にやりたくなってしまう心理のこと。
例えば「今から10秒間、動物のキリンのことを考えないでください」と禁止されると、逆にキリンのことを考えてしまうこと。
顔面フィードバッグ仮説(がんめんフィードバッグかせつ)
顔面フィードバッグ仮説とは、表情が感情に影響を及ぼすという心理学。
例えば人は通常楽しいから笑顔になると思われているが、楽しくなくても笑顔でいると楽しい気分になってくるという説がある。
バンドワゴン効果
バンドワゴン効果とは、人が持っているものは自分も欲しいと思う心理。
例えば行列の出来ているラーメン屋と、行列が出来てないラーメン屋を見た時に入りたくなるのは「行列が出来ているラーメン屋」である。更にラーメン屋に入り、醤油ラーメンを食べようと思っていたが、他の客が軒並み豚骨ラーメンを食べていたら自分も豚骨ラーメンが気になるというもの。
スノッブ効果
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目次 - Contents
- 『サイコろまんちか』の概要
- 『サイコろまんちか』のあらすじ・ストーリー
- 「心理学研究部」を立ち上げる伊東
- 5人目の部員である千条の登場
- 伊東と阿部の恋の行方
- 『サイコろまんちか』の登場人物・キャラクター
- 心理学研究部
- 伊東(いとう)
- 阿部(あべ)
- 江崎(えざき)
- 宇堂 恭一(うどう きょういち)
- 千条 ナルコ(せんじょう ナルコ)
- 友人
- 己斐(こい)
- 三島(みしま)
- 多胡(たご)
- その他生徒
- 加野(かの)
- 八神(やがみ)
- 日々野(ひびの)
- 不破(ふわ)
- 部谷 結衣(へや ゆい)
- 幾島(いくしま)
- 久宝(くほう)
- 介山 幸子(かいやま さちこ)
- 於田(おだ)
- 女滝(めだき)
- 奈月(なつき)
- 教員
- 曽我(そが)
- 世良 桜子(せら さくらこ)
- その他
- 購買屋のおっさん
- 『サイコろまんちか』の用語
- 作中に登場した心理学
- 主観的輪郭(しゅかんてきりんかく)
- ハロー効果(ハローこうか)
- マジカルナンバー7
- プライミング効果
- ラベリングの自己成就予言(ラベリングのじこじょうじゅよげん)
- アッシュの同調実験(アッシュのどうちょうじっけん)
- サイコドラマ
- 空白補完効果(くうはくほかんこうか)
- メラビアンの法則(メラビアンのほうそく)
- 機能的固着(きのうてきこちゃく)
- 確証バイアス(かくしょうバイアス)
- 正の転移(せいのてんい)
- 自己不一致(じこふいっち)
- ツァイガルニク効果
- 感覚遮断の実験(かんかくしゃだんのじっけん)
- 傍観者効果(ぼうかんしゃこうか)
- アンカリング効果
- フット・イン・ザ・ドア
- ドア・イン・ザ・フェイス
- バーナム効果
- カラーバス効果
- トップダウン効果
- スタンフォード監獄実験(スタンフォードかんごくじっけん)
- 動機付け(どうきづけ)
- スモールステップの原理(スモールステップのげんり)
- 認知的不協和(にんちてきふきょうわ)
- ハイダーのバランス理論(ハイダーのバランスりろん)
- 栄光浴(えいこうよく)
- モデリング
- リンゲルマン効果
- 自己開示の返報性(じこかいじのへんぽうせい)
- 心理的リアクタンス(しんりてきリアクタンス)
- 顔面フィードバッグ仮説(がんめんフィードバッグかせつ)
- バンドワゴン効果
- スノッブ効果
- ヴェブレン効果
- ジンクピリチオン効果
- 現状維持バイアス(げんじょういじバイアス)
- 学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん)
- アンダードッグ効果
- セルフ・ハンディ・キャッピング
- パブロフの犬(パブロフのいぬ)
- サンクコスト効果
- 基本的帰属の錯誤(きほんてききぞくのさくご)
- 保有効果(ほゆうこうか)
- 単純接触効果(たんじゅんせっしょくこうか)
- リフレーミング効果
- ブロークン・ウィンドウ理論
- 学校関係
- 心理学研究部(しんりがくけんきゅうぶ)
- オカルト研究部(オカルトけんきゅうぶ)
- 演劇部(えんげきぶ)
- その他
- ゴールデンバインド
- 奇蟲カードゲーム(きちゅうカードゲーム)
- 『サイコろまんちか』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 江崎 「私は己斐ちゃんとお弁当食べるよ」
- 伊東「ライオンに生まれなかったからって絶望してんじゃねーぞ、ハイエナに生まれたならハイエナとして戦え!」
- 宇堂「惨めで悔しかったんだよ、それで素直にパスを出せなかった。ごめんな」
- 伊東「たった一人『この人!』と思える人間にだけそっと『可愛いね』って言ってもらえりゃ、今世は愚か来世まで生き抜けるパワーなくして語れないんじゃ!」
- 伊東「もしかしたら今なら何か状況が変わってるかもしれないと今一度足掻きさえすれば…そん時は行き詰まった状況を脱却できた筈なんだ!」
- 阿部「…オレは…心理学研究部を解散するのは嫌だな」
- 『サイコろまんちか』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- LASTというタイトルをつけなかった最終話
- 長期休載と突然の打ち切り
- 作者の他作品『アイリウム』が『世にも奇妙な物語』でドラマ化