The Boogie Man(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ
『The Boogie Man』とは2015年9月5日公開、Uri Games・うり制作のホラーADV。『The Strange Man』シリーズの第三作目。古城ツアーに参加した刑事キースは、攫われた妻や他の参加者を救出するために殺人鬼ブギーマンを追いかける。探索・アクションパートがあり、突然の脅かし要素や残酷描写が多分に含まれている。サスペンス要素が強く、主人公の行動によってENDが5種類に分岐する。
エンド条件は死亡者なしで条件を全てクリアしていること。
ブギーマンを倒したキースは、彼の覆面を剥ぎ取る。覆面の中の顔は古城の主、ブランドンだった。すでに殺されたはずの意外な人物の登場に虚を突かれたキースは隙をつかれてブランドンに腹部を刺されてしまうが、そこへデヴィッドと彼に救出されたヘレナが駆けつける。デヴィッドがブランドンを取り押さえたところで他の生存者たちも合流し、キースは生還する。
生還した被害者たちはキースの務める警察署で事情聴取を受けていた。そのなかでブランドンは金やコネによってツアーの参加者を調べ上げ、計画的に犯行を行っていたことが明かされる。
キースが見たコメディックなブギーマンの立ち振る舞いを他の参加者は見ていなかった。また、彼が古城で見た落書きも同様に彼以外には見えていなかった。ヘレナの口からキースは息子の死から立ち直れていなかったこと、そのことによって人を守らなければならないと強迫観念を抱えていたことが語られる。古城で彼が対峙していた愉快なブギーマンは精神的に追いつめられたキースが作り出したモンスターだった。
自分の弱さを受け入れたキースは息子の墓の前でヘレナに「……ずっと……こうして泣きたかった……」と泣きながら告げる。息子を失ってからの恐怖を妻に打ち明け、無理をしていた事実を認めるキース。感情を隠すのをやめて生きていくことにしたキースは再度ヘレナに告白し、彼女もそれを受け入れた。お互いを想い合いながらすれ違い、離婚話まで出ていたベアリング夫妻は復縁し、二人で生きていくことを決断した。
『The Boogie Man』の登場人物・キャラクター
キース・ベアリング(Keith Baring)
今作の主人公。感情表現に乏しく、ニヒルで皮肉屋な物言いで高圧的に見えるところもある。
既婚者で、妻はヘレナ・ベアリング。息子がいたが、夭折した。息子の死を引きずっており、彼の死によって他者を守ることに強迫観念を抱いている。
ロボットのようだと言われる彼だが、学生時代はよく笑い妻ヘレナにコメディアンになることを勧められるような人柄だった。
ヘレナ・ベアリング(Helena Baring)
主人公キースの妻。キースからの熱烈なアピールによって結婚した。キースとの間に息子がいたが夭折している。
優し気な女性で、キースの同僚からもいい人だと評価されていた。彼女を失うことでキースが暴走してしまうことからも彼から深く愛されていたことがわかる。
彼女は自分のことを臆病で弱い人間だと思っている。そんな自分が傍にいることで他者を守ることに強迫観念を抱く夫を追いつめてしまうのではないかと考えてしまい、物語中ではキースに離婚を切り出す。
デヴィッド・フーヴァー(David Hoover)
第一作『The Crooked Man』の主人公。『The Strange Man』シリーズすべての作品に登場している。
優しい青年だが、その性格を優柔不断だとして恋人に詰られることも。夢だった職業に就くことが出来ない、父親が蒸発してしまう、母親が病に倒れる等、運に恵まれない。
今作では妻となったシャーリーとツアーに参加している。
ソフィー・グランドラー(Sophie Grundler)
第二作『The Sand Man』の主人公。
強気な性格で、ハキハキとした振る舞いをする。『The Sand Man』作中にて、デヴィッドへの恋心や父親との不和が解決したためか明るい性格となっている。今作では父親と共にツアーに参加している。
彼女が死亡してしまうルートでは父親は娘を奪った犯人を殺してやりたいと訴え、自殺未遂を起こしキースに取り押さえられる。息子を失ったキースに、子供を失う苦しさを思い出させた。
ランス・カナル(Lance Kanal)
ツアーに同行した風景専門のカメラマン。嫌味っぽく、臆病だが強い正義感を内に秘めている。元はジャーナリストだったが取材方法を批判され、人間を撮るのが嫌になってしまい風景専門のカメラマンに転向した。
ゲーム中では若い頃のキースを表すキャラクターとして描かれた。キースはランスがブギーマンに殺されそうになって怯える姿を見て、新米刑事の頃に感じた「恐怖」を思い出した。
ブギーマン(Boogie Man)
今回の事件の黒幕。正体は古城のオーナーであるブランドン。舞台俳優を目指していた彼はメイクによって猟奇的な殺人鬼になりきり、キース達に襲い掛かった。
非常に良くしゃべり「この世の悪いこと、悲しいことは全部……ブギーマンのしわざ!」と口上を述べ、覆面のペイントが変化するなどコメディックな存在として描かれている。しかし、終盤ではコメディックな振る舞いはキースとプレイヤーにのみ見えていたもので、実際は特殊メイクが施されたおぞましい化け物の姿だったことが判明する。
『The Boogie Man』のアイテム
鉄板
ランスが回転ノコギリにかけられた際に入手できるアイテム。この鉄板で回転ノコギリの歯を受け止めている間にランスを救出する。その後も、廊下で出会う発砲する人形から身を守るために使用するために再度回収が必要になる重要なアイテム。
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目次 - Contents
- 『The Boogie Man』の概要
- 『The Boogie Man』のあらすじ・ストーリー
- 物語開始から事件発生直前
- 事件発生からグランドラー父子救出
- グランドラー父子救出後からデヴィッド救出
- デヴィッド救出からブギーマンとの対決
- 『The Boogie Man』のゲームシステム
- 探索
- アクション
- 謎解き
- 階段昇降パネル
- 剥製が並んだ部屋
- ルート分岐
- Bad End1「Boogie's Fine Tonight」
- Bad End2「White Room」
- Bad End3「Precious Box」
- Bad End4「Happy Dream」
- GOOD END「Come Rain, Come Shine」
- 『The Boogie Man』の登場人物・キャラクター
- キース・ベアリング(Keith Baring)
- ヘレナ・ベアリング(Helena Baring)
- デヴィッド・フーヴァー(David Hoover)
- ソフィー・グランドラー(Sophie Grundler)
- ランス・カナル(Lance Kanal)
- ブギーマン(Boogie Man)
- 『The Boogie Man』のアイテム
- 鉄板
- 古いビデオカメラ
- 『The Boogie Man』の用語
- ブギーマン
- リヴィングストン城
- 『The Boogie Man』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ブギーマンは作者の用意した舞台装置のようなもの
- ブギーマンは人々にとっては意味が分からない理解できない存在
- 主人公キースは怪物寄りのキャラクター
- 『The Boogie Man』の公式HP