雨に唄えば(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『雨に唄えば(映画)』とは1952年にアメリカで制作されたミュージカル映画である。サイレント映画からトーキー映画へと移行し始めたハリウッドを舞台に、人気スターのドンと新進女優のキャシーの恋模様をコミカルに描いている。監督はジーン・ケリーとスタンリー・ドーネン。ケリーは監督だけでなく、ドナルド・オコナーやデビー・レイノルズと共に作品にも出演している。「ミュージカル映画の傑作」とも言われる映画で、ケリーが傘を片手に歌う「雨に唄えば」のシーンは、この映画を象徴するシーンとしても有名である。

日本語吹き替え:NHK版/河村弘二、フジテレビ版/中村正、DVD版/仲野裕
ドンとコズモが所属する映画製作会社モニュメンタル社の社長。ドンをスタントマンから大スターへと大抜擢した人物。キャシーの実力も見抜いており、映画製作会社の社長に恥じない才能を見る目を持っている。リナが契約を盾にして、キャシーの映画出演をさせなくすよう言われたときは従う姿勢を見せた。しかし、その後の舞台挨拶でリナがキャシーの吹き替えで観客の前で歌を歌うことになった際に、その事実を観客の前に晒上げるドンの行動に快く協力した。その際、ドンやコズモとともに「Singing in the rain」を歌いながら、愉快に幕を上げていた。

ドンのダンスパートナー(演:シド・チャリシー)

左の女性がダンスパートナー

「踊る騎士」のワンシーンで主人公のタップダンサーと共に踊る女性。妖艶なダンスを魅せ、ドンが演じる主人公を魅了する。

デクスター監督(演:ダグラス・フォーリー)

出典: 2.bp.blogspot.com

左がデクスター監督

日本語吹き替え:NHK版/近石真介、フジテレビ版/勝田久、DVD版/田坂浩樹
映画監督で、モニュメンタル社の映画を数々制作している。ドンのスタントマン時代から映画監督をやっており、とても厳しい性格をしている。トーキー映画の製作では、慣れない作業や指示の聞けないリナに苛立ちを隠せずいた。

ゼルダ・ザンダース(演:リタ・モレノ)

出典: www.thewrap.com

右の女性がゼルダ

日本語吹き替え:NHK版/不明、フジテレビ版/中川まり子、DVD版/小林美穂
ドンとリナが主演を務めていた「宮廷の風雲児」で出演していた女優の一人。自分が主役を務める映画にもキャシーが出演することになり、自分の存在が霞んでしまうと考え危機感を感じていた。そんな中、キャシーがリナの吹き替えをしていたことをいちはやく聞きつけたため、キャシーを落とし込めると考え、リナに告げ口をしていた。

『雨に唄えば(映画)』の用語

サイレント映画

サイレント映画とは、音声や音響、俳優のセリフがない映画のことである。1972年に世界初のトーキー映画『ジャズ・シンガー』が発表されるまで、世間ではサイレント映画が一般的であった。1930年代から徐々にトーキー映画へと移行していった。

トーキー映画

トーキー映画とは、映像と音声が同期した映画のこと。ワーナー・ブラザーズが1927年10月に公開した『ジャズ・シンガー』が世界初の長編トーキー映画であった。これを機にハリウッドは映画文化の中心地となっていく。一方、ヨーロッパではサイレント映画の方が芸術性が高いと考える評論家や映画製作者が多く、当初の評価は低かった。日本では、1931年の『マダムと女房』が初のトーキー映画となっている。

モニュメンタル社

本作に登場する架空の映画会社。シンプソンが社長を務め、ドンやリナなどのハリウッドスターが所属している。本作には現実に実在する「ワーナー」という映画会社の名前も出ている。

「踊る騎士」

ドンやリナが出演するモニュメンタル社初のトーキー映画。当初は「闘う騎士」という題名で、舞台はフランス革命の話。そして、これまでのサイレント映画に声を付け加えただけの構成であった。しかし、試写会で散々の結果であったため、ドンやコズモ、キャシーの名案でミュージカル映画に変更することになった。ストーリーは、現代を舞台にニューヨークのタップダンサーが主人公。突如落ちてきた砂袋に当たり気絶し、フランス革命時代の夢をみる。そのためこれまで撮影したシーンを使いながら、現代の特色も取り込んだ映画を作ることができた。コズモはこのストーリーを思いつき、脚本家としても抜擢された。

『雨に唄えば(映画)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ドンの喜びを表した「Singin' in the rain」のシーン

本作を象徴する名シーン。苦労しつつ製作したトーキー映画を試写会で披露したドンだが、その試写会では観客に笑われてしまい自信を失っていた。しかし、キャシーやコズモとともにミュージカル映画に変更することを思いつき、映画が成功する可能性を感じていた。その後キャシーを家まで送り、一人帰ろうとするドンだったが乗っていたタクシーに乗らずにそのまま送り出す。雨の中で傘をささずタップダンスをしながらドンは歌う。雨の夜という暗い場面ではありながらも、ドンの笑顔や華麗なダンスにより、映画の成功の可能性を感じるとともに、キャシーとの恋愛も上手くいっているという喜びがより強調されたシーンとなっている。

コズモがドンを励ます「Make Em Laugh」のシーン

JewelRook6
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@JewelRook6

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