雨に唄えば / Singin' in the Rain

雨に唄えば / Singin' in the Rain

『雨に唄えば』とは、1952年に公開されたアメリカのミュージカル映画およびそれを原作としたミュージカル作品である。映画の日本公開は1953年。同名の楽曲を原作としている。
トーキー映画が大成功をおさめ、サイレント映画全盛の時代が過ぎ去ろうとしているハリウッドの様子をコミカルに描いている。その悪声から将来が危ぶまれているサイレント映画の女優リナの吹き替えに採用された新人女優キャシーに目をつけた俳優ドンが、親友のコズモと一緒にキャシーを次世代のスターに担ぎ出そうとする物語である。
監督はジーン・ケリーとスタンリー・ドーネン。監督と主演を兼任したジーン・ケリーはあらゆるダンスのスタイルのエッセンスを凝縮したミュージカルを創造し、雨の中で彼が歌い踊る同名の主題歌もまた大ヒットした。
ミュージカルは1983年にロンドンのウエスト・エンドで初演されて以降、世界中で上演され、2003年には宝塚歌劇団でも舞台化が果たされた。

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雨に唄えば / Singin' in the Rainのレビュー・評価・感想

雨に唄えば / Singin' in the Rain
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アメリカ映画史に残るミュージカル映画の傑作

1930年代後半から1950年代にかけて、MGMが製作した数あるミュージカル映画の最高峰、と言うより、アメリカ映画史に残る傑作が「雨に唄えば」だと思います。

この映画は、もう何度も数えきれないくらい観ていますが、観るたびに、これほど胸踊らされるミュージカル映画は他にはないと思うくらいです。

この作品は、何と言っても、監督・振付・主演を務めたジーン・ケリーの魅力に尽きると言ってもいい映画で、とにかく彼が大活躍するんですね。

元来、ジーン・ケリーという俳優は、"俺が俺が"の出たがりタイプなのですが、この作品では、それがプラスに作用したと思うんですね。

ダンサーとしては派手な見せ場を好み、彼のライバル、フレッド・アステアの優雅でエレガントで粋なダンスとは対照的に、ダイナミックな踊りっぷりで鳴らした彼の、ベスト・パフォーマンスを心ゆくまで堪能できる映画だと思います。

そして、共演に、ドナルド・オコナーとデビー・レイノルズを抜擢したことも大正解だったと思います。
当時、若手の二人が加わることで、さらに活気溢れるミュージカル・ナンバーが仕上がったのだと思います。

やはり、この作品の白眉は、なんと言っても、主題歌「雨に唄えば」ですよね。
どしゃ降りの雨の中で、恋の喜びを歌い、そして踊るジーン・ケリーの素晴らしさは、もはや説明不要だと思います。

それくらい、例えようもなく素晴らしく、このシーンは何度観ても、胸躍らされるものがありますね。
満面の笑みをたたえて踊る彼を観ると、この世の憂さも吹き飛んでしまいます。

まるで、ワンカットで撮影したような流麗なカメラワークも、実に見事で、彼の歌とダンスを大いに盛り上げていると思います。

他にも、ドナルド・オコナーが、体を張って多芸ぶりを披露する「笑わせろ」。
フィルムに記録された最高のタップ・ナンバーと謳われた、ジーン・ケリーとドナルド・オコナーの丁々発止のタップ合戦「モーゼズ」。

デビー・レイノルズを加えたトリオが賑やかに歌い踊る「グッド・モーニング」など、呆れるほど楽しいナンバーが続出して、楽しませてくれるんですね。

そして、映画の後半のハイライトが、13分の長尺ナンバー「ブロードウェイ・メロディ・バレエ」ですね。
共同監督のスタンリー・ドーネンは、後に彼の自伝で「長過ぎた」と反省しているらしいのですが、無数の群舞を率いたジーン・ケリーのエネルギッシュな踊りは、まさに圧巻です。
そして、極彩色のセットも実に美しかったですね。

雨に唄えば / Singin' in the Rain
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『僕には太陽の光が降り注いでる』

1952年に公開された、映画『雨に唄えば』。

あのメロディーを耳にしたことがある人は多いと思いますが、実際に映画を見たことがある方は少ないように感じます。
そもそも、70年も前の映画、私の祖父だってまだ10歳そこら。
きっと、実際に鑑賞した人も公開から随分経ってからではないでしょうか。(もしかしたら、ジーンケリーは亡くなってからだったかも)
では、なぜ今でも日本でミュージカルが上映されたり、映画ランキングの上位にはいつも名が上がるのでしょう。

私があの有名な曲を知ったのは、アメリカのティーン向けミュージカルドラマ『Glee』の挿入歌に使われていたからです。
ただ単にカバーではなく、リアーナの『アンブレラ』という曲とのマッシュアップ(2つの曲を1曲としてリミックスすること)として歌われました。
私は50年代の曲とリアーナの化学反応に魅了されたのです。

『雨に唄えば』ではサイレント映画からトーキー映画へと時代が移行していく様が描かれています。
逆境に立ち向かいながらも、雨に打たれながら幸せそうに歌うジーンケリーの歌声は、
70年経った今でも、雨が降ると路地裏で聞こえてきそうな気がします。
いつの時代も、変化は訪れるものですが、変わらずに愛され続けるものは必ずある、
私にそう教えてくれた映画です。

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