ダウンタウン松本人志の流 頭頭(TOZU・トウズ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ダウンタウン松本人志の流 頭頭』とは、お笑い芸人のダウンタウン・松本人志が1993年に制作した映像作品である。小さな町工場で松本人志演じる男には悩みがあった。一緒に住んでいる父が認知症になってしまい家族に迷惑をかけていることだった。やがて父を老人ホームへ送ろうと相談する。
平凡な家族の風景だが、1つだけ非日常な体験をしていた。それは「頭頭」という食べ物を食べていることだった。その「頭頭」をクローズアップしていく映像作品である。
身投げする祖父
祖父が家から出て一直線で向かったのは河川敷であった。祖父がどこへ向かっているかも知らない兄弟は懸命に仕事をする。
三男はまた車を出すときに後進してしまう。しかし、クッションみたいなもので車が守られていて壁にぶつかっていない。いつもぶつける壁に頭頭をガムテープで貼り付けていた。それがクッション代わりになっていた。頭頭を食べること以外に使用したのは三男の描写が初めてであった。これで壁にぶつかっても車をぶつけないことに喜んだ三男は何度も頭頭を張っている壁に車をぶつける。頭頭が車とぶつかった時の音はゴム製のような音をしていて、予想していた音ではないので驚く。
河川敷で遊ぶ子供達。石を川に投げている。橋の上から見ていた通行人は川の近くで遊ぶのは危険だと注意をする。すると子供達がそこに頭頭がいると指を差す。通行人が指を差した方へ目を向けると川に浮いている祖父の姿がいた。川に浮かんでいる祖父は本当に頭頭に似ている。頭頭は実は川に身投げした人間の死体なのかもしれないと思ってしまう描写であり、少しギョッとするシーンである。
中華屋でご飯を注文するおとこたち
頭頭を吊るしている中華料理店にお笑い芸人の松本人志と今田耕司と板尾創路がやってくる。五目汁そばを頼んだ松本の目の前に、吊るしていた頭頭から髪の毛を大量にむしりとりそばの上に乗せた五目汁そばが運ばれた。それを見た松本は「おい!これなんや?五目汁そばて、髪の毛入っとるやんけ!」と怒る。それを聞いた店主は苦笑いしていた。冒頭から45分が最後のオチの前振りであったことに驚く。
エンドロール後、楽屋での会話
物語が終わり、エンドクレジットが流れた後、松本人志、今田耕司、板尾創路の3人がトークしている。松本人志的には「視聴者を裏切りたかった」と言っており、「『松本人志の流 頭頭』を見てもほとんど笑えないことは承知のことだ」と話している。冒頭のシーンで笑いどころも用意されておらず、現実には存在していない頭頭がある別の日常をまじまじと見せられて、あたかもどこかの日本には頭頭は存在しているのではないかと思わせておいて、最後の松本人志のツッコミのオチで頭頭の存在を否定して、見ている視聴者を現実の世界に引き戻した。「視聴者の見ている感情をぐちゃぐちゃにしてやった」と松本人志は最後の会話で話しており、視聴者の感情をぐちゃぐちゃにした『松本人志の流 頭頭』を「精神的アトラクション」と表現していた。現実には存在しない頭頭をリアルにあたかも視聴者の心の中で自分だけが知らない文化なのかもしれないと思わせる現実感をしっかり表現したところに松本人志のこだわりを感じられるし、視聴者に頭頭の存在を信じさせて、少しどんな味か味見してみたいと思ったところで「髪の毛入ってるやないか!」と頭頭の存在を信じ切ってしまった視聴者にツッコミを入れられる難易度が高いオチがおもしろポイントである。
『松本人志の流 頭頭』の登場人物・キャラクター
主人公(演:松本人志)
町工場で働く長男。妻子もちである。認知症になった祖父とも一緒に住んでいる。妻から祖父を老人ホームへ送るよう言われているが、なかなか言い出せずにいた。孫を自分の子供のように可愛がっている祖父と認知症で迷惑をかけられている妻の間で板挟みになっている。『松本人志の流 頭頭』の主人公であるのに、作品の中で唯一頭頭を食べていないし、頭頭を触ってもいない。表には出さないが、一番兄弟の中で父親のことを気にかけている。
次男(演:板尾創路)
学校の先生をしている次男。頭頭をつまみにしてプロレスを見るのが日課である。『松本人志の流 頭頭』の中で初めて頭頭を食べるシーンで登場した。頭頭がどういう食べ物でどういう食べ方をするのかを初めて描写していた。兄弟とは電話で会話をしているが、実の父親とは会話をしていない。仕事が忙しいのもあるため、老人ホームに入れるかなどの父親の今後のことに関してあまり興味を持っていない。
三男(演:今田耕司)
コンビニで働く三男。女の家に住ませてもらったり、女の車を借りたりしている。挙げ句の果てには車を何度も傷つけている。働いているコンビニで頭頭を箸で食べることに関して、「頭頭を箸で食うなよ」と愚痴をこぼしていたので、三男なりの頭頭の食べ方があるのだろう。父親のこと兄弟のことと関わるのは面倒な顔をしていた。
主人公の妻(演:都築俊)
町工場で手伝いをしている主人公の妻。認知症になっている主人公の父と一緒に暮らすことに不満を感じており、主人公に父を老人ホームへ行ってもらうよう説得する。しかし、主人公の頼りない返事に呆れている。
頭頭を水が張っているバケツに入れてふやかして次の日に食べられるようにしていたことから、昔から頭頭が食卓に出ていたようだ。
主人公の息子(演:秋葉雄大)
祖父と仲の良い主人公の息子。自分の部屋が欲しいらしく、祖父が老人ホームに行くことを喜んでいた。息子は頭頭をあまり食べたことがなく祖父に食べ方と頭頭の呼び方を聞いていた。祖父とは仲が良く、毎朝祖父の部屋に起こしに行ったこともあり、息子が初めて祖父が家を飛び出していたことに気がつく。
主人公の父親(演:松田明)
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目次 - Contents
- 『松本人志の流 頭頭』の概要
- 『松本人志の流 頭頭』のあらすじ・ストーリー
- 頭頭を食べる主人公の次男
- 主人公の家に三男から電話がかかる
- 頭頭を海から引き上げる漁師
- 頭頭の話をする祖父と孫
- 老人ホームの話をする次男と三男
- 認知症の祖父の不満を話す妻
- 車をぶつける三男
- 老人ホームの話をされて傷つく祖父
- 河川敷を歩く祖父
- 身投げする祖父
- 中華屋でご飯を注文するおとこたち
- エンドロール後、楽屋での会話
- 『松本人志の流 頭頭』の登場人物・キャラクター
- 主人公(演:松本人志)
- 次男(演:板尾創路)
- 三男(演:今田耕司)
- 主人公の妻(演:都築俊)
- 主人公の息子(演:秋葉雄大)
- 主人公の父親(演:松田明)
- 『松本人志の流 頭頭』の用語
- 頭頭(とうず)
- かんむりがし
- 中華料理 味楽(ちゅうかりょうり あじらく)
- 『松本人志の流 頭頭』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 海から引き上げられた頭頭
- 身投げしていた祖父
- 頭頭を乗せた五目汁そばを食べた松本のリアクション
- 『松本人志の流 頭頭』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 頭頭が実在すると信じていた関東の撮影班
- 本作のビデオの売り上げは不調
- 松本人志のお笑い魂に火をつけた作品
- 『松本人志の流 頭頭』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:スメタナ「『わが祖国』より第2曲『ブルタバ(モルダウ)』」