旧多二福/和修旧多宗太(東京喰種トーキョーグール:re)の徹底解説・考察まとめ

旧多二福(ふるたにむら)とは、石田スイによる漫画『東京喰種トーキョーグール:re』の黒幕・ラスボスとして登場する人物。登場当初は無能な捜査官だと思われていたが、それは彼が演じていた姿で、その正体は和修の血を引く半人間であり半喰種。本名は和修旧多宗太(わしゅうふるたそうた)だと明かされた。主人公・金木研が半喰種化した間接的原因であり、この物語の元凶そのもの。物語が進むにつれて狡猾で凶暴な一面を表すようになる。

旧多二福/和修旧多宗太の概要

旧多二福(ふるたにむら)とは、石田スイによる漫画『東京喰種トーキョーグール:re』に登場するキャラクター。
喰種捜査官・キジマ式(きじましき)の部下兼補佐として登場した当初は、無能なキャラクターだと思われていた。しかし旧多が演じていた姿であり、その正体はCCGの和修常吉(わしゅうつねよし)の息子で、半人間であり半喰種。本名は和修旧多宗太(わしゅうふるたそうた)だと明かされた。

飄々とした態度で軽口を叩きながらも、キジマ以上に冷酷かつ残虐な本性を隠し持つ。
戦闘能力自体も非常に高く、少なくともSレート以上の実力を持つ喰種・松前(まつまえ)を単騎であっさり駆逐した。

実は喰種集団道化師ピエロの一員・宗太(そうた)も旧多で、主人公の金木研(かねきけん)が巻き込まれた鉄骨落下事故を引き起こした張本人。ただし、これは喰種の世界においての彼の一面に過ぎず、本来はCCGの後ろ盾たる喰種集団「V」の一員。その一方で、「V」の敵対組織であるはずの喰種集団「アオギリの樹」の嘉納(かのう)教授とも個人的に繋がりを持っている。

旧多二福/和修旧多宗太のプロフィール・人物像

CV:岸尾だいすけ
所属:キジマ班所属
階級:CCG一等捜査官 → CCG局長
誕生日:2月29日
血液型:AB型
身長:175㎝
体重:66㎏
クインケ:ツナギ〈custom〉(尾赫Rate/C)
レート:SS

目元のほくろが特徴の、整った顔立ちをした男性捜査官。
喰種対策局の一等捜査官であり、キジマ准特等捜査官の部下兼補佐としてキジマ班に属する。
物腰が低く穏やかな人物で、キジマからは捜査における囮役が上手いと評される。一等捜査官という階級から、それ相応の戦闘経験はありそうだが、キジマに「血で滑るなよぉ」と注意されていたため、戦闘に不慣れだと思われていた。しかし頼りない捜査官は旧多が演じていた姿。その正体は和修家の分家である和修旧多(わしゅうふるた)家の出身で、名は和修旧多宗太(わしゅうふるたそうた)。CCG最強の捜査官・有馬貴将(ありまきしょう)ら白日庭(はくびてい)出身の捜査官と同じく半人間にして、カネキと同じく嘉納によりリゼの赫包を移植された半喰種でもある。
飄々とした態度で軽口を叩きながらも、キジマ以上に冷酷かつ残虐な本性を隠し持つ。
戦闘能力自体も非常に高く、少なくともSレート以上の実力を持つ喰種・松前(まつまえ)を単騎であっさり駆逐した。

さらに喰種集団道化師ピエロの一員・宗太であり、カネキが巻き込まれた鉄骨落下事故を引き起こした張本人であることが判明。旧多こそがカネキが半喰種化した間接的原因であり、この物語の元凶そのものなのだ。
ただし、これは喰種の世界においての彼の一面に過ぎず、本来はCCGの後ろ盾たる喰種集団「V」の一員。その一方で、「V」の敵対組織であるはずの喰種集団「アオギリの樹」の嘉納教授とも個人的に繋がりを持っている。

幼少期から面識があった喰種・神代利世(かみしろりぜ)に歪んだ愛情を抱いている。

流島上陸作戦の終盤、喰種の収容所「コクリア」を脱走したドナート・ポルポラや彼の配下のピエロと共に和修家を襲撃。父・和修常吉をはじめ一族を皆殺しにし、和修家を乗っ取ってしまう。後にCCGに残っていた和修政(わしゅうまつり)にもVの刺客を差し向け、殺害。そして和修吉福(わしゅうきちむら)と改名して、CCG局長の座に就いた。

旧多二福/和修旧多宗太の能力・武器

高い戦闘能力

Sレート以上の喰種・松前を瞬殺する、作中最強の喰種・エトを完膚なきまでに叩き潰すなど、ずば抜けて高い戦闘力を持つ旧多。
また型にはまらない戦い方をしており、捜査官のクインケや対決した喰種の赫子など、使えるものは何でも使う。

赫者化

旧多は共食いを繰り返した喰種の中から稀に発生する変異種「赫者」である。赫者化すると真紅で単眼の悪魔のような姿に変化し、腰からは極太の赫子が発現。また、膂力が格段に跳ね上がる。

クインケ:ツナギ〈custom〉

捜査官の旧多に与えられたクインケは、レートCの尾赫「ツナギ〈custom〉」。
他のツナギと同じく、細長いブレードの形状をしている。旧多がこのクインケを手にしていた描写はあるが、戦闘シーンではほとんど登場しなかった。

旧多二福/和修旧多宗太の来歴・活躍

喰種のレストラン

喰種のための会員制のレストランがあるという噂を調べて欲しいと頼まれた主人公の金木研(かねきけん)は、「グルメ」として名高い喰種・月山習(つきやましゅう)に誘われて、噂のレストランへと向かった。そこは喰種によって誘い込まれた人間を目の前で解体し、来店している喰種たちで食べるための場所だった。
そこにはカネキの他にグルメ雑誌のライターの男性と、ぽっちゃりとした女性がいた。そして料理を待つ3人を取り囲むように喰種たちが現れ、彼らの目の前でスクラッパーによる「解体ショー」が始まった。
男性ライターはあっという間に絶命。ぽっちゃりした女性は会場にいる白のスーツにピアスをし、ピエロのマスクをした男性を見つけると「宗太!!」と怒鳴り、激昂した。この「宗太」こそ、『東京喰種トーキョーグール:re』で捜査官として登場する旧多二福(ふるたにむら)であり、喰種のレストランの食材とするべく、この亜美(あみ)という女性を太らせ、甘い言葉でだましてレストランへと連れてきたのだった。元陸上部だったという亜美はスクラッパーから逃げ切ろうと試みるが、努力も虚しく殺されてしまった。旧多は全く悲しむ様子を見せなかった。

月山討伐作戦

それまでの頼りない捜査官像は消え去り、ただただ不気味さが増していく。

キジマ式(きじましき)准特等捜査官のパートナーとして登場した旧多一等捜査官。登場当初は戦闘に不慣れで、頼りないという印象が強い人物だった。前線で戦うというよりは、喰種をおびき出す囮として作戦に参加する方が多い。
そんな彼が本性を表したのは、喰種であり日本有数の富豪・月山家を対象とした月山討伐戦である。月山家の使用人で強力な力を持つ喰種・松前(まつまえ)と戦うことになった。
喰種対策局(CCG)の特等捜査官・入丙入(いへいはいる)やキジマといった主力となる捜査官が死亡し、その場に残された捜査官たちは右往左往する。その中でも階級の高い旧多に指示を仰ごうとするものの、彼はキジマの死にショックを受け、怯えて使い物にならず、生き残った捜査官たちは仲間の死を弔おうと奮起する。
しかし旧多の態度は演技であり、松前の攻撃を捜査官たちを盾にして防ぐと、彼女の目を指で潰し、キジマのクインケを使って躊躇なく殺害した。さらに、唯一生き残っていた捜査官も口封じに殺害したのだ。その後は、自分だけが唯一生き残ったかのように自作自演し、嘘の報告を特等捜査官・宇井郡(ういこおり)に報告したのだった。

同討伐戦にてキジマが殉職したため、その後はクインクス班を離れた佐々木琲世(ささきはいせ)の部下として活動し、「隻眼の梟」だと考えられている人気作家・高槻泉(たかつきせん)の捜査を進める。
琲世によって捕らえられた高槻泉ことエトに「隻眼の王」について尋問した際、冗談交じりの会話をするも彼女に挑発され、にこやかな表情から一変して激昂。
高槻に挑発されたことをかなり根に持っており、再び彼女に面会した際は、高槻泉を人気作家に育てた編集者・塩野(しおの)をパテにして差し入れた。
その後、コクリアから脱獄した彼女と対峙し、そこで自分が半喰種であることを明かすと、圧倒的な力でエトを叩き潰した。

流島作戦・局長への就任

流島編にて旧多が和修家の分家・和修旧多家出身のであり、本名は和修旧多宗太(わしゅうふるたそうた)だということが判明する。父はCCG総議長の和修常吉(わしゅうつねよし)で、CCG局長・和修吉時(わしゅうよしとき)は異母兄弟。
旧多は白日庭出身の捜査官と同じ半人間で、カネキと同じく嘉納(かのう)教授により、「大食い」と呼ばれていた喰種・神代利世(かみしろりぜ)の赫包を移植された後天的な半喰種でもある。
流島上陸作戦の終盤、コクリアを脱走した喰種ドナート・ポルポラ、彼の配下のピエロと共に和修家を襲撃。父・常吉や、一族を皆殺しにした。
さらに、局長・吉時が暗殺される。父の後を継いで局長となった和修政(わしゅうまつり)も、旧多が手配したVの刺客により、消息不明となった。こうして邪魔者を全て排除した旧福は和修吉福(わしゅうきちむら)と改名し、局長の座に就任したのだった。
さらに自分の手駒を増やすべく、宇井にパートナーのハイルを蘇らせる方法をちらつかせて、彼の懐柔に成功する。

黒山羊掃討戦

その後、旧福のやり方に賛同できないとして、クインケを内蔵した捜査官「クインクス」の瓜江久生(うりえくき)や、ベテランの特等捜査官・黒磐巌(くろいわいわお)らのクーデターに遭う。旧多は黒磐を殺害するものの、特等捜査官・丸手斎(まるでいつき)らに正体がばれて、室長室を襲撃される。
しかし、ロマや死堪(しこらえ)など強力な力を持つ喰種を利用してクーデター組を壊滅状態に追い込むと、自分も命からがら逃げおおせたのだ。
その後、何食わぬ顔でCCG局長として、鈴屋十三(すずやじゅうぞう)らS3班とともに黒山羊(ゴート)掃討作戦に参加する。
実はこの作戦の前に鈴屋の恩師であり、「梟討伐戦」以降、植物状態となってしまった特等捜査官・篠原幸紀(しのはらゆきのり)の容体をネタに鈴屋を懐柔しており、「敵対勢力の完全駆逐」を概要とするコウリュウギ作戦を決行。鈴屋の圧倒的な力と完璧な連携を誇る鈴谷班の面々は大量の黒山羊を駆逐し、喰種の霧嶋菫香(きりしまとうか)と笛口雛実(ふえぐちひなみ)を追い詰めた。
そこにカネキが乱入し、S3と熾烈な戦いを繰り広げる。しかしクインケ「アラタJOKER」を装着した鈴屋に敗北し、窮地に陥ったカネキは自分の周りにいた半喰種・オッガイらを喰らい、巨大な姿に変身した。カネキにとっては勝機、CCGにとっては最大のピンチを迎えるが、これも全て旧多の望み通りの展開だった。カネキの中にいるリゼを復活させる為、旧多が考えたシナリオ通りに事は進んでいく。
「たんとお喰べ!!!! 赤ちゃん!!!」と叫ぶ旧多はその直後に自身も喰われ、「コウリュウギ(降竜儀)」は完遂した。

旧多の最期

その後、目元に傷を負いながらも、再び姿を現した旧多。地上の残党をVとピエロにまかせ、自らは地下の竜の核の近くにいた。すると、竜の贄として死んだはずのカネキが出現し、戦闘になる。旧多も強いとはいえ、半人間であるところに半喰種の手術を施していたことや、カネキに喰われたことから弱体化していた。徐々に追い込まれた旧多は単眼の悪魔のような姿の赫者へと化す。腰からは出現した極太の赫子を使い、「ぜんぶ寄越せ‼」と興奮気味にカネキに次々と攻撃を喰らわせるが、一瞬のスキを突かれて横っ腹を一閃され、ついに倒れた。
その時、旧多の脳裏に浮かんだのは、妻と共に子供を抱いて穏やかに微笑む自分の姿だった。自分の最後を悟り、カネキに愚痴をぶつける旧多だったが、カネキは「無駄ではない」「この世界は間違っていない」と言葉をかけた。
ずっと何を考えているのか分からない人物だった旧多。和修に短命の半人間として生まれ、死ぬまで一切の自由を与えられることなく、決められた生き方しかできない世界にいた彼が望んでいたのは「普通に生きること」だった。
愛する女性・リゼと幸せな家庭を築きたい。それが彼の望むものだったのだ。しかし、すべてが叶わぬ夢だと悟った旧多は、「すべてを破壊する」という選択をした。
多くの人や喰種を巻き込み、人生を奪った男は最後の最後に自分の人生を受け入れた。
カネキの言葉を受け取った旧多は、吹っ切れたような笑顔を見せ、「……ねぇ准特等 『普通に生きたかった』なんて言ったら 嗤いますよねぇ」とカネキに問いかけた。そして、幼い頃のリゼとの会話や幸せだった日々を思い出し、満足そうに逝ったのだった。

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