ギャンブルッ!(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ギャンブルッ!』とは、鹿賀ミツルのギャンブル漫画作品。『週刊少年サンデー』(小学館)で2007年から連載され2009年に連載を終了した。20XX年、全面的に賭博行為を解禁した日本が舞台。世の中の全てがギャンブルに染まった街で、ギャンブルの天才・京本マサルが行方不明になっている父親を探すため、親友のジャンと共に世界一のギャンブラーを目指す物語。マサルの圧倒的な運の強さと駆け引きの能力。そしてジャンの確かな観察力と計算力。2人でギャンブルの世界でのしあがり、父親を探す物語。

マサルの3回戦の対戦相手。名門である凱旋高校(がいせんこうこう)の2年生。ブラックジャックを得意とする。性格は沈着冷静。

ギャンブラーとしての自覚はなく「ギャンブルは金のなる木」と、単なるビジネスの一つだと思っている。
伊達は凱旋高校生全員を雇い、チーム戦術で勝負している。先に仲間を卓につかせ、ディーラーがバストしやすい状態のテーブルを作らせる。そこで頃合いを見て合図を送ってもらい、伊達がそこに座り儲ける。通称「ステルスチームカウンティング」という戦略で、多大な儲けを出し勝ち抜いてきた。
今までどこのカジノにも見破られていなかったが、5日間常に伊達に張り付いていたジャンに見破られる。

また、2回戦でボスを打ち負かしている。
しかしマサルとの勝負では、マサルに同じテーブルに座られ、同じ戦略を取られた。その上でマサルは掛け金を上乗せし、伊達に勝利した。
伊達は敗北時、マサルに引き寄せられて勝負を見に来た仲間たちの顔をカジノ側に見られてしまい、この戦略は使用不能となる。しかし、マサルと本気の勝負が出来たことで「ギャンブルは楽しいもの」と思えたため、笑顔でカジノを去っていった。

カラガー

傲慢な態度でマサルたちを見下すカラガー。

マサルの4回戦の対戦相手。45歳の英国貴族。得意なジャンルは競馬で、30年分のデータを屋敷に所蔵している。
外見は45歳とは思えない程若々しいが、その理由は「全身の血液を、子供から買い取った若い血液に入れ替える」という非道極まりない行いによるもの。
普段は紳士的に振る舞うが、本性は自分以外の人間を貧乏人呼ばわりして見下すなど、自尊心が過剰に強い。血液の件を恋人に知られ「悪魔」と罵られた際も「凡人に特別な人間の考えることは理解できない」と、自らの異常性を認めることはなかった。

騎手や馬を見ているカラガーの戦略に対し、競馬に詳しくないマサルは「競馬を見にきている人」を見ていた。
その中でロメオという少年に出会う。ロメオは父と妹の3人暮らしを送っており、カラガーに売った血液のお金で競馬に来ていた。そして大儲けしたら、「長距離トラック運転手をしている父にトラックを買ってあげたい」という夢をマサルに話していた。その純粋な気持ちと、オッズを見ずに勝ちだけを求める姿勢にマサルは賭ける。マサルは全てロメオの指示通りに馬券を買い、カラガーと勝負することにした。
その結果、順調にマサルは勝ち進んでいく。しかし最後の勝負で、ロメオが「ここで勝てばトラックが買える」と金に目がくらみ、オッズだけを見て勝負をしようとした。その状態では勝てないと考えたマサルは、馬券を買うフリだけをして賭けないままにした。
そして最後のレース、カラガーはマサルに勝つ。しかし、それまでマサルが勝っていたトータルの差、10万円でマサルに負けて敗退。

ミーシャ・ビストロフ

ロシアンルーレットを提案するミーシャ・ビストロフ。

マサルの5回戦の相手。ロシア人のギャンブラー。スキンヘッド。元石油会社の社長で、3年前に引退したが、総資産は2兆円を超える。

20年前、パイプライン建設に反対する村に対し「何百億ドルの仕事と思ってんだ!?すぐ排除しろ!」とビストロフは言った。それを聞いたビストロフの部下が傭兵を呼び、村を壊滅させた。この出来事から、強い者がそうでない者の「生と死」を握る喜びを持つようになった大量虐殺者でもある。
得意種目は不明で、大会事務局の情報も一切不明となっている。

ビストロフは、マサルを勝負のために異様な雰囲気の地下の賭場に呼び出した。
勝負は、珍しい8連発のリボルバー「スミス&ウェッソン327TRR8」を使ってロシアンルーレットを行い、一発撃つごとにビストロフが賞金を出すという方式だ。弾が出る前に勝負を降りる事が出来るので、負けても死ぬことはない。
ビストロフは金に興味がなく、命が昇華する瞬間を見たいだけで勝負を行なっている。
またビストロフは弾が出るタイミングを百発百中で言い当てていたため、周囲には予知能力を持つ神のように崇められていた。しかし実際には、10年という長い年月をかけて弾が弾倉の一番上に来たときの感覚を把握しているだけである。そのために勝負を行う部屋の温度や湿度、音の反響具合なども常に一定にしている。

マサルは己の信念から「ギャンブルに命はかけない」とビストロフとの勝負を棄権することを宣言。すると周りのギャラリーが「勝負しろ」「何のためにここへ来たんだ」「勝負しなければ殺す」と脅し始める。
するとそこに沢尻が現れ「そこまで勝負が見たいなら、俺が代わりにしてやる」とマサルの代理でビストロフとの勝負が始まった。
沢尻は、ビストロフが長年をかけて得た「銃や弾の感覚」をものの数分で習得した。そのためビストロフは呆気なく敗北する。また沢尻にネタを明かされ、「分かり切った勝負を持ちかけていただけで神などではない」と周囲にバラされる。
勝負後は取り巻きの連中や、今までの勝負で負けて亡くなった者の遺族などに粛清される。生死・行方共に不明で、大会当局でも確認出来ていない。

マルティン・サバラ

マサルの癖から手札を読むマルティン・サバラ。

スロバキア出身の勝負師。マサルの準々決勝の相手。45歳。千里眼の異名を持っている。

相手の癖を見抜くことにずば抜けており、勝負したギャンブラーたちの癖を徹底的に見破っている。そしてギャラリーの前で相手の癖を暴露することで、精神的揺さぶりを掛け、その後の勝負師としての生命をも奪う。
この歪んだ性格は、かつて掛け金のために自身を売った父親を恨んでいることから。そのため「ギャンブラーは全員クズ」という認識の下、マサルとポーカーで勝負を行う。
当初、サバラはマサルの癖を次々見抜き、精神的揺さぶりをかけていた。その癖から手札まで見抜き「今はいいカードが来ているな」と分かれば勝負を降り、「今は不利なカードだ」と分かれば攻めるといった様子で勝っていく。

しかし、勝負中「ギャンブラーはクズ、日本の勝負師は弱い」と指摘したことでマサルの逆鱗に触れる。そしてマサルは休憩を申し出て、その間に新たな癖やルーティンを身につける。その結果、サバラはマサルの癖や手札を見抜けなくなる。さらには自らの癖をすべて見抜かれそうになり、暴露もされかける。そしてマサルは「さっきの、日本の勝負師は弱いって言葉を撤回するなら、サバラの癖は明かさない」と約束する。
今後も勝負しとして活躍したいサバラは負けを認めて、日本の勝負師達に「弱い」と指摘した事を謝罪した。

F・ギャラス(フランシス・ギャラス)

話術の道化師、フランシス・ギャラス。

モナコ出身の勝負師で、ヨーロッパを主戦場としている。今まで嘘も誠も取り混ぜたマシンガントークで勝ち上がってきたため、「話術の道化師」の異名を持つ。
沢尻の準々決勝の相手で、沢尻とルーレットで対決した。ルーレットはディーラーとの心理戦だと思っているギャラス。それに対し、沢尻はルーレットの構造や、ディーラーが投げる玉を見て結果を予想していた。
そのため序盤は、得意の話術でディーラーの心理を潜在的に操り、出目を限定し勝負をリードしていた。しかし、勝負が進むにつれ、沢尻の圧倒的な動体視力と集中力で玉の入り方を予測される。
最後はすべてのチップを失い、沢尻に敗北した。

王偉(ワンウェイ)

裏社会に生きる王偉(ワンウェイ)。

マサルの準決勝の対戦相手。中学1年生の13歳。上海の財閥・王一族の次男。背中と左腕に髑髏と蛇をあしらった刺青を彫っている。
王一族の裏の商売である薬物の製造、販売や武器取引、臓器の密売等を一手に引き受ける存在。大会で優勝すれば表での知名度が上がり、兄や兄を寵愛する父に認めてもらえると大会に参加。そのため確実に自分が勝つために、マサルとの勝負直前にジャンを誘拐し「負けなければジャンを殺す」とマサルを脅した。

性格は傲慢かつ冷酷で日本人全体を見下したり、土下座が日本の文化だと発言するなど自尊心が高い。
部下に対しても情の欠片も無い。ジャン救出の一件で、逮捕された部下の為に弁護士の手配を申し出た側近に対しては「そんなことどうでもいい!」と蔑ろにする発言をした。
また個人的にも自分より年下で勝ち上がってきたマサルが、自分に集まるはずだった知名度を横取りしたと逆恨みしている。

マサルとの勝負は、開催地である日本発生の花札「こいこい」を競技に選ぶ。当初、マサルが花札をガラケーの文字盤に見立てて、鎌田や一葉に「ジャンが拉致された」ことを伝えていために実質、マサルは王偉との勝負を放棄していた。そのために王偉が勝ち進んでいた。
しかしマサルからのメッセージを受け取った鎌田が、警察と協力してジャンを助け出す。そのことを知ったマサルは「もう恐れるものはない」と本領発揮し、王偉に勝っていく。
もともと王偉はネットゲームで覚えた程度の知識で花札の勝負をしていた。またマサルに「手札を1月から12月まで左に揃える」癖を見抜かれ、手札を全て見破られる。それもあり、あっけなく敗北した。
その後、報復としてマサルと周囲の仲間を全てを始末しようとする。しかし脅迫の挙句に人質まで殺す今までのやり方が仇となり、従業員に扮した過去の対戦者の復讐により命を落とす。

クリス・大神(クリス・おおがみ)

片目が常に見開いているクリス。

ギャンブル・バーリトゥードの大会事務局長で黒幕的存在。片目に大きな傷がある。

5回戦を棄権したマサルに失望し、試練を課すと称してロイコ一味に連絡を取りマサルを拉致させる。だが予想に反してマサルが生還し、自分に辿り着いたため「もし君が優勝したら君の望むものを何でも与える」と約束する。マサルはこの時に「優勝したら父の行方を教えて」とお願いした。
その後、決勝戦でマサルと沢尻が同着優勝となったため契約不履行と判断。マサルの願いは叶えなかった。しかしマサルと沢尻の強さは見込んでおり、沢尻が病に倒れた時には治療を施し延命させた。その上で沢尻にもマサルにも「国益をかけて世界で戦わないか」と誘った。しかし、2人に断られている。

ロイコ一味

3人組の犯罪集団。女や子供も平気で殺し、どんな犯罪にも手を染める非道な連中。
クリスから「マサルという少年がどこかに1億円隠し持っている。その在処を吐かせたらそのままくれてやる」と誘われたことにより、マサルを誘拐・監禁した。

ロイコ

ドレッドヘアーと髭が特徴的なロイコ。

3人のリーダー。ドレッドヘアーが特徴。「嘘をつけば信頼が揺らぐ」と思っており、嘘を一切嫌う。

クリスの依頼で仲間のアヅミと健とともにマサルを拉致し、山奥にある古屋に監禁した。マサルに暴行を加え金の在処を聞き出すが、マサルは一向に口を割らない。そしてマサルは「ポーカーで勝った1人にだけ金の在処を教える。それ以外では絶対に話さない」と言ったため、マサルとポーカーの勝負を始める。
しかし交戦中に、高い手役があるのにも関わらず「一番下っ端の俺が勝っちゃいけないかなって…」と勝負を降りた健の行動を「自分に嘘をついた」と判断し殺害。これより周囲の空気が歪み、アヅミに対しても「1人で勝ち上がる気ではないか、嘘をつくのではないか」と疑心暗鬼になる。最後はアヅミを信じ切れず、アヅミを殺そうとしたところでタッチの差でアヅミに殺害される。

性格は粗野で気が短く荒い一方でアヅミの意見を聞き入れたり、ギャンブルを提案したマサルの要望を受け入れたりとリーダーとしての器はある。また、マサルとのポーカー戦では「手役が無くても勝てる、腹の探り合い」と評するなど、ギャンブラーとしての実力も高い。

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