猪野琢真（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ

猪野琢真のプロフィール・人物像

性別：男
年齢：21歳
等級：2級呪術師（昇級査定中）
術式：降霊術・来訪瑞獣
技：1番・獬豸、2番・霊亀、3番・麒麟、4番・竜
趣味・特技：飲み会
好きな食べ物：アジフライ
苦手な食べ物：酢の物
ストレス：なし

最速！キャラクター人気投票：第 - 位（ - / 1,575票）
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第2回キャラクター人気投票：第28位（201票 / 97,860票）

CV：林勇

猪野琢真（いの たくま）とは、『週刊少年ジャンプ』の人気漫画『呪術廻戦』の登場人物。人間の負の感情を元に生まれ出づる呪霊と呼ばれる化け物を祓う（倒す）力を持つ呪術師と呼ばれる人間の一人である。
黒いニット帽に上も下も黒いスウェット。足元はハイカットブーツという格好をしており、カッチリした服装の多い呪術師の中では、わりとラフな格好をしている。額には左から中央にかけて大きな傷があるが、普段はニット帽で隠れている。この傷がどういった経緯でできたものなのかは明かされていない。トレードマークでもあるこのニット帽は、顎下まで深く下ろすと両の目の部分に穴のある目出し帽に変わり覆面の役割を果たす。後述するが、覆面で顔を隠すことは猪野の術式において大切な手順なので、このニット帽はいつ何時も手放せない。

2級呪術師。等級に「特別」とついていないことから呪術高等専門学校（以下、呪術高専）の卒業生であると思われる。
21歳と呪術高専生を除くと呪術師の中ではかなり若い。人懐こい性格をしており、趣味・特技が飲み会というパリピな面もある。ストレスもないとのことなので、かなり明るく前向きな性格であることがうかがえる。「後輩力の高い奴を出したくて。」という作者・芥見下々の思いから生まれた猪野は芥見下々の願い通り後輩力が高くて、年上に可愛がられる素養も持っている。年下には持っている知識を積極的に教えるなど先輩風を吹かしたい欲求もあるようだが、決して偉そうにしたいというわけではないようだ。

術式は「降霊術」に分類される術式「来訪瑞獣（らいほうずいじゅう）」というものを使用する。覆面で自身の顔を隠すことで自らを霊媒とし、獬豸（かいち）、霊亀（れいき）、麒麟（きりん）、竜（りゅう）の4種類の瑞獣（霊獣）を自身に降ろすことができる。前述したニット帽（目出し帽）はここで活躍する。戦闘に入るとニット帽を顎下まで引きずり下ろし、顔を隠す。必要なことではあるが、見た目が呪詛師のそれであり少し怖い見た目になる。

1級呪術師である七海建人（ななみ けんと）のことを心から尊敬しており、その生き方を手本としている。何でも一度七海の仕事を手伝ってから、めちゃくちゃリスペクトするようになったのだとか。七海は28歳で猪野からみると7つも年上であり、無愛想で一見近寄りがたい雰囲気を持っているが、猪野は構わず懐いている。一方七海のほうは淡々とした態度で猪野に接しており、やや距離があるようにも見えるが、その実猪野のことを高く評価している。猪野の実力があれば2級から準1級なんてすぐに昇級できるであろうと本人を前に明言しており実力を買っている。また特級呪霊・真人（まひと）が初登場した幼魚と逆罰編では、死亡したことになっている虎杖悠仁（いたどり ゆうじ）の絡む任務に助っ人として猪野を招集しており、これらのことから実力、人柄共に信頼に足る人物だと捉えているようである。猪野にとって七海は生きる上での指標でもあり、自身が重きを置いている「筋を通す」ということにおいて迷いが生じた時は「七海サンならどうするか」と自問をするという。
リスペクトするあまり七海の腕時計（読者の間では数十万するであろうと考察されている）をおさがりで貰えないか虎視眈々と狙っていることが単行本4巻で公開されたプロフィールで明らかになっている。

後輩である伏黒恵（ふしぐろ めぐみ）に対しては渋谷事変で同じチームに配属された時に、持っている知識を授けようと積極的に話しかける場面が見られた。しかし伏黒のほうが圧倒的に優秀であり披露する知識全てが、「あ、はい。知っています。」という状態であった。そのため七海からも「先輩風も程々に。」と注意されている。しかし優秀であっても伏黒やその後合流した虎杖が学生であり、子供であることは変わらない。尊敬する七海に大人として二人を任された時は感動に打ち震えて涙を流していた。呪術師の等級から見れば猪野の実力は伏黒や虎杖のものに劣るかもしれないが、それでも先輩として後輩である二人に指示を出したり、積極的に戦闘で前に出るなどした。後輩力も高いが、先輩力も高く、猪野の性格が非常に良いということがわかる。

渋谷事変では、術式「降霊術」の使い手である呪詛師・オガミ婆（おがみばば）とその孫と戦闘。伏黒甚爾（ふしぐろ とうじ）／禪院甚爾（ぜんいん とうじ）の肉体の情報を降ろしたオガミ婆の孫の前に為す術なく倒され重症を負う。かろうじて生きているという状態で反転術式の使い手・家入硝子（いえいり しょうこ）の元へと搬送され一命を取り留めた。その後本編には登場していない。

猪野琢真の呪術・能力

術式：降霊術・来訪瑞獣（こうれいじゅつ・らいほうずいじゅう）

猪野琢真の術式／生得術式「降霊術・来訪瑞獣（こうれいじゅつ・らいほうずいじゅう）」。
覆面で自身の顔を隠すことで自らを霊媒とし、4種類の瑞獣（霊獣）を自身に降ろすことができる「降霊術」の一種である。覆面は普段かぶっているトレードマークのニット帽がその役割を果たしており、顎下あたりまで深く下ろすと目の部分に穴が空いた目出し帽になる。
術式「降霊術」の使い手は他にもおり、作中では呪詛師・オガミ婆がそれに当たる。しかし降霊させるものが猪野とは異なり、オガミ婆の場合は自分か他人を霊媒として死者を降ろす「降霊術」になる。

「瑞」という漢字は吉祥やめでたいといった意味があり、その字が含まれている「瑞獣（ずいじゅう）」は吉兆として姿を現すとされる何らかの特異な特徴を持つ動物のことを指す。端的に言うと「めでたい動物」。中国では一般的に瑞獣＝四神（四大聖獣）とされており、東の青龍・南の朱雀・西の白虎・北の玄武の4種類とされる。また四大瑞獣とも呼ばれる4種類の瑞獣がおり、これは麒麟・鳳凰・霊亀・応竜を言う。その他にも瑞獣は数種類おり、鸞（らん／中国の伝説の霊鳥）や九尾の狐（きゅうびのきつね／漢王室の守り神とされた霊獣）もこれに当たる。

世には様々な瑞獣がいるが、猪野が呼び出すことのできるのは、獬豸（かいち）、霊亀（れいき）、麒麟（きりん）、竜（りゅう）の4種類になる。

1番・獬豸（かいち）

猪野が降霊させることができる瑞獣の一つ「獬豸（かいち）」。
獬豸とは、日本の狛犬の起源になったとも言われている中国の伝説上の動物である。その姿は伝承が伝わる地域によって異なり、中国では大きいものは牛、小さいものは羊に似ていると言われ、頭の真ん中には長い角がある。これに対して朝鮮半島に伝わる獬豸はく獅子に似ており頭に角もないようである。『呪術廻戦』の公式でファンブックでは獬豸の説明に「一角の羊」という記載があるので、中国の伝承に寄った獬豸だと思われる。

1番・獬豸は、獬豸の持つ角を飛ばすことができ、射出された角は獲物を追尾する効果がある。当たれば肉を抉るほどの威力を持っている。

2番・霊亀（れいき）

猪野が降霊させることができる瑞獣の一つ「霊亀（れいき）」。
古代中国神話などに登場する怪物の一種であり、先に紹介した四大瑞獣の一つでもある。中国の神話では霊亀はその甲羅の上に「蓬莱山（ほうらいざん）」と呼ばれる山を背負ったとてつもなく巨大な亀だと言われている。また東洋神話では、亀は長寿の象徴でもあり千年以上生きた亀には強大な霊力が宿るとされている。霊亀は千年以上生きたこの亀が強大な霊力を得て変異・巨大化したものと考えられている。

2番・霊亀は、呪力の水を纏い、その弾力で防御をするという技である。その水を足に纏えば特殊な歩法が可能であり、コンクリートの上をまるで氷上を華麗に滑るアイススケーターのように滑らかに移動することができる。

3番・麒麟（きりん）

猪野が降霊させることができる瑞獣の一つ「麒麟（きりん）」。
中国神話に現れる伝説上の動物であり、先に紹介した四大瑞獣の一つでもある。獣類の長であり、泰平の世に現れるとされるめでたい生き物。顔は竜、鱗のある体は大きな鹿に似ており、黄色い毛、牛の尾、馬の蹄を持つとされている。昔は角が一本、もしくはない状態だったが、後世になって角が2本、または3本で描かれることが増えた。非常に穏やかで優しい性格をしており、足元の虫や植物を踏むことさえも殺生と捉え、その行為を嫌う。神聖な幻の動物とされる一方で、麒麟を傷つけたり、その死骸に出くわすことは不吉であるとして恐れられている。

3番・麒麟は残念ながら『呪術廻戦』本編では使われなかった。しかし公式ファンブックでは、「脳内麻薬を分泌し、自身の痛覚を麻痺させる」効力があると記されている。

4番・竜（りゅう）

猪野が降霊させることができる瑞獣の一つ「竜（りゅう）」。
中国の神話・伝承や造形美術にみられる想像上の動物である。蛇に似た長い体を持つ四足の生き物。その概念は日本、朝鮮、ベトナムなどさまざまな国に伝わっており、国の象徴である国旗や家の紋章などに描かれていることもある。頭はらくだ、二本の角は鹿、蛇のような長い体は鱗で覆われており、虎の掌に鷹の爪を持つ。中国語では、実力や気品のある人々を竜に喩えることもあり、力や権力の象徴にもなっている。

猪野の切り札であり、作中では「呪いの王」の異名を持つ最強最悪の呪霊・両面宿儺（りょうめんすくな）との戦いで初披露。圧倒的な実力差を持つ宿儺に対してはほとんど通用せず、一瞬で切り刻まれてしまったため、どのような効果を持つのかは結局不明なままとなった。

呪具：鉈（なた）／大鉈（おおなた）／呪布を巻いた刃物

七海の遺品である布を巻いた刃物。七海の術式である十劃呪法が備わっており、この術式が使えない者でも同様のルールで大きな威力を出すことができる。

猪野琢真の来歴・活躍

単行本0巻『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』

『呪術廻戦』の前日譚を描いた単行本0巻『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』で猪野琢真は既に登場している。

呪詛師・夏油傑（げとう すぐる）が呪術高専東京校にやってきて宣戦布告を行う。来る12月24日に東京・新宿、京都の各地に1,000の呪霊を放つ呪術テロ「百鬼夜行」を行うと言うのだ。
呪術高専にやってくる夏油の気配を感じた学長の夜蛾正道（やが まさみち）は、一緒にいた五条悟（ごじょう さとる）に「校内にいる準1級以上の術師を正面ロータリーに集めろ！！」と言う。その言葉に応え夏油を討つべく、正面ロータリーに呪術高専内にいた準1級以上の呪術師が次から次へと集まってくる。その中の一人に猪野がいる。名前の登場や戦闘の描写があったわけではないが、これが『呪術廻戦』における猪野の初登場になるのだ。

初登場・第26話「いつかの君へ」