あの頃ペニー・レインと(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『あの頃ペニー・レインと』とは、2000年に公開されたアメリカ映画で、若者の成長と挫折を描いたヒューマン・ストーリーである。弁護士を目指す優等生のウィリアムは、ある日姉の影響でロックに夢中になる。伝説的ロック・ライターに自分を売り込んで取材の仕事を得ることに成功したウィリアムは、”スティルウォーター”というバンドに気に入られ、楽屋へ招待されることになった。そこでバンドのグルーピーであるペニー・レインにウィリアムは一目惚れする。15歳の少年を変えたのは、ロックと初恋だった。

ウィリアムと話すペニー

ウィリアムがグルーピーの1人に話しかけられ、自分は記者であり君達とは違うと発言した。
その時ペニーがやって来て「私達はグルーピーじゃない」とウィリアムに言う。「グルーピーはロックスターと寝るだけ。私達は音楽を愛してバンドを助けるの」と話した。
ペニーは、自分達は人物の追っかけをしている訳ではなく音楽そのものを愛し、バンドを支える役目なんだと主張したのだった。

悲しみの中強がるペニー

涙を流すペニー

ラッセルの恋人が来るためニューヨークのライブへの同行を止められたペニーだったが、内緒でニューヨークに行くとウィリアムに話す。
目を覚ますようウィリアムに言われるが、「2人でいる時のラッセルは優しいのよ」とペニーは言った。ウィリアムは、ラッセルが賭けポーカーでペニーを売っていた現場を見ていたため、「50ドルとビール1箱で君を売った男だぞ」とペニーに話してしまう。
ペニーは悲しみに満ちた表情を見せるが、精一杯の強がりで「ビールの銘柄は?」と笑った。
笑顔を見せながら涙を流すペニーの、傷付いた心が感じられる切ないシーンである。

ペニーに想いを伝えるウィリアム

ペニー(画像左)の気持ちを伝えるウィリアム(画像右)

ラッセルの本命の恋人が来るため、ニューヨークへの同行を止められていたペニーだったが、偽名を使ってスティルウォーターのメンバーがいる会食の場を訪れる。
ラッセルの恋人のレスリーから罵倒され、自暴自棄になったペニーは睡眠薬を大量に飲んでしまうのだった。
ウィリアムが発見し、意識が朦朧としているペニーに、「よく聞いてほしい。こんなこと言うのは生まれて初めてだ。君は忘れるだろうけど、愛してる。永遠に愛し続けるよ。過去に大勢の男がいても」と告白する。
ラッセルとの関係を知ってもペニーを想い続けていたウィリアムが、やっと自分の気持ちを言葉にすることが出来たシーン。

レスター「もしバンドメンバーを友達だと思うなら、本当の友達なら正直になれ。手厳しく」

ウィリアムにアドバイスするレスター

ラッセルからは「自由に書け」と言われたが、本当にそれでいいのかウィリアムは悩んでいた。
スティルウォーターとの交流を深めて行く中で様々なことを知ったウィリアムは情が湧き、すべてを書くことに対し躊躇っていたのだ。
ウィリアムはレスターに連絡し、相談する。するとレスターは、「もしバンドメンバーを友達だと思うなら、本当の友達になれ。手厳しく」と助言する。
ウィリアムはその言葉に心を動かされ、ありのままを書くことにしたのだった。

『あの頃ペニー・レインと』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

キャメロン・クロウ監督の半自伝的ストーリー

本作は、弱冠15歳でローリングストーン誌から依頼を受けた経験のあるキャメロン・クロウ監督の半自伝的映画である。
真面目な優等生だったキャメロンは姉の影響で次第にロックに魅せられていく。
地元サンディエゴの新聞に載った記事が評価され、ローリングストーン誌から連絡が来たのだった。担当編集者は、電話の向こうの相手が15歳の少年だとは思わなかったという。

ペニー役は別の女優が候補

ペニー・レインは、キャメロン・クロウ監督が出会った実在する人物だった。
実際のペニーは妖精のような儚げな女性で、女優のサラ・ポーターがそっくりであることから候補に挙がっていた。
しかしサラ・ポーターが辞退したため、当時まだ無名だったケイト・ハドソンが演じることとなった。、また、ケイトは本来ウィリアムの姉のアニタを演じる予定だったという。

『あの頃ペニー・レインと』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):The Chipmunks『Christmas Don't Be Late』

本作のオープニングで流れる曲。

ED(エンディング):The Beach Boys『 Feel Flows』

本作のエンディングで流れる曲。

挿入歌:Simon & Garfunkel『America』

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