来世は他人がいい(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『来世は他人がいい』(らいせはたにんがいい)とは、2017年10月号より小西明日翔が『アフタヌーン』(講談社)にて連載しているヤクザを題材とした漫画である。関西のヤクザ一家に生まれ育った「染井 吉乃(そめい よしの)」は関東のヤクザの孫である「深山 霧島(みやま きりしま)」との結婚を勝手に決められ、東京で暮らすことになった。吉乃の関西弁でドスの利いた啖呵や、何を考えているのかがわからない霧島、本当に結婚できるのか先がわからない2人の関係性などが魅力的な作品である。

『来世は他人がいい』の概要

『来世は他人がいい』(らいせはたにんがいい)とは、2017年10月号より小西明日翔が『アフタヌーン』(講談社)にて連載しているヤクザを題材とした漫画である。「次にくるマンガ大賞2018」でコミックス部門1位を受賞しており、2021年5月時点で累計発行部数は130万部を突破している。
桐ヶ谷組直系の染井組という関西のヤクザの一家に生まれ育った「染井 吉乃(そめい よしの)」は、組長である祖父「染井 蓮二(そめい れんじ)」に婚約を勝手に取り付けられてしまった。相手は関東のヤクザ一家の孫の「深山 霧島(みやま きりしま)」という男で、祖父同士が兄弟盃を結んだという。流されるままに東京に引っ越した吉乃は、深山一家で暮らすことになる。初めは愛想がよくて笑顔を絶やさない霧島だったが、思っていたよりも普通だった吉乃のことを飽きたといい、体を売ってくるよう吉乃に言った。学校では霧島と一緒にいることでいじめを受けていた吉乃は弱気になって大阪に帰りたいと思ってしまうが、蓮二の言葉によって何かを決意し、霧島の前から姿を消すのであった。
吉乃のプライドのためなら命を張る様や、関西弁でドスの利いた啖呵、霧島のミステリアスであり破天荒な人格が魅力的な作品である。婚約が決まったものの、吉乃には恋愛感情はなく、対する霧島は吉乃への愛情表現が激しくなっていくという2人の関係性もまた、魅力の一つである。

『来世は他人がいい』のあらすじ・ストーリー

東京に行くヤクザの孫娘「吉乃」

ヤクザの孫娘「染井 吉乃(そめい よしの)」は祖父の関西最大の指定暴力団四代目桐ヶ谷組直系染井組組長である「染井 蓮二(そめい れんじ)」に婚約を勝手に取り付けられた。相手は「深山 霧島(みやま きりしま)」という、関東最大の指定暴力団5代目砥草会直系の総長「深山 萼(みやま がく)」の孫であった。流されるままに東京へとやってきた吉乃は、深山一家で暮らすことになる。
親切で愛想が良い霧島に安心する吉乃だが、霧島の他人に対する興味のなさや、夜中に血を浴びて帰ってくる姿に妙な違和感を抱いていた。生活用品を買うために霧島と東京の繁華街へとやってきた吉乃は、人生で初めてのナンパに遭う。吉乃を助けに来た霧島だったが、ナンパ男達に容赦なく暴力を振るった。霧島の様子と背中の刺青(いれずみ)を見た吉乃は終始戸惑っており、それをみた霧島は「もうダメだ 面倒臭い」と普通過ぎる吉乃に飽きたと言い出す。霧島は吉乃のことを「ワガママな女で自分が世界の中心だと思っている女」だと勝手な想像をしていた。思っていたよりもかなり普通な吉乃に愛想を尽かし、「今の吉乃って俺にとってなんの価値もない女だからさ それもっと一緒にいて俺の儲け(もうけ)になる女になってくれない?」「吉乃の取り柄ってその顔と体だろ?それ売ってきて金にしてくれない?」と言う霧島であった。
学校では霧島と一緒にいることを疎まれ、霧島のクラスメイトに靴箱に泥を入れられるという古典的ないじめを受けていた。霧島に体を売れと言われたこともあり、珍しく弱気になる吉乃だったが、そこに蓮二から電話がくる。吉乃がしおらしくなっているのを察した蓮二は「1年かけてその深山の倅(せがれ)を死ぬほど自分に惚れさせたれ。そんで1年経ったら容赦なく捨てて帰ってこい。それが男に一番効く復讐じゃ」と言う。この言葉に苛つきながらも何かを決心した吉乃は2週間もの間、霧島の前から姿を消したのであった。

腎臓片方400万

吉乃が2週間も姿を消していたので、大阪に帰ったかと思っていた霧島は、すでに吉乃への興味を失っていた。すると突然吉乃が霧島の教室に現れた。体を売ってこいと言われたことには引いたが穀潰しであることに納得した吉乃は「売ってきたったわ体。腎臓片方400万」と言い、400万の札束が入った紙袋を霧島に差し出した。初めて驚いた表情を見せる霧島に、吉乃は自慢気に「内視鏡で取ってもらったから2週間で済んだわ。これから先一生塩分控えめの生活やっちゅーねん」という。続けて吉乃は去り際に「ええかお前ら どうせわたしなんか これから先どんだけ真面目に行きても碌な死に方せえへんねん。せやったら血反吐はいて地べた這いずり回ってでもお前らのこと冥土の道連れにして 人生メチャクチャにしたるからな」と霧島といじめの首謀者を脅す。この言葉に雷に打たれたような衝撃を受けた霧島は、突然吉乃に「好きだ 絶対結婚しよう。俺の人生メチャクチャにして」と告白する。このことがきっかけで吉乃は霧島に惚れられ、霧島の猛烈なアピールが始まる。

赤座組事件

吉乃が霧島に執着される日々を送っている時、深山家のヤクザである「橘 葵(たちばな あおい)」にヤクザ一派である赤座興業(あかざこうぎょう)の会長の娘「赤座 しおり(あかざ しおり)」が行方をくらましていることを聞かされた。深山一家は赤座しおりと同じような立場の吉乃を預かっている身のため、吉乃には四六時中霧島と行動に共にしろという。
大阪から持ってきたドライヤーが古すぎて使えなかったため、吉乃は新しいドライヤーを買いに深山一家のヤクザである「稲森(いなもり)」と出かける。道中で行方不明であった赤座しおりらしき人物がクラブに入るところを目にした吉乃は、霧島に電話で連絡をし、霧島と吉乃はそのクラブへと潜入することになった。桐ケ谷組(きりがやぐみ)系列のクラブだったため、吉乃は蓮二の名前を使って赤座しおりのいる部屋に突入する。赤座しおりの身柄を確保しようとする2人だったが、吉乃は赤座しおりが呼んだチンピラに殴られてしまう。それに激怒した霧島はその場にいたチンピラ達を全員ボコボコにし、殴られて倒れた吉乃は先程買ったドライヤーでチンピラを殴り返した。マンションバカラでイカサマをした相手がフィリピンマフィアだったことで、マフィアから狙われている赤座しおりは海外へ逃亡しようとしていた。赤座しおりはチンピラ達を護衛に付けていたが、霧島と吉乃がチンピラ達を全滅させてしまう。助けを呼ぼうとしていた赤座しおりは、飛んできた灰皿で頭を強打して気絶したため身柄確保となった。その後、赤座興業はヤクザ一派から破門となり、この件は終着した。

吉乃と霧島、翔真との三角関係

アルバムを整理していた吉乃は数少ない父親が写っているアルバムがないことに気づき、兄弟同様に育ってきた「鳥葦 翔真(とりあし しょうま)」にアルバムを送ってもらうように頼んだ。翔真は中学の頃に吉乃の家に拾われてヤクザになり、現在は大阪の大学生である。何かと忙しい蓮二に変わって吉乃を育ててきた「布袋 竹人(ほてい たけと)」が会合のついでに吉乃に会いに来たが、そこに翔真もついてきていた。翔真は吉乃にアルバムを届けるためだけに東京にやってきて、翌日には帰ると言う。
着替えなどを一切持ってきていない翔真は吉乃と共に買い物に出かけ、霧島が頭のおかしい人間だと吉乃から聞く。「正直このままアンタと一緒に大阪帰りたいわ」と愚痴る吉乃に「じゃあ俺と一緒に大阪帰ります?」と翔真は言う。「要はその男が消えたら吉乃さんもそんな事で悩まんで済むわけでしょ。じゃあ吉乃さんの代わりに俺が深山霧島のこと殺したる」と、翔真は吉乃の悩みのタネを取り除きたいと考えていた。ホテルの前で一服していた翔真は吉乃を迎えに来た霧島と遭遇する。吉乃を心配する翔真は霧島のことが心底気に食わず、始終霧島に食ってかかる。霧島も吉乃を大阪へ連れ帰ろうとする翔真のことをよく思わず「外野の貴方(あなた)が口出しすることでもない」と言うが、それを聞いた吉乃に「口の聞き方には気をつけや 仮にも翔真はわたしの家族やで お前のほうがよっぽど外野じゃボケ」と一蹴されてしまった。
このことから吉乃のことを思う2人は、これから何かと対立するようになったのであった。

大阪への帰省

吉乃と霧島はお盆の墓参りと霧島の挨拶も兼ねて大阪へと帰ってきた。久しぶりの大阪の空気に喜ぶ吉乃を見て「吉乃が楽しそうだと俺も楽しい」「怒っている顔も可愛いけど やっぱり笑ってる顔が一番可愛いね」と霧島も嬉しそうであった。家に帰る途中で立ち寄った馴染みのお好み焼き屋で大阪のおばちゃん達に絡まれる霧島だが、得意の笑顔でおばちゃん達に気に入られてお駄賃まで貰っていた。

霧島は大阪に来る前から元カノの「汐田 菜緒(しおた なお)」と接触を図っていた。菜緒は子役で活躍していたこともあり、大学のミスコンで優勝するほどの美人である。一方で賢くて野心家な面もあり、人脈やコネを作って回ったりもしている。菜緒が大阪でイベントをすると聞いた霧島は、吉乃と大阪に帰る日程を早めるほどであった。
大阪の実家へと帰った吉乃と霧島だったが、霧島は大阪のホテルに寝泊まりすると言い出す。吉乃の腎臓売買に協力した従姉妹(いとこ)の「明石潟 椿(あかしがたつばき)」は、横浜で霧島と会ったときに霧島の変人ぶりに気づいており、「執着されてるだけなんかほんまに好かれてるんかちゃんと見極めたほうがいいかも」と吉乃に忠告していた。吉乃は椿の言葉を思い出し、妙な動きをする霧島を一つ調べてみようとした。

大阪で用事を済ませた菜緒は、大阪に来ているという霧島とホテルで会い、霧島のスマホの写真を見て吉乃の存在を知った。次の日、大学のボランティア活動で来ていた菜緒と志望大学の見学に来た吉乃が偶然出会う。菜緒と霧島と同じ小学校に通っていたということを知った吉乃は、霧島の昔のことを探ろうと思い、菜緒に連絡先を聞いたのであった。
その頃菜緒は、元カレである「小津 健斗(おず けんと)」という男に脅されていた。小津は有名芸能事務所の重役の息子であり、母はフリーアナウンサーをしている芸能一家である。霧島と付き合っていたことと、アメリカンスクールで留学しているときにマリファナを吸った疑いがあることを利用して菜緒を脅す小津は、霧島と吉乃をある指定の場所へと呼び出すように言った。小津の命令通りに霧島を呼び出す菜緒だったが、全ては霧島が仕組んだことだと知らされた。霧島は菜緒にわざと吉乃の存在を知らせて連絡先を交換するように仕向けた。さらには小津に菜緒の情報を売っていたのも霧島であった。

一方吉乃は霧島にGPSを付けて動向を探っており、霧島より先に小津に近づいていた。吉乃は未成年には見られない見た目を利用し、大学生で小津と一度会ったことがあると偽って小津をナンパする。小津は吉乃にお酒を勧めるが、吉乃は一度だけ断ってから「じゃあ1杯くらいなら」と言い、お酒をジュースかのように飲んでいた。吉乃に飲まされて気分が悪くなった小津は席を外し、霧島が指定の場所にいなかったことをチンピラから聞かされてその場から逃走する。霧島は吉乃の名前を使って翔真を呼び出し、小津に指定された場所で隠れている菜緒を助けさせる。霧島は吉乃のことを巻き込みたくないがためにいろいろと動いており、吉乃に今のうちに家に帰るように言うが、吉乃は「自分の地元で何しようが私の勝手やろが」と引き下がらない。「ええか それでもやるんやったら誰にもバレんな。全員殺すつもりでやれ。無理やったらお前が潔くその場で死ね。お前ら全員私が金出して後処理したるわ 死体なんか溶かしたら終わりじゃ」と舌打ちしながらいう吉乃に霧島は「俺が18になったら籍いれない?」とプロポーズをする。日付が変わるまでに小津の件を終わらせ、吉乃に勝つことができたら恋人でもなってやると宣言した吉乃だったが、その言葉に霧島は俄然やる気を出してしまった。

小津が菜緒に近づいて霧島と吉乃を呼び出したのは、赤座しおりの件で霧島と吉乃に恨みを持っているチンピラや半グレ達の復讐のためであった。小津はその復讐劇に加担していた。霧島はこのことにいち早く気づき、1人で片付けようとしていたが、結果的に吉乃を巻き込む形になってしまった。
霧島はチンピラ達を夏祭りをしている夜の公園に集めて一網打尽にする。吉乃は逃げた小津を見つけてしまいしぶしぶ追うことにするが、そこで小津と吉乃がドライヤーで殴った天パのチンピラが揉めている場面を見てしまう。とっさに茂みに隠れていた吉乃であったが、天パのチンピラにバレた上で霧島と勘違いされていた。吉乃は単身で天パのチンピラに向かっていくが、なかなか倒すことができない。そこで駐輪場を見つけ、自転車で天パのチンピラをひき、持っていたスタンガンで足止めをしていた。天パのチンピラは気絶こそしなかったが、合流した霧島に気が済むまで殴られることになってしまった。小津を見つけた霧島と吉乃は未成年(吉乃)に酒を強要したことと、霧島が仕掛けた母親の不倫動画で脅し、小津に今後一切関わらないことを約束させてこの件は終着した。ちなみに吉乃と霧島の勝負は、じゃんけんで霧島が勝ったため、約束通り2人は恋人同士となった。

8月のお盆になり、墓参りにいく染井一家。夜には霧島を歓迎する意味も含めて宴会が開かれた。蓮二と萼の昔の話を聞いたりと和気あいあいとしていたが、蓮二は霧島を地下室に呼び出す。地下室には翔真の血痕があり、巻き込まれただけとはいえこの一件に関わって吉乃に怪我をさせたことで折檻を受けていたようであった。蓮二は大阪で何をしていたかを聞き出すが、霧島は個人的な恨みを買ってしまっただけだと答える。吉乃を巻き込んだことや、蓮二のシマで好き勝手していたことで折檻を受ける霧島であったが、「この際はもうお前でええ 吉乃のこと頼んだぞ」という蓮二の言葉に、動揺することもなく「もちろんです」と答える。吉乃の知らないところで蓮二と霧島は何かを抱えている様子であった。

『来世は他人がいい』の登場人物・キャラクター

主要人物

染井 吉乃(そめい よしの)

関西最大の指定暴力団4代目桐ケ谷組(きりがやぐみ)直系染井組(そめいぐみ)の組長「染井蓮二(そめいれんじ)」を祖父に持つ、女子高生。ヤクザの家に生まれ育ってきたが、吉乃自身はヤクザではない。祖父の蓮二が関東最大の指定暴力団5代目砥草会(とくさかい)直系の深山一家の総長「深山萼(みやまがく)」と兄弟盃をかわしたことをきっかけに、萼の孫「深山霧島(みやまきりしま)」との婚約を決められてしまう。
地元大阪では関西弁を話すが、東京に来る際に標準語をひとしきり覚えてきた。見た目は派手で、高校生ながらに大学生やホステスに間違えられたりすることが多い。家の事情や見た目の派手さから友達は出来ず、大阪では兄弟のように育ってきたヤクザ「鳥葦翔真(とりあししょうま)」と一緒にいることが多かった。
東京の学校へ転校してきて霧島と一緒に行動していることから、霧島に好意を抱いている女子からいじめを受ける。大人しくしている吉乃に飽きた霧島には「吉乃の取り柄ってその顔と体だろ?それ売って金にしてきてくれない?」と言われ、珍しく弱気になってしまう吉乃だが、蓮二から霧島を自分に惚れさせて1年経ったら容赦なく捨てて帰ってこいと言われて決意を固める。2週間後、突如として霧島の前に現れた吉乃は「売ってきたったわ体。腎臓片方400万」と言い、霧島といじめの首謀者をドスの効いた声で凄んだ。このことがきっかけで霧島に本気で惚れられることになった。

深山 霧島(みやま きりしま)

関東最大の指定暴力団5代目砥草会直系の深山一家の総長「深山萼(みやまがく)」の孫。萼とは血はつながっているが実の祖父ではなく、祖父の兄である。過去のある事件から総長預かりになっているが、霧島自身はヤクザではない。
人当たりが良く、笑顔を絶やさない霧島だが、一方では犯罪行為に全く躊躇しない面もある。「女に嫌われて女友達なんか一人もいないような女に人権無視でメチャクチャに振り回されるのが最高に好きなんだ」という霧島は、吉乃のことを勝手に期待していた。一度は吉乃のことを面倒くさがり、吉乃が東京に滞在することに霧島自身にはなんの価値もないため体を売ってくるように言う霧島だったが、吉乃が腎臓を片方売り、自分とクラスメイトに凄んでいる姿を見て吉乃のことを本気で好きになった。これ以降、気を引こうと吉乃に執着するが、吉乃にはますます気味悪がられてしまう。
喧嘩が強く、小学校5年生で同級生と上級生を合わせて20人の身体中の骨をへし折ったという暴力事件を起こしたほどである。暴力事件の後処理を萼が引き受けたことによって、霧島は深山一家に来ることになった。女癖は悪く、吉乃のことが好きという割にはたくさんの女性と関係を持つ。

鳥葦 翔真(とりあし しょうま)

小学生のときに母親が他界して親戚の家を転々としていた。父親は覚せい剤を売って収入を得ており、翔真を親戚から引き取ったのは金が目的だった。中学のとき翔真は、覚せい剤売買の元締めが染井組組長の蓮二だと勘違いし、碌でもない父親を殺すついでに蓮二も殺そうとして殴りかかった。このことがきっかけで蓮二に拾われ、事実上の養子となる。父親は金さえあれば翔真の身柄はどうでもいいと思っており、翔真を売った金では足りず、金の工面までするように翔真に言った。翔真は父親を殺そうとするが、「やめとき、こういうヤツは死んでもカスや殺しても治らへん」と吉乃に止められる。翔真の代わりに「わたしが今やったる」と言い、吉乃は翔真が持つ包丁を手に取る。「どないする。今ここで私に首刺されて無理矢理この世から消されるか、この先一生翔真の視界に入らんようにアンタから消えるか 二つに一つやで」と吉乃に言われ、翔真の父親は逃げていった。このことから翔真は吉乃のことを大切に思っており、2人は兄妹のように育つ。現在は大学生で、授業をよくサボっている。
吉乃に好意を寄せ、危ないことに巻き込んだりする霧島のことは良く思っておらず、会うたびに衝突している。吉乃には大阪に帰ってきてほしいと思っており、吉乃が危ない目に合う時は一目散に駆けつける。
背中や腕には龍の刺青が彫られているが、刺青を隠す様子もなかったり、東京で1泊するという時も自分の身支度を一切してこなかったりと大雑把な性格である。

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