来世は他人がいい(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『来世は他人がいい』(らいせはたにんがいい)とは、2017年10月号より小西明日翔が『アフタヌーン』(講談社)にて連載しているヤクザを題材とした漫画である。関西のヤクザ一家に生まれ育った「染井 吉乃(そめい よしの)」は関東のヤクザの孫である「深山 霧島(みやま きりしま)」との結婚を勝手に決められ、東京で暮らすことになった。吉乃の関西弁でドスの利いた啖呵や、何を考えているのかがわからない霧島、本当に結婚できるのか先がわからない2人の関係性などが魅力的な作品である。
『来世は他人がいい』の登場人物・キャラクター
主要人物
染井 吉乃(そめい よしの)

関西最大の指定暴力団4代目桐ケ谷組(きりがやぐみ)直系染井組(そめいぐみ)の組長「染井蓮二(そめいれんじ)」を祖父に持つ、女子高生。ヤクザの家に生まれ育ってきたが、吉乃自身はヤクザではない。祖父の蓮二が関東最大の指定暴力団5代目砥草会(とくさかい)直系の深山一家の総長「深山萼(みやまがく)」と兄弟盃をかわしたことをきっかけに、萼の孫「深山霧島(みやまきりしま)」との婚約を決められてしまう。
地元大阪では関西弁を話すが、東京に来る際に標準語をひとしきり覚えてきた。見た目は派手で、高校生ながらに大学生やホステスに間違えられたりすることが多い。家の事情や見た目の派手さから友達は出来ず、大阪では兄弟のように育ってきたヤクザ「鳥葦翔真(とりあししょうま)」と一緒にいることが多かった。
東京の学校へ転校してきて霧島と一緒に行動していることから、霧島に好意を抱いている女子からいじめを受ける。大人しくしている吉乃に飽きた霧島には「吉乃の取り柄ってその顔と体だろ?それ売って金にしてきてくれない?」と言われ、珍しく弱気になってしまう吉乃だが、蓮二から霧島を自分に惚れさせて1年経ったら容赦なく捨てて帰ってこいと言われて決意を固める。2週間後、突如として霧島の前に現れた吉乃は「売ってきたったわ体。腎臓片方400万」と言い、霧島といじめの首謀者をドスの効いた声で凄んだ。このことがきっかけで霧島に本気で惚れられることになった。
深山 霧島(みやま きりしま)

関東最大の指定暴力団5代目砥草会直系の深山一家の総長「深山萼(みやまがく)」の孫。萼とは血はつながっているが実の祖父ではなく、祖父の兄である。過去のある事件から総長預かりになっているが、霧島自身はヤクザではない。
人当たりが良く、笑顔を絶やさない霧島だが、一方では犯罪行為に全く躊躇しない面もある。「女に嫌われて女友達なんか一人もいないような女に人権無視でメチャクチャに振り回されるのが最高に好きなんだ」という霧島は、吉乃のことを勝手に期待していた。一度は吉乃のことを面倒くさがり、吉乃が東京に滞在することに霧島自身にはなんの価値もないため体を売ってくるように言う霧島だったが、吉乃が腎臓を片方売り、自分とクラスメイトに凄んでいる姿を見て吉乃のことを本気で好きになった。これ以降、気を引こうと吉乃に執着するが、吉乃にはますます気味悪がられてしまう。
喧嘩が強く、小学校5年生で同級生と上級生を合わせて20人の身体中の骨をへし折ったという暴力事件を起こしたほどである。暴力事件の後処理を萼が引き受けたことによって、霧島は深山一家に来ることになった。女癖は悪く、吉乃のことが好きという割にはたくさんの女性と関係を持つ。
鳥葦 翔真(とりあし しょうま)

小学生のときに母親が他界して親戚の家を転々としていた。父親は覚せい剤を売って収入を得ており、翔真を親戚から引き取ったのは金が目的だった。中学のとき翔真は、覚せい剤売買の元締めが染井組組長の蓮二だと勘違いし、碌でもない父親を殺すついでに蓮二も殺そうとして殴りかかった。このことがきっかけで蓮二に拾われ、事実上の養子となる。父親は金さえあれば翔真の身柄はどうでもいいと思っており、翔真を売った金では足りず、金の工面までするように翔真に言った。翔真は父親を殺そうとするが、「やめとき、こういうヤツは死んでもカスや殺しても治らへん」と吉乃に止められる。翔真の代わりに「わたしが今やったる」と言い、吉乃は翔真が持つ包丁を手に取る。「どないする。今ここで私に首刺されて無理矢理この世から消されるか、この先一生翔真の視界に入らんようにアンタから消えるか 二つに一つやで」と吉乃に言われ、翔真の父親は逃げていった。このことから翔真は吉乃のことを大切に思っており、2人は兄妹のように育つ。現在は大学生で、授業をよくサボっている。
吉乃に好意を寄せ、危ないことに巻き込んだりする霧島のことは良く思っておらず、会うたびに衝突している。吉乃には大阪に帰ってきてほしいと思っており、吉乃が危ない目に合う時は一目散に駆けつける。
背中や腕には龍の刺青が彫られているが、刺青を隠す様子もなかったり、東京で1泊するという時も自分の身支度を一切してこなかったりと大雑把な性格である。
ヤクザの人々
染井 蓮二(そめい れんじ)

吉乃の祖父で関西最大の指定暴力団四代目桐ヶ谷組直系染井組組長である。吉乃と顔はそっくりで、吉乃がよく「若いときの蓮二が女になった」と言われるほどであった。深山萼と兄弟盃をかわし、勝手に吉乃の婚約を取り付け、その情報を自分で報道関係者に言ってしまうなど調子のいい性格をしている。女癖が悪く、家系図を本気で書こうとしたらリアス式海岸よりも複雑になると吉乃が言う程である。弱気になった吉乃に「深山の倅を本気で惚れさせたれ。そんで1年立ったら容赦なく捨てて帰ってこい」と申し付ける蓮二だが、一方では霧島に「吉乃のこと頼んだぞ」と言い、腹の中に何かを抱えている様子もみえる。
深山 萼(みやま がく)

関東最大の指定暴力団5代目砥草会直系の深山一家の総長を務める。霧島の祖父という位置づけだが、霧島とは血はつながっているが実の祖父ではない。霧島と顔がそっくりで、蓮二にも霧島が萼によく似て気持ち悪いと言われる程である。昔からお酒が飲めない下戸(げこ)で、甘いものを好んで食べていた様子である。
橘 葵(たちばな あおい)

スキンヘッドで深山一家の構成員の一人である。下の名前である「葵(あおい)」と呼ばれるのを嫌がる。霧島が門限を守らないので、玄関にある花瓶でよく霧島を殴っている。
稲森 颯太(いなもり)

左の運転する男が稲森
ドレッドヘアで深山一家の構成員の一人である。吉乃のことをよく車で送ってくれる優しい人である。下の名前は橘が稲森の作ったクッキーがまずいと言ったときに1回呼んだだけであった。
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目次 - Contents
- 『来世は他人がいい』の概要
- 『来世は他人がいい』のあらすじ・ストーリー
- 東京に行くヤクザの孫娘「吉乃」
- 腎臓片方400万
- 赤座組事件
- 吉乃と霧島、翔真との三角関係
- 大阪への帰省
- 『来世は他人がいい』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 染井 吉乃(そめい よしの)
- 深山 霧島(みやま きりしま)
- 鳥葦 翔真(とりあし しょうま)
- ヤクザの人々
- 染井 蓮二(そめい れんじ)
- 深山 萼(みやま がく)
- 橘 葵(たちばな あおい)
- 稲森 颯太(いなもり)
- 布袋 竹人(ほてい たけと)
- 明石潟 椿(あかしがた つばき)
- 赤座 しおり(あかざ しおり)
- ヤクザ以外の人々
- 汐田 菜緒(しおた なお)
- 小津 健斗(おず けんと)
- 『来世は他人がいい』の用語
- ヤクザ・極道の業界用語
- 構成員
- シマ
- シノギ
- 半グレ
- バカラ
- シャブ
- 吉乃が使った武器
- ドライヤー
- 包丁
- ホステスと間違えられる見た目とお酒の強さ
- 自転車
- スタンガン
- GPS
- 『来世は他人がいい』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 蓮二「1年かけてその深山の倅(せがれ)を死ぬほど自分に惚れさせたれ。そんで1年経ったら容赦なく捨てて帰ってこい。それが男に一番効く復讐じゃ」
- 霧島「好きだ 絶対結婚しよう。俺の人生メチャクチャにして」
- 吉乃「中途半端に真人間装うくらいやったら世界で一番頭おかしい男になれ。そのほうが1000倍マシや」
- 椿「吉乃ちゃんのこと整形させてでもいい。アンタが一生血眼になって探しても会われへんようにしたるから」
- 翔真「お前みたいなカスが口に出してええ名前とちゃうんじゃボケ 殺すぞ」
- 吉乃「お前ら全員私が金出して後処理したるわ 死体なんか溶かしたら終わりじゃ」
- 吉乃「アンタが日付変わるまでに全部片付けてそのあとわたしにも勝ったら 恋人でもなんでもなったるわ」
- 吉乃「小津くん大丈夫?さっきの続きや 飲み直しながらゆっくり話そか」
- 『来世は他人がいい』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 東京にソース選びの自由はない
- 吉乃の病院嫌い
- 刺青(いれずみ)の目潰し
- 萼と霧島は下戸
- 萼とそっくりな霧島