神崎アオイ（鬼滅の刃）とは【徹底解説・考察まとめ】

神崎アオイのプロフィール・人物像

性別：女性
年齢：不明
使用する呼吸：水の呼吸

CV：江原裕理

神崎アオイ（かんざき あおい）とは、大正時代を舞台にした吾峠呼世晴の漫画作品『鬼滅の刃』の登場人物で、人食いの怪物・鬼を滅することを使命とする鬼殺隊の中で働く少女。
黒髪を蝶の髪飾りでツインテールにまとめており、白衣とエプロンを合わせたような上着を着ていることが多い。口うるさく、自分にも他人にも厳しい性格だが、これは後述の理由から「せめて自分の役目は全うしなければ」という想いが高じたもの。年齢は不明だが、外伝小説にて鬼殺隊の剣士である栗花落カナヲ（つゆり かなを）より若干年上だとする描写がある。カナヲが十六歳なので、十七～十八歳くらいだと思われる。

鬼と直接戦う剣士を目指して修行し、半数以上が命を落とすことも珍しくない過酷極まる最終選別を突破するも、本人曰く「運良く生き残っただけ」で、実戦の恐怖に耐えられず剣を置く。以後は鬼殺隊最高位の剣士“柱”の一員である胡蝶しのぶ（こちょう しのぶ）の管理する蝶屋敷で、戦いから離れた場所で仲間を支援する道を選ぶ。
蝶屋敷は負傷した鬼殺隊士の療養及び機能回復訓練（リハビリテーション）を担う場所となっており、鬼との戦いで深手を負って運び込まれた主人公・竈門炭治郎（かまど たんじろう）、及び彼の戦友である我妻善逸（あがつま ぜんいつ）、嘴平伊之助（はしびら いのすけ）との交流を重ねる。

恐怖に心折れて戦えなくなった己を恥じ、鬼から人々を守るため命を懸け続ける鬼殺隊の剣士たちに引け目を感じていたが、炭治郎から「自分の療養に付き合ってくれたアオイの想いも戦いの場に持っていく（から、戦えないことを卑下する必要はない）」との言葉を送られ、次第に彼とその戦友たちを気に掛けるようになっていく。中でも獣同然に暮らしていたために極端に世間知らずな伊之助が、勘違いから珍妙なことをやらかすたびに自然な笑みを漏らすようになり、最終的には彼と結ばれた。
戦力として活躍することはなかったが、鬼殺隊の後方支援部隊の中でも出番が多く、鬼殺隊の使命の重さや『鬼滅の刃』の過酷な世界観を読者に伝える立場を担った。

神崎アオイの能力・呼吸・装備

全集中・水の呼吸（ぜんしゅうちゅう・みずのこきゅう）

鬼殺隊の剣士が修得している、身体能力を劇的に上昇させる特殊な呼吸法。いくつかの型があり、水の呼吸はその中でも防御力と変幻自在の太刀筋を特徴としている。作中では水の呼吸であれば荒れ狂う水流、炎の呼吸であれば燃え盛る炎が斬撃と共に放たれているように描かれているが、これらは全て「周囲の者にはこう見えている」という一種の演出であり、実際に水や炎が出ているわけではない。
作中でアオイが戦う場面は描かれていないが、水の呼吸を修めていることがファンブックで明かされている。

神崎アオイの来歴・活躍

鬼殺隊の剣士を目指して修行に励む

詳細な経緯は不明ながら蝶屋敷に引き取られ、鬼殺隊への入隊を目指して全集中の呼吸の修得を目指す。挑戦者の半数以上が命を落とすことも珍しくない最終選別に臨む許可を得ていることから、剣士として相応の実力を身に着けていたと思われる。
同じ蝶屋敷で暮らす当時の柱であったカナエやしのぶとは、この頃からすでに家族同然の間柄だった。二人の仲睦まじい様を見て、次第に“自分も妹が欲しい”との想いを抱き、カナエが見知らぬ女の子（後のカナヲ）を引き取ってきた時は「夢が叶った」と密かに心躍らせる。親から虐待されていたカナヲは、当初はまったく言葉をしゃべれないほど心身が衰弱していたが、アオイは妹分たる彼女の世話を率先して焼いていた。

最終選別に臨み、心折れる

かなり長期に渡って修行した後、師から最終選別に臨む許可を得て、これが行われる藤襲山（ふじかさねやま）に向かう。生け捕りにされた鬼が封じられた山中に踏み込み、七日間生き延びるという試練に挑み、見事にこれを達成。しかし本人曰く「運よく生き残っただけ」であり、初めての実戦、初めての本気の命のやり取りに心底恐怖する。
完全に心が折れてしまい、カナエやしのぶのように剣士となって鬼と戦うことを断念。以後は蝶屋敷にて、療養する鬼殺隊士の世話をしたり、機能回復訓練の相手をすることで仲間に貢献する道を選ぶ。
なお、この時の最終選別には、後に柱となる時透無一郎（ときとう むいちろう）も参加していた。作中でアオイと無一郎の交流は描かれなかったため、この二人が互いをどのような相手だと認識しているかは不明である。

炭治郎たちと出会い、交流を重ねる

那田蜘蛛山での死闘によって深手を負い、蝶屋敷に運び込まれた主人公・炭治郎と彼の戦友である善逸、伊之助の世話をする。
炭治郎の妹・禰豆子（ねずこ）は鬼にされており、そもそも彼が鬼殺隊に入ることを決意したのは、妹を人間に戻す術を探すためだった。「鬼殺隊の人間が、倒すべき鬼と行動を共にしている」ことについては、蝶屋敷にやってくる直前に糾弾される。しかし彼の師や兄弟子が命懸けで二人を庇ったこともあり、ひとまずは見逃される形となった。この際、炭治郎が普段禰豆子を運ぶ際に使用している箱に穴が開けられるも、アオイがこれを修繕している。

炭治郎たちの機能回復訓練にも付き合うが、善逸や伊之助はこれを面倒がって逃げ回り、大いに手を焼く。それでも三人が以前と同等に戦えるようになるまで、きっちりと面倒を見た。
その後も炭治郎たちは鬼との大きな戦いで負傷するたびに蝶屋敷で療養することを繰り返し、年代が近かったこともあって徐々に打ち解けていく。恐怖に負けて戦えなくなったことはアオイにとって大きなトラウマだったが、炭治郎からかけられた「アオイが世話をしてくれたお陰で自分はまた戦える。だからアオイの戦いたいという想いも自分が一緒に戦いの場まで持っていく」との言葉は、ささやかながらも彼女にとって救いとなった。

鬼殺隊の最終決戦

幾多の戦いを経て、鬼の頭領・鬼舞辻無惨（きぶつじ むざん）が鬼殺隊の当主である産屋敷の館を襲撃。しかしこれ自体が産屋敷家の人々が己の身命をも賭した策略であり、鬼殺隊は無惨率いる鬼たちとの最終決戦に臨む。
引退した者、戦う力のない者までもがそれぞれに人事を尽くして天命を待つ中、アオイも蝶屋敷の仲間たちと共にひたすら鬼殺隊の勝利を祈り続ける。果たして翌朝には無惨は討伐されて全ての鬼は滅び、多大な犠牲を出しながらも鬼殺隊は勝利。炭治郎、善逸、伊之助、カナヲといった互いによく知る間柄の剣士たちも、無事とは言いがたい状態ながら生還する。

多くの剣士たちが治療のために蝶屋敷へと運び込まれ、その世話のために奮闘。看病、洗濯、食事の支度と目が回るような日々を送る。そんな中、逸早く回復した伊之助が頻繁に盗み食いしていることに気付き、「伊之助専用の食事を常に用意しておくから勝手に食べるな」と言い含める。気配を消していたつもりの伊之助は、アオイが自分の盗み食いに気付いていることに驚き、次第に彼女に興味を持つようになっていった。
その後アオイは伊之助と結ばれ、数十年後の現代を描いた最終回では、二人の子孫が登場している。

神崎アオイの関連人物・キャラクター

竈門炭治郎（かまど たんじろう）

鬼殺隊の新人剣士。真面目で責任感が強く、人食いの怪物である鬼に対しても同情の念を捨てられない優しい少年。妹の禰豆子が鬼にされてしまったため、これを人間に戻す術を探すため鬼殺隊に入隊する。那田蜘蛛山での戦いで深手を負い、蝶屋敷に運び込まれてきた。
アオイとはこの場で初めて出会い、日々の世話に加えて機能回復訓練にも付き合う彼女と次第に打ち解けていく。恐怖に屈して戦えなくなった自分を恥じるアオイに、「アオイが世話してくれたお陰で自分はまた戦えるようになった。そのアオイの想いも戦いの場に持っていく」と告げ、彼女のトラウマを払拭する。アオイはこれに感じ入り、炭治郎を特に意識するようになっていくものの、妹分であるカナヲが彼を気にかけていることを察したのか、自分から関係を進めようとはしなかった。