ローマの休日(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ローマの休日』とは、1953年にアメリカで製作されたロマンティック・コメディー映画である。舞台はヨーロッパ。小国の王女アンは締め付けられた生活を疎み、滞在中のローマでこっそりと大使館を抜け出してしまう。ローマの街へと繰り出したアンは、アメリカ人記者のジョーと偶然出会うことになる。世界中から高い評価を受けた、身分違いの2人が繰り広げるラブストーリー。主役は名優グレゴリー・ペック、ヒロインにはほぼ無名ながらも今作で有名女優となったオードリー・ヘプバーンが務めている。

ジョーがアンを家まで送ろうとしたときに乗ったタクシーの運転手。ジョーの家まで着き、寝ているアンを家まで送ってやってくれとジョーに言われとき、そんな遅くまで付き合ってられないとジョーに懇願した。結局ジョーはアンを自分の家に連れていくことになったのだった。

『ローマの休日』の用語

アメリカン・ニュース・サービス

ヘネシー支局長やジョー、アービングが働く架空の新聞社。アメリカに本社があり、ジョーたちはローマ支局で働いている。

真実の口

「真実の口」はローマの有名な観光名所である。イタリア語で「ボッカ・デラ・ベリタ」という。サンタ・マリア・イン・コスメディン教会という教会にあり、石でできた彫刻である。刻まれている顔は海神オーケアノスのものとされている。伝説では口の中に手を入れると、偽りの心を持つものは、手を抜くときにその手首を噛みちぎられるという言い伝えがある。

『ローマの休日』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ショートカットのアン

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アンは多忙な生活に嫌気が差し、大使館を飛び出した。ローマの街を巡る中、ふと美容室へ立ち寄る。そこで美容師のマリオに長い髪を短くするよう頼む。マリオは何度も何度も切っていいのか確認するが、アンの意志は固くマリオも思い切ってバッサリと切ることにした。髪を短くした後、マリオはその美しさに見惚れ褒めたたえていた。アン自身も新鮮な髪型に気に入っており、軽やかにローマの街へと再び出るのだった。

真実の口に手を入れるシーン

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ジョーとアンは「一日だけの冒険」としてローマの観光地を回っていた。その一つに、「真実の口」というものがあった。伝説では、嘘をついている人間が真実の口に手を入れると抜けなくなるというものがあった。アンはそれを信じ、恐る恐る手を入れるが特に何も起きない。その後ジョーが手を入れるとなんと手が抜けなくなってしまった。なんとか手を抜くが、そこにジョーの手はない。絶叫し心配するアンであったが、ジョーは隠していた腕を出す。信じ切っていたアンは、ジョーに抱き着き心配していたことを伝えるのだった。ジョーとアンが少しづつ仲良くなっている雰囲気が伝わってくる場面である。

『ローマの休日』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

オードリー・ヘプバーンの起用

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アン女王役であるオードリー・ヘプバーンは、当時無名であった。今作の最初のヒロイン候補は、エリザベス・テイラーという女優であった。その後監督が変わり、候補が変更になったが女優の貸し出し拒否などが起こり紆余曲折していた。そんな中、主役であるグレゴリー・ペッグが出演を了承したことによって、王女役はスターではなくてもいいという方針に変化した。そこで、無名ながらも監督や制作スタッフに偶然見いだされたオードリーはアン王女役に決まったのだった。ちなみに、グレゴリーもオードリーの才能を認めており、自分と同様のギャラを与えるように製作スタジオに要求した。

日本でも高評価

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本作が日本初公開したのは1945年4月21日の長崎県にある劇場であった。その後、地方都市などで徐々に公開され、東京でも4月27日に公開された。東京の日比谷劇場では最初は3週間の上映期間であったが、客の減りが減ることがなく、最終的には5週間と3日の公開となった。全国でもその人気はすさまじく、1954年日本公開の洋画での配給収入が1位となった。

グレゴリーや監督の一考

新人のオードリーの演技を高めるため、グレゴリーや監督は相当苦労したという。その中でも真実の口のシーンでの撮影で、2人はひとつ案を考えたのだ。それは、グレゴリーが真実の口に手を入れ、本当に手を噛みちぎられたように演じたのだ。オードリーは絶叫し、素のリアクションを見せた。このシーンは1テイクでOKになったのだ。

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