イコライザー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『イコライザー』とは2014年に製作されたアメリカ映画で、1980年代にアメリカで放送されたテレビドラマ『ザ・シークレット・ハンター』の初の劇場版である。普段はホームセンターで働く主人公のロバート・マッコールは元CIAのエージェントで、偶然知り合った娼婦を救うためにロシアン・マフィアと戦いを挑むサスペンスアクション。監督はアントワン・フークアが務め、主人公をデンゼル・ワシントンが演じ、マートン・ソーカス、クロエ・グレース・モレッツらが共演した。
マッコールが勤務するホームセンターで、店の名前は「ホームマート」である。日用品から工具まで取り揃えており、広大な敷地を有している。本作の終盤には、従業員らがテディによって捕らわれるが、マッコールによって解放される。マッコールが殺し屋を殺すために、ホームセンターの商品である有刺鉄線や電動ドリルが使用される。
ブリッジ・ダイナー
24時間年中無休のダイナー。ロバート・マッコールが毎晩読書するために通っており、娼婦のテリーも客待ちのために利用している。
『老人と海』
マッコールがブリッジ・ダイナーで読んでいる本。アメリカの作家アーネスト・ヘミングウェイが1952年に発表した短編小説。一人で漁に出た老人が巨大なカジキを釣り上げる様子を描いている。1958年にはジョン・スタージェス監督によって映画化され、老人役をスペンサー・トレイシーが演じた。
ロシアン・ナイト
スラヴィが元締めの娼婦を派遣する店。テリーやマンディらが勤務している。
『イコライザー』名言・名セリフ/名シーン・名場面
マッコール「君はなりたいものになれるんだ。」
マッコールが毎晩通っているブリッジ・ダイナーで常連のテリーがマッコールのテーブル席にやって来る。テリーは本名がアリーナで、歌手を目指しているが、嫌々ながら娼婦をやっていると明かす。表情の暗いテリーにマッコールが言った励ましの言葉が「君はなりたいものになれるんだ」である。それでも「私の世界じゃ無理だ」と言うテリーに「世界を変えろ」とマッコールはさらに返すのだった。かつてCIAで活躍していたが、妻が亡くなったことを機に自身の死を偽装してまでCIAとは縁のない新しい生活を送っているマッコールだからこそ言える一言である。
マッコールによるスラヴィらへの復讐シーン
テリーの働くロシアン・ナイトで元締めをしているスラヴィがテリーをリンチして病院送りにしたことを知ったマッコールは、スラヴィのいる事務所へ乗り込む。マッコールは現金でテリーの自由を要求したが拒否されてしまう。部屋を出るふりをして鍵をかけたマッコールは部屋を見渡して、敵のいる位置と持っている武器、部屋に置かれた武器になりそうなものを確認する。時計のストップウォッチ機能を作動させたマッコールはスラヴィに向って歩き出すと、襲い掛かってくる手下を手玉に取り、敵の持つ銃やナイフ、部屋に置かれた栓抜きを使ってやっつける。そしてストップウォッチを止めるとその間わずか28秒であった。撮影当時60歳を迎えようというデンゼル・ワシントンだが、軽やかなアクションを披露している。
『イコライザー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
映画オリジナルの強迫性障害という設定
本作の主人公ロバート・マッコールについての裏話や設定が乏しかったため、デンゼル・ワシントンはこのキャラクターをより魅力的なものにするためのアイデアをいくつも出し、その中に強迫性障害があった。強迫性障害とは、自分の意思に反して不合理な考えが頭に浮かんでしまい、それを振り払おうと同じ行動を繰り返すというものである。本作のロバート・マッコールは、ブリッジ・ダイナーで本やスプーンの置く順番や位置を毎回決めていたり、ロシアン・マフィアの事務所ではドアの開け閉めを繰り返したりしている。デンゼル・ワシントンは役作りの一環で、強迫性障害を抱える患者へのインタビューもしている。
『イコライザー』の主題歌・挿入歌
主題歌:エミネム『Guts over fear ft.Sia』
エミネムとシーアがコラボした『Guts over fear』は本作のエンドクレジットで流れる。エミネムとシーアのコラボは2013年の『Beautiful Pain』以来2度目である。本作のサウンドトラックに収録されていない。
挿入歌:ザック・ヘムジー『Vengeance』
ザック・ヘムジーの『Vengeance』は本作終盤のホームセンターでの格闘シーンで使用されている。本作のサウンドトラックには収録されていない。
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目次 - Contents
- 『イコライザー』の概要
- 『イコライザー』のあらすじ・ストーリー
- ロバート・マッコールの日常
- 連れ去られたテリー
- リンチされたテリー
- マッコールの復讐
- トラブル処理を担当する男、テディの到着
- ラルフィの母の店と2人の汚職警官
- マンディの死
- テディによるマッコール急襲
- テディの正体
- 汚職警官フランク
- マッコールによる最後通牒
- ホームセンターでの死闘
- プーシキンの死
- アリーナ(テリー)との再会
- 『イコライザー』の登場人物・キャラクター
- 主人公と関連人物
- ロバート・マッコール(演:デンゼル・ワシントン)
- テリー(アリーナ)(演:クロエ・グレース・モレッツ)
- マンディ(演:ヘイリー・ベネット)
- ブライアン・プラマー(演:ビル・プルマン)
- スーザン・プラマー(演:メリッサ・レオ)
- ラルフィ(演:ジョニー・スコアーティス)
- ロシアン・マフィア
- テディ・レンセン(演:マートン・ソーカス)
- フランク・マスターズ (演:デヴィッド・ハーバー)
- スラヴィ(演:デヴィッド・ムニエ)
- テヴィ(演:アレックス・ヴィードフ)
- ウラジミール・プーシキン(演:ウラジミール・クリッチ)
- ジョン・ルーニー(演:ショーン・フィッツボーン)
- 『イコライザー』の用語
- ホームセンター
- ブリッジ・ダイナー
- 『老人と海』
- ロシアン・ナイト
- 『イコライザー』名言・名セリフ/名シーン・名場面
- マッコール「君はなりたいものになれるんだ。」
- マッコールによるスラヴィらへの復讐シーン
- 『イコライザー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 映画オリジナルの強迫性障害という設定
- 『イコライザー』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:エミネム『Guts over fear ft.Sia』
- 挿入歌:ザック・ヘムジー『Vengeance』
- 挿入歌:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ『The Equalizer』