花とみつばち(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『花とみつばち』とは2000年から2003年に講談社の『週刊ヤングマガジン』で連載された安野モヨコによる青年コメディー漫画である。コミックスは全7巻。高校生の小松正男(こまつ まさお)は、モテたいが地味でファッションにも容姿にも自信がない。格差社会で構成されるスクールカーストの底辺にいる小松が、モテる男になるために悪戦苦闘する。風変わりなメンズエステに通いそこで出会った「オニ姉妹」に指導されながら、小松が成長していく青春コメディー作品だ。
安野本人があとがき漫画『ATOGAKIクン』(あとがきくん)を描いている。これはコミックスの全7巻の巻末ごとに収録されている。
内容は、あとがきが苦手な安野がおまけページを埋める為に発生させたあとがきクンのストーリーである。安野は自分の苦手意識をあとがきクンに委ねているのだ。あとがきクンはネームや漫画の締め切りから逃避している作者を正しい道へと導くためにどこからともなく現れる、という設定のキャラクターだ。マントをつけて帽子をかぶり、可愛い顔をして安野に物申す。ほかにも安野の担当編集者や、アシスタントたちも登場する。あとがきクンを駆使し、安野は漫画家としての日常生活や、作品づくりの大変さを描く。『ATOGAKIクン』は漫画を読んでこそ楽しめる作品なのである。
安野モヨコ作品名シーンBEST10に選出
安野は漫画を描くときに「読者を楽しませたい」という気持ちが強くある。どの作品にも、何か読者の心に訴え、響かせるような言葉と場面が描かれている。
安野モヨコのオフィシャルサイトでは、過去の作品の名シーンBEST10が閲覧できる。そこには『花とみつばち』の小松の言葉も選出されているのだ。選ばれた場面は、小松が遠藤に憧れの気持ちを抱く場面と、その遠藤の胸ぐらを掴んで食って掛かる2つの場面だ。
1つ目の場面は「俺は多分頑張ってもえんどーくんのようにかっこいい男にはなれない…。頑張っても花。なら一番大きい花になる」と小松が遠藤に憧れの気持ちを抱くシーンだ。「花」という言葉を使い、遠藤とは違う大きい花を咲かせようと小松は決意する。顔も性格もよく、なおかつ太田サクラのような美人な女をものにできる遠藤に、小松が心から憧れているのが描かれている。
そんな遠藤の胸ぐらを掴んでいる2つ目の場面は、小松の心の成長を表現した場面だ。小松と太田が付き合っているにも関わらず、遠藤は太田と会っている。当然小松は太田の浮気が許せない。遠藤に太田と会っていることを問い詰めるが、「あいつお前にも言えない悩みあって自分責めてる。もっと大切にしてやれよ」と遠藤は小松に告げた。この言葉に小松は「『もっと大切にしてやれ』はオレのセリフだ!!」と遠藤の胸ぐらを掴んで言う。太田のことを大切に思っている小松は、太田と生半可な付き合いをしている遠藤が許せなかったのだ。
今まで自分にないものをもつ遠藤にはなにも言えなかった小松だが、太田のことになると、憧れの相手であっても小松は勇敢に立ち向かった。安野オフィシャルサイトでは、そんな小松の勇敢さが掲載されている。作者や編集者たちも、この作品に思い入れがある証だ。
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目次 - Contents
- 『花とみつばち』の概要
- 『花とみつばち』のあらすじ・ストーリー
- モテ男への一歩
- 小松のと山田の戦い
- オヤジに学ぶモテテクニック
- 小松と太田の恋
- 『花とみつばち』の登場人物・キャラクター
- メインキャラクターたち
- 小松正男(こまつ まさお)
- 太田サクラ(おおた さくら)
- 小松の交友関係
- 山田(やまだ)
- 長沢裕美(ながさわ ひろみ)
- 太田の元カレ
- よーじ
- 遠藤(えんどう)
- メンズエステ「美男ワールド」
- 桜井ハルミ(さくらい はるみ)
- 桜井キヨコ(さくらい きよこ)
- その他のキャラクター
- 小橋(こばし)
- 北村紀子(きたむら のりこ)
- 『花とみつばち』の用語
- 美男ワールド(びなん)
- 太田軍団(おおたぐんだん)
- 『花とみつばち』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- エステスタッフ「大切なのは『いい物を選んだ』という自分の心!!」
- 小橋「そして…何かあったら助けてあげて大切にしてあげる。いつの間にか女の人にとって『なくてはならない』存在になっている」
- 小松正男「さっきはホントに…太田が…殴られそーになってんの見て助けなきゃってそれしか考えてなかった。自分が弱いとか…やられるとか全然考えてなかったんだ」
- 小松が太田に告白する場面
- 『花とみつばち』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 物語に込められたタイトルの意味
- 巻末ごとにあとがき漫画を収録
- 安野モヨコ作品名シーンBEST10に選出