宇宙よりも遠い場所(よりもい)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『宇宙よりも遠い場所』とは、それぞれの目的から南極を目指す少女たちの姿を描いたアニメ作品。
高校2年生の玉木マリ(キマリ)は、同級生の小淵沢報瀬が“南極で行方を絶った母を追う”ために並みならぬ努力していることを知り、彼女と共に南極に行くことを決意。フリーターの三宅日向、タレントの白石結月もここに加わり、彼女たちは一致団結して南極を目指していく。
キマリたちのみならず、それを見守る大人たちにも、数多くの名言が存在する。それらは国境を越えて多くの人々の心を震わせ、世界的な評価を受けるに至った。

「資金繰りに困っている」という話を聞き、それを利用して南極に連れていってもらおうとする報瀬に対し、それを固辞した上で口にしたかなえのセリフが「そんな心配してもらわなくても、私たちは行くわ。必ずね!」だ。
かなえは報瀬から渡された百万円を突き返した。南極行きに懸ける彼女たち観測隊の決意の強さを感じさせる。

「大人はね、正直になっちゃいけない瞬間があるの」

南極を発つ直前の報瀬たちに、かなえは今回のプロジェクトは頓挫するかもしれなかったことを打ち明ける。人材、資材、資金、何もかもがギリギリで、報瀬たちに「連れていってほしい」と持ち掛けられた時点で中止になるかどうかの瀬戸際にあったのだ。しかし、「大人はね、正直になっちゃいけない瞬間があるの」「こんなに真剣に南極を目指す若者がいるなら、自分たちは絶対にこれを諦めるわけにはいかない」と奮起し、見事にプロジェクトを実行させるところまで漕ぎつけた。報瀬たちの想いが、観測隊そのものをも動かしていたという意外な事実が知らされると共に、その苦境を最後まで見せも感じさせもしなかったかなえたちの大人としてのカッコよさも光る名セリフである。

白石結月の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「軽く死ねますね!」

白石結月がプラネタリウムでオーロラを見て放ったひとこと。
芸能活動をしている結月は番組の企画で女子高生レポーターとして民間南極観測隊「南極チャレンジ」に同行することが決まっていたが、本人は嫌がっていた。自分には友達ができたことがなく、仲の良いキマリたち3人を見て親友同志だと勘違いをしており一線を引いていた。「友達」、「親友」に憧れを持っていた結月は出会ったばかりのキマリたちを見て、驚きを隠せない。出会って間もないキマリたち3人に友達として南極に行こうと誘われ、結月自身も南極へ行くことを決意する。その後東京へ向かい、国立極地研究所を訪れプラネタリウムでオーロラを見る。キマリが滅多に見ることのできないオーロラを見ることができたら、世界で南極でオーロラを見た唯一の女子高生になれるかもと発言した。その言葉を聞き胸をときめかせた結月は「軽く死ねますね!」と発言。キマリたち3人と出会い、初めて心の底からの笑みを浮かべた瞬間でもある。

「痒いです!…鼻の頭」

筋トレ後、腕が上がらなくなった結月が鼻の頭をかくにかけない状況での悲痛の叫び。
観測隊は体力勝負ということで、天気の良い日は船上でランニングや縄跳び、筋トレをすることが観測隊の慣わしであることを知らされる。キマリたち4人も普段行わないトレーニングに精を出す。ダンベルでのトレーニングをした結月は腕が上がらなくなってしまい、鼻の頭がかけない状況で「痒いです!…鼻の頭」と悲痛の叫びを上げる。日向に腕が上がらないことを気づかれてしまう。結月は「何かしたら軽く死なせますよ」と牽制するが日向におでこに落書きされてしまう。友達がいたことがないと話ていた結月であったが、周りがイタズラできるくらい打ち解けていることがわかる日常のワンシーンである。

高橋めぐみの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「自分に何も無かったから、キマリにも何も持たせたくなかったんだ。ダメなのはキマリじゃない、私だ!ここじゃない所に向かわなきゃいけないのは、私なんだよ!」

めぐみが報瀬の南極行きを妨害していたことを知り、愕然とするキマリ。どうしてと問う彼女に、めぐみは背を向けたまま「自分に何も無かったから、キマリにも何も持たせたくなかったんだ。ダメなのはキマリじゃない、私だ!ここじゃない所に向かわなきゃいけないのは、私なんだよ!」と己の醜い本心を打ち明ける。それはめぐみなりの贖罪であり、後悔であり、そしてキマリとの決別も覚悟したものだった。その姿はどこか痛ましくも、遅まきながら幼馴染にして親友でもあるキマリに対して潔くありたいという誠実さの表れである。本作は南極行きをメインプロットに、それぞれの少女たちの成長をテーマとして描いているが、めぐみもまた大きく変わっていく。

「残念だったな。私は今、北極だ」

キマリが帰宅したことをめぐみにメッセージを送った直後に帰ってきた返信である。
キマリが南極へ出発する朝、めぐみはキマリからの依存から一歩踏み出すために絶交を申し出ていた。絶交自体はキマリが無効にしていたため絶交することはなかった。別の方法で一歩を踏み出す方法を考えた末の行動で、めぐみが自分1人の力で北極へ実際に足を運んだ。「残念だったな。私は今、北極だ」というメッセージはキマリが帰宅してベッドで横になりその旨をめぐみに送った後の返信。キマリはこの事実を初めて知り、「なんで?」と友達が一歩を踏み出せたことを涙ながら喜んだ。

藤堂吟の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「日本中から募金でお金を集めて、造船業者の職人が一生懸命工夫して船作って、何度も何度も何度も諦めかけては踏ん張っては進んで。氷を砕くように。一歩一歩。何度も何度も」

南極の定着氷に行手を阻まれて、砕氷船がその氷を一歩一歩砕き前進するシーンの吟の名言。
南極の定着氷にぶつかり、昭和基地の近くまで氷を掘削しながら進行することになる。砕氷船だからといってスイスイ進めるわけではなく、船の自重で氷を砕きながら前進する。ダメなら何度も何度も氷が割れるまで繰り返す。南極の本格的な調査が始まったのは第二次世界大戦後で、敗戦国の日本は掘削が難しいエリアしか引き当てられなかった。「日本中から募金でお金を集めて、造船業者の職人が一生懸命工夫して船作って、何度も何度も何度も諦めかけては踏ん張っては進んで。氷を砕くように。一歩一歩。何度も何度も」と、造船業者や観測隊の地道な努力により日本も南極観測を実施できるようになった旨を吟が説明した。砕氷船の最大の見せ場であり、最後の難関を突破する名シーンでもある。

「結局、人なんて思い込みでしか行動できない。 けど思い込みだけが現実の理不尽を突破し、不可能を可能にし、自分を前に進める。私はそう思っている」

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