吉野順平（呪術廻戦）とは【徹底解説・考察まとめ】

自宅近くまで歩いて来た順平は、家の前に高校の教師（外村）がいることに気が付いて足を止める。思わず逃げ出そうとした順平だが、外村から「亡くなった3人と仲良かったよな？友達のいないお前をよくかまってやってただろ？」と思いもよらない言葉を掛けられて怒りが頂点に達した。呪力を解放しようとしたその時妙な生き物を抱えた人物が目の前に飛び出してきたため、順平は手を止める。その人物とは呪術高専一年生の虎杖悠仁だった。
虎杖は呆然とする順平と外村に構うことなく「ちょっと聞きたいことあるから、ツラかして」と順平に声を掛けるが、割り込まれた外村は虎杖に「失礼だな」と不快感を表す。順平の態度から順平が外村のことを嫌っている事を感じ取った虎杖は、外村のズボンを奪って順平の家の前から引き離すと改めて順平に「いこーぜ」と声を掛けた。順平は虎杖のあまりの足の速さに驚きつつ「ズボンを奪って逃げなくても、自分だけ引っ張っていけばよかったんじゃ？」と疑問を呈したが、虎杖は「嫌いな奴にいつまでも家の前にいてほしくないだろ？」とさらりと返し順平を伴って近くの川へと足を運んだ。

虎杖が電話をかけている様子を眺めながら、順平は真人から「渦巻き模様のボタンをつけた学生は呪術師だ。仲良くするといいよ」と言われたことを思い出していた。呪霊である真人と呪術師は敵対関係にあるのではないのかとぼんやり考えていると、繋がらない電話を諦めた虎杖が「この間お前が行った映画館で人が死んでるんだ。何か見なかったか？」と順平に尋ねた。順平はやや虎杖を警戒しながら「見てないよ。そういうの（呪霊）見えるようになったの最近なんだ」と、真人を見かけたことは伏せて答える。順平の返事を聞いた虎杖は「じゃあもう聞くことないや。でも一応俺の上司みたいな人（伊地知）が来るまで待ってくれない？」とあっさり順平への聞き取りを止め、和らいだ表情で「映画館で何見てたの？」と世間話を始めた。
大変マニアックなB級映画を見ていた順平は「言ってもわからないと思うよ」と断りつつ『ミミズ人間3』だと答えると、虎杖から「あれ超つまんねぇよな」と意外にも返答が返ってくる。自分しか知らないであろうマニアック映画を虎杖も見ていたことに驚きつつ、順平がふと「でも2」と呟くと同時に虎杖も「でも2はちょっと面白かったな」と同じ意見を述べた。意見が一致したことで嬉しくなった順平は急に明るい表情を浮かべて映画の魅力を語りだす。そんな二人の様子を離れた場所から加茂憲倫（偽夏油）が「大当たり」と呟きながら意味深な表情で眺めているのだった。

映画の話で盛り上がっている虎杖と順平のもとに、買い物帰りの順平の母親凪が偶然通りかかる。フレンドリーな性格の凪は初対面の虎杖を夕食に誘い、虎杖のコミュニケーション能力の高さもあって順平は久しぶりに楽しい交流の時間を持てたのだった。
酔いつぶれて凪が寝てしまった後、順平は呪術師である虎杖に「人を殺したことある？」と尋ねる。「無い」と即答した虎杖に「相手が悪い呪術師だったらどうするの？」と重ねて尋ねた順平は、虎杖の「それでも殺したくはないな。一度人を殺せば、殺すという選択肢が自分の生活の一部に入り込んでくると思う。命の価値が曖昧になって大切な人の価値まで分からなくなるのが俺は怖い」という意見を複雑な表情で聞いていた。虎杖が帰った後自室のベッドで真人の「人に心なんてない」という意見と、虎杖の「命の価値が曖昧になって大切な人の価値まで分からなくなるのが怖い」という意見を反芻する順平。復讐心を肯定してもらった真人の考え方に心を救われていた順平だったが、復讐をすることで自分にとって大切な存在の凪の魂が穢されてしまうのなら「自分に人は殺せない」と、復讐を思いとどまろうとする。
しかし、酔いつぶれて寝てしまった凪が居るリビングでは異変が起こっていた。リビングで目覚めた凪は目の前のテーブルに指が置かれていることに気付く。その背後では突如現れた呪霊が凪に忍び寄っていたのだった。

里桜高校での復讐

順平の母凪は、腰から下が欠損した状態で呪霊に殺されていた。呆然と泣き崩れる順平のもとに現れた真人から、あの指は「宿儺の指」といい呪霊を引き寄せる効果があるものだと教えられる。そして「金と暇を持て余した薄暗い人間に心当たりはないか？」と問われた順平は、自分をいじめていた不良グループのトップ伊藤翔太の仕業だと考えるに至った。
順平は母親のクローゼットから出してきた黒い服を身に着け、里桜高校に向かうと体育館に集まっていた学校関係者を澱月の毒で気絶させる。そして一人残っていた伊藤に「アレ（宿儺の指）を家に置いたのはお前か？」と詰問しながら、澱月の毒を打ち込んだ。事態を飲み込めていない伊藤だが順平に反撃しようとすると、急に体が動かなくなりそのまま順平に一方的に暴行される。そして順平が伊藤にとどめを刺そうとした瞬間、急に体育館のドアが開け放たれ虎杖が飛び込んできた。

順平が体育館の学校関係者たちを気絶させている間に外では真人が帳（結界）を降ろしており、異変を察知した虎杖が駆け付けたのだった。復讐を止めるよう説得する虎杖に対し、凪を殺され絶望していた順平は聞く耳を持たない。虎杖を気絶させようと巨大化させた式神で虎杖を包み込んだが、あらゆる毒に耐性のある虎杖には効かず順平は窓から外に投げ飛ばされてしまった。
虎杖と交戦するも身体能力の高い虎杖に劣勢の順平は、再び校舎に投げ込まれる。なおも自分を止めようと迫ってくる虎杖に涙を流しながら「人に心なんて無い。そうでなければ僕も母さんも人の心に呪われたっていうのか。もう何が正しくて何が間違っているのかもわからないんだよ」と訴えた順平は、虎杖に向けて巨大化させた触手を打ち込む。ただならぬ事情を察した虎杖はあえて澱月をよけず、順平に「何も知らないのに偉そうなこと言った。事情を話してほしい。自分は絶対に順平を呪ったりしない」と静かに語りかけた。そして凪が呪霊に殺されたことを知った虎杖は「高専に来いよ。頼りになる先生たちや仲間が沢山いるんだ。順平と順平の母ちゃんを呪ったやつに必ず報いを受けさせる。一緒に戦おう」と順平を高専に誘う。そんな二人の背後に突如として真人が現れた。

虎杖に襲い掛かる真人に対して、順平を逃がそうとする虎杖。順平は「落ち着いて虎杖君。真人さんは悪い人じゃ…」と言いかけるも、順平の肩に手を掛けた真人は「順平はまぁ頭いいんだろうね。でも熟慮は時に短慮を招く。君ってその典型。順平って君が馬鹿にしている人間の次位に馬鹿だから。だから死ぬんだよ」と無常な言葉を順平に投げかける。次の瞬間真人の手から呪力が迸り、順平は真人の術式「無為転変」によって改造人間にされてしまった。
真人の意のままに襲い掛かる順平を救おうと虎杖は、宿儺に「自分のことは好きにしていい。その代わり順平を助けてくれ」と取引を持ち掛けるが、宿儺はその取引を断り「惨めだなぁ。この上なく惨めだぞ小僧」と笑いながら虎杖を嘲る。同じく真人も取引を断った宿儺の反応に若干驚きつつ、順平を救えなかったことが好都合だと笑いを堪え切れなくなった。
宿儺と真人という特級呪霊二体にゲラゲラと笑われながら、虎杖は「あぁ、こいつ等はどこまで行っても呪いなんだ」と非情な現実を受け止める。そして呆然とする虎杖に最後の意識を振り絞った順平は「ゆ…うじ…な…んで？」と縋り付きながら、最後の瞬間を迎えたのだった。

吉野順平の関連人物・キャラクター

虎杖悠仁（いたどりゆうじ）

映画館で三体の変死体が見つかった事件の容疑者として吉野順平の監視を行っており、低級呪霊に順平をわざと襲わせるという作戦を立てて順平と接触した。近くの川で映画館での事情を尋ねるも「何も見ていない」という順平の返事をあっさり信じ、「何の映画見てたの？」と世間話を始めた。呪力コントロールの修行の為様々なジャンルの映画を見ていた虎杖は、順平が見たというマニアックな映画『ミミズ人間3』の話題に反応を示す。虎杖の返事に心を開いた順平と映画の話で盛り上がっているところ、順平の母親である吉野凪が通りかかり流れのままに順平の家で夕食をご馳走になる。
凪が寝てしまった後順平から「人を殺したことある？」と問われた虎杖は「どんな悪人でも殺したくはないな。一度殺すと、殺すという選択肢が自分の中に入ってきて命の価値が曖昧になる。大切な人の価値まで分からなくなる方が俺は怖い」と答えていた。

川での取り調べ後も順平の監視を指示されており、里桜高校に事前告知のない帳（結界）が急遽下りたことで異変を察知した。体育館にて、気を失っている学校関係者と一人の人間を殺そうとしている順平を発見し、順平を止めるために交戦する。涙を流しながら「人に心なんて無い」と訴える順平にただならぬ事情があることを悟った虎杖は、あえて順平の攻撃を受けて順平の話を聞く。母親が呪霊に殺されたことを聞くと「高専に来いよ」と順平を誘ったが、返事を聞く前に突如現れた真人に目の前で順平を改造人間にされてしまった。
虎杖は何とか順平を助けようと宿儺に「自分のことは好きにしていい。順平を治してくれ」と訴えたが、拒否される。宿儺と真人からゲラゲラと笑われ呆然とする中、最後の意識を振り絞った順平に「ゆ…うじ…な…んで？」と呼びかけられ順平はそのまま動かなくなった。順平を救えなかった事はその後も虎杖の中に深く残っており、順平を殺した真人を必ず祓うと決心するきっかけとなった。

虎杖悠仁（呪術廻戦）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

renote.net

虎杖悠仁（いたどり ゆうじ）とは、『呪術廻戦』の主人公で、その身に“呪いの王”両面宿儺を宿す少年。
宮城県の学校に通う高校生で、陸上の世界記録を軽々と更新するほどの驚異的な身体能力を誇る。心霊現象研究会に所属していたが、ある日仲間を救うため特級呪物をその身に取り込み、両面宿儺と肉体を共有するようにる。その力を御する術を学ぶため東京都立呪術高等専門学校に転入し、最強の術者である五条悟の下、両面宿儺の力を狙う呪霊たちと戦いを繰り広げながら、同級生の伏黒恵、釘崎野薔薇らと共に呪術師を目指していく。

真人（まひと）

人間の観察のために訪れた映画館で偶然マナーの悪い三人組を見かけ、術式「無為転変」を使って三人を殺害した。映画館を出て路地裏を歩いているところ、映画館での出来事を見ていた吉野順平に声を掛けられる。人間ではなく呪いである自分を視認できる順平に興味を抱いた真人は、「僕にも同じことができますか？」と問いかける順平をアジトへといざなう。自分をいじめた相手に復讐したいという順平の術式「澱月」の力を引き出し、呪力の扱い方と「呪いとは何か」「魂とは何か」を順平に教えた。

順平の才能を認める発言を行っていたが真人は順平のことを「偶然手に入った玩具」としか思っておらず、里桜高校で復讐を行う順平のことを「愚かな餓鬼」と呼んでいた。順平を止めるために駆け付けた虎杖の前に現れて襲い掛かり、自分を庇う順平に「順平は君が馬鹿にしている人の次位に馬鹿だから」と非情な言葉を投げかける。「無為転変」で順平を改造人間に仕立て虎杖と戦わせたが無理矢理形を変えたため順平はすぐ死んでしまい、目の前で順平を救えず怒りに燃える虎杖に殴り飛ばされた。里桜高校での出来事をきっかけに真人は虎杖を天敵と認定し、長きに渡る虎杖との戦いが始まった。

真人（呪術廻戦）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

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真人（まひと）とは、『呪術廻戦』の登場キャラクターで、人の負の感情が形を成した呪霊にして、その中でももっとも高位の特級に分類されている怪物。
“人間への恐怖”から生まれた呪霊で、言動は無邪気かつ快活。人間の命を玩具のごとく捉え、戯れに人を惨殺し弄ぶ危険な存在。人類の廃絶を目論む特級呪霊の一味に属し、そのリーダーを任されるも、導き手たる自覚は薄い。
主人公虎杖悠仁の仲間を次々手にかけ、「絶対に倒すべき相手」と目される。当人もまた幾度も邪魔してきた虎杖に強い敵意を抱き、殺す機会を狙っている。

吉野凪（よしの なぎ）

順平の母親。
離婚をして順平を一人で育てていたシングルマザー。パートや在宅ワーク（友人のデザイン業の手伝い）などで仕事をしていた。
明るい性格で、初対面の虎杖に「お母さん、ネギ似合わないッスね！！」と言われたのに対し、「お、わかる？ネギが似合わない女目指してんの」とすぐさま返すなどしており、内気気味の順平とは正反対の、誰とでも打ち解ける気質を持ち合わせている。

順平が不登校になり、その理由がイジメではないかと薄々はわかっていたよう。しかし細かいことは言及せず、また順平が学校に行かないことを咎めたりもしなかった。順平にとって心の拠り所でもあった凪。しかし最後は何者かが吉野家に運び込んだ呪物・両面宿儺の指に引き寄せられた呪霊によって殺されてしまう。

吉野順平の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「人を…殺したことある？」

順平が川で映画館での出来事の事情を虎杖から尋ねられていたところ母親の凪が偶然通りかかり、虎杖を自宅に招いて夕食を共にすることとなった。酔っ払ってハイテンションに絡んでくる凪に対して、嫌な顔一つせず場を盛り上げてくれる虎杖のおかげで楽しいひと時を過ごすことができた順平。
凪が寝てしまった後、復讐をすることにどこか引っ掛かりを感じていた順平は、呪術師である虎杖に「人を殺したことある？」と尋ねる。「無い」と即答する虎杖に「相手が悪い呪術師だったらどうするの？」と重ねて尋ねた順平だが、虎杖の答えは「どんな悪人でも殺したくない。一度殺しをすれば、殺すという選択肢が自分の中に入り込んでくる。命の価値が曖昧になって大切な人の価値まで分からなくなるのが俺は怖い」というものだった。
真人の「人に心なんて無い。だからこそ何をしても自由なんだ」という考えに救われていた順平だったが、虎杖の答えを聞いて「自分の大切な母親の魂が穢れてしまうなら、僕に人は殺せない」と復讐を思いとどまろうと考えるようになる。
突如現れた呪霊によって凪が殺されたことにより復讐は決行されてしまったが、順平の「人を殺したことある？」という質問は虎杖の心に深く残っていた。「どんな悪人でも殺したくない」と言っていた虎杖は目の前で順平を殺され、怒りに燃えた表情で「ぶっ殺してやる」と真人に殺意を向ける。「殺さない」ことを理想としていた虎杖が現実と向き合い「呪術師」として成長するきっかけとなった言葉である。

「ゆ…うじ…な…んで？」

母親の凪を呪霊に殺されたことがきっかけで復讐を決行する順平を止めようとした虎杖は、涙を流しながら「人に心なんて無い。そうでなければ僕も母さんも人の心に呪われたっていうのか」と訴えてくる順平に深い事情があることを悟る。あえて順平の攻撃を受けることで自分に敵意が無いと示し、理由を尋ねた。
不登校に陥った順平を責めることなく受け入れ、支えになってくれていた母親が呪霊に殺されたことを知った虎杖は順平を高専に誘うが、順平は突如現れた真人に改造人間にされてしまった。
真人の意のままに攻撃を加える順平を何とか救おうとした虎杖だったが、宿儺には断られ真人にも嘲り笑われ呆然とする。そんな虎杖に最後の意識を振り絞った順平が「ゆ…うじ…な…んで？」縋り付くのだった。激しいいじめを受けて人間関係をうまく築くことができず、呪霊に弄ばれた順平は、自分を救おうとしてくれた虎杖に今際の際で初めて「ゆうじ」と名前で呼びかける。順平の無念さが伝わってくる印象的な一言だ。