結界師（漫画・アニメ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】 (11/20)

結界師（漫画・アニメ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

2023.02.05

『結界師』とは、『週刊少年サンデー』で連載していた田辺イエロウによる日本の漫画作品。『週刊少年サンデー』で2003年47号から2011年19号まで連載され、2006年度（第52回）小学館漫画賞少年向け部門受賞。テレビアニメは2006年10月から2008年2月まで読売テレビ制作で放送。主人公、墨村良守は古くから続く結界師の一族である。隣に住む幼馴染の雪村時音とともに、夜の学校を舞台に「結界術」を使って妖怪を退治し、烏森という霊的エネルギーが集まる場所を外敵から守るために日々奔走する物語である。

黒芒楼

CV：津田健次郎
黒芒楼の統括者。79歳。本名は白沼（しらぬま）。松戸の友人で加賀見リサの夫。
不老不死を望んだ妻・リサのために、実験を繰り返すが失敗。結果リサを死なせてしまったことが、松戸と敵対する要因になってしまった。その時得た知識と技術を元に、左の頭から腕にかけて無数の蟲により構成される体になった。長髪の白髪であり、左目を隠している。
実は「完全なる妖に至れていない人間（妖混じり）」であり、松戸からは「何もかも中途半端」と評された。元々は自分のやりたいことを見つけられない普通の人間であった。左目から蟲を放ち、相手の体に入れ操ることが出来る。力を求めて放浪中、黒芒楼に攻め入り姫の命を狙うも敗北する。姫の言葉から自分の本当に望むものを見つけようと黒芒楼に加わり、積極的に黒芒楼を拡大していた。黒芒楼の多数の幹部達を蟲によって支配下に置いているが、火黒や紫遠など高い実力を持っているものや、裏切る心配のないものには蟲を入れていない。
黒芒楼を実質的に支配しており、姫の為に烏森を狙う。人皮を開発させたり、監視者を派遣して烏森と烏森を守る結界師の力を調査させたり、良守たちの精神を揺さぶったりするなどの戦略を取る。自ら前線に赴くことはほとんどない。松戸と対峙した時は、自分の蟲を寄生させようとするが敗れてしまう。姫に回復させてもらうが、最後まで姫に付き従い、最後は、姫を背負い、異界とともに消滅した。

火黒（かぐろ）

火黒

CV：平田広明
包帯を巻き、炎を彩った和服を着た全身包帯を巻いた人型の妖。元人間。
生身のころは江戸時代末期に生まれた剣士だったが、次第に力を求めるようになった。そして、妖の側に行けばもっと力が得られると決意し、雷に打たれて妖となってしまった。
妖の中でも戦闘に特化したタイプ。比較的若く尖兵的立場だが、その戦闘能力は黒芒楼の中でもケタ違い。性格は好戦的で冷酷。彼の言う「自由」とはつながりから離れること＝孤独（本人も「自由＝孤独を恐れないこと」といっている）であり、自分と同じように孤独である限を仲間に引き込もうとした。孤独な者に関わろうとし、孤独から解放される者を殺そうとする姿勢をみせる。
白が火黒の強さに目をつけ蟲を入れようとするが失敗し、そのとき自ら黒芒楼に加わった模様。
独自の美学を持ち、仲間であっても、無様な戦い方をしたら容赦なく斬り捨てる、自分より戦いを優先させ、より強いものと戦うことを望み、そのためであったら、敵であろうと生かしておく。人皮を着て本来の力をセーブされた状態でも、限をも凌ぐ圧倒的なスピードを誇る。全身から無数の刀を生やす能力を持ち、普段は掌から刀を生やしての2刀流で戦うが、戦況によっては腕や胴体から刀を生やす事こともできる。その刃に斬られた箇所は、妖でも再生が困難になる。烏森への総攻撃の際、完全変化した限を奇襲。その刃にかけて致命傷を負わせた。
黒芒楼での決戦時では、良守と対峙する。最初は良守に対して、自分と良守はよく似ており、自身の力が他者と異質なことに悩み孤独になっていく。だから良守はコッチ側にきた方が良いと言うが、良守は、それをただ仲間が欲しいだけだと一蹴する。最後は、良守に斬りかかるが、良守が真界を使ったことで、中にいた火黒は消滅していった。消滅していく中、自分は本当はこんなヒリヒリとした感覚を求めていたのだと最後は笑っていた。

牙銀（がぎん）

牙銀

CV：三宅健太
黒芒楼の幹部。実行一部長。
灰色の髪をしており、胸当てをつけた大男だが、本来の姿は灰色のケンタウロスのような体躯をした炎鬼である。炎を生み出し操る力を持ち、力量はすさまじい。短気で好戦的だが、残虐というわけでもなく、良くも悪くも戦いを楽しむ性格。アニメでは自分の部屋に大量の武器を飾っている。部下には気まぐれな性格で情緒不安定と評されているが、統率力には長けているらしく、本心はどうあれ部下は牙銀に従っているようである。アニメでは牙銀の死後、実行一部の統率が取れていないことを江朱が嘆くシーンがある。本当の姿は6本の腕を持ち、炎をまとった半人半馬で背中に炎の翼をはやして飛べる（アニメでは鳥の翼のようになっていた）上に炎のバリア（良守が結界で滅そうとし、それができないほど）を自分の周りに張れる。6本の腕それぞれに炎の弾をつくって飛ばしたり、一つの大きな火の弾を生み出すなど、多彩な攻撃が行える。
烏森への最初の総攻撃では最初は上空から見守っていたが、なかなか進まない戦況に業を煮やして周りの制止も聞かずに参戦。圧倒的な火力、防御力、スピードで限、良守、時音を追い詰めていくが、自分の力を制御した上で完全変化した限の攻撃を受け撤退。リベンジに燃え、その後の烏森襲撃にも参加するが正守の絶界で瞬殺される。アニメでは第一次襲撃の際に火黒が限が倒された直後、激怒した良守の手で滅せられる。

紫遠（しおん）

紫遠

CV：田村真紀
黒芒楼の幹部。実行二部長。
数々の僕（しもべ）を的確に統率し、犠牲も最小限にとどめる。戦闘力は高く、蜘蛛を使った傀儡能力を持つ。自分と糸で繋がった蜘蛛を使役し、対象の人物を意のままに操れる他、後述する黒ずくめの部下に変えられる力を持つ。優れた力を持つがめんどくさがり屋であり、城にいた理由も気に入っていたからという適当なものである。白にその能力を高く評価されており、蟲を入れられることもなかった。
二度目の烏森襲撃時に白に結界師の拉致を命じられており、良守を連れていくことに成功した（良守も黒芒楼の本拠地に侵入しようとしていたので、この命令は、良守にとっても好都合だった）。良守が捕らえられていた蜘蛛の糸は、良守の力では抜け出すことができないほどの力を持つ。黒芒楼崩壊時に碧闇が取引を持ちかけたがそのまま碧闇を僕とし、藍緋の飛ばした綿毛の一つを持ち、黒芒楼を去った。その後、13巻の表紙から、綿毛は髪に飾っている模様。仮面をつけた全身黒ずくめの人の形をした部下を持つ。知能は低いのか、「キー」としか言えない。戦闘能力はあるようで、松戸暗殺時に斥候に使ったり、烏森襲撃時には、邪魔が入らないように墨村家と雪村家に刺客として差し向けた。しかし、まだ結界師として未熟な利守の結界術でも滅することができるため、そこまで強いとうわけでもない。碧闇もこのようにされたが、そのときの紫遠の発言から、この姿になっても妖の頃の能力は残っている模様。

藍非（あいひ）

藍非

CV：田村真紀
黒芒楼の幹部。研究部長。姫の健康状態の管理もしている。巨大な花と蔦を持つ、知能・戦闘力ともに秀でた妖。
白の命により、人皮の開発・改良や妖達の教育に取り組んでいる。人皮を使わずとも人間の姿に化ける能力を持っており、暗い青色の髪に白衣を来た人の姿をしている。それについて本人は癖だと言っているが、昔人間の男を愛したことがあり、その頃から心の底で人間に近づきたいと思うようになったためである。人皮の研究も、それが要因であると考えられる。その時に知った人間の絆に憧れを抱いている。
昔、体の弱いある男に強引に求愛されて屋敷に囲われていた。その屋敷は魔除けの札が貼られており外に出ることができなかった。しかし、その男を殺すこともできたが、そうしなかった。最初は人間に興味がなかったが、男が家族のために働き生命力が上がったのを見て興味を持つようになった経緯がある。
人と接し人の絆に憧れていたためか、部下に対しても情があるようで、火黒が部下の一人をけしかけて烏森に行かせたことに憤る場面もある。自由を望んでおり、白に蟲をはずせと迫るが歯牙にもかけられなかった。白の死後蟲が体から抜けて城から逃げようとするが、それを阻もうとした火黒と戦いになる。部屋全体を蔦で覆い火黒の不意をついて攻撃するが、力が弱っていることを見抜いていた火黒はその攻撃をワザと受けた上で圧倒した。致命傷を負い、最期は綿毛を外の世界に飛ばして息絶えた。

碧闇（へきあん）

碧闇

CV：山本健翔
黒芒楼の幹部。情報部長。
百目（千珠眼）の妖でなんでも見通すことが出来る。額の所に大きな目があるようだが、普段は全身を布でお覆っており顔をうかがうことはできない。アニメでは気配を消すのが得意という設定があり、斑尾らも途中まで気づかなかった。他にも幻影を使う技を披露している。頭の良さは天下一品で、烏森について様々なことを推理した。アニメでは烏森を自ら調査しに赴く。そこで良守たちと接触するが、戦闘することなくその場を去っていった。基本的には敬語で話し腰も低いが、ずる賢く計算高い性格。
作中ではあまり出番はなく、戦闘シーンもない。黒芒楼崩壊の際、紫遠に抜け道があるからそれを教える代わりに護衛を頼もうとするが、その裏を読まれた紫遠によって逆に仮面をつけた黒ずくめの傀儡に変えられてしまった。

江朱（こうしゅ）

江朱

CV：田村勝彦
黒芒楼の幹部。
総務部長で城の整備を請け負っている。黒芒楼の中でも際立って人間的な考えをしており、牙銀を脳筋と呼び馬鹿にしている。300年以上前から黒芒楼に仕えており、黒芒楼では一番の古株。城の絶頂期を知っているせいか、城の復興に誰よりも情熱を注いでおり、かつての城は美しかったと言い、白が黒芒楼に来てから城が拡大していったと話す。人間態は髪を七三にしメガネをかけた背の低いおじさんのような姿。本当の姿は伸縮自在の脚を持つタコのような姿をしている。
烏森襲撃には参加していない。城内で暴れている良守を捕らえようとしたが、良守の絶界に弾かれ、その隙に良守に瞬殺された。テレビでは侵入した時音を発見し、本来の姿になって追い詰めるが、足を壁に刺して身動きが取れない隙をつかれて結界に囚われ、滅せられた。

左金（さこん）

左金（左）

CV：川本克彦
元は牙銀の部下であり、牙銀の死後に実行一部隊隊長を継いだ。金髪で中国服を着た男。
対外的に慇懃な態度を取るが、野心に溢れた性格をしている。
2回目の烏森襲撃に参加し、亜十虎を人質にとり烏森を明け渡すように迫るが、正守の絶界により消滅した。
アニメオリジナルキャラクター。

波緑（はろく）

波緑

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