猟奇的な彼女(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『猟奇的な彼女』とは、ネットで若者を中心に話題となり後に書籍化されベストセラーとなった小説、及びそれを原作とした韓国のロマンティック・コメディ映画である。監督は、クァク・ジェヨン。日本では公開映画館が少なかったが、口コミが話題となり、ヒット作となった。
気弱な大学生キョヌと少々乱暴な彼女とのラブストーリーである。お互いに惹かれあいながらも、2年後に会う約束をし、別れるが、彼女が来ることはない。しかし、最後に運命的な偶然で会うことができ、再び恋が始まる。

『猟奇的な彼女』の概要

『猟奇的な彼女』とは、ネットで若者を中心に話題となり後に書籍化されベストセラーとなった小説、及びそれを原作とした韓国のロマンティック・コメディ映画である。監督は、クァク・ジェヨン。
気弱な大学生キョヌと少々乱暴な彼女のロマンティック・コメディである。ネット小説で話題となった当初から「ヨプキ(猟奇)」という言葉が流行した。また、韓国人にとてもなじみ深い小説『夕立』のパロディーが出てくる場面は、特に韓国人にとって笑えるシーンである。日本では、上映映画館はが少なかったものの口コミが広がり、ヒット作となった。
キョヌは、彼女の心の傷を少し癒すことができたと感じ、彼女は亡くなった恋人とキョヌを重ね、キョヌに甘えすぎていることに罪悪感を感じていた。そのため、キョヌと彼女は、お互いに惹かれあいながらも、別れを選ぶ。2年後に会う約束をするが、彼女が来ることはない。彼女は、その1年後にやってくる。連絡をとることもできず、2度と会うことができないと思われた。しかし、彼女の亡くなった恋人の母が、キョヌの叔母であるという運命的な偶然が重なり合い、再び出会うことができる。そして、また2人の恋が始まった。最後のドラマチックな展開が魅力の映画である。

『猟奇的な彼女』のあらすじ・ストーリー

2人の出会い

気弱でだらしない性格の大学生キョヌは母親に息子を亡くした叔母の家に行くように頼まれる。キョヌは、どことなくその亡くなってしまった息子に似ていたので、叔母が元気になるだろうという考えだった。しかし、キョヌは、兵役を終えたばかりでずっと遊んでいた。その日も叔母の家に行かず、友達と飲み会へ行ってしまう。そこで目を引く美人を見つけ、ナンパする。しかし、彼女はとても酔っぱらっていて放っておけず、キョヌが介抱することとなる。彼女は、電車の中で、お年寄りに席を譲らない若者を注意したり、酔い過ぎていて気分が悪くなったりと、キョヌまで散々な目にあってしまう。

恋の始まり

キョヌも彼女も大学生で、少しずつお互いのことを知っていく。キョヌは、彼女がひどく酔っぱらっていた日は、彼女の恋人の命日だったことを知る。乱暴で口の悪い彼女だけれど、とても純粋な面を持っている。キョヌは、彼女に惹かれつつ、彼女の願いをなるべく叶えてあげて、彼女の心の傷をいやしてあげようと考え、それまでは側に居ようと決める。彼女もわがままを言ったり、キョヌを連れまわしたりするうちに惹かれていく。

2人の別れ

2人は惹かれていたが、彼女の傷を癒すことをだけを考えていたキョヌとキョヌを亡くなった彼氏と重ね合わせて、キョヌに甘えている自分が許せない彼女は惹かれあっていたが、別れを決める。お互いにラブレターを書いて、木の下に埋めた。そして、2年後に同じ木の下で会う約束をし、別れる。そして、別々に帰ることにする。しかし、やはり気持ちを伝えようとお互いを追いかけるが、行き違いになってしまい、会えず別れることになってしまう。
会えない2年間、キョヌは運動をして努力したり、彼女とのことをネット小説にし、ヒットさせたり、とても成長する。しかし、2年後に彼女は木の下に現れなかった。まだ、亡くなった恋人とのことをうまく整理できていなかったためである。しかし、その1年後に、木の下にやってくる。もちろんキョヌは、いなかった。

再会できない2人

約束の2年後を過ぎてもキョヌは、度々その場を訪れていた。彼女が約束の日の1年後に木の下にやってきたときに、老人がその木の下にいた。キョヌが何度も訪れるシーンが続くので、視聴者は、キョヌが老人になるまで待っていたのではないかと思わせられる。しかし、その老人は、よくそこへ来るそうで彼女に「この木は、あなたの知っている木かな?」と質問する。もともとあった木は、嵐で倒れてしまっていた。しかし、ある青年がこの木がないと困る人がいるからと、似た木を探してきて、植えたことを教えてくれる。彼女は、涙が止まらなかった。

2人の再会

携帯電話の番号も変わってしまっていて、もう2度と会えないと思われた2人だった。
彼女は、仕事で海外へ行くことを決める。そのことを、亡くなった恋人の母親に報告しようと会う。その話をしていると、1人の男性を紹介される。その男性は、甥っ子で海外から帰って来たばかりだから、話が合うと思って呼んだということだった。それに加えて、亡くなった息子に似ているからと紹介される。なんとその男性はキョヌだった。時間が止まり、一瞬にして2人の恋はまた始まったのであった。

『猟奇的な彼女』の登場人物・キャラクター

キョヌ(演:チャ・テヒョン)

情けない表情がなんともいえない、チャ・テヒョン。

兵役を終えたばかりの大学生。少し気弱で、だらしない性格であり、遊んでばかりいる。しかし、根はとても優しい。いつも少し情けない顔をしているけれど、それがとても愛嬌がある。
猟奇的な彼女と出会って、少し乱暴だったり、わがままな彼女の言うことをなるべく叶えてあげようと努力する。彼女が恋人を亡くしたことを知った時、彼女の寝顔を見て、彼女の傷が少しでも癒えるように楽しませてあげようという、純粋であり、男気のある部分もある。
また、会わない2年間にたくさん努力していく様がコミカルに表現されている部分が、役に合っている。

彼女(演:チョン・ジヒョン)

綺麗だけれど、少し口が悪く乱暴な彼女を演じる、チョン・ジヒョン。

映画の中で最後まで名前が出てくることはない。ずっと彼女という表現になっている。そこが、最初のミステリアスな部分と相まっている。
とても美しい女性。しかし、少々乱暴で口が悪い。正義感が強く、曲がったことが大嫌いで、間違ったことをしている人間のところには、容赦なく間に入っていき、制裁する。
「ぶっ殺されたい?」が口癖で、キョヌを度々怖がらせていた。しかし、ロマンチックなお願いをキョヌにすることもあり、かわいいところもたくさんある。
少女の様に純粋な部分と、亡くなった恋人とキョヌを重ね合わせて、甘えてはいけないと考える年齢の割に大人っぽい部分があり、ギャップがある。

キョヌの父(演:キム・インムン)

父親役のキム・インムン。

キョヌの父親として、かわいがりながらも、しっかりさせようと尻を叩いている。キム・インムンは1939年4月13日生まれの俳優である。

キョヌの母(演:ソン・オクスク)

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