グリザイアの果実(ゲーム・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『グリザイアの果実』とは2011年にフロントウィングから設立10周年記念作品として発売されたアダルトゲームである。愛称「グリカジ」。
「私立美浜学園」を舞台に転校生風見雄二が5人の少女との恋愛をしていくものである。少女と仲を深めていくと見えてくる辛く重い過去を主人公が向き合い救済し人生を共にしていく物語が展開される。萌えゲーアワード2011大賞部門金賞受賞作品。PSP版とPS Vita版はファミ通クロスレビューシルバー殿堂入りを果たした。
JBの部下である女性。原画担当はフミオ。声優はPC版で桜城ちか、他媒体では月ヶ瀬あかねが務める。
アフリカ人と日本人の血が混ざっており、アフリカ系の血が濃いため褐色の肌を持っている。職務に忠実であるが雄二には気軽に話しかける一方、「9029」を伝説のナンバーとして特別視しすぎている事を雄二やJBに懸念されている。尻が大きいと雄二から言われている。
蒔菜ルートでは雄二の後を継いで9029となった蒔菜の担当官となる。しかし、職務に忠実なあまり蒔菜には避けられがちである。
地下の教授
雄二のバイト先の本社の地下にいるとされている人物。社内では噂話の程度の存在だが、JBなど一定の地位の人間は実存しているのを知っている。
みちるルート関係者
「もう一人のみちる」
みちるの中にいる人物。みちるの心臓移植の際にその心臓に宿っていた持ち主の人格であり、みちるとは完璧な別人物であり、いわゆる2重人格とは違う。
本来はみちると同年代の少女であり、事故により脳死判定になってしまった。脳死判定ではあったが、意識はハッキリしており体を動かすことはできないが視聴覚は機能しているため毎日介護にやってくる母親に申し訳ないと思っていた。
毎日娘のために心身を削る母親を心配した父親が病室で喧嘩をするようになり心を痛める。
ある時、母親が看病中に過労から倒れてしまったことを切っ掛けに父親は、彼女の臓器を提供することを決める。丁度みちるが心臓を求めていたことで彼女に提供することになった。臓器提供を決めた日は父親が朝まで一緒に居てくれたが、触れてもらうことは最期叶わなかった。
その後、みちるの体に移植され、体を動かせることに気づいた彼女はみちる境遇を知ったことで手助けをしようとみちるの体を借りて表に出てみちるの出来なかったこと嫌なことをしていった結果、入れ替わっている間の記憶がないみちるに得体のしれない恐怖を植え付けてしまうことになる。雄二との対話を得て、みちるのために永遠に出てこないつもりでいたがみちるの要望により体の共有をすることに。そして、みちるにより、両親のへ元へ向かい、母親と娘であることを隠しながらも話すことができた。父親は彼女が来る数年前に亡くなっていた。
父親は娘が不慮の事故により脳死になってしまったことがショックで受け入れがたい現実だったため、彼女に冷たく見える接し方をするが、実は娘の入院中に千羽鶴を折っていたりと娘を愛していたとわかる描写がある。
大事なもを天井裏に隠す癖がある。
みちるの親友
みちるの過去ルートに出てくる親友だった少女。学校の屋上から自殺しようしていたところを声をかけられ親友になる。みちるに様々なこと教えた。
家庭をもっている男性の愛人であり、妻とは別れるからという嘘でいいようにされており、別の男性に抱かれるよう強要、堕胎、暴力に加え、学校に全裸の写真をばら撒かれたりと好き勝手されたことで精神的に限界を迎えみちるの目の前で学校の屋上から飛び降り自殺をしてしまう。
ニャンメル
みちるが「美浜学園」内にて見つけた野良猫で、みちるは最初は猫ニャーと呼んでいた。後に雄二に見つかった際に猫ニャーと雄二がつけようとしていたロンメルという名前と合わせてニャンメルという名前に落ち着いた。みちるルートにて車に轢かれて亡くなってしまう。
ヒロインの家族
榊道昭(さかき みちあき)
榊由美子の父親。作画担当渡辺明夫。声優はPC版では鈴木恭介、他媒体では津田英三が務める。
ヒロインの一人由美子の父親であり、「美浜学園」の理事長、そして関東一円に影響力を持つ巨大財閥「東浜電鉄グループ」総帥である。周りの会社を強引に取り込んでいくこと手法から東浜を「盗品」と揶揄されている。
由美子との仲は悪く、由美子から酷く嫌われている。これは彼が自身の妻であり、由美子の母親を自殺に追い込んでしまったことが理由である。由美子ルートでは由美子を自身の傀儡にすべく動く。
由美子に対して父親とは言えない態度を取るが、これは彼自身の人生で父親からまともな愛情を受けずに育ったため父親というものわからなかったためである。
道昭の父はまだ8歳だった道昭に帝王学を教え、周りの人間はクズであり女性は道具であると言い聞かされて育てられたことから、学校から家に帰ることが恐怖になっていた。これらの教育により心を閉ざしたために人間として大事な部分が欠如してしまい、父親が望んだ会社を存続させるためだけの人形になってしまったのだ。
妻とは見合い結婚をしており、最初の頃は優しく接していたが生まれた子が跡継ぎにできない女児(由美子)であったことから目に見えて態度が悪くなった。
妻が亡くなったあとは入院していた病院に毎週訪れて、自身とは違う人生を歩もうとした由美子のことを理解しようと努力していたが、由美子の行動を理解することはできなかった。妻と由美子が辿った道を辿ることで、家族の愛情を理解したいという心を持ちつつも、長い間人間として生きることを許されなかった彼には理解ができず、また後悔することもできない自身を再認識するはめになてしまった。
由美子ルートにて総帥の座から失脚したことで由美子に自身の財産を渡して姿を消したが、後に妻の入院していた病院にて雄二と由美子と再会。ゆっくり父親として、父娘の関係を築いてほしいと言われる。
みちるの父親
みちるの父親。みちるに英才教育を施そうとするがみちるの要領の関係でうまくいかず、それを雇っていた家庭教師のせいにしたことで家庭教師による虐待が起きてしまう。
みちるが何もできなくても健康であればいいと言っていたが、みちるに心臓の疾患が見つかったことで落胆してしまう。
みちるの心臓の手術以降に彼女の要領が良くなったことを喜んで、本当のみちるを調子の悪いみちる扱いしてしまい彼女を追い詰めてしまう一因になった。
みちるバッドルートで彼女が脳に障害を負ってしまっても引き取らず、手に負えないと判断して学園に預けたままにした。千鶴曰く「良くも悪くも最近の親らしい親」。
幸の両親
幸の両親で町工場を経営ししていた。作画担当はフミオ。
幸に対して並々ならぬ愛情を注いでおり、幸からも好かれていた。小さな町工場を経営しており、父親の技術が大企業に認められたことで多忙になってしまう。これにより幸と過ごす時間が減ってしまい、娘との間に少しの溝ができてしまう。
穏やかな人物たちで、娘に甘い。忙しくなる前は仕事が入っても幸のために断ってしまうこもあるほどだった。
幸との時間が減ってしまったことで、寂しい思いをさせたことを悪く思っており仕事を変えて幸との時間を儲けるために動いていた。しかし、幸の誕生日の日に喧嘩をしてしまったことで家を飛び出していった幸を探し回っているときに、娘の目の前でトラックに轢かれてしまう。
父親は即死。母親は重傷を負ってしまう。この時母親が言った「幸…どうして」は幸の心に深いトラウマを残してしまう。
その後、母親は意識障害を起こしてしまい、目を覚ますことは奇跡とまで言われる状態になってしまう。
入巣清夏(いりす きよか)
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目次 - Contents
- 『グリザイアの果実』の概要
- 『グリザイアの果実』のあらすじ・ストーリー
- はじまり
- 「私立美浜学園」へ到着
- 翌日の寮のエントランス
- 教室に到着
- 放課後の教室にて
- 由美子ルート
- 由美子ハッピーエンド
- 由美子バッドエンド
- 天音ルート
- 天音ハッピーエンド
- 天音バッドエンド
- みちるルート
- みちるハッピーエンド
- みちるバッドエンド
- 蒔菜ルート
- 蒔菜ハッピーエンド
- 蒔菜バッドエンド
- 幸ルート
- 幸ハッピーエンド
- 幸バッドエンド
- 『グリザイアの果実』のゲームシステム
- 『グリザイアの果実』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 風見雄二(かざみ ゆうじ)
- 攻略可能ヒロイン
- 榊由美子(さかき ゆみこ)
- 周防天音(すおう あまね)
- 松嶋みちる(まつしま みちる)
- 入巣蒔菜(いりす まきな)
- 小峯幸(こみね さち)
- サブキャラクター
- 学園関係者
- 橘千鶴(たちばな ちづる)
- 雄二の関係者
- 春寺由梨亜(はるでら ゆりあ)
- 日下部麻子(くさかべ あさこ)
- キアラ・ファレル
- 地下の教授
- みちるルート関係者
- 「もう一人のみちる」
- みちるの親友
- ニャンメル
- ヒロインの家族
- 榊道昭(さかき みちあき)
- みちるの父親
- 幸の両親
- 入巣清夏(いりす きよか)
- 入巣沙里菜(いりす さりな)
- 入巣正孝(いりす まさたか)
- 入巣の関係者
- 沢田寧子(さわだ やすこ)
- 滝園学園バスケ部関係者
- 坂下啓二(さかした けいじ)
- 鮮魚超人マグロマン
- マグロマン
- 滝園学園バスケ部
- 風見一姫(かざみ かずき)
- 越智義彦(おち よしひこ)
- 坂下千秋(さかした ちあき)
- 桜井美冬(さくらい みふゆ)
- 佐久間みのり(さくま みのり)
- 小出葎(こいで りつ)
- 金田沙彩(かねだ さあや)
- 広岡たまき(ひろおか たまき)
- 古森めぐみ(こもり めぐみ)
- 伊吹春菜(いぶき はるな)
- 鹿内元(しかうち はじめ) 小沢洋子(おざわ ようこ) 岡部朋絵(おかべ ともえ)
- 『グリザイアの果実』の用語
- 三嶋崎(みしまざき)
- 私立美浜学園
- 有限会社アサヒクリーン
- 9029号
- 東浜急行電鉄グループ(とうひんきゅうこうでんてつグループ)
- アイリスグローバル社
- 滝園学園マイクロバス転落事故
- 鮮魚超人マグロマン
- 『グリザイアの果実』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「グリザイア」の由来は美術用語からきている
- 蒔菜ルートは映画「レオン」のオマージュである
- 天音ルートの過去編の内容はウルグアイ空軍機571便遭難事故がモデルである
- 『グリザイアの果実』の主題歌・挿入歌
- ゲーム版
- OP(オープニング):飛蘭『終末のフラクタル』
- ED(エンディング): eufonius『ホログラフ』(由美子ルート)
- ED(エンディング): 橋本みゆき『HOME』(天音ルート)
- ED(エンディング): 茶太『SKIP』(みちるルート)
- ED(エンディング):佐藤ひろ美『迷いの森』(蒔菜ルート)
- ED(エンディング):NANA『この日のままで』
- 挿入歌:¥Cuスタ平『マグロ・Beautiful』(鮮魚超人マグロマンオープニング)
- アニメ版
- OP(オープニング): 黒崎真音『楽園の翼』(第2話 - 第4話、第6話 - 第12話)
- ED(エンディング):はな『Eden's Song』(第2話)
- ED(エンディング): 南條愛乃『あなたの愛した世界』(第3話、第6話 - 第9話)
- ED(エンディング): 茶太『SKIP』(第5話)
- ED(エンディング):やなぎなぎ『Rainy veil』(第10話 - 第12話)
- ED(エンディング):飛蘭『創世のタナトス』(第13話)
- 挿入歌:飛蘭『終末のフラクタル』(第1話、第13話)
- 挿入歌:eufonius『ホログラフ』(第6話)
- 挿入歌:佐藤ひろ美『迷いの森』(第9話)
- 挿入歌:橋本みゆき『HOME』(第12話)