グリザイアの果実(ゲーム・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『グリザイアの果実』とは2011年にフロントウィングから設立10周年記念作品として発売されたアダルトゲームである。愛称「グリカジ」。
「私立美浜学園」を舞台に転校生風見雄二が5人の少女との恋愛をしていくものである。少女と仲を深めていくと見えてくる辛く重い過去を主人公が向き合い救済し人生を共にしていく物語が展開される。萌えゲーアワード2011大賞部門金賞受賞作品。PSP版とPS Vita版はファミ通クロスレビューシルバー殿堂入りを果たした。
幸バッドエンド
悪夢を無くすためには両親の意思と関係なく自分自身に問題があることから自分を殺すしかないという答えに幸はたどり着く。そして、自分自身の弱い心を殺すことで前を向いて生きていくことを考える。あの日の事故は偶然が重なった不幸であり、幸自身が必要以上に罪の意識を感じて卑屈になる必要はないと雄二は伝えたかったのではないかと結論へ至る。
いつか、悪夢と「どうして」の言葉を克服すると誓い、まだ頑張ると母に伝えて病院を出る。
雄二の元へ帰るために交差点へ来た幸は、目の前に雄二の姿を見つけて駆け寄るが、そこへあの日の事故のようにトラックが突っ込んできて幸は魅かれてしまう。
幸は雄二に「どうして」と言い残し死んでしまう。
雄二は幸がどのような結論へ至ったのかもわからず、幸の「どうして」の言葉を今度は雄二が背負って生きていくことになった。
『グリザイアの果実』のゲームシステム
ノベルゲームであり、選択肢を選ぶことでシナリオが分岐する。攻略したいキャラと選択肢でフラグをたてることでヒロインの個別ルートに入ることが出来る。
また、個別ルートにも選択肢がありハッピーエンドをバッドエンドと分岐する。
『グリザイアの果実』の登場人物・キャラクター
主人公
風見雄二(かざみ ゆうじ)
本作の主人公。原画担当はフミオ。アニメ版およびSIDE EPISODEでの声優は櫻井孝宏(幼少期は諏訪彩花)が務める。
「美浜学園」に転校してきた学園唯一の男子。
「普通の学生として、普通の学校に通いたい」という希望から、かねてからの知人である「美浜学園」の学園長である橘千鶴を頼り、カナダからの転校生として編入する。
常に冷静であり、必要以上に他人には近づかないタイプである。
早朝は日課である16キロのマラソンをしており、また読書を欠かさず行っていたりと自己研磨を怠らない。
身体能力が高く、女子で素人とはいえ由美子の攻撃を軽くいなしたり、ひったくり犯を難なくひねり上げて拘束したりとできる。
これらは、彼の「師匠」が「小学生は足が早い奴がモテる」「中学生は喧嘩の強い奴がモテる」「高校生は頭のいい奴がモテる」という教えからくるものである。
しかし、彼自身にモテたいという感情はなく、ともすれば女という生き物は面倒くさいと思っている節すらある。
女性の裸体を見ても動じることないほど女性慣れしているが、恋愛については鈍感であり、時折女心を読み違える。
日常の言動においてはコミュニケーション能力に欠ける部分が目立つ。感情に乏しく観察的で、常に人、もしくは周りの環境を観察している。
皮肉が多く、アメリカンジョーク染みた痛烈なブラックジョークを言い放つことが多々ある。
嫌いな言葉は「ごめんなさい」。
軍隊に関する知識が豊富で、軍人のような言動をすることもある。
日常パートでは蒔菜とみちるにテロリストが攻めてきた場合を想定しての対爆防御の訓練を行ったり、蒔菜のルートでは蒔菜に狙撃の仕方、コツを教えたりと銃器の扱いを心得ている。
免許を所持しており二輪、四輪と両方もっている。
風見流スーパー護身術なるものを編み出しており、作中では蒔菜に伝授している。
経歴に関して謎が多く、唯一わかるのが幸ルートで幼い頃の姿が描かれていて幸の幼馴染であることが明かされる。
その頃の雄二は大人しい少年で、姉である風見一姫(かざみ かずき)が天才と呼ばれていたが、自分には何の才能もなく父親に「しぼりカス」と呼ばれ一姫の邪魔をするなと罵倒を受けていた。
一姫との仲は良好であり、むしろ溺愛されている。
このときは幸との関係も良好で好意を抱かれていたが、突然の引っ越しを余儀なくされて幸とは離れてしまう。
有限会社アサヒクリーンにて掃除のバイトをしている。このアサヒクリーンは市ヶ谷、つまり防衛相と繋がっている組織であり、裏で雄二は暗殺、狙撃のバイトをしている。エースナンバーI-9029(ナインオートゥーナイン)であり狙撃能力が高い。前任9029は雄二の師匠である。
バイト先には上司であり、保護者である春寺由梨亜(はるでら ゆりあ)、通称JB(元の名前がジュリア・バルデラという外国人だったためこの愛称で呼んでいる。今は帰化しているため名前が和名になっている)がいる。バイトの送り迎えから私的用事などを頼んだりと仲がいい。
暗殺の仕事をこなすが、実際は臆病であり殺人を好んで行う人間ではない。幼少期に母親が自殺したことと、自身が父を殺したと思い込んでいることから殺人に対して心的外傷があり、たとえ仕事上仕方ないことだとしても自我を保てなくなるほどの恐怖を感じてしまうようになっている。そのため、師匠から「弱い者を守るために戦ったのだから間違っていない。正しいことをした」と暗示をかけられており、自己防衛のために全部自身の腕に憑りついた悪魔がやったことと信じることになる。
この暗示は殺人をさせるためのものではなく、放っておくと片っ端から殺しをしてしまう雄二を押さえつけていたもので師匠しか解けないものになっている。しかし、暗示をかけていた師匠が亡くなったことでいつ暗示が解けてしまうかわからない状態であり、師匠より大事な人間ができたときに暗示が解けてしまう可能性がある。
攻略可能ヒロイン
榊由美子(さかき ゆみこ)
本作のメインヒロイン。原画担当は渡辺明夫。イメージフルーツはぶどう。声優はPC版が一色ヒカル、その他媒体では田中涼子が務める。
誕生日は11月10日。A型。身長163センチ。スリーサイズはB85W57H87。
学年は雄二と同じ2年生であり、「美浜学園」設立時から在籍する生徒である。
黒髪のロングヘア―が特徴的な少女で、凛とした容姿をしている。所作が育ちの良さを感じさせる優雅さを持つ。
趣味は読書と写生であり、時折スケッチブックを持って河川敷で絵を書いている。
無愛想でとげとげしい雰囲気を纏っており、基本的に単独行動を好む。愛想がないために他人から苦手意識を待たれやすく、人と関わることが少ない。
しかし、寮内での全員参加イベントなどにちゃっかり参加しているので付き合い自体は悪くない。仲間と認定した人を守るために行動をしたりと、仲間想いの面がある。
周りからも嫌われていることはなく、むしろ弄られ気味。クールな態度で大人ぶっているような一面もあるが、年相応の少女のような反応をすることがしばしばある。
蒔菜の興味本位で始まった「榊由美子デレ作戦」にて、普段クールな彼女がデレたらどんな姿になるのかというものでは、容姿を褒められても周りが見ている間は早々に退散していたが、自室では姿見を前にくるくると回り、褒められた箇所を口で確認しながら嬉しそうにしいたりする。
また、この姿を由美子宛ての荷物を届けに来た雄二に見られた際は、顔を真っ赤に染めて羞恥に震えている。
雄二に対して敵意を隠すことはせず、隙あらば持ち歩いているカッターで襲ってくる。これは、自分のテリトリーに侵入してきた正体不明の異性に警戒しているが故である。
カッターナイフを常に携帯しており、威嚇に使ったり、時に切りかかったりする。切りかかる対象は主に雄二だが、難なく躱されている。
家事全般が不得意であり、カップ焼きそばを好んでいる。湯切りに失敗して片付けずに放置する面もある。(発見した幸が片付けている)
基本的に外出することがなく、学園に通うか写生に行くかしかしていない。夜はネットに夢中になってしまうこともあり、休日の時には朝までネット三昧をしていた。いわゆるダメ人間である。またネットでは成人向け動画を見漁っている。
怖い話が苦手であり、ビビりである。
由美子の父は関東圏の東側沿岸に路線を持つ東浜急行社長にして、「美浜学園」の理事長である榊道昭(さかき みちあき)。
道昭は気まぐれで、時々娘である由美子の通う学園に視察にくる。表向きは娘に会いに来ていることになっているが、由美子が拒絶したため会ったことはない。
しかし、由美子は父親の視察時には寮の屋上から、父親の姿を見ている。
父親との関係が悪く、実家に帰ることはほぼない。
原因は、彼女の家庭環境にある。
旧態依然とした電鉄会社一族にとって「娘」であるが故に、由美子の扱いはとても軽かった。父からの関心が無く親子らしい触れ合いをしたことは無かった。
由美子の母親である美佐子は実家が不動産業を営んでおり経営難に陥っていったため、道昭との見合いで結婚。関東の一帯を牛耳る鉄道会社の若社長との結婚とあって大いに喜ばれ、当初は旦那との仲も良好であったが、一族の跡継ぎを生むはずが、女の子を出産してしまったために落胆されてしまったことで心身に負担がかかり実家に帰郷し入院してしまう。
ある時、母の見舞いに訪れた際に言われた「あなたが、男の子だったなら、良かったのにね…」の言葉で自分の力ではどうしようもない現実を突きつけられ、長かった髪の毛を「女であることをきりおとせたら」とカッターで切り落とすほどの心の傷を負う。
そんななかでも、母の容体が快方へ向かっている兆しが見え、退院の話も出て来た。退院まで間近に迫ったある日、ゴシップ記事に書かれた道昭が愛人と子どもをつくり、それが男子であること、そして美佐子とは離婚に向けて調整中との話を見たために、母の容体が悪化。記憶障害をおこしてしまう。
ある時、父により実家に呼び戻されて、父と暮らすようになり理想的な父として接してくるが、それは愛人のとの息子が急逝したため操りやすそうな由美子を呼んだだけだと知る。
そして、学校で友人と思っていた少女から裏切られていたことを知ると衝動的にカッターナイフで少女を傷つけてしまったことで、収容施設扱いで「美浜学園」にくることになった。
しかし雄二と親交を深め、恋人になり共に自身を傀儡にしょうとする父から逃げることになるが、雄二との逃亡生活を経て自身も一人の人間であり父の人形ではないと決別を伝えるために対峙することを決意。雄二と他ヒロインたちの協力により、父を東浜電鉄会社の社長から降ろすことに成功。解放される。
後に、雄二の計らいで父の本音と境遇を聞いたことと会社という「居場所」を奪われた姿が、かつての「居場所」を無くしていた自身と重ねてしまい、和解の道を選ぶ。
BADでは父から逃げることを選択。のちに由美子が言いなりにならないことに業を煮やした父から捜索を打ち切られ逃亡に成功するが、父と和解はできず終わってしまう。
周防天音(すおう あまね)
ヒロインの一人。原画担当はフミオ。イメージフルーツはサクランボ。声優はPC版が雪見そら、他媒体では田口宏子が務める。
誕生日は3月3日。A型。身長169センチ。スリーサイズB91W59H88。
「美浜学園」の3年生であるが、一年休学していたので雄二より二つ年上である。性格は明るく面倒見がいいお姉さんタイプ。長身巨乳であり露出の高い服装を好む。
免許を持っており乗り物全般が好きで、自身の所有するバイクに「ボバ太郎」と名付けている。
初対面から雄二に好意的で、お世話を焼こうとするうえに、彼のベッドの匂いを嗅いで欲情するなど好意の度が越している場面もある。
実家は神田で料亭を営んでおり、仲は良好である。母親から料理を教わっているので料理が得意であり、時折みんなに振舞うこともある。生活能力に乏しい蒔菜の姉兼母役をしている。
雄二も放っておくと豆ばかり食べているという理由から食事を作ってあげている。
コミュニケーション能力が高く、人当たりがいいので転校してきてから一週間ほどで近隣住民と親交を築く。また、自身のスタイルの良さをいかして値引きやおまけを受けることをしている。
自身の大きな胸に自信をもっており、よく雄二に擦り付けたり乗せたりしている。
天音は「美浜」の中ではもっともまともであり、普通である。家は少々お金持ちだが、普通の家庭に生まれ、両親から愛情もって育てられ、普通の生活を送っていたが中二の夏に所属していたバスケ部の合宿で遭難してから人生が変わってしまった。
中学生の頃の天音は引っ込み思案な性格で地味な女の子であった。この時の口癖は「ごめんなさい」。
バスケ部の合宿に向かう途中に、顧問が運転するバスが崖から転落したことで樹海で遭難してしまう。
このときに雄二の姉である一姫との親交を深める。このときに弟の雄二の話を聞き、のちに雄二を頼むとまで言われるほどの仲になる。
バスに乗っていたのは顧問を含めて14人と部員のペットである子犬は1匹。うち3人は死亡したため生存は11人。負傷者が4人と状況はあまり良くなかった。
最初のうちはすぐに救助が来ると皆楽観視していたが、周り木々が多い茂っていて突破は難しく、転落してきたのが岩壁で登ることが不可能であること、本来のルートから外れて走行していたため捜索が難しいなどの状況から救助の見込みが薄いことに気づき不穏な空気が漂いだす。
遭難中は一姫に依存に近い形で一緒に居ることになるが、結果的にこれが吉と出た。
遭難最中では一姫が機転をきかしたり、持ち前の知識生かしどうにか生きていくが、顧問が樹海を突破するために僅かな食料を持って出ていったが失敗に終わったり、食料不足、負傷者の死などが合わさり不安が募っていく。状況は悪化していくばかりだったが、ある時から部長と顧問が「鹿肉」や「野ウサギ」が取れたと皆に振舞う。
しかし、一姫が口を付けなかったので、自分だけ食べるのは彼女を裏切るようだと思い、周りの衰弱が激しい者に譲渡した。
そして、その夜に一姫は天音にここから抜け出すからついて来いと言う。他の皆は連れていけないといい天音に言い事実を突きつける。それは部長と顧問が「鹿肉」と称して「人肉」を振舞っていたということ。人間が人間らしくいるためには3つのルールがある。「盗むな」「壊すな」「殺すな」。このうち一つでも崩壊すれば他の2つも崩れるのは時間の問題であり、一姫はそれを見越して天音と逃げることを選んだのだ。他の部員たちに追い詰められた末に一姫は自分が囮になり天音を逃がすことを選択する。命からがら逃げのびた彼女は人里に降りることに成功し、一人生還を果たす。
しかし、生還した彼女に残されたのは生き延びてしまった罪であり、他の全員が死亡していたため酷い罪悪感に苛まれ心を病んでしまう。1年の療養期間を経て学校で受けた傷は学校で癒すべきと判断したことで「美浜学園」に転校してくる。
以上の経緯から、雄二から姉である一姫を奪ってしまったと責任を感じており、過剰な世話焼きや姉の代わりをしようとう態度は姉を奪ったことに対する償いであり、救われたいという自己犠牲の発露である。最初は姉として、都合のいい女としての立場でいいと思っていたが雄二に本気の恋をしたことで雄二と心の底からの恋人関係になる。
ある時、雄二から一姫は死んでいない可能性があることを提示されて確認のために、事故の現場である樹海に赴くことになる。そこで天音たちは部長の父親に猟銃で襲われる。娘を失ったことで人生が狂ってしまったと八つ当たりのように生き残った天音を襲いに来たのだ。しかし、雄二と天音は機転をきかして部長の父親を無力化に成功。事なきを得る。
後に雄二と結婚して子供を儲ける。その後は老年期に孫との触れ合い、雄二と歩んだ人生が幸せだったことを感じながら、先に癌で亡くなっていた雄二の迎えを受け入れ「赦された」と感じながら人生の幕を閉じた。
BADでは部長の父親から雄二を守るために戦い、腹部を猟銃に吹き飛ばされ死亡する。
松嶋みちる(まつしま みちる)
ヒロインの一人。原画担当は渡辺明夫。イメージフルーツはレモン。声優はPC版が羽仁麗、他媒体では水橋かおりが務める。
誕生日は12月25日。O型。身長155センチ。スリーサイズはB80W52H82。
雄二と同じ2年生。ツンデレを演じていている嘘ツンデレ(通称UT)でなにかとやかましく雄二に突っかかってくる。地毛は黒だが金髪に染めている。理由はツンデレは必ず金髪だと思いこんでいるからで、ブリーチしてから染めているのだが、薬品が頭皮にしみる激痛からラップを頭に巻いたまま奇声を上げつつ廊下を歩くという奇行をする。周りからは宇宙と交信していると言われている。
彼女はいわゆる愛すべきバカであり、基本は優秀な「美浜」の生徒の中で一番のバカである。勉強は由美子に匙を投げられているので、下級生の幸が見てあげている。ルートによっては「美浜」を卒業できず留年したりしている。
しかし、本人は真剣にやっており、手抜きをしているわけではないので周りからの目は生暖かいものになっている。
トラウマを抱えている生徒ばかりの「美浜」は暗く閉鎖的になりやすい雰囲気があるが、彼女の明るさのおかげで雰囲気を保っている節があり、学内のムードメーカーとなっている。
野良猫である黒猫のニャンメルをかわいがっているが、飼ってはいないと言い張っている。しかし、頭に乗るほど懐いていてご飯をねだっている上に寮内の自室にいれているので半ば飼い猫の状態である。
ツンデレを演じていること以外は普通の少女と変わりがなく、ヒロインの中では最も少女らしい感性を持っている。少女漫画などのロマンチックなものに憧れを抱いているらしく、自室に妄想を書き溜めたポエムノートを隠している。
彼女は裕福な家に生まれた。両親は英才教育を施そうと多数の家庭教師を付けたが、不器用なみちるは上手にこなすことが出来なかった。両親が家庭教師が悪いと責め立てたことをきっかけに家庭教師たちから陰湿な虐待を受けてしまう。
両親が教育を諦めた頃にみちるの心臓に疾患が見つかったことで、落胆されてしまう。このことが原因でみちるは自分は生きる価値のない人間だと思い込んでしまい、誰ともかかわらない無気力な子供になってしまった。
中学に上がってもみちるは誰ともかかわることのなく、何もできない自分に価値を見出せず自殺を考えるようになる。そして、屋上に日々向かっては死ぬきっかけを待ち続けた。
そんなある日、屋上にて飛び降りをしようとしている少女に出会い、みちるに毒気をぬかれて親交を深めて親友と呼べる間柄になっていく。親に半ば見捨てられたような彼女は少女の存在がかけがえのない大事なものになっていくが、少女は妻子ある男性の愛人で、暴力を振るわれており世界に絶望してみちるに「先に行くね」と言葉を残して目の前で自殺してしまう。
これが大きなトラウマになり、自分は幸せになるはずがない人間なんだと絶望する。そして、このことが原因で手に入れた幸せを失うことを極度に恐れるようになる。また、強いショックを受けたことで心臓疾患が急激に悪化してしまったので、アメリカで移植手術を受けることに。無事に手術は成功したが彼女の中に「もう一人のみちる」という別人格が出てくるようになった。
みちるは人格が入れ替わっている間の記憶は無い。しかし、「もう一人のみちる」は器用で、コミュニケーション能力に問題がなかったため、知らない間に事が進んでいる、友達ができている、幻聴が聞こえるなど起きるようになり、本来のみちるの時は「調子の悪いみちる」扱いをしてくる両親に恐怖を覚えた結果カッターで自傷してしまう。
精神病院に入院した彼女はちょっとしたことをきっかけに道化を演じると皆が笑うことから、自分は誰かのためになるかもしれないと思い自分を偽って生きることを決める。以降は病院から処方されている薬を飲むことで別人格を抑えたりしている。
彼女が過剰にツンデレを演じるのもそういった理由からくるものである。
この人格はみちるの心臓のドナーになった少女であり、心臓を移植したことでみちるの体に宿ったものだった。少女の生前は脳死状態にあり体を満足に動かせなかったことから、みちるの体を動かすことが楽しくなってやってしまっただけで、みちるを傷つける意図はなかった。むしろ、みちるの手助けをしていたこともあるが結果的にみちるは気味悪がり精神的に不安定になってしまう。
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目次 - Contents
- 『グリザイアの果実』の概要
- 『グリザイアの果実』のあらすじ・ストーリー
- はじまり
- 「私立美浜学園」へ到着
- 翌日の寮のエントランス
- 教室に到着
- 放課後の教室にて
- 由美子ルート
- 由美子ハッピーエンド
- 由美子バッドエンド
- 天音ルート
- 天音ハッピーエンド
- 天音バッドエンド
- みちるルート
- みちるハッピーエンド
- みちるバッドエンド
- 蒔菜ルート
- 蒔菜ハッピーエンド
- 蒔菜バッドエンド
- 幸ルート
- 幸ハッピーエンド
- 幸バッドエンド
- 『グリザイアの果実』のゲームシステム
- 『グリザイアの果実』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 風見雄二(かざみ ゆうじ)
- 攻略可能ヒロイン
- 榊由美子(さかき ゆみこ)
- 周防天音(すおう あまね)
- 松嶋みちる(まつしま みちる)
- 入巣蒔菜(いりす まきな)
- 小峯幸(こみね さち)
- サブキャラクター
- 学園関係者
- 橘千鶴(たちばな ちづる)
- 雄二の関係者
- 春寺由梨亜(はるでら ゆりあ)
- 日下部麻子(くさかべ あさこ)
- キアラ・ファレル
- 地下の教授
- みちるルート関係者
- 「もう一人のみちる」
- みちるの親友
- ニャンメル
- ヒロインの家族
- 榊道昭(さかき みちあき)
- みちるの父親
- 幸の両親
- 入巣清夏(いりす きよか)
- 入巣沙里菜(いりす さりな)
- 入巣正孝(いりす まさたか)
- 入巣の関係者
- 沢田寧子(さわだ やすこ)
- 滝園学園バスケ部関係者
- 坂下啓二(さかした けいじ)
- 鮮魚超人マグロマン
- マグロマン
- 滝園学園バスケ部
- 風見一姫(かざみ かずき)
- 越智義彦(おち よしひこ)
- 坂下千秋(さかした ちあき)
- 桜井美冬(さくらい みふゆ)
- 佐久間みのり(さくま みのり)
- 小出葎(こいで りつ)
- 金田沙彩(かねだ さあや)
- 広岡たまき(ひろおか たまき)
- 古森めぐみ(こもり めぐみ)
- 伊吹春菜(いぶき はるな)
- 鹿内元(しかうち はじめ) 小沢洋子(おざわ ようこ) 岡部朋絵(おかべ ともえ)
- 『グリザイアの果実』の用語
- 三嶋崎(みしまざき)
- 私立美浜学園
- 有限会社アサヒクリーン
- 9029号
- 東浜急行電鉄グループ(とうひんきゅうこうでんてつグループ)
- アイリスグローバル社
- 滝園学園マイクロバス転落事故
- 鮮魚超人マグロマン
- 『グリザイアの果実』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「グリザイア」の由来は美術用語からきている
- 蒔菜ルートは映画「レオン」のオマージュである
- 天音ルートの過去編の内容はウルグアイ空軍機571便遭難事故がモデルである
- 『グリザイアの果実』の主題歌・挿入歌
- ゲーム版
- OP(オープニング):飛蘭『終末のフラクタル』
- ED(エンディング): eufonius『ホログラフ』(由美子ルート)
- ED(エンディング): 橋本みゆき『HOME』(天音ルート)
- ED(エンディング): 茶太『SKIP』(みちるルート)
- ED(エンディング):佐藤ひろ美『迷いの森』(蒔菜ルート)
- ED(エンディング):NANA『この日のままで』
- 挿入歌:¥Cuスタ平『マグロ・Beautiful』(鮮魚超人マグロマンオープニング)
- アニメ版
- OP(オープニング): 黒崎真音『楽園の翼』(第2話 - 第4話、第6話 - 第12話)
- ED(エンディング):はな『Eden's Song』(第2話)
- ED(エンディング): 南條愛乃『あなたの愛した世界』(第3話、第6話 - 第9話)
- ED(エンディング): 茶太『SKIP』(第5話)
- ED(エンディング):やなぎなぎ『Rainy veil』(第10話 - 第12話)
- ED(エンディング):飛蘭『創世のタナトス』(第13話)
- 挿入歌:飛蘭『終末のフラクタル』(第1話、第13話)
- 挿入歌:eufonius『ホログラフ』(第6話)
- 挿入歌:佐藤ひろ美『迷いの森』(第9話)
- 挿入歌:橋本みゆき『HOME』(第12話)