グリザイアの果実(ゲーム・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『グリザイアの果実』とは2011年にフロントウィングから設立10周年記念作品として発売されたアダルトゲームである。愛称「グリカジ」。
「私立美浜学園」を舞台に転校生風見雄二が5人の少女との恋愛をしていくものである。少女と仲を深めていくと見えてくる辛く重い過去を主人公が向き合い救済し人生を共にしていく物語が展開される。萌えゲーアワード2011大賞部門金賞受賞作品。PSP版とPS Vita版はファミ通クロスレビューシルバー殿堂入りを果たした。

みちるハッピーエンド

検査入院へ向かうみちるにキスをして見送った。学園にみちるがいなくなったあと、雄二が自室にいるとみちるから部屋の掃除を任されていた幸がやってきて謎の小箱の中も掃除したいが鍵がかかっていて開けられないから助けてほしいと言う。雄二は幸から小箱を預かり、みちるの部屋を掃除することになった。小箱を開けると中からみちるの顔だけ切り取られた写真とクラスメイトの特徴を描いたメモ、自分が「美浜」でどう演じるべきかを細かく記したノート、そして日記が出て来た。

日記には世界が怖いが生きていかなければならないこと、記憶の欠如への恐怖、雄二がやってきた日のこと、ニャンメルと仲良くなったときのことなどが書かれていた。
そして、雄二とキスしたこととデートごっこへの思いと雄二との関係が壊れることへの恐怖から「もう一人のみちる」に身体を譲るということが書かれており、それに対する「もう一人のみちる」からの返事が書かれていた。「もう一人のみちる」は身体を使ったことに悪気はなかったこと、みちるの努力を理解し「親友」になりたかったという。

1週間後にみちるは帰ってきたが、それはみちるではなく「もう一人のみちる」であった。雄二はすぐに気づき、周りのクラスメイトも異変に気付いていく。
「もう一人のみちる」曰くみちるはもう出てくることはないという。雄二は「もう一人のみちる」と話し合うい、彼女はみちるの望むようにしてあげたいと言う。雄二はみちるの本心を聞くために簡易の催眠術を使いみちるを引きずり出すことにする。表に出て来たみちるは悲しいことが嫌だから死にたいと告げたことで雄二はみちるを殺すことにする。

雄二はみちるに暗示をかけて体を動かせなくし、箱に入れて周りにみちるは死んだと言う。クラスメイト達は動揺し泣き悲しむが雄二の言葉でみちるにあてた手紙を書いてもらいそれをみちるの入っている箱に入れていく。そして、雄二はみちるが好きだった高台に埋めた。雄二に暗示は長くは続かず、すぐに体の自由を取り戻したみちるは箱の中にあった端末で雄二からの着信を受ける。生きたいと思うなら自分に電話してこいと言われそのまま切られてしまう。
みちるは端末の光を頼りに皆からもらった手紙に目を通していくなかで自身の死を理解して恐怖していく。その中で「もう一人のみちる」が現れ誰かのためではなく自分のために生きろ、そして戻ってきて一緒生きようと告げて消えた。
みちるは生きるため、雄二たちに会うために箱の扉を開くとそこには死んだ「親友」がいた。

生きることを選び地上に出たみちる

これからはずっと一緒だよと言う彼女にみちるは雄二たちと生きる世界を選ぶことを告げて、指を地上に向けて伸ばすと雄二により引っ張り上げられた。雄二はみちるが箱に入り生きる気力を取り戻すと信じて11時間も傍にいたのだ。みちるは雄二に礼とごっこではなく恋人になりたいと言い、失うことのへの恐怖を克服して見せた。雄二はみちるを受け入れ、彼女を背負い「美浜」へ帰り、そして日常へ戻っていった。

日常に戻ったが、みちるは「もう一人のみちる」が気がかりであり一緒に幸せになりたいと思うようになる。雄二はみちるを披露させて彼女が出てくる隙を作ることにより対話に成功する。そして「もう一人のみちる」に心残りを聞くことに。

彼女は不慮の交通事故で脳死の判定を貰ってしまったのだ。意識はあるが体を動かすことも声を出すこともできずにいる娘を両親は必死に看病したが回復することはなく、疲れていく両親を見て殺してほしいと思うようになる。ある時、心労から母親が倒れたことで限界を感じた父親は娘の心臓を提供することを決意。父親は最後まで傍には居たが触れてもらうことはなかった。そして、みちるの体にやってきたのだ。
みちるからの恩返しとして、何をしてもらいたかの問いに彼女は両親に会いたいと願った。雄二はこれを叶えるために千鶴とJBを使い近くを飛んでいた飛行機を捕まえて校庭に降ろし、それに乗り「もう一人のみちる」の生まれた国へ向かった。
生家に着いた彼女を当然娘とは思わないが母親は快く家へ招いてくれた。そして父親が1年前に亡くなったことを知る。帰り際に「もう一人にみちる」が何も言えなくなってしまっていると、みちるが手助けをするように母親に手紙を書くと約束する。

その後、手紙のやり取りをしていると「もう一人のみちる」が書いた手紙に紛れていた「もう一人のみちる」は天井裏に大事なものを隠す癖があるから探してみてとみちるが書いた文から、母親が天井裏を見てみるとそこには幼い頃に彼女が描いた母親のイラストと「ありがとう。だいすき」の言葉が綴られた紙が出て来たのだった。

みちるバッドエンド

検査入院の準備を済ませたみちるに彼女が去ってしまうかもしれないさびしさから雄二は行くなと言ってしまうがみちるはきちんと検査してくる言い病院へ行ってしまう。

しかし、みちるは検査入院初日に自殺未遂をしてしまう。一命は取り留めたものの一時的な心肺停止による酸素欠乏で脳に障害が残ってしまう。みちるの両親は手がかかることを考え再び「美浜」へ戻すことにし、雄二は彼女と再会したが別人のようになってしまったみちるは雄二にしか懐かず、彼に近づく女性にクラスメイトだろうと敵視するようになる。
みちるを連れてデートをしていると彼女は死んでしまったはずのニャンメルがいると言い拾った白いビニール袋を愛おしそうに抱きしめる。

雄二にはみちるが抱える本当の心の闇に気づくことはできなかった。しかし、手を伸ばせばみちるがいるという事実は平穏な日々を手に入れた事なのかもしれないと自分を納得させる。
雄二とみちると猫はずっと高台から海を見ていた。

蒔菜ルート

最初は蒔菜の人見知りがあり距離があった雄二と蒔菜だったが、交流を重ねていくうちに蒔菜は雄二を「お兄ちゃん」と呼び慕うようになった。
ある時蒔菜から「兄から父にレベルアップをしたい」とのメールを受けて、詳しく聞くために蒔菜の元を訪れる。蒔菜は幼い頃に父を亡くしたから、父の代わりが欲しい思っており雄二が自身の父になってほしいと言うお願いだった。蒔菜は考える雄二に金を渡し買おうとまでする。その姿に誰も正しいことを蒔菜に教えてくれなかったことを悟り、自身なら蒔菜に何をしてやれるだろうか考えた末に金を受け取り、蒔菜の父になった。そして蒔菜の母親から渡された一生分のお小遣いである7千万の小切手を出した。蒔菜はアイリスグローバル社を経営する入巣家の令嬢であり、本来なら次期当主の身であるがとある事件をきっかけに身内とは絶縁状態であり、お金だけで渡されていた身であったのだ。

雄二はJBから蒔菜に関する情報を仕入れて蒔菜を取り巻く複雑な事情を理解していく。
それから雄二は蒔菜に父として自転車乗り方を教えたり、基礎体力を上げるための運動をレクチャーしたり、雄二の経験を活かした射撃訓練などをこなしていく。蒔菜は雄二と過ごす中で人見知りだったのにパン屋でバイトをするまで成長していく。

天音のバイクで山小屋へ向かう2人

その中で夏休みはどうするかの話になり、雄二は自身の師匠の墓参りに行くと言い蒔菜がそれについていくことになった。雄二は天音からバイクを借りて二人は雄二が師匠である日下部麻子(くさかべ あさこ)と住んでいた山梨県山中の山小屋へ向かう。そこで麻子とはどいう人物だったのかを蒔菜に話していく。そして、山小屋の掃除をした後山小屋付近にある麻子の墓の元へ訪れる。墓と言うには少々お粗末なものであり、適度に見栄えのいい巨石を立てだけのものであり名前すら刻まれていないものだった。しかし、そこにはきちんと麻子の遺骨が埋められていた。雄二は墓前で蒔菜を紹介する。
雄二は蒔菜を守るために生きているのかもしれないと感じるようになる。

墓参りから「美浜」へ帰ってきた蒔菜はパン屋はバイトへ向かう。その日の18時ころに三嶋崎商店街のコインパーキングにて駐車されていた乗用車が爆発したというニュースを由美子から聞き、バイトに行っていた蒔菜を心配していると、由美子から爆発した車は入巣家の車であり蒔菜の妹が乗っていたという話を聞く。このことから入巣家で何かが起こっていることを察する。
蒔菜はパン屋のバイトで配達の途中で父違いの妹である沙里菜の姿を見かけており、その時に爆発に巻き込まれたが幸い軽傷で済んだが沙里菜は臓器移植が必要なほどの重傷を負ってしまう。そして重症の沙里菜が入巣宗家の次期当主の地位を失うことで、蒔菜に当主の椅子が回ってくることによりなんらかの危害が及ぶことを察し、バイト先の上司であるJBに「市ヶ谷」の仕入れた入巣家の情報を教えてもらおうとするが余計なことをするなと釘を刺されてしまう。

蒔菜の心のケアをしている中、蒔菜に先代当主である祖父から電話がかかってくる。祖父は蒔菜に宗家へ戻って来いというが蒔菜は拒否した。しかし、蒔菜は宗家の人間は蒔菜を諦めておらず、沙里菜の車爆発事件は宗家の人間の仕業ではないかと推測する。蒔菜関連のことはすべて宗家と分家のお家騒動であり、分家の子どもで代表の沙里菜と宗家筋直系の蒔菜のどちらが入巣家を継ぐのかを争っているのだ。
その後、蒔菜を守るために蒔菜にも伝えず蒔菜の行動を見守ることにしていると、彼女を監視している不審な男を見つける。雄二は作業服を着た外国人不法就労者に返送して男に近づきICレコーダーと携帯、財布をくすねて男の身元はIGS探偵社の人間であると確認する。分家の人間が蒔菜の素行調査に雇ったものだった。雄二が蒔菜を守るための術を考えていると由美子から蒔菜はまだ当主の座にいることになっており、沙里菜はあくまでも代理であるという情報を得る。
そして、蒔菜を当主から辞任させるのは戦前から政治、産業、流通に根強く関与する入巣の宗家を勝ち馬として支えてきた企業が不利益を被ることになるため相当難しいことと、仮に分家に主権が移った場合由美子の見立てでは国内流通、小売り、製造、海外輸出入を含む国内で7パーセントの景気後退による世界ショックが起こるということだった。しかし、蒔菜は健康上の理由により7年前に当主の座を妹に預けたことになっており、10年当主の任に復帰ができなければ家督相続権を強制的に剥奪されるから3年逃げ切れば蒔菜は普通の女の子になれると由美子は言った。

翌日、蒔菜が務めるパン屋が分家の人間により牽制目的で銃撃されてしまう。落ち込んでしまった蒔菜は寮の外に出ることが出来なくなってしまった。
その後雄二は現在入巣家を仕切っている蒔菜の母である清夏に接触、蒔菜の代理人として話し合いをすることに。しかし、清夏の人を食ったような性格のせいで雄二との話し合いは意味を成さず、結局蒔菜と清夏の電話を繋ぐ役しかできず、惨めな思いを抱えながら寮へ帰ることに。しかし、寮に帰ってきたときに天音から着信がきて蒔菜のバイトしているパン屋が火事で燃えていると知らされる。火事を知らされた蒔菜はパン屋へ走り、将来の夢はパン屋か狙撃手とまで語っていた蒔菜は燃えるパン屋を前に泣いてしまう。天音の話では放火されたということであり、雄二は分家の仕業であろうと察する。
蒔菜は意気消沈しながら寮に帰ってきて清夏に電話してくると言い部屋へ消えていった。雄二は蒔菜を心配して様子を見に部屋へ行くと泣き疲れ眠る蒔菜がいた。雄二は思わず蒔菜にキスをすると蒔菜は起きていて抱いてほしいとお願いしてきた。雄二はそんな蒔菜を受け入れた。しかし、雄二の元にJBから命令が下された。それは蒔菜の暗殺だった。納得がいかずJBに食って掛かるがそれで何が変わるわけだはないとし雄二は任務を承諾する。
寮に帰ると幸がバイク便から雄二宛てに荷物を預かったと差し出してくる。その荷物はJBが社員を使って届けさせた部外秘の入巣家と蒔菜に関する情報が書かれた書類だった。

入巣家は国政に深く関りを持つ家であり、さらに横領、水増し、国家事業に纏わるインサイダー取引など汚職の塊のような家であった。しかし入り婿である蒔菜の父はそんな入巣家でも清廉潔白であろうとした。それまで外様扱いだった父は蒔菜の誕生と共に入巣家の核心とも言える闇に触れることになり、巨悪に取り込まれまたことを後悔。父は娘のためにも歪んだ入巣の家を正そうと動いたが、蒔菜を誘拐されてしまう。身代金を用意したが金額が足りなかったが必死に娘を返すよう説得しているなか、犯人の一人がテレビに妻清香と紗里菜が優雅にコンサートへ行く場面であった。父は自分が入巣を正そうとしたことにより邪魔者として見捨てられたと悟る。その後、一族の用意した誘拐犯により蒔菜の目の前で殺されてしまう
蒔菜は拘束されたまま1週間もの間父親の死体が腐っていくのを見ながら倉庫に閉じ込められたことで、精神的肉体的ストレスにより救助時は凄惨を極め、その後はPTSD(心的外傷後ストレス障害)による諸症状と合併症に苦しめられ、分家の管理する病院に6年も閉じ込められることになった。

その後、雄二はと蒔菜は蒔菜がこのまま学園にいると他のクラスメイトに迷惑がかかると危惧し二人で逃亡生活をすることを決意。「美浜」の理事長娘である由美子に頼み二人を除籍扱いにしてもらい学園からでることに。学園から出る際に蒔菜は天音からホームベーカリー、幸からリンゴの苗木、みちるから2千円を貰う。
逃亡先を考えているとJBがやってきて、こんなことはやめろと説得してきたが雄二は蒔菜を守るためにやめない意思を示す。JBは雄二が承諾するとは思っていなかったようであっさり説得を諦めた。そして独自に仕入れた情報を雄二に教える。それは、ただ逃げるだけでは蒔菜は解放されない事、パン屋が放火された夜に蒔菜から清夏に電話でこれ以上自身に干渉すれば汚職の事実を暴露すると言ったというものだった。蒔菜は瞬間記憶という能力を持っており、幼い頃に父の部屋で見た汚職の証拠を事細かに覚えていたのだ。そしてこの清夏に対する脅しが原因で蒔菜暗殺計画が立ち上がったのだ。

雄二たちは当面の潜伏先として古い宿に泊まることに。一方JBは部下であるキアラと共に雄二の捜索をしてたが、向かわせた工作員は雄二により重傷を負わされていた。しかし、JBたちは着実に雄二たちを捕まえるための作戦を練り、宿への突入準備をしていた。外で何十人もの部隊が取り囲んでおり、数人が宿内へ突入すると二酸窒素という爆発の危険が物質の反応があるが、室内では動かない対象人物をとらえ突入したが爆発してしまう。
一方雄二たちは宿の冷蔵庫に隠れており、混乱に乗じて隊員になりすまし脱出。二人は逃亡した。雄二に出し抜かれたJBは頭を抱えていた。結局爆発した部屋から回収できたのは蒔菜が幸からもらったリンゴの苗木だった。そしてそれは、半ば都市伝説になっている「地下の教授」から解析報告書と共にJBの元へ返ってきた。そして鉢植えは元の場所に戻して来いとの指示を受けてJBはわけもわからなかったがリンゴの苗木を爆発した部屋へ戻しに行くことになった。

雄二は潜伏先を変えても夜になり蒔菜が寝た後に追っての排除をしていた。それが終わり宿へ戻ると寝ているはずの蒔菜の姿がなく、雄二は蒔菜が忘れてきたリンゴの苗木を取りに行ったのだろうと元いた宿へ向かった。蒔菜は雄二が夜にどこかへ出掛けているのを知っており、これ以上迷惑はかけられないと雄二に内緒で忘れた苗木を取りに戻っていた。部屋にたどり着くも、そこには蒔菜たちを探していたCAI捜査員がおり、蒔菜は雄二から教わった護身術を駆使して逃げようとするが、実戦経験の無さからこれをしくじってしまい激昂した捜査員に撃たれ殴られてしまう。捜査員は駆け付けた雄二に排除され蒔菜の止血をしてその場を離れようとしてると、苗木を戻しに来たJBに遭遇する。JBは蒔菜を見てそのままでは助からないから渡しなさいと言う。蒔菜を助けるためにJBに預け、雄二は姿を消した。

蒔菜は病院へ運ばれたことで一命を取り留め、入院により身柄を確保したため暗殺命令は一時保留の扱いとなった。蒔菜のところへきた清夏は紗里菜が臓器移植が必要な状態であり蒔菜の臓器を使うと言い出す。傍に居たJBが意識はなくとも耳は聞こえているのだからそんなことを言うなと咎めるが、蒔菜が生きていることに不都合がある清夏は気にも留めなかった。
雄二はJBたちから姿を隠している間に確実に蒔菜を助ける方法として清夏暗殺を計画する。そして、蒔菜の入院している病室へ向かい蒔菜に明日には終わっているから駅で待っていてくれと言い残し、清夏のいるアイリスグローバル本社へ向かう。

清夏に銃口を向ける雄二

雄二は業者になりすまし、社内へ侵入すると社長室へ向かい清夏と対峙する。清夏を足払いで床に倒し頭へ向けて拳銃を構える。清夏の蒔菜にもう手は出さないから殺さないでと命乞いをする顔を見てパン屋を放火されたときの蒔菜の顔が重なった。

蒔菜ハッピーエンド

雄二に清夏は殺せなかった。どんなに酷い母親でも親殺しをすれば後悔するからだ。すべてが馬鹿馬鹿しくなった雄二は笑いながら床に座り込む。清夏はその隙に警報装置を鳴らして警備員を呼ぶ。雄二はすべてを諦め、警備員に拘束されそうになるが、蒔菜が待っていることを思い出し、抵抗して逃げるが肩を銃で撃たれて負傷してしまうが逃亡に成功する。
翌朝、JBは蒔菜の元へ訪れ清夏が雄二からの襲撃を恐れて紗里菜を連れて海外へ逃亡したこと、雄二がわかっていないこと、今後の身の振り方をどうするのかを話した。蒔菜は雄二の元へ帰ると応えた。そして、蒔菜は夕方に病室から姿を消した。

蒔菜は雄二言われた通り駅で待っていた。雄二がやって来て二人は再び逃亡するとことになり、電車に乗り込む。二人は遠くで蒔菜のしたいことをしようと言う。しかし、雄二は清夏のもとで負った傷からの出血で意識を失ってしまう。

その1年後、蒔菜は雄二から返してもらった7千万で海辺の小さな町でパン屋を開いていた。日本人が焼くパンということで最初は客足は悪かったが努力の甲斐あって蒔菜のパンを楽しみにしてくれる客も出てきていた。そして、その傍には雄二の姿もあった。負傷が原因で右腕を失っていたが命に別状はなく蒔菜と共に過ごしていた。
蒔菜はパン屋を経営するなかで、負傷した雄二からエースナンバー9029を受け継ぎ市ヶ谷に籍を置いていた。そして、相棒になったJBの部下であるキアラと共に仕事をしていくのだった。

蒔菜バッドエンド

雄二は清夏暗殺に成功する。そして、蒔菜の元へ戻ろうとするが警備員がやってきて交戦し、全身を負傷する重傷を負い消息を絶つ。翌日JBはキアラから蒔菜が病院から姿を消したと報告を受けるが、放っておけと指示する。どうせ逃げる場所などなく味方もいないのだから、素養があれば会社に戻ってくるだろうと思われたのだ。

蒔菜は駅で雄二を待っていると、雄二が全て終わらせてきたと言い、どこか知らない遠い所へ行こうとする。しかし、雄二は出血から倒れてしまい、蒔菜に蒔菜名義の銀行の通帳と暗証番号を託す。雄二は目すら見えなくなった状態で自身が所属していた会社の名刺を渡し、何かあったらそこへ連絡しろと言った。
蒔菜は雄二が動かなくなったあと彼から貰った名刺の番号に連絡し、キアラに保護された。キアラの手伝いにより蒔菜と雄二はアメリカに行き、蒔菜の念願だったパン屋を開く。しかし、パン屋の評判は良くなく、客が店内に足を踏み入れると嫌な顔をして逃げてしまう。味には自信があるのに残念だと思いながら、客足がないため雄二に朝ご飯にしようと雄二の死体が詰められたごみ袋に話しかける。蒔菜は精神崩壊を起こしており、雄二が死んだ後も受け入れられず生きていると思い込んでいたのだ。そして、蒔菜のお腹の中には雄二との子どもがいた。
蒔菜は雄二の死体とパン屋を経営しながら、雄二からエースナンバー9029を継ぎ妊婦の身で仕事へ行くのだった。

幸ルート

一緒にいることで幸の万能さに興味を覚えた雄二は、夏休みの間にクラスメイトの発案で幸の万能さをはかるテストをすることになる。
テストでも万能さをみせる幸に感心していた雄二だが、蒔菜の「風呂で一万数える女になる」という提案が原因で幸が湯あたりを起こしてしまう。そして、幸の「言われたことを頑なに守ろうとする」姿勢に違和感を覚えていく。雄二は幸の能力を調査するために幸の傍で観察をしていく。そんななか雄二はJBから仕事が入ったとして呼び出されたため、テストの時間を夕方にずらしてほしいと言い、終わり次第いつもの場所に向かうから待っていてくれと頼み外出する。

しかし、雄二が仕事を終えて帰ってきて、いつもテストをしている教室に約束したはずの幸がそのまま行方不明になる事件が発生してしまう。
雄二達は幸の行きそうな場所を捜し回るも見つからないまま2日以上経過し、警察に相談することを検討する。
幸を心配した雄二たちは警察に頼んだ後も幸の行方を捜すために、先日の雄二と幸のやり取りの状況を整理していると、由美子が幸の思ういつもの場所は雄二の思ういつもの場所ではなかったのではないかという仮説を立てる。
雄二は幸の思ういつもの場所とはどこなのか考えていると、雄二の脳裏に幼い頃異性の友達といつも遊んでいた公園が思い浮かんだ。記憶を辿っていくと幸の容姿がその友達と似ていると気づく。
しかし、その友達はどちらかと言えば周囲を引っ張るタイプだったため、無意識にそんなはずがないと思い込んでいたため気付かなかったのだ。

雄二は幸を見つけるために三嶋崎から電車で数時間離れた町へ訪れた。この町は雄二が幼いころ住んでいた場所であり、幸とよく遊んでいた公園があった。
雄二はそこに幸が「いてほしい」という気持ちと、昔とは正反対の性格になってしまっている幸の姿から性格が変わってしまうほどの出来事があったのではないかと思うと「いてほしくない」という気持ちとを抱えながら公園へ向かう。

公園に着くとそこには昨晩の雨でずぶ濡れになりながらも雄二を待ち続ける幸がいた。幸は最初から雄二が幼い頃遊んだユウ君と呼んでいた人物であると気づいていたのだ、そのため、いつもの場所と指定されたことでいつも遊んでいた公園しか思いつかず、この場所にいたのだ。

幸が幼い頃の友達だったと知った雄二は幸の過去を知るために幸の過去が書かれた資料を取り寄せて何が幸を変えたのかを調べることとにする。

幸は小さな町工場の経営者夫婦の一人娘であり幼い頃は一人っ子だったため両親の愛情を一心に受けて育った。幸は両親と様々なことを頑張って両親に褒めてもらうことが大好きな活発な少女だった。
最初はごく普通の家庭で両親との時間も普通のものだったが、父親の技術が大企業に認められ仕事が増えたことで環境が変わり、仕事が忙しくなってしまったことで両親と幸が一緒に居る時間が減ってしまったのだ。生活は豊かになったが両親との距離から幸は寂しさを感じて、両親の仕事を憎むまでになっていた。

家にいても両親が構ってくれないことから寂しさを紛らわすために公園に行くようになった幸は雄二と出会った。
雄二は唯一自分を見てくれていた姉が部活動の合宿にいってしまったために家に居場所がないと言う雄二に共感した幸は、「ユウくん」というあだ名を付け、一緒に遊ぶようになる。
そして、一緒に遊んでいくうちに幸にとって雄二は大切な存在になっていった。
ある時、幸が公園のゴミ拾いをしているとやってきた雄二に褒められたことで、最近両親から褒められていなかった幸は喜んだ。誰も見ていないなら頑張らなくてもいいと思っていた幸だが、雄二が見ていてくれるなら頑張ろうと思うようになった。

しかし、ある時姉が事故死したことで雄二は引っ越すことになってしまう。幸は雄二を失いたくないためにいつもの場所(公園)でずっと待っているからと雄二を失いたくない一心で引き留めるも、雄二は引っ越してしまう。幸は自身が大好きなものは皆離れてしまうのかもしれないと思うようになってしまう。
そして、その翌日幸は10歳の誕生日を迎えた。その日は忙しいはずの両親が居間にいた。幸のために休みを取ったのだが幸は素直に喜べず、たった1日の休みごときで今まで自分が感じていたさびしさが無かったことにされてしまうのが耐えられず、両親と喧嘩して家を飛び出してしまう。そして、様々な場所を走り最終的に雄二と公園に無意識のうちにやって来ていた。

トラックに轢かれた両親を目の前に泣き叫ぶ幸

夕方になり、両親と喧嘩してしまったことを後悔し涙する幸は自分を呼ぶ父の声に気づいた。声の方を見ると両親が心配して幸を探しに来てくれていたのだ。大好きな両親の姿に嬉しさから駆け寄るが、彼女の目の前で両親は突っ込んできたトラックに轢かれてしまう。真っ赤な血の海に沈む両親を前に幸は動くことが出来なかった。父はピクリとも動かなかったが、母はまだ動いていて、自分のせいだと恐怖に震える「お母さん!」としか叫ぶことしかできなかった幸に、母は意識を失う直前に「幸…どうして…」と言い残し意識を失ってしまった。

幸はこの言葉に「どうして言うことを聞かなかったの?」と母が言おうとしたと思い込んでしまい、これが大きなトラウマとなってしまったこと悪夢に魘されるうちにで「言うことを聞かない子は悪い子」だと思い人の言うことを盲目的に聞くようになったのだった。このことで活発だった性格が大人しい性格になってしまった。

その後、辛い記憶が残る町から離れたほうがいいと判断されて新潟に住む伯父に引き取られた。中学に上がると、いい子は勉強ができるものだというイメージから外れぬように勉強をしたり、人の役に立つ子はいい子だと聞けば積極的に困っている人間に声をかけるようになった。そして、菩薩のような秀才がいると校内で噂になりそれを聞いた不良の少女に奴隷という扱いで様々な頼みを聞くようになる。
宿題の代行から他人への嫌がらせなど不良の少女が命令すれば幸はなんでもやった。しかし、何でも出来てしまう彼女に不良の少女が理不尽にも苛立ちを見せて無理難題を出して失敗させてやろうと幸に「テストをなくせ」という命令を出す。そして、幸はテストをなくすために学校を燃やすことにする。犯人として幸の名前が出たが、幸はクラスメイトから常習的にイジメを受けていたという証言から不良の少女たちが主犯だと疑われたが証拠不十分により、この放火事件は迷宮入り扱いとなった。
その後、幸の様子に異常性を感じた伯父夫婦が精神科に受診させた結果、通常の学生生活を送ることが困難であると判断され、「美浜」へやってくることになった。

幸の過去を知った雄二は幼い頃に自分を支えてくれたことへの感謝と幸への好意から幸のトラウマを解消して、幸が幸らしく生きれるように全力を尽くすと決めて彼女の彼氏となる。
夏休み明けに学力テストがあることを知ったみちるはテストが嫌いと言う理由で、幸に「テストをなくしてほしい」お願いしてしまう。もちろんみちるは本気ではなく冗談のつもりだったのだが、幸はすぐに頷くことが出来ないでいた。しかし、雄二はそお願いを幸とともに聞くことにした。そして、幸は学園をかつてのように火事にしようとするが、切ったはずのスプリンクラーが作動して火は消えてしまう。幸が慌てて火をつけなおそうとする中、雄二が現れスプリンクラーをオンにしたのは自身だと言う。

爆破され学園が崩れてしまう姿を見てショック受ける幸

依頼を失敗してしまったことで自身が「いい子」でがなくなってしまうこと、周りから嫌われてしまうことを恐れている幸に、雄二は依頼をこなせば幸は幸らしく生きれるのかを問う。幸が頷いたため雄二は学園内に爆弾を設置して、幸の目の前で爆破して学園を壊す。

幸はマヒしてしまっていた自身の感情が溢れて、仲間と過ごした大切な時間を過ごした場所をが跡形もなく崩れていく様にショックを受ける。雄二は盲目的に他人の言うことを聞き続ければ取り返しのつかないことになると言うことを伝えたかったのだと察した幸は自身の感情に素直になること決意。雄二対する好意を告げたことで本当の恋人同士になった。

その後も幸と過ごしていた雄二だったが、幸度々悪夢に魘されるようになってしまう。幸は自分らしく生きようとしているが、完璧にトラウマを乗り越えたわけではなかっのだ。
そんな時、幸の伯父から手紙が届き、中には古びた鍵が入っていた。幸の伯父と電話をしてわかったのは、そのカギが幸の生家の工場ものであることと中にある「幸の両親の真意」についてだった。現在工場は伯父が管理しており、中は事故当時のままになっているから、幸が「両親の真意」を知るべき時が来たら幸を連れて行ってほしいというのが伯父からの頼みだった。

雄二は悪夢に魘される幸に悪夢の原因を殺すことで解消することを提案する。そして、幸は悪夢の原因である未だ入院していて意識の戻らない母の元を訪れる。変わり果てた母の姿にトラウマから体調に異変をきたすが、どうにか傍に座る。

幸ハッピーエンド

幸の悪夢の原因は事故当時の母の言葉と自分のせいでこうなったという罪の意識からきているものだったことから、母と対面して自身の罪を再認識して罪の意識を与える母を殺すとことが悪夢を消すための方法という答えにたどり着く。しかし、母を殺そうと思っても幸せだった頃の記憶が蘇ってきて出来なかった幸はその場に泣き崩れてしまう。そこに雄二がやって来て「両親の真意」を知りたいなら手を取れと言い、幸はその手を取り幸の生家へ向かう。

意を決して工場内に入ると、そこにはあるはずの機械が無くなっていた。代わりに壁一面のパーティーの装飾と写真、賞状、テスト、が飾られていて、その一つ一つには両親からのメッセージが添えられていた。

両親の愛がこめられた光景を前にした幸は、自身は両親に嫌われていたと思っていたので疑問ばかりが浮かんでいた。戸惑う幸にあの事故の日に母が伝えようした言葉は「幸…どうしても見てもらいたいものがある」というものであり、幸を責めるものではなかったと雄二は仮説を立てる。
そして、机に残っていたオルゴールと手紙には沢山の両親から幸に対する想いが綴られていた。仕事が忙しくなったことで幸と一緒に過ごせる時間が少なくなったことへの謝罪から、今後は大好きな幸とたくさんの時間を過ごせるよう両親ともに仕事を変えるという決意と幸にこの工場を好きになってもらえるように考えた工場自体をアルバムにすること、本当に大切な人ができたらオルゴールを聴いてほしいという願い、そして幸の名前は「幸の未来が幸せであるように…ずっとずっと笑っていられるように…」という考えつかられたことなどが綴られていた。
手紙の最後には幼い幸には「愛してる」という言葉がまだ難しいかもしれないから自分たちの元に生まれてきてくれて「ありがとう」と書かれていた。

幸は両親が書いてくれたメッセージを受け止めトラウマから解放されたことで雄二と共にオルゴールを聴いた。

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グリザイアの楽園(ゲーム・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『グリザイアの楽園』とは2013年5月に発売されたアダルトゲームである。『グリザイアの果実』『グリザイアの迷宮』の続編であり、シリーズ完結作にあたる。メインルート「ブランエールの種」では前作「カプリスの繭」の最後から直接繋がっており、主人公・雄二がオスロに立ち向かい、ヒロイン達と平穏な生活を手に入れるまでを描く。同時収録の「Prologue De La GRISAIA」は『果実』の前日譚でありヒロイン達が学園に集まる過程を描いている。「萌えゲーアワード2013」では準大賞受賞。

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グリザイアの迷宮(ゲーム・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

グリザイアの迷宮(ゲーム・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『グリザイアの迷宮』とは2012年2月に発売されたアダルトゲームである。『グリザイアの果実』の続編で、各ヒロインのアフタールートと主人公・風見雄二の過去編である「カプリスの繭」などを収録している。「カプリスの繭」では雄二の家庭環境から雄二の姉一姫と両親が亡くなりテロリストに引き取られ殺人マシンなってしまい、後に自身の養母になる麻子に引き取られ育てられ、学園に来るまでを描く。「萌えゲーアワード2012」で、SILVER大賞・ユーザー支持賞および主題歌賞の金賞受賞。

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グリザイアの果実 -SIDE EPISODE-(ゲーム・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

グリザイアの果実 -SIDE EPISODE-(ゲーム・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『グリザイアの果実-SIDE EPISODE-』とは株式会社フロントウィング設立10周年記念作品であるアダルトゲーム『グリザイアシリーズ』の番外編エピソードを収録したゲーム。アニメ『グリザイアの楽園』のBlu-ray&DVDの初回限定特典としてPC用に配布されたダウンロードコンテンツである。シナリオは「グリザイアの有閑」「グリザイアの残光」「グリザイアの旋律」の全3本。後にPlayStation Vitaにて一般発売された。PlayStation Vita版のみ主人公フルボイスになっている。

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号泣必至!感動できるエロゲーまとめ【グリザイアの果実ほか】

号泣必至!感動できるエロゲーまとめ【グリザイアの果実ほか】

ここではゲーマーたちの間で「泣きゲー」と呼ばれる、感動で泣けるエロゲー、ギャルゲー、ビジュアルノベルをまとめた。感動する順に並べており、「感動」「ハマり度」「キャラ」「音楽」など要素別の評価もついている。『車輪の国、向日葵の少女』や『グリザイアの果実』などハズレのないラインナップとなっている。

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