グリザイア:ファントムトリガー(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『グリザイア:ファントムトリガー』とは株式会社フロントウィングが10周年記念作品として出した『グリザイアシリーズ』の1つである。Windows / Steatmから2017年4月に1巻と2巻が同時発売した。本編の完結作品である『グリザイアの楽園』の後の話になっており、前作の主人公達が去り、残された美浜学園は特殊技能訓練校として運用されていた。今作の主人公およびヒロイン達が美浜学園に在籍し、国家の敵と戦う物語となっている。フロントウィング初の全年齢対象(15歳以上)作品である。

『グリザイア:ファントムトリガー』の概要

『グリザイア:ファントムトリガー』とは2017年に株式会社フロントウィングから発売されたゲームである。2017年に1巻と2巻が発売された。パッケージ版は1巻と2巻が同時収録されたものになっており、単品で購入するにはダウンロード版のみとなっている。2020年7月時点で7巻まで発売されており、8巻で完結予定となっている。
パッケージ版は従来と違いDVDが付属しておらず、ダウンロードカードが入っているためプレイにはオンライン環境が必須となっている。

2019年には『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION』が、さらに2020年には『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION スターゲイザー』がPG12指定で劇場公開された。

PlayStation Vitaから2017年12月に1巻、2巻がセットになった『グリザイア ファントムトリガー 01&02』が、2018年8月には3巻、4巻がセットになった『グリザイア ファントムトリガー 03&04』が発売された。
また、Nintendo Switchから1巻から5.5巻までダウンロード発売され、2021年には1巻から5巻までを収録したパッケージ版『グリザイア ファントムトリガー 01 to 05』が発売された。

ストーリーは『グリザイアの楽園』完結後、『グリザイアの果実・迷宮・楽園』の主人公たちが去り、残された美浜学園は様々な理由から行き場を失くした少女たちが集まる特殊技能訓練学校となっていた。そして、その学校に所属する主人公・蒼井春人と特異技能を持つ5人の少女たちの話となっている。一部のキャラクターは名前がカタカナ表記で呼ばれる。

キャラクターデザインは渡辺明夫が担当。SDキャラクターはななかまいが担当。
シナリオは藤崎竜太が担当。

『グリザイア:ファントムトリガー』のあらすじ・ストーリー

グリザイア:ファントムトリガー vol.1

『グリザイアの楽園』にて市ヶ谷(防衛相)の秘匿組織であった日米合同対テロ組織中央調査部諜報2課分室(Central Intelligence and Research Second)、通称は「C.I.R.S.(サーズ)」は海上油田爆発事故が原因で、公にさらされることなった。そして、秘匿組織として刷新されて以降、C.I.R.S.の行っていた極秘活動は新組織、民間委託型工作諜報員育成機関(Social Ops. Research&Development)、通称S.O.R.D.(ソード)が引き継ぐ形となった。
S.O.R.D.は全国の学園組織を間借りする形で国防を担う存在の育成をおこなっていた。

ある祭りの夜。東京音頭を背中で聞きながら、屋台や道にあふれた人波の間を走る少女がいた。ニンジャの少女・狗駒邑沙季(いこまムラサキ)は耳につけたインカムに目標の人間を見失ったと告げた。ムラサキを責めるようにインカムから金切り声を上げたのは狙撃手の少女・獅子ヶ谷桐花(ししがやトーカ)であった。責められたムラサキは狙撃手で高所にいるのだから観測できないのかと問う。トーカは人込みでは「観測は無理」と言った。やがて、不毛な責任のなすり合いをし始めた2人を諫めるようにコンピュータ担当の少女・鯨瀬・クリスティナ・桜子(くじらせ・クリスティナ・さくらこ)が割り込んだ。
クリス(クリスティナの愛称)は目標が街頭カメラに映りこんだことで居場所の特定に成功したと告げた。ムラサキは目標の座標を求めたが、クリスは信号機を操作することで目標の逃走を誘導するから確保してくれとムラサキに頼んだ。また、トーカも目標を視認して、「歩道橋の上にいる目標を撃つことが可能」と言うと、クリスは発砲許可が出ていることから生け捕を目的にして足止めをトーカに頼んだ。
頼まれたトーカは目標の足を狙ったが、弾が頭にヒットしてしまったために絶命してしまった。生け捕りに失敗したクリスは別で動いていた強襲担当の少女・深見玲奈(ふかみレナ)に連絡を取る。レナはとあるビルの1室にて男の上に跨り、マウントスタイルで襟首を掴み何度も顔面を殴打していた。レナはクリスから生きている人間はいるかとの連絡を受けたが、今しがた最後の1人を殺してしまったところであった。話を聞いたトーカは狂犬のようなレナに「1人だけ生かしておけなど無理な願いだった」と呆れた様子を見せた。
それでも、死んだふりをして隙を伺っている生きている者がいないかと探そうとしたが、背後に気配を感じたレナは考えるより先に反射で撃ち抜いてしまった。インカム越しに響いた発砲音にトーカが反応するが、レナは反射で殺してしまったと謝った。
「また、上に怒られるじゃない」と怒るトーカにクリスはあとは本社の人間に任せるしかないと判断して、撤収を指示した。

ある日の朝、美浜学園の前に教員面接のために有坂秋桜里(ありさかしおり)はやってきた。学園内に足を踏み入れたが、面接の時間には早かったため学園内を見学しようとしたところで竹刀の打ち付ける音が聞こえてきた。有坂は音に誘われるように音の出元である体育館へと近づいた。体育館を覗くと、長身の女性とやや小柄な少女が対峙していた。その様子は長身の女性の一方的な打ち込みに少女が耐えているだけという、試合らしくない光景であった。それを見ていた有坂はまるでリンチのようだと思った。そして、長身の女性が少女の首元目掛けて突きをしようとしたところで有坂は思わず危ないと声を上げてしまった。
声を聞いた長身の女性は有坂に気を取られてしまい、その隙に背後から少女に頭目掛けて竹刀を打ち付けられた。痛さに声を上げた女性が少女に怒るが、少女は「聞こえない」と言い面を取った。面を取った少女は手拭いで目隠しをして、耳には雑音が流れているカナル型のイヤホンを付けていた。そんな状態で剣道をしていたことに有坂は驚いた。
有坂は長身の女性に「面接にやってきた者」だと言うと、長身の女性・仙石一縷(せんごくいちる)は自身は学園長であると名乗った。一縷は面接まで時間があるから自身はシャワーを浴びに行くからと少女に学園の案内を頼んだ。頼まれた少女は自身もすぐにシャワーと着替えを済ませるから待っていてと有坂の目の前で着替えようとする。有坂が誰かに見られたら困ると止めようとするが、少女は有坂が自身の性別を勘違いしていると指摘した。有坂が少女だと思っていたのは男性であり、蒼井春人(あおいハルト)と名乗った。

ハルトに学園内を案内されていると、有坂は美浜学園が普通の学園とは違う雰囲気を持っていることに気づく。ハルトが有坂のそんな様子に気づいて、学園の説明を始めた。秘匿組織であったC.I.R.S.が公になってしまったことで、新たに組織S.O.R.D.を設立。このS.O.R.D.が国防のための人材を育成するために放置されていた美浜学園を特殊技能訓練校として使用することなった。そして、S.O.R.D.はC.I.R.S.から名前だけを変えて中身をそのままというわけにはいかず、C.I.R.S.の幹部であった人間たちは更送されることになり、天下り先として美浜学園のような特殊技能訓練校の教官の職が与えられた。ハルトも元はC.I.R.S.の人間であり、教官(または伝習員(ハンドラー)という)であるという。ハルト曰く「美浜学園はクソみたいな大人が作ったクソみたいな人間の吹き溜まり。また一言で説明するならば殺し学園」と述べた。ハルトの説明をいまいち理解できない有坂であった
が、「詳しいことは一縷に聞け」と言われたことで学園長室へ向かった。

有坂は学園長室にて美浜学園の詳しい説明を受けることとなった。美浜学園に所属する生徒は特殊な事情を持ち、世間からは受け入れがたい子たちの集まりであると一縷は説明した。説明を受けた有坂はこれまで何校も教員面接に落ちていること、そしてそんな自身が最終的に美浜学園にたどり着いたのは必然であったのかと思った。それは、自身もまた世間から鼻つまみ者扱いであるからであった。有坂の母は服役中の身であり、有坂は犯罪者の娘であったのだ。
一縷は有坂の事情をすべて知ったうえで、美浜学園で働くかどうか今決めろと迫った。有坂は仕事、金、生きていく力、そして生きていることを許してほしいという気持ちから美浜学園で働くことを決めた。有坂はA組の担任を任されることなった。
A組の生徒は実際に危険な現場に出る人間が所属しており、インターン学生のようなものである。説明を受けてもピンときていない有坂のためにハルトは分かりやすく言うならば「1番ヤバい連中」が在籍しているクラスであると説明した。そして、有坂にはそのクラスで一般教科と精神衛生管理を担当することとなった。そして、クラスのことはクラス委員長のハルトに聞くようにと言われ、実際にクラスを見に行くことになった。

教室に着くと、レナ、クリス、ムラサキがおり、トーカは狙撃の任務のために不在であった。ハルトに促され有坂は自己紹介を済ませる。そして、生徒たちの自己紹介が始まる。ハルト専属のシューター(拳銃使い)のレナの自己紹介が済み、不在のトーカについての紹介をハルトたちがしているところにトーカ本人が帰ってきた。トーカは「有坂が担任教師になると聞き、自身はマークスマン(狙撃手)である」と言う。情報・会計士担当のクリスが自己紹介を済ませ、続いてロシアンニンジャであるとムラサキが自己紹介をする。ニンジャと言う単語に有坂は戸惑うが、ムラサキにいいように言いくるめられてしまい、真相はわからず終い。監獄のような学園の特殊な生徒たちを前にうまくやっていけるか不安を抱えながらも、翌日には普通の授業を行うことになった。

美浜学園で教師になって数日、生徒たちと交流する中で、生徒たちの表の顔の理解が進んできていた有坂。しかし、理解が進めば進むほど、生徒たちの抱える様々な問題に触れていくことなった。国家の敵に勝つためにと日々射撃訓練などをこなす生徒たちを「国防装置」としてではなく、人間としていたわりたい。しかし、それは自身が勝手に生徒たちをかわいそうと決めつけているための思い上がりであると感じて、生徒のために何ができるのだろうと有坂は自信を失くしていた。それらの気持ちを素直にハルトへ告げると、ハルトはもう少し気楽に考えてもいいのだとアドバイスをする。
しかし、学園で過ごすうちに不意に感じる、自身とは違う世界を生きる生徒たちの空気に学園に馴染めそうにないと零す有坂。ハルトはそんな有坂に「疲れているようだ」と言い今日は帰宅していいと告げた。有坂がハルトの元から去ると、ハルトは天井裏で盗み聞きをしていたムラサキを咎めた。ムラサキは有坂が「あとどれくらい学園にいてくれるか気になる」と言い、さらにA組の生徒は有坂を気に入っていると話した。ムラサキの言葉を聞いたハルトも有坂が残ってくれるといいなと零した。

公園のベンチにて悩む有坂

一方、有坂は学園から帰る途中で公園のブランコに座って悩んでいた。特殊な生徒たちを目にして、「彼女たちと自身は、どちらが不幸だろうか」と考えてしまう自身に自己嫌悪して、教師に向いていないと考えていた。有坂がため息を吐いていると、妙な男から話しかけられた。男は有無を言わさず、荷物を渡してきた。有坂は困惑して「人違いではないか」と言うが、男は無視してその場から立ち去ってしまった。困り果てた有坂は、荷物の中に本来の届け先の情報がないかと思い開けると、そこには拳銃と弾が入っていた。
困惑していると、今度は女が話しかけてきた。拳銃を見て動揺していた有坂は、女に人違いで渡されたもので自身のものではないと弁解を始めた。その言葉を聞いた女は納得したようにうなづいた。女はその荷物の本来の受取人は自身であると言った。そして、中身を見てしまった有坂を見逃すはずもなく、命が惜しければついてこいと指示した。

有坂が拉致されてから少しして、美浜学園にC.I.R.S.から有坂が拉致されてしまったという情報が入り、ハルトとA組の生徒が学園長室に非常呼集された。ハルトたちが学園長室に着くと、一縷と一縷の助手である野上(のがみ)により、状況の説明をされた。
有坂を拉致したのは公安指定犯罪団人吉会という組織であった。市ヶ谷本社からは有坂を助けろと指示されず、情報だけ渡された状態であったため一縷はハルトに判断を任せると言った。ハルトは「見捨てるという選択は気分が悪く、有坂は死なせるには惜しい善人である」と言う。話を聞いたレナは「ハルトが助けたいと言うなら動く」と言い、続いてトーカ、クリス、ムラサキも助ける方向で話を進めた。ハルトは人質の生存率は時間をかければかけるほど下がることを知っていた。そのため、迅速に解決するには片っ端から敵を皆殺しにした方が早いとして、その作戦で構わないかと一縷に聞く。一縷はA組の生徒が不器用であることを承知していることから、殺して構わないと返答した。作戦決行が決まり、生徒たちは各々準備に取り掛かる。更衣室にて有坂を絶対助けようと意気込むレナにトーカは有坂のどこが気に入ったのか聞く。レナは有坂はハルトに似ているからと答えた。ハルトも有坂もレナを理解するために、興味がないことでも話を聞いてくれる。そして、ただ勉強を教えるだけではなく個人を知ろうとしてくれた姿勢に応えるために、自身を隠すことなく全力で助けたいと言った。

有坂救出のための移動中にハルトたちはブリーフィングを開始する。「タナトスシステム」という人工知能を有したコンピュータを使い、人吉会の情報を整理する。有坂が連れていかれた場所は人吉会がよく利用している廃工場であり、女1人と男5人が集まっていた。クリスは「タナトスシステム」に廃工場内にいる人間のプリペイド携帯にアクセスして遠隔操作でカメラなどを起動できないか聞いてみるが、起動してもポケットの中などにあるのか何も見ることはできなかった。「中の情報がわからないまま突入するのは嫌だな」とハルトが言うと、ムラサキが潜入して内部情報を得ることになった。トーカは周辺の工場に登ってサポート射撃を行い、レナはハルトの合図で強襲、クリスとハルトは指揮車に残り指示役になった。

一方、有坂は廃工場で拘束されていた。人吉会のチンピラたちが女が有坂を拉致したのは面倒ごとを増やしただけであると言い争いをしているなか、ボスである人吉は「何か嫌な予感がする」と言う。そして「嫌な予感の原因は有坂ではないか」と続けて言った。人吉の言葉にさっさと殺すかという話が持ち上がるが、人吉はそれを制止した。人吉曰く、こういう女を殺すとロクなことにならないという。
現場に着いたハルトたちは各々ポジションに着いて作戦開始した。ムラサキは作戦通りに廃工場内に潜入。しかし、潜入したところにチンピラが2人やってきたことで、ムラサキは段ボールの中に隠れることになった。そして、チンピラの1人が段ボールの存在に気づいたことで殺し、さらにもう1人のチンピラも気づかれる前にと殺した。ムラサキはハルトに突入前に2人殺してしまったことを謝罪する。ハルトは迅速に行動に移すことに決定した。ムラサキに3分で廃工場内を調べて撤退すること、レナには3分後に突入することを命じた。そして、トーカには現ポジションから見える位置にいる人間の射殺を命じた。ムラサキにより有坂の居場所と人吉会の人間の位置が確認されたが、人吉の立ち位置が悪く場所が詳しく確認できないまま3分が経過する。突入開始するかと聞くクリスに「人吉の位置が知りたかった」とハルトが言う。すると、クリスは人吉に電話をかければいいと提案した。ハルトはその案を採用して、「タナトスシステム」に廃工場内にいる人吉会の人間の適当な携帯に電話をかけさせた。

運よく人吉の携帯にかかったため人吉が電話口に出た。ハルトは自身がS.O.R.D.の人間であると言い、さらに人質を解放して大人しく投降しろと続けた。しかし、大人しく従うわけもなく人吉はハルトに怒鳴り散らす。そのやり取りのおかげで人吉の位置を掴んだムラサキは、人吉の位置データを各端末に転送。人吉の位置がわかったハルトはトーカに発砲許可を出す。発砲許可されたトーカは外で見張りをしていた男の足、頭、心臓を撃ち抜いて沈黙を確認してハルトに報告する。報告を受けハルトはレナに「有坂を殺すな」とだけ命令して、突入を許可した。
クリスは遠隔操作でムラサキが潜入の際に仕掛けた爆弾で壁を爆破、スタングレネードを投入する。投入10秒後にレナが突入。レナはその場にいた女とチンピラを射殺したが、状況を察した人吉に逃げられてしまった。レナは有坂の無事を確認して、現場の脅威レベルが下がったことでクリスに従い銃を撃てない状態にしてホルスターへしまった。そして、クリスに有坂を連れて車へ戻るように指示され、それに従った。
車へ戻るとハルトを除いた生徒たちが待っており、各々有坂の無事を確認した。有坂は混乱から現状の理解が遅れていたが、じんわりと自身が生徒たちに助けられたのだと理解していった。

人吉の逃走を阻むハルト

逃げ出した人吉は突入してきたレナの地獄を覗いてきたかのような恐ろしい眼光に恐れをなしていた。人吉が感じていた嫌な予感とはレナの存在であったのかと思っていると、人吉の逃走を聞いたハルトが前をふさいだ。ハルトがS.O.R.D.の人間であると名乗ると、人吉は逆上して拳銃をハルトに向ける。しかし、ハルトはそれに恐れることなく、手にしていた刀で拳銃を振り払った。ハルトにクソガキと悪態をついた人吉にハルトは、「腐った世界しか作れない大人がデカいツラをするな」と言う。そして、なぜ、若者がこのような仕事をしなければならないのだと愚痴をこぼしたあと、次は善人に生まれて来いと告げて人吉を刀で刺した。
作戦が終わったことを野上に電話で告げて、ハルトは車まで戻る。待っていた生徒たちと有坂と合流して、改めて有坂の無事を確認した。作戦決行前にハルトがラーメンを奢るという話になっていたため「ラーメン屋に行こう」と言うレナを制止して、「有坂を病院へ連れて行こう」とハルトが言う。しかし、有坂は自身は大丈夫であると言い、ラーメンは自身が奢ると言った。
有坂はラーメン屋へ行く道中にハルトに事の経緯を1歩間違えば死んでいたはずの状況なのに笑いながら説明していた。その笑いはラーメン屋に着いてラーメンを食べているときまで続いてたが、やがてマヒしていた恐怖という感情が動き始めて涙があふれてきた。ハルトによくあることだと宥められて有坂は病院までハルトに付き添ってもらい、検査に異常はなかったということでビタミン剤だけ処方され、その日は眠りについた。

翌日、美浜学園の教室には生徒たちが集まり、有坂の状態の報告をハルトから聞いた。生徒たちは有坂の気持ちのことを考えると復帰まで時間がかかること、悪ければ復帰はないだろうと考えていた。有坂の前で何人もの人間を殺したことで、自身たちが有坂から脅威のある人間であると思われても仕方がないと思ったのだ。始業のチャイムが鳴ったことで、ハルトが勉強の指示をしていると、有坂が教室へ入ってきた。有坂の姿を認めたレナが驚く。有坂は昨日のような事件に巻き込まれたうえで何故教師を続ける気になったのかと問われると、「悩んだ末に答えが出なかった」と言う。そして、迷ったままでも進むことを決めた。それは、以前にレナが言った「迷って動けなくなったら、1番大事なものを思い出す」という言葉を思い出したからであるという。
有坂はこれまでの人生で嫌なことから逃げ続け来たことに自己嫌悪していた。しかし、生徒たちの姿を見て生かしてもらっているだけでは生きている意味がないことに気づき、逃げることをやめて向き合うことにしたのだ。「あらためて教師としてよろしく」と言うと生徒たちは有坂を歓迎した。

グリザイア:ファントムトリガー vol.2

とある港にて、美浜学園の姉妹校である京船桜が丘(きょうせんさくらがおか)の生徒でS.O.R.D.の工作員である少女たち、稲垣バニラ(いながき)とチョコはとある要人の護衛任務にあたっていた。
早朝5時半という時間の入港にチョコは文句を垂れていた。バニラはそれを嗜める。
護衛の対象であるトーマス・ベネディクトは元C.I.R.F.の(サーフ)(C.I.R.S.とオフィス違いの同業)職員で、半年前の任務中に頭部に銃弾を受けての負傷が原因で意識不明の重体となっていた。チョコはトーマスを武装護衛、さらには学生2人にさせるのは変であると言う。本社の人間にやらせばいいと言うチョコに、バニラも同じ疑問を抱いたことから上に問い合わせたが、答えは「聞くな」というものであった。
そうこうしているうちにトーマスを乗せてきた船が到着して、その船員が話しかけて来た。バニラがそれに応え、トーマスの引き渡しを頼む。しかし、船員はトーマスを渡せないと言い、さらにトーマスが消えてしまったと続けた。

同日の朝の美浜学園では射撃訓練場で有坂が山本の指導の元玩具の銃で射撃訓練をしていた。これは、有坂なりの生徒への理解を深めるための行為である。その光景を見つけたレナが自身の銃を使い有坂に撃ち方を教える。そして、レナが手本として撃つと言い、全弾命中が2.5秒以下であった場合、「なんか奢ってくれ」と山本に言い、スタンバイした。山本は「1.8秒以下であったら肉を奢ってやる」と言った。
レナが山本の掛け声に反応して銃のトリガーを引くが排莢不良を起こして撃てずに終わってしまう。レナが山本の整備不良を指摘するが、山本は「人のせいにするな」と一蹴した。しかし、危険であるため後で整備するための目印のシールを付けておけと山本は言った。
3人で会話をしているとクリスがやってきた。そして、レナに昨夜は何をしていたのかと聞いてきた。部屋で寝ていたと答えるレナにクリスは続けてとあるネットニュースを見せてきた。そこには、「無謀なライダー「ソウル・スピード」第3京浜にあらわる」と書かれていた。それは夜中に現れて、猛スピードで無謀な運転を繰り返す正体不明の悪質ライダーの記事であった。ライダーの特徴は腰より長い髪、くびれたウエスト、豊満な胸、乗っているオートバイが青色の日本メーカーのものであると記載されていたことから、クリスは条件を満たすレナが「ソウル・スピード」なのではないかと疑っていたのだ。そして、話を聞いた有坂と山本もレナに疑いの眼差しを向けた。
レナは自身ではないと否定した。そもそもレナのバイクは調子が悪く修理に出しており、それを今日ハルトが取りに行っているので乗りたくても乗れなかったという。

一方、ハルトは修理に出していたレナのバイクを取りに行っていた。元々バイクはハルトが買ったものであり、店頭に置かれていた頃から調子のいいものではなく、買う際にも店主からおすすめはしないと言われていた代物であった。それでも、気に入ったハルトは買ったが、あまりにも頻繁に調子が悪くなるバイクにさすがに売却を考えていた時にレナがハルトから買うと申し出たのだ。バイクを受け取り、試しに乗っていると修理に出したおかげか調子は良くなっていた。
バイクの調子を試していると電話が鳴り、出てみると相手は宇川千尋(うかわちひろ)だった。宇川は京船桜が丘でハンドラーを務める男であり、昔ハルトが世話になった上官だ。宇川はハルトに「少し面倒なことになったから助けてくれ」と言った。ハルトが少し渋ると宇川は「前に助けた借りを返すつもりで」と言った。それでも渋る様子を見せるハルトだが、実際は受けても問題ないと思っていた。しかし同時に、「素直に受けるのは面白くない」と思っていた。それをわかっている宇川がもう1度頼むとハルトはようやく受けた。

学園に戻ると一縷から非常呼集がかかり、A組の生徒とハルトは学園長室を訪れた。非常呼集の内容は野上から説明が入った。京船桜が丘が受けていた湾港入国管理局での要人の受け渡し予定があったが、その要人が消えてしまった。要人は自身で動ける状態ではなかったこと、介助をしていた看護師が共に消えてしまったことから、看護師が関与している可能性を疑っているとのこと。京船桜が丘も捜索をしているが人員不足により捜索が難航しており、美浜学園に支援依頼がきたという。
話を聞いたハルトは、「このような件はC.I.R.S.本部に報告したうえで本職の人間にやらせるべきで、学生にやらせることではない」と言う。野上はハルトの指摘に加えて今回の要人護送の件はC.I.R.S.のオーダーシートに乗っていない作戦であり、不審なものであると言った。話を聞いていたトーカが怪しいと疑うが、ハルトは「宇川は頭ごなしに疑ってかかる相手ではない上にもう受けてしまっている」と言う。野上が迂闊な真似をするなと露骨に嫌な顔をした。一縷は上からの命令ではなく、横、さらにはハルトを指定してのもなので行かせたくはないが判断はハルトに委ねるという姿勢であった。
ハルトは宇川から受けた仕事とは別に「詳しく調べてほしいものがある」とムラサキに頼んだ。頼まれたムラサキは快諾して学園長室を出て行った。その様子に「罠だったらどうする」と野上が怒るが、素直に聞く面子ではない。諦めた野上はクリスに武装携行許可証を渡した。そして、野上の方でも今回の件を調べることにした。

ハルトたちは神奈川県のとあるファミリーレストランで宇川とバニラ、チョコと合流した。ハルトは宇川に提示された資料以上の詳しい話を聞こうとする。宇川曰く、今回の要人護送は命令ではなく依頼の類であり、市ヶ谷の仕事とは別の副業のようなものであると答えた。副業についてハルトが微妙な反応をすると、宇川は「所属学生が2人しかいない京船桜が丘は正規の収入が少なく、その2人を食べさせていくには多少の副業は必要」と言った。
ハルトが依頼人について聞くと、依頼人は個人であるが依頼元はC.I.R.S.を通しているとのことだった。そして、依頼主の情報はC.I.R.S.の高官という情報しかきていないという。「適当だな」と呆れるハルトに、「運び屋が知らなくていい情報であったから詳しく聞かなかっただけ」と宇川は言った。そして、宇川はトーマスが消えたことをすっ呆けようとしたが依頼主に「手段を問わないから必ず取り返せ」と怒られてしまい、ハルトに支援要請をしたとのことであった。

捜索のために宇川も調べたが調べきれず、美浜学園の「タナトスシステム」に情報収集を頼みたいと宇川は言った。さらにムラサキにも頼みたいとのことであった。ムラサキはもう動いていると告げて、トーマスに随伴していた看護師について宇川に尋ねると看護師はバニラたちが見つけたが、逃げ出してしまったのを止めるために発砲した際に殺してしまったとのことだった。死体から集められる情報は集めたが、大したものにはならなかったという。
早速「タナトスシステム」に頼むことにするが、元は生きた人間を組み込み人格までもコピーされている「タナトスシステム」は「面倒だから嫌だ」と断ってしまう。しかしハルトが「仕事が終わったらゲームの相手をしてあげる」と言うと機嫌を取ることに成功した。「タナトスシステム」は湾港地区周辺の街頭カメラにアクセスして映像確認をしてくれることになった。すると「タナトスシステム」は海から荷物が回収されている映像があると知らせてきた。すぐに確認すると、カメラの解像度が悪く鮮明ではないが、荷物が人間であることが確認できた。
ハルトと宇川は状況から見てトーマスだろうと判断した。「タナトスシステム」はトーマスを回収している回収員はきちんと訓練されており、監視カメラに姿が映らないように行動しているという。このカメラの映像は貨物受け取りのために待機していた車両のドライブレコーダーのものであるという。

ハルトは「タナトスシステム」に追跡を頼むと、「湾港から出た車両は21台、運搬可能な車両は19台、その中から追跡可能なのは11台ある」と言った。宇川が「追跡できない車が怪しい」と言うと、車両の大半は個人所有のものであったが中に救急車も混じっていたことから、「救急車が怪しい」という結論に至った。「タナトスシステム」にさらなる追跡を頼むと5時間12分前に該当車両が映った映像を発見した。追いかけようと動き始め時に宇川の元に依頼主から電話が入ったため、宇川を除いた面子で動くことになった。
レナは自前のバイクで、ハルトたちは車での移動で現在わかっていることを話した。しかし、依頼主もトーマスのことも敵の狙いも何もかもわからないままであった。ただ、トーマスを乗せたであろう救急車が伊豆の別荘地に逃げ込んだことだけはわかっていた。
目的の別荘地に着き、トーマスが運ばれたと思しき別荘に入ると、そこには胸を大きく裂かれて絶命しているトーマスがいた。

絶命しているトーマスを見る面々

それを見たハルトは「わざわざ山奥につれてきて殺す理由がわからない」と言った。また、ただ殺すだけなら刺すだけでも十分なはずだが、トーマスは胸骨正中切開されて心臓が抜き取られていた。ハルトはそのことから犯人はトーマスではなく、心臓に用があったのだと判断した。そこに宇川から電話がかかってきて現状を聞かれ、ハルトが答えると、宇川はトーマスの遺体から心臓が抜き取られていたことを当てた。
宇川は依頼主との仲介役を捕まえて今回の詳細を吐かせて、荷物の本命が心臓であることを突き止めていた。また、そのことから国内の心臓移植待機者リストを調べて、現行C.I.R.S.の局次長である石部充徳(いしべみつのり)の名前を見つけた。そのことを石部本人に問うと、待機の順番が遠く、余命に余裕がないとして違法ギリギリの手段でトーマスの心臓を狙っていて、「夕方までに取り戻せ」と怒られたと言う。

心臓が抜き取られてしまったことから、心臓が移植可能時間は残り3時間となってしまった。誰がトーマスの心臓を盗んだのか宇川も調べていたが、「取り引きの仲介人が捕まらない」と宇川が言うと、ハルトが「その辺はムラサキに頼んでいる」と言った。そのため、ハルトたちは摘出された心臓の行方を追うことになった。タナトスにより心臓の行方を予測してもらっていると、ムラサキから連絡が入った。ムラサキは仲介業者を見つけ出し情報を吐かせたとのことであった。心臓を横取りしたのはロシア最大のマフィアのボスであるアレクセイ・ニコラビッチであり、アレクセイも心臓疾患を患っていた。アレクセイは石橋の2倍の金額で仲介業者から心臓を買ったとのことであった。そして、アレクセイは手術の成功率が高い日本で手術をするために日本に入国していた。話を聞いたハルトはもう少し調べてほしいと頼み、ムラサキは仲介業者の代わりにアレクセイに接近することにした。
そうこうしていると「タナトスシステム」のおかげで心臓を乗せているであろう救急車の居場所がわかり、バイクに乗ってスピードを出せるレナを先に行かせて追いかけることとなった。

一方、ロシアンマフィアの方ではアレクセイの息子であるニコライがなかなか届かない心臓に苛立ちを見せており、部下のセルゲイに当たり散らしていた。仲介業者と連絡が取れなくなっていたことにも苛立ちを募らせていると、仲介業者に変装したムラサキがやってきた。ムラサキとニコライがやり取りをしていると、ニコライに「心臓を乗せた車が襲われた」と連絡が入った。ニコライはマキという少女に心臓を取り返してこいと命令した。マキはアレクセイが飼っている少女であり、アレクセイが動けないためニコライが代わりに命令したのだ。
ハルトたちの方は心臓を乗せた防弾仕様の車に悪戦苦闘しながらもチョコの高威力の銃弾である440グレインのハードキャストを撃ち込むことで停車させることに成功した。運転手である男がかろうじて生きており「投降する」と言い、さらにロシア語でなにかを言ったところでバニラが撃ち殺してしまった。反射で撃ってしまったと言うバニラにトーカが何か都合が悪いことでもあるのかと指摘する。しかし、ハルトが「バニラとチョコはロシア人が嫌いなんだ」と言って不問にした。というのも、バニラとチョコは元々ロシアンマフィアを取り締まる仕事をしていたことがあるからである。とにもかくにも心臓の無事を確認しなければと破損して横転した車から心臓の入ったクーラーボックスを回収した。中を確認すると心臓の色が少しばかり悪くなっていたため、確認したチョコが不安げな声を出した。ハルトが宇川に心臓を取り返したことを連絡すると、宇川は至急回収に向かわせると言った。

「心臓を渡したら今回の仕事はお終い」と言うハルトにトーカが「バニラの言動などが引っかかる」と言う。ハルトはトーカの言いたいことを察したが、深入りはしないということになった。宇川の回収員を待っていると、緊急車両が近づいてきた。乗っていたのは私服警官であり、心臓を渡せと言ってきた。ハルトは「本当に警察なのか」などと聞いてみたが、心臓が悪くなることを考えて警官に渡すことにした。バニラが「本当に渡してよかったのか、宇川に確認した方がいいのではないか」とハルトに言うが、宇川は今連絡が付かない状態であるという。レナがどうしても怪しいと思うと言い、1人バイクで警官の乗っていた緊急車両を追いかけて行った。
ムラサキからハルトに連絡が入り、ムラサキは心臓の転売についての記録を調べたところ「面倒なことになっている」と言った。というのも、アレクセイ側と仲介業者のあいだで話が食い違っていたのだ。アレクセイ側は買ったと言うが、仲介業者側の記録に転売記録はなかったため、別の第3者が勝手に心臓を転売していたということが判明した。そして値段が相場の3倍になっており、さらに前金振り込みの口座と成功報酬振込口座が違っていたのだ。仲介業者の裏でさらに仲介している存在がいることに気づいたが、これ以上はムラサキだけでは調べきれないとして「タナトスシステム」に協力を頼んだ。そして、アレクセイの手下が動いたため、誰にも心臓を渡すなと言った。しかし、心臓はもう渡してしまった後であり、チョコが焦るが、レナから心臓が奪われたと連絡が入った。

レナ曰く、警官を追って近づいたら発砲されて、警官の側にいたバイクに乗った女に警官が心臓を渡したとのことであった。そして、レナが現在心臓を持っているバイクの女を追いかけていた。通信を聞いていたムラサキが「バイクの女はアレクセイの部下のマキである」と言った。レナはバイクの色や形から巷で「ソウル・スピード」と呼ばれている女であると気付いた。マキの速度が速く、通信をしながらでは峠道のコーナーの立ち上がりなどで突き放されてしまうとして、レナは通信を切った。ハルトはムラサキにマキについて調べるように告げて通信を切り、レナの後を追いかけることにした。
レナはマキを追いかけてじりじりとコーナーで距離を詰めるが、直線で離されてしまい決定打にかけるレースをしていた。そこで最終手段としてバイクに乗ったままマキのバイクに体当たりをした。そして、その勢いのまま転び、近くの森へとなだれ込んだ。レナが転んだ痛みに呻いていると、レナより早く立ち直ったマキに銃を突き付けられた。マキはレナをシックスと呼び、レナはマキの発言を聞いてマキのことをバックスと呼んだ。レナとマキは幼少期に出会っており、姉妹と呼べる仲になっていた。そして、2人は殺し屋育成施設ホロゥ・ハウスにて共に過ごした。シックスとバックスはその時の名前である。そして、2人は人身売買のオークションを期に離れ離れになったのだ。
マキは自身を買ったアレクセイのために「心臓を届ける仕事を全うする」と言うが、レナは仕事とハルトのために引くわけもなく、お互いに発砲して戦うことになった。しかし、マキは「レナの45口径と正面から戦う気はない」と言い、森を進み山の中へ逃げて行った。レナが追いかけようとしていたところに、ハルトから電話が入り、それに応答する。ハルトは自身が到着するまで待てと言うが、レナは「待っている間に逃げられてしまう」と言い、またマキを「自分以外に殺されたくない」と言ってハルトの指示を無視して行ってしまった。

レナがマキを追いかけ隠れながら接近するが、マキは容赦なく銃を四方八方に撃ってくるため近寄ることが難しかった。幸いにもレナの居場所がバレていなかったため当たらずにすんでいたが、ハルトからの電話の着信音でバレてしまいそうになり逃げる。ハルトはレナに「命令無視をしたならば、それ相応の結果を持ち帰れ」と言ってレナにすべて任せることにした。そして、「責任はすべて取るから、思い切りやれ」と指示した。そして、ハルトはレナに「負けるな」とオーダーした。オーダーを受けたレナは戦意が高揚するの感じていた。レナは銃を抜いてマキと対峙した。お互いに1歩も譲らない撃ち合いを繰り広げていると、同時に弾切れでリロード作業に入る。マキはリロード時に銃のスライドの尻を叩く癖があったことから、レナの方が早くリロードを終えた。そして、撃とうとしたが排莢不良により発砲不可になってしまった。マガジンを確認するとそれは要修理のマガジンであり、間違って持ってきてしまっていたのだ。
レナの挙動で状況を理解したマキがレナ目掛けて撃つと、弾はレナの顔面目掛けて飛んできた。レナは咄嗟に持っていた銃で顔を庇う。レナは助かったが、銃は使い物にならなくなってしまった。レナは銃を捨て、マキに殴りかかった。

フロント・ネックチャンスリー・ドロップを決めるレナ

マキに殴り合いを教えたのはレナであり、マキの癖を熟知しているレナはどんどん攻めていく。そして、マキが膝を崩したところでフロントチョーク(頸絞)を決める。そのまま締め落とさずにフロント・ネックチャンスリー・ドロップ(縦挫(たてひしぎ))を決めたことで決着がついた。マキは気絶してしまい、レナは勝利の雄たけびを上げた。そこにハルトたちが到着した。心臓を取り返したことを確認してハルトがレナのバイクで運ぶこととなった
レナはハルトに手放しで褒められるとは思っておらず、ともすれば叱責も覚悟していたがハルトはどちらもしなかった。ハルトの表情を確認したレナは、自身が中途半端な仕事をしてしまったことを認識した。自責の念に駆られ、ハルトを好きでいることすら苦しくなるほどであった。

ハルトが無事に心臓を送り届けたあと、宇川から連絡が入った。ハルトは心臓を無事に届けてよかったのか聞く。宇川はとぼけていたが、ハルトは初期の段階から疑っていたことを話すと、宇川は自身が転売の犯人であると自白した。石橋はS.O.R.D.の規模縮小案を会議で提出する予定であり。それが通ってしまうと小規模のところから潰されることになり、そうなると規模の小さな京船桜が丘が真っ先に潰されることになる。それを阻止するために行ったのだ。ハルトに「上に伝えるのか」と宇川が聞くと、「今回は黙っておく」とハルトは答えた。親しい宇川だからこそ、今回は黙っておくという判断をしたのだ。ただし、ハルト自身だけならまだしも、ハルトの部下を巻き込むのは止めてほしいと付け加えた。
宇川は電話を切り、帰ってきたバニラとチョコを迎え入れた。

心臓を横取りし損ねたロシアンマフィア、石橋を間接的に暗殺しようとした宇川、心臓を横取りされたが取り返した石橋と様々な思惑が絡み合っていた今回の事件。誰が得をして。誰が損をしたのかもわからない状態ではあったが、とりあえず元通りだ。しかし、ハルトたちが取り返した心臓は素人が雑に取り出したせいで使い物にならなくなっていた。そして、石橋が違法に心臓を手に入れたのが各所にバレてしまった。しかし、密輸を担当した京船桜が丘は密輸の件を「知らない」と言い通したおかげで石橋は事なきを得た。というのも、京船桜が丘に物を運ばせている人間たちからしたら、これ以上つつくのは藪蛇になってしまうからであった。
そして、野上からアレクセイが亡くなったためにロシア最大のマフィア組織が崩壊したと情報が入った。そして、マキのことを調べたと言った。出身などの記録が書類上になく、唯一わかっているのはホロゥ・ハウスの出身者で、5年前にアレクセイに買われたことだけ。話を聞いたハルトはレナのいた施設であると気付き、レナがムキになって追いかけていたことに合点がいった。ハルトは「マキをどうするのか」と一縷と野上に聞くと、飼い主であるアレクセイが死んだことで帰る場所がないため、簡単な調査をおこなった後市ヶ谷に送るとのことであった。しかし、一縷は「市ヶ谷に送るということはマキは殺処分になってしまうからもったいない」と言った。というのも、レナのついでにマキも治療したのだが、そのときに身体の作りがレナに似ていることから身体能力の高さや頑丈さがレナに匹敵することに気づき、殺処分したくないというのだ。一縷個人としては美浜学園で引き取りたいが、最終的な判断はハルトに任せると言った。

ハルトが寮に戻るとレナが待っており、「話がある」と腕を引っ張られた。ハルトの部屋に着くと、レナはまず今回のマキとの戦闘の際に命令無視をしたことを謝罪した。そして、続いて銃を壊してしまったことを謝罪した。ハルトは両方を怒っておらず許した。ハルトが怒っていたのはレナがケガをしたことであり、レナが無茶をして自身の身体を雑に扱ったことが許せなかったのだ。しかし、レナは不器用であり暴力で解決することしかできない。「無茶をしないと言うのは誰でもできることであり、レナ以外の子が出来ない仕事をやらせてもらえないのであればレナがいる価値はない」とレナは言う。そして、「体が大きい自身はかわいくないから、こういうことでしか褒めてもらえない」と怒りだした。そして、ハルトに「自身は頑張ったよね」と問うと、ハルトはレナを褒めた。しかし、ハルトは困ったという顔をしており、それを見たレナは困らせてしまっている事実に泣き出してしまう。
ハルトはレナを抱っこして、レナ達が傷ついて帰ってくると苛立ちを覚えてしまうこと、自身だけ安全な場所でぼーっとしているという事実に後悔を覚えていること、傷だらけのレナ達を褒めることしかできない自身の無力さを感じていることを語り、そして「レナが謝ったり泣く必要はない」と慰めた。レナは「マスターであるハルトのためならなんでもする、させてもらえない方が辛いのだ」という。レナは「ハルトがどこへ行こうとついていく、たとえそれが、地獄でも」と言った。
レナは今回頑張った自身にご褒美として「マキが欲しい」と頼んだ。しかし、「マキが簡単にマスターを変えるとは思えない」とハルトは言った。落ち込むレナにハルトは「なんとかマキを説得してみよう」と言った。

拘束帯を付けられて床に転がされるマキにハルトは色々話しかけるが、マキはなかなか口を開かなかった。ハルトがマキに「なにか質問はあるか」と問うと、マキは自身が持っていた時計はどうしたと聞いた。時計などのマキの私物は、「すべて没収して預かっている」とハルトは答えた。ハルトは「時計を返す代わりに自分と話をしよう」と言った。
ハルトはマキに今後どうしたいのか聞くと、マキは「マスターであるアレクセイのところに帰る」と答えた。しかし、アレクセイは死んで、ニコライは自身の立場が危うくなったためにロシアに帰ろうとしているとハルトは言い、ニコライに確認の電話をつなぐかマキに聞いたが、マキは断った。
マキはアレクセイの個人所有であり、「組織のことはどうでもいい、アレクセイが死んだのならば自分を殺せ」と言う。ハルトは「マキを自身のものにするという書類を通してある」と言い、マキの命をどうこうする権利は自身にあると告げた。ハルトはマキに「自分の物になるか、死ぬかを選べ」と笑顔で凄んだ。
ハルトはマキのマスターであるアレクセイが自身の死後にマキにはどうするように命令していたのか聞くと、「自身の生きざまを自身で決めて1人で生きていけるようになれと言われた」と答えた。マキはアレクセイのその言葉に応えなければならないが、生き様を決めるというのは存外難しいことだった。ハルトは「答えが出るまでS.O.R.D.で働いたらどうか」と提案する。マキはハルトの元で働くことを決めた。

マキを連れて寮に帰るとクリスが食事を作って待っていた。全員で食事をとっている中で、マキは「自身の生き方、生き様を考えなければならない」と言うと、レナは「よく考えて自身で決めないと」と言った。マキはレナの言葉に「これからも頑張ろう、まだ自身は生きていける」と思った。レナ達と他愛のない話をするマキは心につっかえていた澱みが解けていくのを感じた。

グリザイア:ファントムトリガー vol.3

ある日、A組の生徒と有坂は学園長室に呼び出され、夏休み中の合宿のオリエンテーションについて聞かされる。今回行く場所は比島というフィリピン諸島の島であった。マキが「海外で夏合宿とは金があるところは違うな」と嫌味を言うと、一縷は合宿といえば聞こえはいいが内容は教員監視の元でテーマに沿ったサバイバル実戦訓練をして、それをレポートにまとめて提出するものであると説明した。そしてさらに、宿泊する場所は森林地域の電気ガス水道もなければ、管理者がいないために毎年行くたびにボロボロになっていて壁もないニッパ小屋であり、この小屋を拠点に100キロの山岳行軍訓練をおこなってほしいと言った。また、今回の合宿に仮想敵として、長野の美浜学園の姉妹校である聖エール外国人学校の生徒が用意されたという。聖エール外国人学校とは美浜の姉妹校であり山岳猟兵を育成する学校である。
話を聞いていた有坂が実弾を使う合宿と聞いて青ざめた顔をしていた。それに対して、「大将首である担任教師は戦闘に参加せず、また直衛にハルトがつくこととA組の生徒は優秀だから心配するな」と一縷が言った。それに続いてレナが「私もいるから大丈夫」と言うと、一縷がレナはマキと共に学園待機と命じた。待機の理由はマキとの戦闘で傷ついたことによる傷病療養期間のためで、マキも同様だった。合宿にはついて行けないが代わりに野上による特別補修授業がつくことになった。
レナがハルトの側にいられないことに落ち込んでいると、トーカがレナに「ハルトは必ず守るから気にするな」と言った。

合宿日になり、参加面子は合宿地までブラックホークというヘリに乗って向かうことになる。ヘリの中では初参加の有坂のために様々なアドバイスをしながら、降下目標地点を待つ。降下目標地点に着くと、次々と懸垂降下していく。全員降下し終わると目的地である小屋を目指してヒバリ行軍(ヘリから降りた地点から目標地点まで歩いて移動すること)で5キロの道のりを行くことになった。
ヒバリ行軍を終えて小屋に着いたトーカとムラサキは小屋の整備と以前に設営した「タナトスシステム」用の野戦アンテナの点検に入り、クリスは野戦料理の研究として昼食を作ることになった。有坂がクリスに何か手伝えることはないかと聞くと、クリスが連れてきた鶏の世話を頼まれた。有坂がなぜ鶏なのか疑問に思っているとトーカがやってきて、「鶏係の卵回収は新兵の重要な仕事である」と言うと、クリスは言いづらそうに「鶏を見てるだけでいいのだけど」と言った。しかし、有坂は戦闘やサバイバル知識のない自身がただのお荷物になってしまうからと鶏係を快く引けることにした。するとトーカに「鶏には名前を付けないように」と忠告された。

トーカとムラサキが山中で使用するためにライフルなどに迷彩を施していると、鶏を追いかけていた有坂が戻ってきて「シスター服を着た人間が近づいてきている」と伝えた。それを聞いたトーカとムラサキはハルトに報告へ向かった。報告を聞いたハルトが来るのと同時にシスター服を着た聖エール外国人学校のシルヴィアとベルベットが到着した。軽い挨拶を済ませると、シルヴィアが「少々問題が発生した」と告げた。問題とは聖エール外国人学校から脱柵者が出たというものであった。詳しくはシルヴィアたちのハンドラーであるアヤメに聞くことになった。アヤメは現場に出てこない引きこもりである。そのため現場には来ておらず「代わりに衛星電話が繋がっている」とシルヴィアはハルトに電話を渡す。
アヤメは今回の脱柵者について説明を始めた。脱柵者は九真城恵(くましろめぐみ)という実戦経験があり1年生ながらに山岳猟兵としてベテランの少女であった。アヤメは恵は正確には脱柵者ではなく、フィリピンの武器密造組織の壊滅を目的とした薔薇嵐作戦(通称バ号作戦)の際にペアだった観測手有泉志保(ありいずみシホ)と共に捨て兵(作戦進行中に様々な理由から本部回収不可になったため自力で撤退しろというものだが、実際はただの見殺しに近いもの)を食らった上に、観測手が死んだことにより仇討ちのために自らの意思で帰らないと言っているのだ。そして、合宿として比島までやってきたハルトたちに恵の連れ戻しに協力を仰ぎたいとのことであった。協力することになったハルトは詳しい話をシルヴィアたちに聞くことにする。

恵はシホの遺体を山中に埋めており、その遺体はシルヴィアたちが回収した。シホの遺体が回収されたのは恵も分かっているため、シルヴィアたちが入山しているのを知っているが、合流をすることなく山中に籠っているという。「恵が合流を嫌うのは裁判にかけられてしまうからではないか」とシルヴィアは言う。というのも、シホの遺体を回収したのち聖エール外国人学校は作戦指揮をしていたCIRF基地司令であるウィリアム・バークストンに正式に抗議を申し立てたのだが、捨て兵のことを罪に問われるどころか逆切れをして「捨て兵せざるを得ない状況を作った恵が悪い」と言い出したのだ。そしてさらに、「恵が命令無視をしたとして略式裁判にかける」と言い出したのだ。
ベルベットから言わせれば、「恵たちが無理をしなければならない状況になってしまうようなガバガバの作戦を立てた基地司令の責任逃れだ」という。こうなってしまってはシルヴィアたちは恵に帰ってきてもらい法廷にて真実を話せとしか言いようがない状況であると恵に無線で伝えたが、それ以降恵から返事が返ってこなくなってしまったのだ。シルヴィアは「恵はやり残した仕事である武器密輸組織の壊滅を1人でしてから出頭しようとしているのではないか」と言う。話を聞いていたトーカは恵はやり残した仕事だけではなく「それが終わったらウィリアムを殺すだろう」と予測を立てた。それは、トーカの両親がスナイパーで同じく捨て兵を食らい、母が死亡したことで、指揮していた司令官を父が殺したという経験から来るものであった。

ハルトが観測手の名前を聞くとシルヴィアは「死んだ観測手はシホ」と答えた。それを聞いたトーカは美浜学園に来る前に狙撃手の資格を取るために聖エール外国人学校に所属していた時代にペアを組んでいたシホが死んでしまったという事実に驚いていた。
ハルトは現状を整理しつつ、「タナトスシステム」の回線がつながったことを確認した。ハルトは「タナトスシステム」に恵たちが関わったフィリピンの武器密造組織の詳細をきくことにした。武器密造組織はラムダインダストリーといい、正式名称ではないが製造された銃に「Λ(ラムダ)」が刻印されていることからそう呼ばれている。現在はゲランという男が工場を取り仕切っている。CIRFに目をつけられた理由はゲランが雇った傭兵が3か月前にロシアの生化学研究所からフィロウイルス科の変種病原体を強奪したことと、その病原体を利用して工場で生化学兵器の製造に手を出したためであると「タナトスシステム」は語った。
その情報が確実な物なのかハルトが聞くと、「不確かな情報だからこそ、C.I.R.S.ではなくCIRFが動いているのだ」と「タナトスシステム」が言う。「タナトスシステム」的にはどう見るのかハルトが聞くと、「ゲランが裏で動いているのは不自然な金の動きから見ると確かなこと」だとは言うが、生化学兵器に手を出した割には金の動きが少ないと指摘する。しかし限りなく黒に近く、CIRFに目を付けられている上に恵もまたゲランを狙っていることは確かであった。

恵が現在のゲランの詳細な情報を仕入れるのは難しいことから、工場付近をゲランが現れるまで待っているだろうと予測を付けた。しかし、その予測をもとにシルヴィアたちが恵の回収をしようとしていたが、よく訓練された山岳猟兵を捕まえるのは至難の業であり、捕まえることが出来なかった。そこでハルトは、恵に目的であるゲランの居場所を教えることで、現地に現れるのを待つしかないという考えに至り、ムラサキとトーカにゲランの別荘へ行き恵が何処から狙う確率が高いか調査するよう頼んだ。そして、シルヴィアたちには恵へゲランの居場所を知らせる無線を入れて、それから動いた恵の痕跡を追いかけてほしいと頼んだ。そして、恵の行動が把握出来たら、ゲランに監視を移して場合によっては突入・制圧を行うので、ほかの聖エール外国人学校の生徒も一緒に構えていて欲しいと言った。

ベルベットが恵に無線を入れる。ベルベットは恵に日本へ帰ろうと促すが、恵は返答の無線を入れずに独り言として「シホの仇討ちを遂げずに帰ることはできない」とこぼす。そして、ベルベットからゲランの居場所を聞いた恵はシホのために動いた。トーカとムラサキは恵の痕跡を見つけて、あとはゲランの別荘周辺で恵が来るのを待つだけであった。ムラサキはゲームで遊び、トーカは本を読んでいると「タナトスシステム」により恵が「タナトスシステム」のセンサーに引っかかったという通信がきた。恵の座標を持っている端末に送ってもらい、地図と照合すると恵は山側から侵入してきていた。
それに合わせてトーカたちも移動を開始した。そして、ハルトたちも行動を開始した。強襲A班のベルベットは聖エール外国人学校の生徒を連れてゲランの別荘の駐車場まで来ていた。狙撃ポイントに着いたトーカがベルベットの位置を確認する。見張りの人間の狙撃指示がきたため、ムラサキが観測手を務めてトーカが見張りを狙撃した。死体はベルベットたちが回収する。侵入経路を確保したことで、ベルベットたちは別荘下までつくことに成功した。ハルトの指示により狙撃班、強襲班共に待機する。
ムラサキがトーカに「トーカの予測通りゲランを殺しても恵が大人しく出頭せず、ウィリアムを殺しに行く場合はどうするのか」と聞くと、トーカは「恵を殺してでも止めろ」という指示が出ていると答えた。そうこうしているとゲランの寝室が、恵がいるであろう山側からは狙えないということに気づき、狙うなら寝室へつながる通路の移動中だろうとムラサキが言う。しかし、ゲランは狙撃されそうなポイントに見張りを置いており、さらにその見張りには定期的にスポットライトが当たるようになっていて狙撃されればすぐに気づくようになっていた。
現状を見てトーカは「狙うならまずはスポットライトを動かしている人間だろう」と話していると、見張りの人間が狙撃された。恵が撃ったことを察したが暗闇な上に、音も光も消している恵の場所を確定させることは難しかった。
トーカは死体が発見される前にとスポットライトを動かしていた人間を狙撃した。しかし、スポットライトが止まってしまったことでバレるのも時間の問題となってしまった。

ベルベットとは反対の方から回ってきている強襲B班のシルヴィアに連絡を入れると、もう建物が見えているから突入はいつでも可能であると返事が来た。ハルトはトーカに正面突入するB班のために見張りを間引けと指示される。しかし、トーカが狙いをつけている隙に恵が先に撃ってしまう。
見張りを間引いている最中に建物から出てきた2人に死体が見つかってしまう。ベルベットたちでは止めるのが間に合わないため、トーカに狙撃指示が出る。警報機に近い方を狙おうとするが、恵も存在に気付いているだろうからと警報機から遠い方を狙った。しかし、恵も同じ考えに至っていたために同じ敵を狙ってしまった。トーカが1人逃してしまったと言うと、シルヴィアの班の生徒が逃した1人を殺すことに成功。そのまま死体を回収した。
そうこしていると、1機のヘリがゲランの別荘屋上に着陸した。「タナトスシステム」に別荘のカメラに侵入してもらいヘリを確認すると、そこから降りてきたのはウィリアムであった。その姿を確認したハルトはウィリアムとゲランは裏で繋がっており、バ号作戦は元々失敗する予定の物であったことを察した。そのことをアヤメに「最初から知っていたのだろう」と問うと、アヤメは「知っていたが確証がなかった」と答えた。アヤメは恵を利用する形で確証を得るために動いており、恵を助けるためにハルトに現場をまかせていたのだ。そして、アヤメはウィリアムを泳がせたことにより、恵を危険な目に合わせ、シホを死なせてしまった責任取るためにゲランの別荘に突入する許可を取ると言った。ハルトが「これから突入するのに待てない」と言うが、アヤメは「すぐに終わる」と言って動いた。

アヤメはウィリアムの処遇を決める会議をしている赤坂のCIRF本社ビルへ入った。そして、会議をしている面々に「ウィリアムのゲランとの繋がりは確かなものである」と告げた。そして、これにより処遇も決まるだろうと続けたが、現職のウィリアムを簡単に処罰を下すことができないとCIRFの面々は渋った。その反応にアヤメは言葉を濁さずに、相手の顔色を窺い責任を取りたくないCIRFの面々のために自身が嫌われ役を買って出ているのに煮え切らない態度を取り続けるCIRFの面々を罵倒した。そして、恵を無駄死にさせないためにウィリアムの処分の権限は自身が持つと宣言した。
こうして、ウィリアムの処分の権限を持ったアヤメはウィリアムをテロリストであると断言して、「突入して殺せ」とハルトに告げた。アヤメの言葉にハルトは突入開始をシルヴィアに命じた。襲撃のために「タナトスシステム」に別荘内の電気を落としてもらい、敵の注意を引くために同時に花火を上げることにした。ハルトはトーカに「花火代わりに別荘屋上の燃料タンクを弾着確認用のエクスブローダーで狙撃して発火させる」ように指示した。また、建物から出てきた人間はすべて殺すようにとも指示した。そして作戦は決行された。
A班のベルベットが突入すると、ゲランとウィリアムが異常事態を察し、ウィリアムはゲランに横流ししていた武器リストを持って屋上へと逃げた。屋上ではベルベットたちとトーカがヘリで脱出しようとしているウィリアムを足止めしようと交戦していた。トーカに狙撃の指示が入るが、トーカは他の敵を排除するのに忙しく手が離せない状態であり、状況を見ている恵が察して撃つのを待っていた。そして、状況を見ていた恵はシホのことを想いながら標的ウィリアムを撃ち抜いた。そして、ハルトはベルベットに繋がりの証拠がないか確認するよう指示した。

ハルトはゲランの姿が見当たらないことから、逃げたか隠れているかの可能性を考えA班に捜索を頼む。そこへ有坂が自身が担当していた鶏2羽の姿が見えないとハルトへ報告してきた。「花火の爆発音に驚いて逃げたのだろう」とハルトが言うと、有坂は鶏を探しに行くと言い行ってしまった。「放っておいてもいいのに」とハルトが言っているとシルヴィアから「ゲランが逃げたであろう地下の隠し通路が見つかった」と連絡が入った。ハルトはシルヴィアにゲランの追跡を頼むことにした。
聖エール外国人学校でもトップの野戦猟兵のシルヴィアから逃げることなどできるはずもなく、ゲランは見つかりシルヴィアによって殺された。シルヴィアの報告を聞いたハルトは、ベルベットに「すべてが終わったと恵に伝えてほしい」と頼んだ。しかし、ベルベットが何度伝えても恵から反応が返ってくることはなかった。このまま本当に脱柵する気なのかとハルトが言うと、クリスは「CIRFの作戦参謀を射殺してしまったことで帰れないと思っているのではないか」と予測を立てる。その予測を聞いたハルトは脱柵して組織を離れてしまえばアヤメでも庇いきれなくなってしまうと危惧して、トーカに恵の狙撃ポイントを予測して追えないかと聞く。

トーカは「位置は予測できているが、移動されていたらわからない」と答える。ハルトはトーカならどう逃げるかを聞くと「普通の思考ならば町へ降りるが、トーカならば逃げていた2週間の間にベースキャンプを作り、ほとぼりが冷めるまで身を隠す」と言った。ハルトは町へ降りさせないために殺す気で追い詰めるから、トーカにはベースキャンプを探すように指示した。そして、恵をどちらが先に見つけるか勝負だとハルトが言い、トーカは渋々受けた。
一方、恵はシホの仇を撃ったことに嬉しさと、撃ってしまったことで反逆者になってしまった自身に戸惑っていた。そして、もうすでにいないシホに自身のこの先を問う。潔く自決すべきかと考えているとハルトの殺気を感じて、恐ろしさから逃げることになる。トーカたちは恵が逃げ込むであろう場所を予測しており、狙撃の体制に入る。ハルトに追い込まれた恵の姿を確認したトーカは無線を使い恵に話しかける。トーカの声を聞いた恵がトーカの姿を探すと、トーカは恵の経験不足を指摘する。恵は慌てて地面に伏せて撃たれないように警戒すると、トーカがその行動に判断の遅さを指摘して、「シホから何を教わったのか」と零す。そうするとシホの名前に恵が反応する。トーカが恵の前にシホとペアを組んでいた話をすると、恵は「シホからトーカの話を聞いていた」と言う。トーカが大人しく投降するよう恵に指示をするが、恵はそれを無視して発砲した。

トーカの位置が恵にバレている訳ではないので、恵がトーカに臆したために発砲したのだとトーカは見抜き、さらに「時間をかけるほど暇ではない」と言ってトーカも射撃の準備に入った。トーカは仰角が悪く照準が安定しないため、ムラサキにバイポッド(銃を安定させるパーツ)代わりになってもらうように頼む。

ツープラトン式・変則クリードマンスタイルをするトーカとムラサキ

トーカの正面からムラサキが覆いかぶさるように抱き着き、ムラサキの尻の上にトーカはライフルの銃身を置き構える。この体制はトーカの両親がやっていたものでツープラトン式・変則クリードマンスタイルというものであった。そして、恵を捉えたトーカが発砲。恵の銃のスコープにヒットした。
衝撃で気絶していた恵の元へトーカたちが着くと、トーカが恵をたたき起こした。トーカを目の前にした恵は以前にシホの「もしトーカに会うことがあったなら色々教えてもらうと良い」という言葉を思い出し、トーカに強くなりたいと泣きついた。その言葉を聞いたトーカは「強くなりたいなら座っている暇はない」と言い、恵に共に帰るように促した。

合宿を終えて、ハルトは現場指揮として、トーカは美浜学園代表として事情聴取のために赤坂のCIRF本社ビルに来ていた。恵も事情聴取を受けていた。ウィリアムとゲランを殺したことついては「元々そういう作戦であった」という体を通したことで大事にはならなかったが、恵が裁判出廷を拒否したことは組織に従属する人間として大事であった。それは出廷を命令したウィリアムが死のうと変わらない事実だった。アヤメは恵の処分は良くて無期限拘置、悪くて殺処分であろうと予測した。そして、自身が赤坂のC.I.R.F.本社で怒声を上げ、無理やりウィリアムの処罰の決定権を奪ったことをC.I.R.F.本社の幹部が恨み、私的な感情で恵の処分を決めることを危惧して、「自身の手元から恵を手放し、美浜学園に送ることで恵の処分を軽くしよう」と考えて姉の一縷に話を通した。

恵を美浜学園で引き取るという話を聞いたハルトは恵を連れ帰るために審問が終わるまで待った。6時間の審問を終えた恵は聖エール外国人学校を除籍され、信頼していた先輩を亡くし、なんの説明もなくハンドラーであったアヤメに捨てられる形となり、心身共に疲弊していた。ハルトが食事に誘うも、食欲がないと断られてしまった。
恵を持て余してしまったハルトは恵をトーカの観測手にすることで、トーカに恵を任せることにした。トーカは戸惑いながらもハルトに「好きにしていいよ」と言われ、渋々恵を引き取った。トーカがハルトに「恵にどう接すればいいのか」と聞くと、ハルトは「トーカが俺に初めて会った時に俺がしたことを思い出すと良い」と言うとその場から立ち去った。トーカは恵を部屋へ案内して、ハルトに言われた通りに思い出してみると、トーカが来た当初にハルトが作ってくれたまずいチャーハンに思い当たった。ろくな思い出じゃないと1人ごちたあと、トーカは恵に座るよう促す。座る恵のお腹が空腹のために音を立てた。トーカが「お腹がすいているの」と聞くが、恵は「空いていない」と言う。状況が状況なだけに空腹でも素直に言えないのだろうと察したトーカは、ハルトがそうしてくれたようにチャーハンを作ってあげることにした。

チャーハンを食べながら涙を流す恵

出されたからには食べない訳にはいかないと、恵はトーカの作ったチャーハンを口にする。口にした途端に空腹を思い出したようにガツガツと食べ始め、やがて食べながら色々なことを思い出したであろう恵はボロボロと涙をこぼし始めた。トーカが美味しいかと聞くと恵は泣きながら「美味しい」と答えた。返事を聞いたトーカは食事が美味しいと感じるうちはまだ大丈夫だと思った。
「この世は嘘ばかりで、誰も信用できないと気付いた時にはそれとどう向き合い、許していくかを考えなければならないということは、これから恵が学んでいくことだ」とトーカは思った。また、シホを失くして心に傷を負いつつも強く生きようとする恵の姿に、トーカは「誰かの背中を追いかける立場から、誰かに背中を見せて引っ張て行く立場になるのが成長というもので、大人になるということなのだ」と察した。そう考えるとハルトはトーカよりもはるかに大人ということに気づいてイラつきを感じながらも、それを許すのが大人なのだった。

トーカはハルトの背中を追いかける立場ではなく、恵に背中を見せる立場になった。

グリザイア:ファントムトリガー vol.4

ある日、有坂が授業のために教室に入るとそこにはムラサキしかおらず、他の生徒は初等部の生徒に専門分野の講義に行っていた。「ムラサキ1人に授業をしても、他の生徒が再授業になってしまう」と有坂が言うと、ムラサキは今回の授業は休講にして他の生徒の講義を見に行こうと提案した。ハルトの竹槍授業を見て、それからクリスの講義を見に向かった。
クリスは爆発物を専門としているため、初等部の工兵科生徒にギフトボムについて教えていた。ギフトボムとは言葉の通りプレゼントに偽装した爆弾である。世の中の爆弾とは解除不可能なものが7割、愉快犯による解除できるように作られているものが2割、素人が作ったおもちゃが1割となっている。解除不可能な爆弾は爆破処理をするようになっていると説明を受けた有坂は「危険な仕事だ」と評した。しかし、クリスの実際の仕事は爆弾の仕掛けられている位置の予測、爆発規模、解除可能か否かを短時間で見極めるものであり、処理に立ち会うことは少ない。

クリスは初等部の生徒たちに数あるプレゼントボックスのなから爆弾が仕掛けられているものを3分で探し当てるように指示する。爆弾は本物ではなく、爆発のかわりに電子音の鳴るものであるという。クリスに促され、有坂も参加してみることにした。有坂が吟味していると、そばで見ているだけの初等部の生徒がいることに気づいて声をかけるが、その生徒は「放っておいてくれ」と言った。ムラサキに「その子は特殊であるから、言われたとおりにして構わない」と有坂は言われた。
制限時間になり、各自箱の中身をあけると、おもちゃのネックレスや、クマのぬいぐるみなどが入っていた。クリスは起爆をすると伝えて起爆スイッチを押すとプレゼントの中身ではなく、箱の方が爆発した。有坂が爆発に驚いて、電子音ではなかったのかと泣く。しかし、クリスは「意図しない場所で爆発するという爆弾の怖さを理解してもらおうとしたこと」と言った。また、「本当に爆破させたいのなら爆弾と悟らせてはいけない」と言い、今回はプレゼント本体ではなく、箱に爆弾を仕掛けたという。そこへ、竹槍の講義を終えたハルトがやってきた。昼が近いということで野外昼食にすることになり、クリスが作ってきた弁当を食べることになった。

弁当を食べていると、先ほど側で見ているだけであった初等部の生徒である仙石大雅(せんごくタイガ)がクリスに声をかけた。タイガはクリスに「いつになったら実戦に参加させてもらえるのだ」と聞いた。クリスは「自身に勝てるようになったら」と言うが、納得せず「射撃の腕はクリスより上である」と言いタイガは食い下がる。しかし、クリスは「タイガはまだ幼いため年齢にふさわしい生き方をしてほしい」と言い、焦って大人になる必要はないと返す。
タイガは大学進学適正試験に合格判定を貰うほどに成績優秀であるが故に、初等部の授業に飽きてしまい「A組で実戦経験を積みたい」と以前から強く希望を出していた。クリスはハルトに相談したりしているが、簡単にA組に受け入れる訳にもいかず、曖昧な返答を返していた。タイガは自身の従姉にあたる一縷にも直訴していたが、こちらも曖昧な返答をしていたため、クリスに「実戦経験を積みたい」と言い続けていた。
話を聞いていた有坂に意見を求めると、有坂はもう1度よく話し合ってみることをすすめた。タイガは一縷との話し合いに中立な意見を話せる有坂に立ち合いを希望して、クリスも有坂に頼んだことで、有坂は立ち合いを引き受けた。

一行が一縷の元へ行き、タイガの実戦投入について話すと、実は一縷もタイガの実戦投入をC.I.R.S.の方に提案してみたが、「低年齢すぎるため前例がない」という理由で却下されていた。一縷としては「問題が起きたら自身が責任を取るから」と言い、そこまでタイガの実戦投入を否定しているわけではないのだが、タイガの立場を考えると躊躇われるということであった。タイガは仙石家の本家筋の血を引いている大事な存在であり、一縷に子がいないため将来はタイガが仙石家を仕切ることになっている。そのため、タイガが大人の都合で利用されるのが少々面倒だということであった。しかし、仙石家の女性は皆早熟であり、タイガも例にもれず同じ初等部の生徒たちと合わず、どうしてもA組に移動したいという。
一縷はタイガが初等部では生きにくいというならば、自身にタイガを止める権利はないとして、A組の預かりとして3か月現場を見せることを決めた。その決定にクリスはタイガを現場に出すことに不安を見せた。クリスの様子を見た一縷は「タイガの面倒はクリスが見ればいい」と言う。元々この話を一縷の元へ持ってきたのはクリスなのだから、というのが一縷の言い分だった。クリスは「タイガに何かあったらどうするつもりなのか」と一縷に聞くと、一縷は「分家の人間が喜ぶだろうな」と返した。クリスは一縷の言葉に「そうはさせない」と言い、学園長室を後にした。

有坂によりA組生徒への自己紹介を済ませ、ハルトは組織として動くためにタイガの上官にクリスを任命した。クリスが上官になったからには命令は絶対であるとタイガにいい、過程次第では正式なA組への編入をハルトから上へ具申するとした。ハルトは有坂に授業を頼み、教室を後にした。
クリスはハルトを追いかけ、ハルトに「自身がタイガの上官でもいいのか」と聞いた。クリスはA組のなかでも戦闘能力が低く、射撃の腕もタイガに劣る。クリスは工兵として有能であるが、銃で人を殺したことはなく、爆弾でしか殺しをしたことがない。銃で人を殺せない自分にタイガを守り切るのは無理だと考えたのだ。どうしてクリスを指名したのかハルトに聞くと、ハルトは「勘で決めた」と言う。
「タイガに足りないものをクリスが持っていて、クリスに足りないものをタイガが持っている気がした」とハルトは語った。ハルトはこれまで様々なペアを見て、自身も様々な人間とペアを組んできた経験から、クリスとタイガは相性がいいだろうと感じたのだ。そして子供は大人の行動を見て成長することから、マキに手本を見せるレナや、恵に自身の背中を見せるトーカの様に、クリスにはタイガに手本を見せてほしいと言う。ハルトの話を聞いたクリスは、タイガの上官役を受け入れた。教室にいるタイガの元へ戻ろうとするクリスに、ハルトは「タイガのためならば銃で人を殺せるか」と聞いた。クリスは「タイガを守るためならば撃てる」と答えた。

A組の仮所属が決まったタイガを連れ、クリスはトーカと恵の狙撃練習を見学したり、ムラサキのニンジャ講習を見学したあと、タイガはクリスと別れてレナの射撃の見学と実銃の訓練を受けた。その後、レナに基礎体力の無さを指摘されたタイガは美浜学園の外周走を走る訓練を続けていた。クリスが「他のA組生徒と同じメニューをこなす必要はない」と言っても、タイガは聞かずに走り続けた。
その様子を見ていたハルトとタイガへのしかり方・褒め方を話しているうちに、クリスは自身に求められているのはタイガの母親の役割であることを理解した。クリスは走るタイガを応援しようと決めて、声掛けをしていたが、タイガが転び膝を負傷したことでおんぶして保健室へ向かった。

タイガをおんぶするクリス

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